平成17年第4回江別市議会会議録(第5号)平成17年12月21日 7ページ
6 議事次第の続き
議案第91号ないし議案第94号の続き
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
伊藤豪君
議案第92号 指定管理者の指定については、対雁墓苑の入り口にある江別市の葬斎場、つまり火葬場を、江別市の管理運営から民間の会社団体に経営を一任しようとするものであります。
反対の立場からこの討論に参加をいたしますけれども、委員長報告のとおり大変厳しい反対の立場にありますので、一人でも多く反対に回ってくださるように願いながら、討論に参加をさせていただきます。
江別市の行政が指定管理者制度の採用を目標とするところは、それぞれの施設について状況が異なりますが、大きな眼目としては、第1に市民サービスがより向上するか、第2に市営より民間に任せた方が管理運営費、つまり税金が少なくて済むかの2点であろうかと思います。
今回、指定管理者制度は、初めて江別市が実施しようとするものでありますが、そのゆえか、民間団体の公募から選定までの過程に幾つかの問題点が散見するのであります。
例えば、広報までの期間が短過ぎるのではないか、そのために民間団体による募集要項のそしゃくが不十分であり、江別市側が期待したようには提案内容を検討し、企画する力を発揮できていないのではないか、また、事業費や管理業務などの分析・積算が不十分なのではないかなどを提案概要の資料の中に感ずるとき、応募側の戸惑いが見えるのであります。
選考は第一次段階として、担当部局において大きくは4項目、さらに15の小項目について採点が行われ評価されました。200点満点の点数が各項目に配点され評価する仕組みとなっていますが、さきに申し上げた市民サービスの向上と管理費の縮減に寄与しているかについて、より十分に評価されるよう、更に重点を置いた配点が望ましいように感じました。
次の段階として、5名の委員からなる江別市指定管理者選定委員会によって施設ごとに1団体に絞られ、選定が行われる仕組みになっております。
この選定委員会について申し上げれば、より多数の市民を加えて、利用者の立場からの視点を強化すべきではなかったかと考えます。また、選定委員会は、2日間9時間にわたってプレゼンテーションを含めて審査を行ったとのことですが、これだけの数の市の重要な施設を、4年間にわたって税金を支出しつつ管理をゆだねようとするには、検討の時間が余りにも短過ぎるのではないかと考えるのでありますが、いかがでしょうか。
また、江別市のトップリーダー小川市長のお考えは反映されているのか、その機会はなかったのか、選定委員会と議会に任せるから良きに計らえということなのか、市長のお考えや理想と異なったときは市長に拒否権を持たせる仕組みを、指定管理者制度に取り入れられなかったのかとも思います。
主な疑問点を申し上げましたが、さらに様々な問題点を内包しつつ、とにもかくにも選定結果が議会に報告されたのであります。私ども議会は、この選定委員会の委員の名簿を承認したのでありますが、その結果については、100%無条件で賛意を表明することを保証するものではありません。そのために、改めて今日、議会承認の手続が取られているのであります。
私どもの会派、自由市民政策会議は会派内において、市会議員の責務として、可能な限り市民の目線に立って、市民会館、葬斎場、駐車場、パークゴルフ場、そしてキャンプ場など一つひとつについて、提出された資料に基づき、選定委員会の選定結果を十分に尊重しつつも、その経過と結果の報告について討論を重ねました。大部分の選定結果は、市役所の担当部局の採点結果と選定委員会の結論とは一致しており、多少の異論があるものの、私どももその結果を承認するものであります。
しかし、二つの施設について会派の中で議論がありました。一つは市民会館であります。部局の採点評価では二つの団体が同点数であり、選定委員会は、その一方を良しとして軍配を上げているのであります。
先ほど川村議員が申し上げたとおり、選定委員会が自主事業の独創性などを優れていると評価しましたが、私どもも、より多くの市民により活用されるべき施設としての市民会館の性格により、この選定委員会の結論に同意するものであります。旭山動物園のように、公の管理にあっても大きな成果を上げている施設もありますが、江別市民会館は、現状ではさらなる利活用の拡大は期待できないものと判断し、選定委員会による株式会社ジャパンメンテナンス北海道の選定に同意するものであります。
残された一つが、今回の議案第92号の江別市の葬斎場であります。
選定委員会は、株式会社東洋実業を指定管理者として選定しています。この葬斎場は、所管する生活環境部による選定基準の採点結果は、株式会社東洋実業は122点でありますが、それを超えて129点と評価された団体があります。採点表に倣ってF団体と呼びますが、実に東洋実業を7点も超える点数を獲得しているのであります。
その内容を、評価に従って四つの大きなくくりで見ますと、第1の市民の平等な利用が確保されることの項目では、東洋実業22点に対し、F団体は1点少ない21点であります。第2の管理業務の計画書の内容が、施設の効用を最大限に発揮するものであることという項目では、東洋実業38点、F団体は40点と、F団体の勝ちであります。第3の管理を安定して行う人員、資産その他の経営の規模及び能力を有しており、又は確保できる見込みがあることの項目では、東洋実業、F団体とも39点の同点であります。第4の管理に係る収支計画書の内容が、施設の管理経費の縮減が図られるものであることの項目では、東洋実業23点に対し、F団体は29点という高い得点を得ているのであります。
これらの評価を要約して申し上げれば、市民の平等な利用と業務の安定的管理運営はほぼ同格の評価であり、最も眼目である施設の効用を最大限に発揮して市民サービスの向上に資する点と、管理経費の縮減を図る点では、東洋実業を上回る仕事がF団体には期待できるとしているのであります。
このような生活環境部の評価でありながら、選定委員会はこの判定を逆転し、株式会社東洋実業を指定管理者に選んだのであります。その理由は、選定結果報告書に述べられております。
それをまとめますと、F団体は、指定管理料についてはより低い提案をしているが、業務の在り方に対して具体的な提案がなく、業務の内容が明確でなかったこと。これに対して株式会社東洋実業は、火葬業務に関するコスト計算が明確であり、今後の経費の増加についても適切な積算が行われ、道内13市町村の火葬場の運営管理も行っており、ノウハウが十分あるとの点が評価されております。
つまり、株式会社東洋実業は十分な経験と実績があるが、F団体は実績がなく、プレゼンテーションも下手だったとの結論と言っても良いでしょう。
しかし、経験と実績と言ってしまえば、道内では株式会社東洋実業に勝るものはありません。何しろ13市町村の火葬場の管理運営を現に行っているわけであります。このような会社・団体が、職員の処遇や火葬業務のコスト計算、燃料費の高騰を織り込んだ経費増の適切な積算など、むしろできなかったら大問題であります。事業モデル全体として優れた提案は当たり前であり、株式会社東洋実業とF団体とでは、横綱とふんどし担ぎを比べるようなものであります。
F団体は一言で言えば、実績と経験がないために、担当部局の生活環境部から高い評価を得ながら落選してしまいました。私は、この落選に大いに同情するものであります。F団体に実績と経験を積んでこいと言っても、相手は火葬場であります。そんじょそこらにたくさんある施設ではありません。どこで実績を重ね経験を積むことができましょうか。江別市に火葬場は対雁の市営葬斎場ただ一つであります。
しかも、選定委員会が認めているように、F団体は、現施設の清掃業務を開場当時から行っていることから、安定的な施設運営能力はあると考えられ、現在の非常勤職員をそのまま雇用し円滑な移行を図ると計画しているのであります。
指定管理者制度には、非公募による管理者の指定という方法があるのを見ても分かるように、自治体の弾力的な運用の幅がある制度であります。この弾力的運用の幅を葬斎場管理者の選定に生かせなかったものかと、残念に思うところであります。
環境経済常任委員会で申し上げたように、一次選定の評価と二次選定の総合点で判断する方法もあったのではないかとも思うのであります。そうすれば違った結果が生まれたのではないかとも思います。
選定委員会は、報告書の最後に今後の選定について触れて、この制度が地域企業の育成を通じて地域経済の活性化や雇用の確保に寄与することを期待すると述べておられますが、今回の結論は何ゆえか、この考えの逆の選択となっており、誠に残念であります。
葬斎場は、いったん株式会社東洋実業に管理委託されたら、4年間はおろか、次の選定の機会はもちろんのこと、永久にとは言い過ぎでしょうが、ほぼ末永く地元企業に受託の機会は回ってこないでしょう。
株式会社東洋実業は優秀な企業であります。皆様よくご承知のとおり、確か衆議院議員吉川貴盛氏のご実父が創業された会社であり、社会的・政治的・経済的に影響力も大きく、この分野でも豊富な経験を活用して、よほどの失敗でもしない限り、4年後の選定でも着実に期待にこたえていくものと想定できます。
さらに、選定委員会が付言しているように、市民団体やNPO法人に火葬場の管理運営をゆだねようと主張する方は、まさかおられないと思います。そして99%、半永久的に、地元企業に受託の機会のないこの葬斎場を、経験や実績を重ねることがほぼ不可能な地元企業に対して、努力や育成を今後に期待するような意見があるとすれば、イソップのぐう話ではありませんけれども、浅い皿に水を盛って、くちばしの長い鶴に飲ませようとするようなもの、あるいはまた絵にかいたもちをおいしいから食べなさいと勧めているようなものではないかと思いますが、間違いでしょうか。
もし仮に小川市長に拒否権があれば、地元企業の育成や働く人々に理解の深い方でありますから、ここでその権利を行使したに違いないと考えるのであります。
以上を申し上げまして、議案第92号における江別市葬斎場の指定管理者として株式会社東洋実業を選定する提案に反対の意見といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
齊藤佐知子君
議案第92号 指定管理者の指定について、賛成の立場で討論に参加いたします。
指定管理者制度を利用し、様々な形態の事業者等がそれぞれのノウハウを活用し、公共施設利用者である住民サービスを向上させることが最大の眼目であり、かつ、効率的な運営をすることによる経費の削減を期待するものであります。
しかしながら、一次選定の所管ごとのばらつきやあいまいさが残れば、選定の公平さを保つことができないものと懸念し、今後の選定作業に当たっては是正すべきであると考えます。
選定委員会が、次年度以降の指定管理者の公募に当たっては、地域の市民団体やNPO法人などが積極的に応募できる環境を整えるとともに、指定管理者制度が地域企業の育成を通じて地域経済の活性化や雇用の確保に寄与することを期待すると言われているとおり、各所管におかれましては、同委員会の趣旨をご理解いただき、選定に対応できる企業育成を特に心掛け、努力していただくことを願うものであります。
最後に、宮脇教授をはじめ選定委員の皆様には、指定管理者選定に当たり、公正公平な任に当たっていただいたことに心より感謝申し上げ、議案第92号 指定管理者の指定について賛成の立場での討論といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第92号を起立により採決いたします。
議案第92号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
議事の途中でありますが、あらかじめ時間の延長をいたします。
議案第95号
議長(岡村繁美君)
日程第26 議案第95号 指定管理者の指定についてを議題といたします。
建設常任委員長の報告を求めます。
建設常任委員長(矢澤睦子君)
ただいま上程されました議案第95号 指定管理者の指定についてに関する審査の経過及び結果をご報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
議案第95号につきましては、担当部局から、所管の野幌駐車場及び大麻中町駐車場についての各申込み者からの提案概要や、指定管理者選定委員会における結果報告等の説明があり、結果として、有人での対応や宿泊駐車の導入に加え、冬期間の駐車スペースの確保が可能といった点から、江別環境整備事業協同組合の提案が優れていると判断し、指定しようとするとのことであります。
初めに、主な質疑の概要を申し上げますと、今回選定されなかった団体から出された有効な提案を今後の管理運営に生かせないかとの質疑があり、今後、指定団体との調整の中で採用できるものは検討していきたいとの答弁がありました。
次に、経費節減効果を考えると、安全管理対策を条件に、当市においても将来的には無人化対応を検討するのかとの質疑に対し、答弁では、現在は屋外駐車場であるため、冬期間を考えると有人体制が望ましく、将来、除排雪の必要のない屋内駐車場になれば無人化が望ましいと述べられています。
また、駐車場の管理をシルバー人材センターに任せることで一元的な管理が可能かとの質疑では、苦情対応や簡易な事務はシルバー人材センターを窓口とするが、それに付随する業務の全般について同組合がかかわることから、分業体制としても何ら支障はないとの見解が示されました。
次に、討論では、賛成の立場の委員からは、同組合に加入する企業23社は、降雪時には、それぞれの請負区域の除排雪を行うことで、市民の冬場の足を確保するという大きな目的と責任がある。請負区域の除排雪と当該駐車場の除排雪の時間帯が重なった場合でも、利用者に対するサービスの低下とならないよう、人員及び除雪機器等の配置に十分留意し、この制度の目的を損なわないような管理運営に当たってほしいと述べられています。
以上のような質疑、討論を経て採決を行った結果、議案第95号は全員一致をもって、原案のとおり可決すべきものと決したものであります。
委員会の審査経過と結果につきましては以上のとおりでありますので、よろしくご審議、ご決定くださいますようお願い申し上げます。
議長(岡村繁美君)
これより建設常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、建設常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第95号 指定管理者の指定についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第95号を採決いたします。
議案第95号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。