平成18年第1回江別市議会会議録(第3号)平成18年3月10日 10ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(小玉 豊治 君)
以上をもって、宮川議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
高橋典子議員の顔づくり事業についてほか2件についての質問を許します。通告時間20分。
高橋 典子 君
発言の許可を得ましたので、通告に従い順次質問してまいりますので、ご答弁よろしくお願いします。
まず初めに、顔づくり事業にかかわり、市民の意見を反映させることについて、市長はどのようにお考えかお伺いいたします。
これまで、何人かの議員により取り上げられてきた問題でもありますが、今後、都市計画決定に向けて重要な時期を迎えることから質問させていただきたいと思います。
この間、市民の中から、顔づくり事業に対し、反対の声や疑問の声が上がってきており、市民団体から市長に対し、公開討論会の申入れがあったり、事業の中止を求める要請書が道知事や道の都市計画審議会に提出されるなどしています。
これまで市長は、説明会や議会の場などで数多くの説明会を開催してきたこと、関係者等の意見を反映させ、見直しを行ってきたと説明されております。つまり、これまでもう十分に説明してきたし、取り入れられる意見は取り入れてきたということだと思います。しかし、それが市民の納得を得られるものとなっているかと言えば、そうではないから、市民から反対や疑問の声が上がっているのではないでしょうか。
市長が行ってきたという説明会や意見交換会について言えば、当初行われた市民説明会や意見交換会は、現在の案とは随分違う形の中で説明されており、大まかな構想という範囲のものだったと言えるのではないでしょうか。さらに、その後行われた説明会のほとんどは、権利関係者や関係住民を対象としたものであったこともあり、最近になって事業全体に対するものを含めて疑問の声が上がってきているのも当然のことと言えるのではないでしょうか。
また、顔づくり事業に一定の期待を寄せている方の中にも、この計画に対し、疑問をお持ちの方もいらっしゃいます。この間、計画を見直す中で、当初の計画とは違ったものになってきているため、見直しされた現計画案は中途半端なものになってしまっているとの印象をお持ちの方もいらっしゃいます。
市側からは、この機会を逃すといつできるか分からないと言われております。また、江別市について、単に衛星都市、ベッドタウンというだけでは将来にわたって都市として自立、存続ができない、あるいは人が住みたくなる、企業が立地してくるような活力のあるまちづくりを進めるといった説明もされております。
そうすると、なおこのままの計画でいいのか、この計画がそれだけの効果を生み出せる案になっているのかといった疑問が市民の中に出てくるのも当然ではないでしょうか。
顔づくり事業に関して、市長は、市政執行方針の中で未来への投資という言葉を使われております。投資となるか、負債、借金と受け止められるものになるかは、市民の合意を得られる計画であるのか、多くの市民が理解し、市と市民が共に力を合わせてまちづくりに参画していこうという合意形成ができるのかということにかかっているのではないでしょうか。
今後、道と市において、それぞれ計画案の縦覧が行われます。このとき、市民、関係者等は意見書を提出することができますが、その際、いろいろな意見が出てくることも考えられます。提出された意見に対し、しんしに耳を傾け検討する、適切に計画案に反映させていくという姿勢をお持ちかどうか、まずお伺いしたいと思います。
また、骨格とされる部分に関する意見が出された場合、どのような対応がなされるのかお伺いしたいと思います。
この間の説明では、骨格に触れる部分については変更し難い、是非とも理解願いたいとされています。つまりは、原案のまま通したいということをおっしゃっているのではないかと受け取れます。こうした説明では、結論さきにありきといったような印象を受けざるを得ません。
市長は、市民協働を重視され、まちづくりへの市民参画、住民自治ということについても積極的な姿勢を示されております。ましてやこのような重要な案件については、市民の合意を得られるよう事業に当たっていかれるのが市長の取るべき基本的な姿勢ではないでしょうか。
改めてお伺いいたしますが、市民からの意見の反映について、どのようなスタンスで臨まれようとしているのかお伺いいたします。
次に、教育行政にかかわり、日の丸・君が代に関する問題についてお伺いいたします。
小中学校の卒業式、入学式での日の丸・君が代の取扱い方、指導等について、これまで当市議会においていろいろな角度から何人かの方により一般質問で取り上げられているところですし、1年前の定例会では同僚の吉本議員も質問しております。しかし、この間、いわゆる憲法改正や教育基本法改正の動き、東京都教育委員会で行われている日の丸・君が代に関する事細かな指示が大きな問題となっていることなど、見過ごすことのできない問題が次々と出てきています。
さらに、昨年、市内の学校において、卒業式を中断して、君が代のカセットテープを止め、起立を強要した事例があったことを受け、教育や平和問題に関心を寄せる市民団体から、当市の教育委員会に公開質問状が提出されたり、日の丸の掲揚、君が代斉唱について強制しないよう求める要請書が提出されたりしていることは、新聞紙上でも報道されているところです。
今、中学校では卒業式がちょうど行われる時期であり、それに続いて小学校でも行われるところです。この間の事態を心配する市民からは、このたびの卒業式、4月の入学式において、これまでと違って日の丸・君が代に関する指導が更に強められるのではないかとの懸念の声が上がっています。
これらのことから、あえてまた質問したいと思います。
教育長は、以前、議会答弁で、国旗国歌法の制定以降においても、学習指導要領に基づくこれまでの指導に関する取扱いが変わるものでないことから、国旗・国歌に対する正しい理解が更に深められ、関係者において信頼関係、さらに意思の疎通が十分図られること、また学校において混乱を招くことのないよう指導に努めているとされてきました。
一方、2002年の星議員の一般質問に対し、式の中で子供たちがきちんと斉唱できること、また教員につきましては国歌斉唱時には起立することなど内容の充実を図ることが重要な課題と考えておりますと踏み込んだ答弁をされています。
今回、改めて教育長にお伺いしたいと思いますが、このたびの卒業式に際し、校長会でどのような指導をされておられるのかお聞かせいただきたいと思います。
次に、児童生徒の内心の自由について、どのように考え、対応されておられるのかお伺いしたいと思います。
国旗・国歌について、法律で定められている内容は、国が公的な場で国の象徴として用いることを意味するものであり、国民に強制するものではありません。この原則は、国会において確認されていることであり、民主主義の原則でもあります。
しかし、東京都では、生徒の歌う声の大きさまでもが指導に盛り込まれ、教職員ばかりか生徒の心まで傷つけることになりました。
江別市においては、指導の内容において、児童生徒の内心の自由を侵すようなことはされていないか、教育委員会としてどのように把握し、指導されておられるかお伺いしたいと思います。
次に、国旗・国歌の理解に関する指導についてお伺いします。
この間の学習指導要領の問題などから、入学式、卒業式で日の丸を掲揚し、君が代を斉唱することが国旗・国歌の理解につながるかのようにされており、大事な問題がすり替えられていると感じます。
国際化の進展とともに日本人が外国に行く機会は大幅に増えており、特に若い人たちの中には、国籍の違いに対する意識は大きく変化しているのではないかと感じることが多々あります。子供たちの様子を見ていると、いとも簡単に外国に出掛けて行っているように思われます。
また、仕事の都合でアメリカやヨーロッパだけではなく、アジアやアフリカ、中東の国々など、世界各地に出て行き活躍している人も大勢います。このような状況の下で、外国の人たちと友好的にお付き合いするためにも、またトラブルに巻き込まれないためにも国際感覚を身に付ける必要があります。
世界の国の中には、政治や歴史上の問題から様々な問題を抱えている国が幾つもあります。日本の国旗、日の丸を快く思わない人がいるのも現実です。また、諸外国の中には、地域や民族により、その国の国旗を必ずしも認めていない場合があるということもあります。外国に出て行ったとき、そこでどう振る舞うべきか判断できる力を持つことが必要です。
小学生の段階では難し過ぎると思いますが、中学校を卒業する、つまり義務教育を修了するまでには、そうした問題があることに気付かせ、自分が行こうとする国の情報を取り寄せ、調べることくらいはできるようになる必要があるのではないでしょうか。そうした作業を通じて、自国や他国についての理解が深まり、それぞれを尊重する態度も身に付いていくものと思いますが、いかがでしょうか。
限られた授業時間の中で限界もあると思いますが、これからの時代を生きる上で必要なことではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
次に、当市の情報図書館に関してお伺いします。
情報図書館は、1989年8月に開館して以来、約17年経過しています。幸い、貸出し冊数や予約件数など増加の傾向は維持されており、一定の役割は果たされていると見ることができます。
ただ、この間、近隣自治体で図書館の開館が相次ぎ、またそれぞれの活動は利用者に大変好評であるとも聞くところです。それと比較し、これらに先行して開館した当市の図書館は、残念ながら新鮮味に欠けてきていると言わざるを得ません。
また、多くの利用者が図書館に足を運んでいますが、現在の図書館の機能では十分なサービスを提供できる限界を超えているのではないか、さらに今後、団塊の世代の方たちが定年退職を迎え、利用者層の変化も予想されることと思います。こうした下で情報図書館の活動について、今、大きな見直しが必要となっているのではないかと考えます。
幾つかの課題があると思いますが、例えば蔵書について、量的には一定のものがありますし、むやみやたらと増やせるものでもありません。重要なのは、どのような理念・方針を持って選書が行われているのかということではないでしょうか。江別市の図書館として担うべき役割を基本のところに据え、計画的、継続的に行われなければなりません。もちろん市民のリクエストにこたえることも大切なことですので、バランスを取りながら江別らしさを持った魅力的な図書館に成長させていく必要があるのではないでしょうか。
また、館内の限られた空間をどれだけ生かすことができるかということも重要です。現在、保存書庫にも多くの書籍が収納されております。開架スペースに置くか保存書庫に置くかは図書館の判断で適宜行われていることと思いますが、保存書庫に置かれているものも利用しやすくすることは市民にとって有益なことと思います。一定の管理の下に保存書庫に利用者が入れるようにするか、あるいはレファレンス・サービスの充実により利用しやすくするかなど、管理上の問題もよく検討していただいた上でサービスの向上を図ることも課題の一つに挙げられると思われます。
書架の配置や閲覧席のレイアウト等についても検討が必要と思われます。休日の図書館は利用者であふれ、お目当ての本を探し書架の間を移動する人、新聞や雑誌を閲覧する人、書籍を閲覧する人などでごった返し、あちらこちらに置かれたいすは、空いているものはないに等しい状態です。図書館をどのように利用していただくかということも含めて検討しなければならないのではないでしょうか。
また、図書館活動を充実させようとするなら、その成否は司書の肩に大きく掛かってくるのではないでしょうか。選書や配架について、司書が大きな役割を果たすことと思いますが、それだけでなく、図書館サービスにおいて重要なレファレンス・サービスの充実についても大きな役割を持っています。
現在のところでは、図書館を利用する方たちがレファレンス・サービスを十分に使いこなしてはいないのではないかと思われます。それには、レファレンス・サービスがどういうものかよく知られていないということもあるでしょうし、あるいは、利用したけれども満足のいく結果を得られずに、こんなものかとあきらめてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歴史的に図書館は、市民の知る権利を保障する社会教育機関として成長してきており、市民に生涯学習の機会を提供し、援助することが図書館には求められています。今後さらにレファレンス・サービスは充実されるべきであると考えますし、そのためにも司書の力量を向上させることは欠かせないこととなってきています。
現在、江別・大麻両分館を合わせ12名いる司書のうち、11名までが非常勤職員です。司書は、採用された時点で完ぺきな仕事をこなせるものではなく、日常の業務と自己研さんを積む中で司書としての専門性が養成されていきます。安定的な雇用の下でこそ市民もより良いサービスを受け取ることができるのです。職員定数を抑制し安上がり行政を目指している中で、正規雇用の職員を増やすことなど検討の余地はないのかもしれませんが、市民サービスの質がどうなるのか、よく考えなければならないことです。
いずれにしろ、厳しい条件下にあっても、単に開館時間の延長という目に見えやすいサービスだけでなく、質の面でもサービスを向上させることを真剣に考えなければならないところに来ていると言えます。
また、当市の図書館の名称の頭に情報という言葉が付けられていることをどうとらえるのかも課題として挙げられるのではないでしょうか。
書籍や資料等も情報の一つとして市民に提供されております。また、インターネットを利用した検索や予約もできるようになっています。コンピュータ学習室も設置され、パソコン教室が開催されてはいます。ただ、市民の中にパソコンが普及してきており、今の情報図書館でのパソコン利用に不便を感じている市民がいるのも事実です。
何かについて調べようとするとき、一般の書籍や研究機関による調査資料、インターネットで得られる情報など、それぞれの特徴を見極めながら利用することが多くなっているのではないでしょうか。その点で、情報図書館の使い勝手はいいものとは言えないと思います。また、情報図書館という名前から市民が連想するものは、もっとインターネットが使いやすい環境が用意されている図書館なのではないでしょうか。
図書館活動の改善に関して、市民から私の元に寄せられた要望の一部も含め、とりあえず気が付いた範囲で指摘させていただきました。市民のニーズにこたえるためには、これらの課題等を直視し、改善の努力をしていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。そうした必要があるとの認識を持っておられるのかお伺いしたいと思います。
また、併せて図書館協議会の設置についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
図書館協議会は、図書館法第14条に置くことができると定められているものであり、義務付けられているものではありません。しかし、市民協働がうたわれている下で協議会を設置することは意義のあることと考えます。当然その前段において、市民の中に図書館に対する意識の高まりが必要であると思いますし、図書館の活動が市民の目に意欲的に映ってこそ、そうした状況が作り出されるのではないかと思います。
今日、明日、結論を求めるものではありませんが、既に多くの市民に愛され利用されている情報図書館なのですから、そう遠くない時期に市民と共に図書館運営について知恵を出し合い、協力をいただきながら図書館運営を進めていけるときが来るのではないでしょうか。
既に管内の自治体においても協議会を設置している自治体もあります。積極的にご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問とさせていただきます。