平成18年第1回江別市議会会議録(第2号)平成18年3月9日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(岡村繁美君)
齊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
齊藤議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
まず、ファシリティー・マネジメントについてのご質問でありますが、土地・建物・設備といった施設などを対象として、経営的な視点に立って設備投資や管理運営に要するコストの最小化や施設効用の最大化を図るため管理・活用する経営手法がファシリティー・マネジメントと理解をいたしております。具体的な事項として、第一に、建築物等の長寿命化に向けた取り組み、第二に、光熱水費や一括契約等の手法による清掃等の委託費の縮減に向けた取り組み、第三に、スペースの有効活用に向けた取り組み、第四に、当市においても新年度に導入されます指定管理者制度のような民間活力の活用に向けた取り組みなどが上げられます。このようなことから、保有施設を経営資源としてとらえ、総合的に有効活用を図る手法として導入する事例が見られております。
北海道におきましては、昨年北海道ファシリティマネジメント導入基本方針を作成しており、その中で施設の長寿命化に関する試算を行っておりますが、当市においては、施設の数や種類、規模など保有状況が北海道とは大きく異なっており、また、従来より保有施設をいかに有効かつ効率的に活用し続けていくかに力点を置いて施設管理を行ってきたところでありますことから、今回の北海道における試算の手法を当市の施設の実情に応用して当てはめることが難しいものと考えております。
当市におきましても、施設の長寿命化、コストの縮減などの観点から、学校施設を含め、施設総体に関する一定の調査を実施した経過がございます。
今後におきましても、引き続き施設の総体的な状況を把握し、横断的な組織連携を図る中で、全庁的見地から施設の効率的な利活用というファシリティー・マネジメントの考え方を取り入れながら、検討をしてまいりたいと考えますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、高齢者の冬の暮らしの支援、除排雪についてのご質問でありますが、北海道の宿命であります雪の問題は、特に高齢者にとっては大変重要な課題でありますことから、市では公道除雪後の置き雪処理対策としての福祉除雪サービス事業、また、緊急時の避難路確保のための高齢者・身体障害者除排雪サービス経費により費用の一部助成を含めてその対策に努めているところであります。この福祉除雪サービス事業は社協を通じて、江別環境整備事業協同組合に委託し、市内の業者が作業に当たっておりますが、これまで契約不履行などといった苦情もなく対応されているところであります。
そこで、一般の方々の除排雪で特に市外の業者とのトラブルについてでありますが、あくまでも個人契約でありますので、その正確な実態を把握することは困難でありますが、市の消費者協会に対しては2月末現在で104件の苦情相談があったことを聞いているところであり、市としても憂慮しているところであります。このようなことから、特に高齢者や身体障がい者の方々の除排雪契約については、市外の業者を含めてトラブルに巻き込まれないよう江別環境整備事業協同組合や消費者協会、自治会等、関係機関等と協議連携し進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、高齢者虐待防止法への対応についてでありますが、表面上は大きな数字として表れておりませんが、議員ご指摘のとおり、高齢化の進展、認知症高齢者の増加等に伴い、虐待は大きな社会問題となっております。
昨年11月1日に高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律が成立し、今年の4月から施行されますが、市では平成16年3月に市内8か所の在宅介護支援センターが中心となり、関係者の参加の下、開催した地域ケア会議において、虐待に対応するシステムの構築が必要との問題が提起されたことを受け、平成16年7月に高齢者虐待相談フローチャートを作成し、道内市町村に先駆けて虐待に対応するネットワークを構築しているところであります。
また、今般の介護保険法の改正により、新たに設置される地域包括支援センターの業務の一つとして、虐待の防止・早期発見等の権利擁護事業の実施が位置付けられており、高齢者などからの権利養護にかかわる相談等への対応、成年後見制度の円滑利用に対する情報提供、虐待早期発見のための地域関係者によるネットワークの構築などが役割として挙げられております。
この地域包括支援センターについては、当面、市直営により介護保険課の組織として1か所設置し、業務に当たることとしておりますことから、さきに構築しております虐待防止ネットワークを活用することにより、円滑に連携・協力し、虐待防止に当たっていくことが可能であると考えております。
また、障がい者の虐待防止については、今般施行される法律の中にも規定されておりますが、現状では虐待の防止という共通の観点から新たな機関を設置するのではなく、地域包括支援センターで対応するとともに、児童虐待防止ネットワークを含めて、協力・連携していくことが必要であると考えております。
次に、子供SOSカードの配布についてのご質問でありますが、児童虐待は家庭という密室で行われることが多いため、これを発見するためには、学校、幼稚園、保育園その他関係機関をはじめ、民生児童委員などの地域住民の協力も重要となっております。
また、虐待がエスカレートしていくほど、子供への生命の危険度が高くなり、子供の心への影響も深刻なものとなるため、早期発見、早期対応していくことが重要となっております。このため現在、健康福祉部内に家庭児童相談室を設置し、市民などからの児童虐待の相談又は通報に対応しておりますが、単独の機関だけでは対応が困難でありますことから、児童相談所、江別警察署、医師会や教育委員会などと江別市家庭児童対策地域協議会を立ち上げネットワーク化して、個々の事案については必要に応じてサポートチームにより対応してきたところであります。
そこで、子供SOSカードを配布すべきではないかというご質問でありますが、児童虐待に特定した相談窓口ではありませんが、子供たちが悩み事などについて直接相談できる窓口として、教育委員会ではヤングテレホンなどを開設しており、この相談窓口を利用していただくために、既に名刺サイズの子供向けのカードを作成し、児童生徒に配布しているところであります。虐待も子供自身が悩んでいること、困っていることなどの相談の一つでありますことから、こうした相談窓口について周知、啓発を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
また、相談窓口に直接子供から虐待の相談がありました場合には、教育委員会も江別市家庭児童対策地域協議会の構成団体となっておりますことから、十分連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
このほかの質問につきましては、助役ほかをもってご答弁を申し上げます。
助役(中川正志君)
私からセラミックアートセンターに関するご質問にお答えいたします。
陶芸の里構想と条例の整備についてでございますけれども、陶芸の里構想につきましては、平成16年度からの第5次江別市総合計画の策定に当たりまして、議会の特別委員会で種々ご議論をいただき、この計画期間中では、大型プロジェクトとはせず、当面は凍結することとさせていただいたものでございます。
ご指摘の江別市セラミックアートセンターは、焼き物をキーワードとしたれんがと陶芸文化の拠点施設として建設されまして、陶芸に関する常設展、あるいは企画展の開催、それから陶芸体験室を通しての焼き物の普及、陶芸家の育成など道内でも高く評価されてきております。
ただ、文化施設として大いに活用してもらうことも大切ではありますが、このセンターの機能といたしましては、産業支援機能も持つこととなっております。このため指定管理者制度への移行の際に、この機能も取り込むことができるかどうかということも課題になっているところでございます。
このような事業を行える民間事業者は、全国でも数少ないと聞いておりますので、公募によってこの種の施設を指定管理者制度に移行した他市の状況を調査しながら、その動向を見極める必要もございます。
さらには、この施設がよりサービスの向上を図るための活用の幅を広げるためにはどうあるべきかなどの検討課題もございます。このため、条例整備につきましては、将来の指定管理者制度への移行の段階におきまして、現在補助執行を行っております教育委員会とも十分協議の上、行ってまいりたいと、このように考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
私からは以上でございます。
教育長(高橋侃君)
私の方からご答弁申し上げます。
まず、セラミックアートセンター協力会設立準備会で出された市民の声の反映についてでございますが、準備会は、市民協働による事業推進を通じてセラミックアートセンターの活性化を図るために市民有志が昨年2月より議論を進めてきている経過がございます。
その過程で昨年にフィンランドに学ぶくらし展の開催など、セラミックアートセンターと連携した事業に取り組んできたところでございます。こうした市民の応援は、市といたしましても心強いものがありまして、市民協働の観点から、こうした準備会の活動を今後とも見守りながら、セラミックアートセンターが多くの市民に利用され喜ばれる施設となるよう努めてまいりたいと思っております。
また、セラミックアートセンターの文化的活用についてでございますが、セラミックアートセンターは設置条例の趣旨に沿って、主として窯業や陶芸文化の振興を目的とした展示とか講座等の事業に取り組んできておりますが、ほかにも各種展覧会と連動したコンサートやお茶会などの文化事業等も実際行ってきているところでございます。
昨年におきましては、地元美術家による林田嶺一ポップアート展など美術分野での新たな取り組みも行ったところでございまして、今後もこのような形で広範な活用の在り方について鋭意検討してまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと存じます。
次に、全通学路の安全点検についてのご質問でございますが、昨年は小学生の相次ぐ痛ましい事件が発生いたしましたが、この事件を契機に、私ども市教委では、市内校長会と連携して、昨年12月に不審者対策行動強化月間と位置付けて、通学路の危険箇所の再点検とか、巡視体制の強化、あるいは安全マップ等の見直しを行ってきたところでございます。
その後の動きとして、具体的に申し上げますと、市内の学校の中には安全マップ上の危険箇所についてという、こういう文書を校長とPTA会長名で全戸に配布して、登下校時の危険箇所を六つほどに類型化して、それぞれの箇所の状況を分かりやすく地図を添付しながら説明して、啓発活動を行っている学校もございます。
もう一つの例として、通学状況一覧表、これを作成して、1学級ずつ生徒それぞれについて、住所、部活、通学方法、通学距離、一人になってからの家までの距離、親の送迎状況等を克明に記載された情報一覧を準備している学校もございます。
また、別な例でございますが、PTA会員が緊急時に備えて、瞬時に非常事態に対応できるように、主として携帯電話によるネットワークシステムが出来上がっている、そういう学校もございます。
以上の具体例でお分かりのように、市内各校それぞれが学校を取り巻く地域の実態に合わせて、PTA、地域住民のご協力をいただきながら、江別市として子供の安全に向けた取り組み、これを進めてきておりますので、ご理解いただきたいと存じます。
次に、学校安全ボランティアについてのご質問でございますが、これは、地域ぐるみの学校安全推進事業として、文科省の事業で今年度からスタートしたものでございます。
事業の内容は、防犯モデル地域を指定して、防犯に関する実践的な取り組みを行って、その中にスクールガード・リーダーを配置して取り組みを進めていこうというものでございまして、全国に指定地域60か所、約900人のスクールガード・リーダーの配置を予定しているものでございます。
北海道の枠では、政令指定都市、これは札幌市でございますが、この1市と道内に1地域となっておりまして、今年度は札幌市と石狩市が指定を受けて、スクールガード養成講習会とか、スクールガード・リーダーによる学校の巡回指導等を実施してきているところでございます。
また、道教委では各支庁2市町村の計28市町村を指定して、パトロール・ボランティアの養成事業を新年度から実施する予定になっております。
なお、当市における学校安全対策は、先ほどの安全対策と関連いたしますが、現在、PTA、自治会、ボランティア、教職員などで構成される防犯活動組織が市内26校の小中学校を核として、通学路や校区内の公園等において、主に登下校時の巡回など取り組みを実際進めているところでございます。
したがいまして、国及び道の新年度事業が、4月に各市町村教委に希望を取って、5月に指定地域を決定する運びとなっておりますことから、市内の防犯活動組織のより一層の推進のためにも指定地域の希望申請を予定しておりますので、ご理解いただきたいと思います。
次に、路線バスを活用した通学時の安全確保についてのご質問でございますが、昨年12月に開催された犯罪から子供を守るための対策に関する関係省庁連絡会議において決定されたことに基づいて、文科省では路線バス等をスクールバスとして活用するための基本的な考え方と具体的な取り組み方策をこのほど取りまとめたところでございます。
この基本的な考え方を参考に地域の実情を踏まえて、路線バス等をスクールバスとして活用することとか、現在運行しているスクールバスを安全確保の観点から活用するなどの検討について、この3月2日に道教委から各市町村教委に対して通知があったところでございます。
今後は、道教委において、関係校長、バス事業者、地方運輸局、所管警察署、道路管理者等で構成される安全な登下校のための路線バス等の活用に関する協議会、これを設置される中で検討していくこととなっております。
路線バスを通学手段として活用することは、現在、特認校の野幌小学校の保護者の希望によって、通学手段として決めているところであります。基本的には交通費や子供の安全を含めて、保護者の自己負担・自己責任によって推移してきている実態でございます。
このほかの学校では、各校区でおおむね小学校は4キロメートル、中学校では6キロメートル圏内で定めており、徒歩及び自転車が基本となっておりますことから、バス等による通学手段を希望する対象児童生徒については、かなり限られてくるものと予想されます。
また、路線バスをスクールバスとして活用する場合には、子供たちが自宅と学校間を安全に通学する環境整備が必要となってまいります。
したがいまして、運行のルート、回数、時間の設定や、また運行主体、料金の徴収、運営管理体制などをどのようにするのか、さらには国の財政支援が現時点では見込めないなど多くの課題もありますことから、今後、管内市教委との連携を図りながら、道教委と協議を行う中で、慎重に検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。
次に、下校時の体制についてのご質問でございますが、前段の答弁と重複しますので、省略いたしたいと思いますが、議員ご質問の待機スペースにつきましては、現在、低学年の希望する児童には、教室で待機させておいて、兄、姉と一緒に下校させておりますことから、今後とも教室等を活用する中で、安全な登下校のために何ができるのかを含めて、高学年と一緒に下校することにつきましても、学校にも柔軟に対応できるように働き掛けを行うなど、今後検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
最後に、特殊学級の生活介助員について、ご答弁申し上げます。
現在、生活介助員は特殊学級を設置している小学校4校にそれぞれ2名、中学校2校にはそれぞれ1名を配置して、全体で10名の生活介助員が障がい児の身の回りのお世話をしております。
ご質問の介助員の資格要件でありますが、市が配置する場合は、ヘルパー資格や福祉施設などの経験者を募集要件として採用しております。
しかし、学校が地域のボランティアなどとして募集する場合は、障がい児に理解のある方であれば、齊藤議員ご提言のとおり資格の必要はないと考えております。現在、大学生や社会人のボランティアの方が、学校行事のときとか曜日を決めて障がい児のお世話を行っている実態もございます。議員ご提言の地域・学校・家庭が一体となって子供を育てる体制が必要であります。今後そのような観点に立って、学校の授業とか行事等で地域の人材活用を図っていくことが、江別の学校の活性化につながることだと思いますし、そのような観点で体制づくりに努めてまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと存じます。
以上でございます。