平成17年第4回江別市議会会議録(第5号)平成17年12月21日 4ページ
6 議事次第の続き
議案第88号及び議案第90号、議案第99号ないし議案第102号、陳情第13号、議案第103号及び陳情第12号
議長(岡村繁美君)
日程第12ないし第20 議案第88号及び議案第90号の指定管理者の指定について、議案第99号 江別市乳幼児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について、議案第100号 江別市ひとり親家庭等医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について、議案第101号 江別市重度心身障害者医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について、議案第102号 江別市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について、陳情第13号 障害者自立支援法による精神障害者の通院医療費本人負担の改正にかかわることについて、議案第103号 江別市自立支援審査会委員の定数等を定める条例の制定について及び陳情第12号 最低保障年金制度の創設を求めることについて、以上9件を一括議題といたします。
厚生常任委員長の報告を求めます。
厚生常任委員長(植松直君)
ただいま上程されました議案第88号 指定管理者の指定についてほか6件の議案及び陳情2件につきまして、審査の経過と結果を報告いたします。
これらは、いずれも今期定例会初日において付託されたもので、委員会の開催日は、お手元に配付の審査結果報告に記載のとおりであります。
初めに、議案第88号及び議案第90号の指定管理者の指定についての2件に関してでありますが、それぞれ担当部局から、所管のふれあいワークセンター並びに三つの高齢者福祉施設、あかしや保育園及び保健センターについての申込み者からの提案概要と、指定管理者選定委員会における選定の結果について説明がありました。
指定しようとする団体の選定理由でありますが、ふれあいワークセンターについては、高齢者や障がい者の社会参加という施設の設置目的に沿った提案がされ、経費の節減に取り組むところが優れていると判断され、高齢者福祉施設、あかしや保育園及び保健センターについては、同種施設の管理実績、地域福祉推進の事業提案、指定管理料といった点が優れていると判断されたとのことであります。
次に、主な質疑の概要を申し上げます。
まず、ふれあいワークセンターについてでありますが、指定管理料の内訳に関する質疑に対し、これまで市が負担していた通常の経費であり、機器維持に係る委託料などの管理経費を積算したものであると述べられております。
また、二階は福祉団体が使っているが、指定管理者に移行した後の使用形態はどうなるのかという質疑に対して、二階部分については市が直接使用許可を出すことになっており、使用料なども現在と変わらないという答弁がありました。
続いて、三つの高齢者福祉施設、あかしや保育園及び保健センターについてでありますが、提案概要における総事業費が、指定を受けようとする在宅福祉サービス公社よりも他の団体の方が低くなっているのはなぜかとの質疑に対して、高齢者福祉施設については、介護保険事業などによる利用料収入と指定管理料を合わせたものが総事業費となるが、選定されなかった団体については、人材確保などから、訪問介護事業などを若干抑制しているために低くなっていると述べられております。
議案第88号及び議案第90号については、討論はなく、採決の結果は、全員一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しております。
次に、議案第99号ないし議案第101号の障害者自立支援法に関連する、乳幼児、ひとり親家庭等及び重度心身障害者の各医療費助成に関する3件の条例改正案について申し上げます。
部局からは、改正理由として、従来、児童施設等の入所者は措置医療制度による給付が優先し、これらの医療費助成制度から除外していたが、障害者自立支援法の施行に伴い医療費の自己負担が必要になることから、助成の対象にしようとするものとの説明がありました。
続いて、主な質疑の概要を申し上げます。
該当する施設の入所者は215名で、このうち療育手帳A判定は121名であるが、すべての方が自立支援医療に移行するのかとの質疑に対し、自立支援医療では対象疾病等が限られていることから、ほとんどの方は医療費が3割負担となるが、療育手帳A判定の121名については、重度心身障害者医療費助成に該当すると考えているとの答弁がありました。
現在、該当する施設の入所者に児童も含まれているのかとの質疑に対しては、乳幼児医療費助成やひとり親家庭等医療費助成の対象となる方がいないことから、障がい児ではなく障がい者という範ちゅうの方であると述べられております。
次に、討論の概要を申し上げます。
反対の立場の委員からは、三つの条例改正は障害者自立支援法の施行に伴うものであり、児童福祉施設等の入所者は、これまでの医療費の自己負担がない措置制度から一般医療へ移行することから、これら医療費助成の対象となっても医療費の負担が増えることになる。
今回の条例改正の根本にある障害者自立支援法の問題は、障がい者が受ける福祉サービスの医療に1割負担という応益負担を導入したことである。施設入所者は、原則として利用料の1割負担と食費及び水光熱費を実費負担することになり、その負担は、障害基礎年金を大きく超えるものになる。人間らしい生活、社会参加をするための費用はもとより、命を守るための医療費をねん出することすら困難になることが明らかであることを申し上げ、反対すると述べられております。
賛成の立場の委員からは、この改正は、障害者自立支援法の制定に関連し、児童福祉施設等の入所者の医療費の自己負担分について措置医療制度が廃止されることから、三つの医療費助成制度の対象として在宅者との均衡を図るものである。
何らかの障がいを持つ方たちに負担を求めることになることについては、国の方針だから、法律が変わったからと担当分野だけで対処するのではなく、市全体の行政を細かく見直し対応してほしい。措置医療制度から外れた方々の生活に大きな影響が現れたときには、他の法令等によって温かい対応を要望し、障害者自立支援法の趣旨から見て賛成すると述べられております。
以上の討論を経て、採決を行った結果、議案第99号ないし議案第101号は、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、議案第102号 江別市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について、審査の経過と結果を報告いたします。
担当部局からは、障害者自立支援法が制定され、身体・知的・精神の3障がいが一元化されることに伴い、障がい者間の不均衡を解消するために、国保条例に定める精神障がい者に対する精神医療付加給付金制度を廃止するとの説明がありました。
次に、主な質疑の概要を申し上げます。
自立支援医療に移行後の医療費は新たに負担となることから、就労支援などの施策は考えているのかとの質疑に対し、精神障がい者に対する就労支援として、市では共同作業所への助成、北海道では社会に適応するための訓練事業である職親制度、国ではジョブコーチ制度などを行っており、自立支援サービスの中にも自立訓練等給付制度ができることから、障害者自立支援法の中で包括的な福祉の基盤整備を進めていきたいとの答弁がありました。
精神医療付加給付金制度の廃止を、4月1日からではなく段階的に実施することはできないかとの質疑に対しては、精神障がい者だけではなく、更生医療や育成医療を統合し一つの医療制度となることから、均衡性を失わないようにスタートしたいと述べられております。
負担が増えることから治療を継続できないおそれがあり、精神疾患の特徴によって暮らしに影響が出ると思うが、この点については検討されたかとの質疑に対し、精神障がい者の方々は通院治療が必要なことは十分理解している。自立支援医療では、低所得者や重度疾病の方には医療費の上限額が設けられており、他の障がい者との公平性・均衡性を考えた上で、障がい者医療を考えていかなければならないとの答弁がありました。
次に、討論の概要を申し上げます。
反対の立場の委員からは、現在は、国保の被保険者が精神保健福祉法の措置入院及び通院医療費公費負担制度により医療を受けた場合は、国保条例により、自己負担額について精神医療付加給付金が助成されている。
精神医療も病院から地域へという流れの中、地域の一員として生活していくためには、経済的な心配をせずに通院・受診できるシステムが必要であるが、委員会に提出された資料では、給付対象者の約54%が住民税非課税世帯であることから、この負担は重過ぎる。
江別市障がい者福祉計画では、障がいの有無にかかわらず、住み慣れた地域で生活できるようにとうたわれているが、このためにも定期的な受診と内服の継続が必要である。精神障がい者は、基本的には支援、受診、内服の継続が行われた上で、初めて行政の土俵に乗ることができることから、当制度は市の責任において継続すべきことを申し上げ、反対すると述べられております。
賛成の立場の委員からは、今回の条例改正は、障害者自立支援法の制定により、障がい者の区分ごとに提供されていた医療費負担の仕組みを一元化することになったため、国保条例で給付している精神医療付加給付金を廃止しようとするものである。
担当部局の説明では、加入している健康保険や年齢により格差が生じていること、また、精神・更生・療育の各障がい者医療制度が自立支援医療へ移行し、障がい者の負担が原則1割となり、均衡を欠くことから廃止するとのことである。
今後の精神障がい者に対する支援は、福祉全体を底上げする施策が重要であり、相談員の設置やケアマネジメント体制の確立、共同作業所の拡充によって自立支援を図っていくとのことであるので、これら施策を早急に実施することを要望し、賛成すると述べられております。
以上の討論を経て、採決を行った結果、議案第102号は、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、陳情第13号は、関連する議案が原案のとおり可決すべきものと決したことから、不採択とすべきものとみなしたものであります。
次に、議案第103号 江別市自立支援審査会委員の定数等を定める条例の制定について、審査の経過と結果を報告いたします。
担当部局からは、障害者自立支援法の制定に伴い、身体・知的・精神の各障がい者が介護給付等のサービスを受ける場合には、審査会に諮って決定されることとなり、審査会の設置が市町村に義務付けられたことから条例を制定するものであるとの説明がありました。
次に、主な質疑の概要を申し上げます。
審査委員の構成が一部介護保険認定審査委員と重複することに関する質疑に対して、介護保険認定審査委員は6名の委員の4合議体であるが、この一部の委員を身体障がい者団体関係者、知的障がい者施設関係者、精神障がい者関係者などの身障・知的・精神に関係する学識経験者に入れ替えたいと述べられております。
自立支援給付に認定される方の見込みに関する質疑に対し、現行サービスからは身障で30人、知的で76人、精神で5人で111人、新サービス体系への移行に伴うデイサービスのみの利用は約200人、新規申請者は15人ほどで、合計400人程度が認定となる見込みであると述べられております。
短い期間で新しい制度に移行するに当たっての周知方法等に関する質疑に対しては、現在、医療機関や患者の会などに対して説明会を行っており、現サービス受給者に対しても、国から詳しい内容が示される1月には、個々の制度説明のお知らせを送付するとの答弁がありました。
以上のような質疑の後、委員から修正案の提出がありました。修正案の内容は、題名及び第1条中、江別市自立支援審査会を江別市障害者自立支援審査会に改め、修正部分以外は原案のとおりとするものであります。
提案理由については、本条例は、国の障害者自立支援法に基づき設置される障がい者の方々の障がい程度区分を審査判定する審査会の定数等を定めるものであることから、名称は法と一致させるべきである。また、条例の題名は、簡潔にして内容を的確に表現し、対象を明確にする必要があると説明されました。
委員会での審査結果は、修正案について採決を行った結果、全員一致をもって、修正の上可決すべきものと決しました。
なお、修正部分以外につきましては原案のとおりであります。
次に、陳情第12号 最低保障年金制度の創設を求めることについて、審査の経過と結果を報告いたします。
委員会において、厚生労働省や社会保険庁のホームページで公開されている年金制度改正の概要の資料などを参考に審査を進め、結審に至っております。
委員会における討論の概要を申し上げます。
採択すべき立場の委員からは、年金制度の大きな問題は、生活を賄い切れない低額年金、無年金の人々が膨大な数となっていることにある。未納者とともに免除者・未加入者が急増し、将来、無年金・低年金となるおそれがある人が増えており、国民年金の空洞化を根本的に解決するには、最低保障年金制度の創設が必要であると考える。
公的年金制度を充実するため、基礎年金の国庫負担2分の1への引上げは緊急の課題であるが、その財源を税制改正によって国民に負担を求めようとしていることは認められない。財源の確保は、歳出の見直し、歳入では法人税率の見直しなどによって大企業に応分の負担を求めるべきであることから、採択すべきと述べられております。
以上の討論を経て、採決を行った結果、陳情第12号については、多数をもって不採択とすべきものと決しました。
以上が当委員会での審査の経過と結果であります。審議の上、決定のほどよろしくお願い申し上げます。
以上です。