平成18年第1回江別市議会会議録(第5号)平成18年3月28日 6ページ
6 議事次第の続き
議案第6号ないし議案第11号及び議案第20号ないし議案第27号の続き
坂下 博幸 君
議案第27号 平成18年度江別市病院事業会計予算に賛成の立場で討論に参加いたします。
このたびの平成18年度江別市病院事業会計予算の編成は、平成21年度の黒字化を目指した重要な予算編成であり、今後医療費の見直しなど様々なハードルが想定されますが、経営健全化計画行動プランを年次ごとに的確に達成することを切に願うものであります。
委員会質疑でお話しいたしましたが、経営健全化計画行動プランのチェックを、院内の構成だけでなく外部の専門家にも参加していただくなどの工夫をとの質疑で、間接的な外部診断をお考えであるようでありますので、今後に期待したいと考えます。
また、経営健全化計画行動プランを達成する最重要課題は、質疑にもございますが、医師の確保であることが再度明らかになりました。医師の確保について病院長は、医師が病院を決定するに当たって四点のことをお話しになっており、特に感想として、仕事の環境が劣悪になっているとお話しになり、この環境の改善には病院長の努力では解決できないとお話をされております。病院の経営健全化は、後にも先にも医師の確保であります。この件について、市長は責任者として、病院長よりお聞きしているものと考えますので、医師確保に向けて、課題解決とともに経営健全化計画の達成に向け最大のご対応を願うものであります。
病院の事務長はじめ事務担当職員の皆様が、黒字経営に向けての病病・病診連携の推進、亜急性期病床の増床計画、特別室の重症室への転用、病床の横断利用、急性期終了後患者の弾力的運用、精神科病棟の再編等を評価するものであり、最大のご期待を申し上げます。
最後に、宮本病院長が退任とお伺いをいたし、この間、大変お世話になりましたことをお礼申し上げ、議案第27号 平成18年度江別市病院事業会計予算について、賛成討論といたします。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
五十嵐 忠男 君
私は、議案第27号 平成18年度江別市病院事業会計予算につきまして、委員長の審査結果報告のとおり、可決すべきであるという立場で討論をいたします。
平成18年度の病院事業は、平成17年度最終予定額と比較いたしますと、収益で5,000万円余の減額を見込み、総額69億3,000万円余の予算が措置されております。減額の背景としては、高齢化による社会保障費抑制のために、高齢者などの自己負担を引き上げ、診療報酬では医師技術料、薬価など、医薬材料等で引下げの一方、一部診療科目では診療報酬の改善が図られ、総体で3.16%のマイナスとなったことによるものと、精神科病棟の1病棟化に伴う減であります。
市立病院は、市民の健康を守ることの公的病院の使命の中で、不採算部門を抱えざるを得ない制度的宿命から、一般会計からの繰入れがなされてまいりましたが、精神科病棟の公債費償還を含め、見直しが行われることは評価するものであります。
一方、平成17年度の収支では3億2,000万円の損失を計上し、37億3,000万円の累積赤字が見込まれております。もとより、約10億円は旧病棟の減価償却未償却残であります。
このような状況の中での平成18年度から平成22年度までの5か年の行動プランと財政計画を背景とした初年度の今次予算でありますが、内容としては、重点目標として収支の均衡を図り、平成21年度で黒字へ転換するために、平成18年度は病床利用率を一般で90%、紹介率を20%へ引上げを見込んでおりますが、特に医師の確保、夜間診療の見直し、紹介率の向上、人工透析患者の受入れ拡大、オーダリングシステムの更新など、13項目の主要取り組み項目が示されておりますが、これらの推進に向けては医師の確保が最重点課題となっております。
委員会審査の中で病院長からは、ここ三、四年間の市立病院は、医師にとって働きやすい諸条件が整っているとは必ずしも言えない環境になっていること、また、夜間急病診療所運営委員会の中で、夜間診療を市立病院から切り離すべきであるとの意見がある旨の答弁がございましたし、市長からは、全道的な医師不足と札幌圏での過剰なベット数があることなどから、医師確保は難しい状況にあるとの見解が示されました。
以上のことから、私は特に次の三点について、十分意を用いて対応する必要があろうかと考えます。
1点目は、医師の確保に向けては、医師の待遇の改善、募集、さらには要請と接触など、あらゆる手立てを講ずること。
2点目には、夜間診療については医師会との協議を十分行うとともに、市民に対しては適切な受診を求めることなど、啓もうを深める必要があること。
3点目として、5か年の行動プランと財政計画が、病院で働くすべての職員のコンセンサスを得られるよう努力することであります。
いずれにいたしましても、今後とも理事者並びに職員が一丸となりまして、市民の健康増進と福祉の向上のため、いたわりの心を持って患者本位の医療を提供し、地域の中核病院としての機能を果たし、市民が互いに温かく支え合うまちづくりに貢献するという病院の理念遂行のために、一層努力されることを強く念願し、討論といたします。
以上です。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
立石 静夫 君
議案第27号 平成18年度江別市病院事業会計予算について、賛成の立場で討論に参加いたします。
平成18年度の予算を審議する中で、市立病院の赤字経営問題の現状について明らかになった点があるわけですが、働く環境が劣悪で退任する医師が跡を絶たず、長期間慢性的な医師不足状態であって、安定した経営状況にはなっていない。結果的に、平成17年度末の累積赤字は増えに増えて37億円以上にもなり、経営健全化は一向に進展していないといったものであります。この劣悪な環境は人為的なものであることは間違いないわけでありますから、改善のための具体的な形を示す計画上の数値に対して努力するといったことだけでは問題を解消することには近づいていないような気がします。
また、病院に対する一般会計からの繰出金等については、年に10億円ほどにもなって、全体的なまちづくり推進の大きな足かせにもなりつつ、財政難に対して追い打ちをかけている状況とも思えるわけです。
こういったことから、病院自体での自助努力に期待しているわけではなく、設置者としても、議会としても、形として見える一定の方向付けを責任を持って検討しなければならないところに来ているのではないかと思います。
公立の赤字病院を黒字に転換させた他市の事例を複数調査させていただきましたが、3年から5年で黒字化にしてしまう改革の内容については民間的な発想であって、常識的です。その具体的な改革案を実際に実行するか、無理であれば、経営能力がないわけですから経営をやめてしまうか移譲するかまでの論議が必要で、進まなければ市民に迷惑を掛けているだけであって、いつまでも改善されないことが先進都市調査で分かったところであります。
もう一点、勉強させていただいたことは、経営能力と実行力のある病院経営者の存在と優秀な医師の確保、そして紹介率の向上等が決め手となっているわけですが、特に気になる点は紹介率の向上であります。当市の病院の説明では、市内の開業医の皆さんに対して強く要請し、紹介率を向上させたいとしているわけです。市立病院のお客様は、一般的に言って市民、住民でありますが、加えて市内の開業医の皆さんも市立病院の大事なお客様として、また健全化に向けての大きな協力をいただく企業としていく考えのようであります。いわゆる民間企業対公的企業の話になるわけでありますが、民間企業としては、公的企業から一方的に強く要請される道理はなく、役所全体にも言えることかもしれませんが、こういった民間に対して強く要請するといった考え方が計画上活字になっているようでは、紹介率の向上は難しいものではないかと思います。企業対企業の経営戦略として利害の一致を見れば、要請しなくても紹介は増えるものと思えるものです。
先進都市病院の一例では、設置者である市長、そして病院長は、市内の全開業医の皆さんに対して、最低年に1回は直接営業の案内をし、紹介率を50%近くまでも向上させたとのことです。ただ問題は、顔を出して歩くだけでは、そこまでの向上率は期待できないものであって、何を持って歩くかが大事なことであります。開業医の皆さんに対する市立病院の売りとは何か。いわゆる紹介をしていただく、それに対して、開業医の皆さんに市立病院として提供できる大きなメリットは何か、それらの具体的な形のあるものを持って歩かなければ、紹介率の大きな向上は望めないものと思います。
時代は大きく様変わりし、民間主導のまちづくりが進められてきているわけでありますから、大上段から物を言っているような古い役所体質を改善し、これからの1年間に、民間感覚での形ある企業戦略を具体的に示されるようお願いして、討論といたします。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
森好 勇 君
議案第27号 平成18年度江別市病院事業会計予算について、賛成の立場で討論をします。
2006年度国家予算は、高齢者の自己負担の引上げや診療報酬の過去最大の引下げで、医療費抑制をねらい、国の責任を後退させるとともに、病院経営にとっても相当の影響が懸念されます。そのような厳しい医療環境の下で、地域の中核病院としての市立病院の役割は重要になっています。この間、繰り返される診療報酬の改定や医師確保の困難を乗り切りつつ、医療職員が頑張って、市民の健康、命を守ってきています。地域医療機関との病診連携、保健・福祉分野との連携など、自治体病院でなければできぬことに取り組んでいます。
民間コンサルによる経営診断を下地にした経営健全化計画行動プラン及び財政計画は収支のことが中心で、医療の中身と相乗効果を上げる経営視点に欠ける弱点があると思います。平成21年度に黒字にするとして、行動プラン基本項目で22項目を示しています。医療安全対策、市民への情報提供、各種の検診の推進、人工透析体制の充実、注射薬後発品の拡大などの計画は評価するものですが、職員体制の見直しで、非常勤化、外部委託などにより職員の削減が大きな目標とされています。正職員318人を284人と34人減、非常勤職員172人を144人と28人減と、大幅な削減という内容になっています。医療関係職員の労働条件は、安心して働ける職場環境が必要であり、そのことがサービス向上にもつながります。収益優先の職場では、医療従事者にとって明るく患者に接し、気概を持って医療の仕事を誇りに感ずる職場ではなくなることをきぐするものです。今後の職員削減は、慎重の上にも慎重に対応し、職員の気概を損なうことのないよう希望するものです。
夜間急病診療所は、住民の声を政策的に行った経緯があり、市立病院の医師に過重負担させない方向で条件整備をし、夜間も診察できる医療施設として検討していただきたいと思います。
以上、要望と今後の経営健全化計画についてのきぐする点を述べ、病院事業会計予算に賛成する討論といたします。
以上です。
議長(岡村 繁美 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、議案第27号を採決いたします。
議案第27号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
議事の途中でありますが、あらかじめ時間の延長をいたします。