平成18年第1回江別市議会会議録(第3号)平成18年3月10日 8ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(小玉 豊治 君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
宮川正子議員の健康福祉部所管についてほか2件についての質問を許します。通告時間30分。
宮川 正子 君
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
初めに、認知症対策についてお伺いします。
現在、日本はみぞうの超高齢社会に到達したのですが、高齢者にとっては、将来、寝たきりや認知症になってしまうのではないかということが一番の不安になっています。
日本では、65歳以上の15人に1人が認知症を患うと言われています。そして認知症になる可能性のある人は4人に1人とも言われています。
認知症高齢者の多くが認知症を病気とは気付かず、家族や知人などの身近な人が認知症の初期の症状を年のせいだと考え、専門家への相談や医療機関への受診をせず、また初期の症状に気付いたとしても認知症に対する知識がないために治療法も分からず、そのまま放置されてしまうこともあります。
しかし、最近の研究では、早期の段階で認知症を発見すれば、進行を遅らせ、はいかいや妄想など重病の症状を回避できることが分かってきています。認知症の予防また早期発見に力を入れていくべきと思います。
徳島市では、認知症を早期に発見し、正確な判断の下、適切な対応をしようと物忘れ検診を行っています。物忘れ検診は、認知症の疑いがあるかどうかを判断するもので、徳島市の基本健康診査に合わせて40歳以上の希望者を対象に行っています。徳島市内のほとんどの医療機関で、受診料無料で受けることができるものです。全国では、群馬県と岩手県盛岡市に次いで3番目です。
検診では、受診者に10項目の質問に答えてもらうのが一次検診で、10項目の質問のうち該当するものが二つまでなら異常なし、三つ以上の場合なら認知症の疑いがあるとして二次検診を勧めています。
また、岩見沢市では、市の保健センターで認知症を早期に発見するための脳イキイキ度チェックを実施しています。同チェックは、希望する人があらかじめ予約して30分程度のテストを受けて、その結果、判定が比較的軽度の場合は生活指導を行い、重症の場合は医療機関と連携して治療を勧めたり介護保険サービスについてアドバイスしたりしています。
私が受けたご相談で、おしゅうとめさんが性格が変わったようにいらいらが強く、物がなくなると泥棒扱いされたりの毎日で、相当ストレスがたまって参ってしまう、ただ体が元気なので介護サービスは受けられないと思うと話され、認知症だと思うが、おしゅうとめさんはプライドが高いので精神科へ行こうとは言えないと悩んでいました。
物忘れ検診は、健康診断や持病の受診の際にさりげなく認知症のチェックをすることができます。また、住民に認知症への偏見があったままでは受診にはつながりません。地域住民に対して指導、啓発を行うことが必要と考えられます。
以上のことから、1点目として、江別市における具体的な認知症対策についてお伺いします。
また、2点目として、早期発見、早期治療のために物忘れ検診や保健センターなどの脳イキイキ度チェックといったことを実施すべきと思いますが、市長のお考えをお聞きします。
続きまして、在宅で生活する認知症高齢者や一人暮らしの高齢者が安心・安全に地域で生活していくための支援についてお伺いします。
全国の要介護者の半数は認知症で、10年後には5割近く増え250万人に達するとされています。
家族介護が最も難しい、活動的で運動能力の低下していない人は、2002年9月現在で25万人とされ、その半数が自宅で生活をしています。
特別養護老人ホームは、現在どこも満室で、待機者は20万人を超えています。
最近奥さんを亡くされて一人暮らしになった男性の方が隣に住んでいる方からご相談を受けました。奥さんを亡くした当初、息子さん夫婦があいさつに来て、一緒に住むことになったのでと連れて行かれたそうですが、半年ぐらいたつと戻って来て、また隣に一人で住んでいるそうです。昨年一緒に除雪していると、うちのがまだ帰って来ないとか、除雪で腰が痛いなら、今うちのがマッサージをしているけれど、終わったらマッサージ機を使ってくださいと言われ、びっくりしたそうです。もう何年も前に亡くなっているので、奥さんは亡くなって何年にもなるでしょうと言うと、ぽかんとしていたそうです。心配で食事を持ちがてら見に行ったりしているそうですが、認知症で火の始末が心配とご近所の方たちと話しているとのことでした。
また、市営住宅の方から、隣に住んでいる一人暮らしの高齢者の男性が飲んで一人で暴れている。家も整理がされていない中、ストーブを真っ赤にしてたいているので、火事が心配で夜も寝られないと相談を受けました。
一人暮らしの高齢者や認知症の方がその人らしく地域で安心して安全に住み続けるには、一番気にされるのが火の始末です。
横須賀市では、一人暮らしの高齢者の世帯で火災や急病が発生した場合、24時間いつでも消防本部に通報できる緊急通報システムを整備しています。このシステムは、緊急通報の家庭用端末を設置している高齢者宅で、火災やガス漏れが発生した際、高齢者が認知しなくても家庭用端末に接続された火災感知器、ガス漏れ警報器が自動的に火災・ガス漏れ通報をする仕組みです。
火災を未然に防ぎ、自立した生活を支援し、介護が必要なとき、住み慣れた地域で安心して住める環境づくりは時代の要請であります。江別市も是非このようなシステムを導入すべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
続きまして、障がい者の方が地域生活に移行するための居住支援についてお伺いします。
厚生労働省は、障害者自立支援法の施行に伴い、都道府県と市町村が2006年度内に策定する障害福祉計画の基本指針案をまとめました。2011年度までに施設入所者を7%以上削減することや、現在の施設入所者の1割以上を地域生活に移行させるなどの数値目標を盛り込むよう求め、自立に向けた数値目標の設定を初めて行い、脱施設の方向性を明確に打ち出しました。
障がい者福祉では、長年、在宅での家族による介護と、それが困難な場合の施設入所での対応が続いてきました。そのための在宅サービスの基盤整備は著しく立ち後れてきました。施設入所者、長期入院者の地域生活移行を進め、また、地域にサポートがなく、施設や病院へ移らざるを得ない状況を食い止めるためには、地域での暮らしを支えるトータルな社会資源の充実が不可欠です。
地域にサポートがないため、家族と暮らしている本人が地域生活を将来にわたって継続できるかどうかに家族は不安を持っています。こうした家族の不安に対する支援を充実することが必要です。
障がい者の方が地域に出る場合、真っ先に問題になるのは住宅の確保です。平成8年の公営住宅法の改正に伴い、公営住宅でのグループホームの設置が可能になりました。障がいのある人が地域で自立した生活を送れるよう支援するための公営住宅のグループホームの活用が大事であると思います。
そこで、1点目として、江別市に現在、グループホームとして活用されている公営住宅はあるのでしょうか。
2点目として、江別市において、公営住宅や既存の公的な施設で空きがある場合、積極的にグループホームの活用を進めるべきと思います。例えば教職員住宅に通年空きがあるとお聞きしましたが、そういった施設の活用について、市長のお考えをお聞かせください。
また、公営住宅は、原則として単身での入居は認められず、例外は高齢者と身体障がい者に限定されていました。しかし、障害者自立支援法が成立したのを受けて、居住の場の確保に向けた支援策として、同居親族要件が緩和され、精神障がい者と知的障がい者が2月から公営住宅で単身入居が可能になりました。厚生労働省と国土交通省も、連名で全国の自治体に通知を出し、障がい者の入居に特別の配慮を求めました。
民間の住宅では、家賃の問題や近隣との理解を得るのが難しいことから、3点目として、江別市においても是非同居親族要件を緩和し、障がいを持つ人の一人暮らしを支援していただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
続きまして、居住入居等支援事業についてお伺いします。
障がい者の方の施設から地域へという国の大目標の中で、障害者自立支援法により、課題だった住宅の確保が居住入居等支援事業により更に促進されます。
事業の具体的な内容は、賃貸契約による一般住宅への入居が困難な障がい者について、不動産業者に対するあっせん依頼、障がい者の方と家主等への入居契約手続に係る支援、保証人が必要となる場合における調整、入居後の緊急時における対応等を行います。利用対象者は、知的障がい者又は精神障がい者であって、賃貸契約による一般住宅への入居を希望しているが保証人がいない等の理由によって入居が困難な方です。
4点目として、このような入居施設や病院などから、地域で必要なサポートを得ながら、自分らしく生活できる居住入居等支援事業について、江別市においても早期に取り組むべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
続きまして、雪対策についてお伺いします。
記録的な寒波と大雪に見舞われた日本列島、大雪による死者は既に100人を超え、多くが雪下ろし中のお年寄りで、痛ましさに胸が痛む思いです。
数メートルにもなる雪の重みを放置すると、家屋の倒壊につながり、我が家を守るために危険を覚悟して屋根に上がらざるを得ないとテレビのニュース番組でお年寄りが話されていました。
国土交通省によると、降雪量の累計は全国平均で過去10年の3倍に上がっているそうです。
年明け以来、江別市内においても豪雪の影響が各方面に広がり、新聞によりますと、宅配業、タクシーの車両は生活道路に入り込むことが多いため、狭くなった道幅などで除雪が不十分で埋まってしまい、時間指定の宅配などに対応するため車両配達員を1割増やす苦肉の策を取っていると載っていました。
また、市内の道路の除排雪のほか、一般家庭の玄関先などを間口除雪している業者の方は、シーズン契約のため、雪が降り、道路の除雪が入るたびに玄関口に雪が追いやられるため、出動回数も増加の一途で、休む間もないとのことでした。
一方、除排雪の苦情が市や業者に続出したとのことですが、私のところにも除雪に関する苦情が寄せられています。深刻なのは独居老人や障がい者の世帯です。
身体障がいのある弟さんと二人暮らしの女性の方は、自宅にヘルパーさんが週2回来るため、仕事に出掛ける前に玄関前を除雪して出勤したところ、ヘルパーさんから、自宅前に雪があり駐車ができないので困ったと連絡が入り、結局その日は利用できず、また、連日の大雪で捨て場もなく困っているとの連絡をいただきました。業者などを頼んだが、土地面積が少なく、自宅に雪を寄せる場所がないとのことで断られ、屋根から落ちる雪の捨て場もなく、大変困っていました。
また、一人暮らしの高齢者の方は、一階の玄関が埋まってしまい、二階の窓にはしごを掛けて外に出た。年金暮らしで除雪にお金は掛けられないと話されていました。
そのような中、費用を前払し、支払済みにもかかわらず排雪に来ない、その上連絡も取れず、契約履行の意思確認もできないという苦情も相次ぎました。
また、親せきの土地が自宅の向かいにあり、冬はそこにご近所の方が雪を捨てるのですが、夏の草刈りを自分だけがしているので納得がいかないと話されていました。
このように雪によって多くの市民が悩み、苦しみ、人間関係がぎくしゃくして、排雪でどっちの家の雪だともめた話もよく聞きます。
住宅地の生活道路では、除雪車が除雪を行っても、交差点のわきに高く積み、毎日排雪ということもできません。
今回、豪雪都市である青森市での雪に対する取り組みをお聞きしました。
青森市は、昭和38年に豪雪地帯に、昭和48年には特別豪雪地帯に指定されています。雪対策は大きな課題であり、平成8年に策定された青森市雪処理基本計画など積極的に各種の施策を展開しています。
しかし、平成10年度、平成12年度に大豪雪に見舞われ、除排雪をはじめ、バスの運行の遅れ、雪寄せ場に関することなど、市民の方々から雪対策についてのご意見や苦情が平成12年度約4,000件も寄せられたそうです。この年の除排雪費は29億円にも上がり、多額の財政負担を強いられ、このことを教訓に平成13年度から市民雪寄せ場事業を実施しています。
この制度は、雪かきが始まる12月から翌年3月までの冬期間の住宅密集地に空き地を所有されている方から雪寄せ場として町内会に無償で土地を貸付けしていただいた場合、貸付け部分の面積に係る翌年度の固定資産税の3分の1を減額するものです。町内会としては、市の支援を受けて看板を設置し、借用終了後はごみの除去等を行うそうです。
この事業は、地域住民、土地の所有者、市の三者いずれにとっても利点のある事業です。市の職員の方にお聞きしたところ、雪が降るたびに排雪をするといいのでしょうが、そうなるとばくだいな予算を必要とします。市民の方に排雪をご協力いただくということでこの事業を行っているとのことでした。
以上のことから、1点目として、江別市においても高齢者・障がい者世帯の方々に福祉除雪サービスや避難路確保除雪サービスなどありますが、全国的に多くのお年寄りの犠牲者を出した今回のような豪雪に対応するために、今後新たな施策をお考えでしょうか。あればお聞かせください。
2点目として、江別市も住宅が密集してきて、雪の捨て場がなく悩まれている方々のために、青森市のような市と市民が一体となって雪対策に取り組む市民雪寄せ場事業を是非実施すべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
続きまして、企画政策部所管についてお伺いいたします。
今年1月に会派として千葉県我孫子市に視察に行ってきました。我孫子市では、提案型公共サービス民営化制度を導入し、2007年度予算から反映できるよう取り組んでいます。同制度は、市長のトップダウンで始まった事業とのことでした。
同事業は、市の全事務事業を対象に、民間から民間委託、民営化の提案を募集し、市が行うより効果的・効率的な提案の場合、可能なものから委託化、民営化するという取り組みです。今までも市として委託や指定管理者制度などを進めていますが、発想を変えて民間から提案していただくという市民協働、市民参画に大きな特徴があります。
我孫子市は、首都圏近郊のため比較的豊かなサラリーマンが多く、税収はそういった方々を中心に支えられているそうですが、今、税収を支えてくれる方々の多くが団塊の世代なので、近い将来、その方々が年金生活に入ってくるようになると税収が大幅にダウンし、行政が全部の事業をやることが難しくなるとのことでした。
しかし、少子高齢化社会において、公共の分野はむしろ大きくなっていく必要があるということで、小さな政府で大きな公共を目指し、むしろ同事業により公共サービスを拡大していくことを目指しているとのことで、有効な提案であれば、特区制度などあらゆる制度を活用して実現していくとのことでした。
今までですと、これは委託できるか、民間に任せていいのかとか、行政内部だけで検討し判断してきたが、むしろこれからは市民活動団体などが多くある地域なので、そういった方々にどんどん提案してもらいたいとのことでした。
また、市の職員も多く退職していく中で、自分たちの行ってきたことなので、一部を担うことも考えられないこともないと語っていました。
公共を市民と行政の両方で支えていくことは、これまでも理念として言ってきましたが、もう本気で取り組み、地域の公共をどう再構築していくかというところで大きな意味があると言っていました。
我孫子市では、定年後の団塊の世代にどう地域で活躍してもらうか、また雇用の拡大を含めて同制度を導入したいとのことでした。
後数年後には、いわゆる団塊の世代と言われる人たちが退職されます。経験もある、能力もある、知恵もある、働く意欲もおう盛であり、社会活動に参加したいという意欲も高い、そういった方々が地域に戻ったときに、だれもが生き生きとして自分の居場所があって、能力を生かす場があるということが非常に重要であり、その意欲を引き出し、活動する場を提供することにより豊富な経験と知恵が地域社会に還元され、結果として高齢者本人の健康増進にとっても、また地域社会の活性化にとっても有効と考えます。
また、公共サービスの専門家でもある公務員という人的資源を民で、地域で生かすことも極めて重要な改革となりますと我孫子市の担当者の方が言っていました。
そういった方々が高齢者参加のボランティアグループ等に地域住民と共に数多く参加していくことなどが考えられます。
以上のことから、1点目として、定年後の団塊の世代の社会参加を促進する施策について、必要と考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
2点目として、江別市においても限られた財政の中で多様化する行政需要に対応していくためには、民による公共サービスの拡大を目指す事務事業提案募集制度のようなことを取り組んでいくべきではないかと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。