平成17年第4回江別市議会会議録(第1号)平成17年12月7日 6ページ
6 議事次第の続き
認定第4号ないし認定第8号の続き
議長(岡村繁美君)
これより決算特別委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、決算特別委員長報告を終結いたします。
これより認定第4号 平成16年度江別市一般会計歳入歳出決算を認定に付することについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
高橋典子君
認定第4号 平成16年度江別市一般会計歳入歳出決算について、不認定の立場で討論いたします。
平成16年度の地方財政は三位一体改革初年度を迎えて、地方交付税の大幅な削減とそれを補完する臨時財政対策債が大幅に削減され、全国的に地方自治体の予算編成は大きな影響を受けました。当市では平成16年度においては、10月から家庭系廃棄物処理手数料の改定、いわゆる家庭ごみ収集の有料化が行われ、約2億円の収入となっています。このことは市民生活に大きな影響を与え、一部の市民による市域外へのごみの持ち出しはテレビの報道番組の中でも取り上げられました。また、不適正排出の問題はなかなか解決されず、地域住民の間で不信感が生まれているのではないかとの懸念もあります。家計のやりくりが厳しい中で、負担は重たいとの市民の声もいまだに続いています。また、この年には各種公共施設の使用料見直しが行われ、65歳以上の方への減免制度が改悪されています。高齢者の健康づくり、社会活動への参加促進の観点から拙速であったと考えます。
職員の定数管理については、2年間の新規職員採用凍結の1年目に当たる年でありましたが、この間の急激な職員数の減少は、職員の労働条件の悪化という問題にとどまらず、市民サービスの低下にもつながる問題であり重要です。来年度に向けては新規採用を再開すると聞くところですが、この2年間開けてしまった穴は、今後に影響が出るのではときぐするところです。たとえ少人数であっても毎年計画的に採用するべきであったと考えます。
保育所に関しては、申込みに対応できるよう定員増を図ることは、第5次総合計画に示されている子育て環境の充実の面で重要な要素であり、待機者がいる状態は早急に改善すべきです。同時に保育の質を確保するためにも、計画的に保育職員を採用し、市民の信頼にこたえられるよう体制を整えるべきです。
環境クリーンセンターの維持管理コストの問題については、国におけるチェック項目の変更による影響もありますが、安全性の確保と無駄のない点検整備のためには、市としても技術系の職員を確保し、一定のチェックができる体制が必要です。
以上、主な点について述べましたが、政府の経済政策の下で倒産や失業、不安定雇用の増加など、市民の生活は厳しい状況に追い込まれており、市税の滞納状況にも市民生活の厳しさが表れています。
一方、当市の平成16年度決算は、単年度収支では3億3,390万9,000円の赤字となっていますが、これは歳入歳出の状況を見ながら基金の取崩し額の調整や市債の発行抑制に努めたこと等によるものと説明されており、厳しい状況にありながらも堅実な財政運営が行われていると言えます。市内の実態を考えたとき、市の財政は地方自治体の本旨に立ち返って考え、後に大きな財政負担となる江別の顔づくり事業については、将来のまちの姿を想定した上で見直しを行うとともに、市民の生活を守り福祉を向上させることを重視し、財政運営をすべきであると考えます。
以上のことから、平成16年度一般会計決算について不認定とすべきであることを申し上げ、討論といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
尾田善靖君
認定第4号 平成16年度江別市一般会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定に賛成する立場で討論いたします。
平成16年度は江別市制50周年、さらには第5次総合計画がスタートした節目の年でありました。平成16年度の国の予算は改革断行予算の継続により構造改革を一層推進し、活力ある経済社会の実現と持続的な財政構造の構築を図るため、歳出全体を前年度水準以下に抑制するとともに、公共投資関連経費の3%削減などが示され、地方財政については国庫補助負担金の廃止・縮減による補助事業の抑制、定員の1万人削減や地方単独事業が9.5%削減となるなど、地方財政計画規模が3年連続の減少という大変厳しい内容となりました。
こうした厳しい財政状況の中、平成16年度江別市予算は、市民との信頼関係に裏付けされた都市経営を目指し、公平・公正・平等の行政を進める、市民が互いに支え合う、思いやりの心を持った行政を進める、協働のまちづくりの基盤を形成し、市民と共に考え行動する行政を進める、以上の3項目を基本姿勢に重点テーマを掲げ、各事業が実施されました。
一般会計決算は、歳出では決算が406億9,077万8,000円となり、前年度に比べて1.3%の減少となりましたが、少子高齢化や子育て支援への対応、循環型社会の形成と環境問題への対応、道路・橋りょう・公園等の社会資本の整備、小中学校の施設整備など教育環境への対応、市民活動支援に向けた協働型事業への支援、そして各会計への繰り出しなど、着実な執行により、市民の身近で懸案の課題が前進したと評価するものであります。
一方、歳入でありますが、歳入の根幹をなす市税は、長引く不況による企業倒産や市民所得の伸び悩みにより、前年度に比べて0.6%の落ち込み、地方交付税も税源移譲の影響による基準財政収入額の増などにより、前年度比2.2%の減少となり、市債は前年度比3.0%増となりました。
その結果、歳入決算は409億9,991万3,000円となり、前年度に比べて2.1%の減少となりましたが、今日の社会状況においては、やむを得ない結果と判断いたします。
自主財源比率は44.3%と依然として低く、経常収支比率も89.9%と厳しい財政状況にありながらも、所要の財源が確保され、形式収支、実質収支とも3億913万5,000円の黒字決算となったことは、経費の節減、事務事業の効率化等を積極的に行った結果であり、評価するものであります。
ただ残念なことは、不納欠損額が市税の1億3,330万円をはじめ、保育所入所負担金、市営住宅使用料など、合計で1億4,000万円を超え、調定したが納入されなかった滞納繰越し分が全体で11億7,000万円を超えています。仮にこれらが適正に納入されていれば大幅に安定した財政状況になります。収納率向上については、様々な努力がされており、高く評価をしていますが、最終的には市民に納税・納入は義務であるという意識をより強く持っていただかなければなりません。厳しい家計の中からやりくりし、納付している市民から不平や不満が出るようでは、公平・公正・平等のまちづくりを進める上で大きな障害となります。収納率の向上にはこれまでも最大限努力はしておりますが、これまでの手法や市職員だけの対応では限界があり、法の規制も考慮しつつ、新たな手法や各方面で経験された市民の皆さんの意見も参考にし、多面的な対策を検討すべきと思います。
今後は、税収等の確保を最重要課題と再認識し、体制強化ときめ細かな対応、さらには産業の各分野における振興策をより積極的に推進し、自主財源確保に努める一方で、各種施策の実施においては行政評価や市民ニーズの優先順位を見極めるとともに、市民の意識改革の推進など、一層の充実を期待し、平成16年度江別市一般会計歳入歳出決算について、認定の討論といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第4号を起立により採決いたします。
認定第4号は、委員長報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。
次に、認定第5号 平成16年度江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
森好勇君
認定第5号 江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算について、不認定の立場で討論いたします。
国民健康保険は高齢者、自営業者、未組織労働者が被保険者として加入する社会保障制度です。江別住民の約3割、世帯の4割が加入する組織体でありますが、国の相次ぐ医療制度改悪とともに、低い所得階層が多く、財政基盤の不安定な会計を強いられています。日本共産党は従来から国庫支出金の増額、大製薬企業の薬価の問題、予防対策の充実等を指摘し、また市に対しても一般会計からの繰入れを増やすように求めてきました。
今、政府・与党は財政諮問会議の意に沿った方向で、医療給付費を抑えるため、高齢者を中心に患者負担を引き上げるほか、2008年度から75歳以上全員を対象にした新たな医療保険制度を創設し、保険料を徴収するとし、厚生労働省の試算で来年度約1,400億円の給付費削減で、この分が新たな患者負担になります。特に70歳から74歳は2割負担にし、長期入院患者の居住費、食費は自己負担という内容です。正にお金のない者は病院に行くなと言わんばかりの医療改悪をやろうとしています。当市の平成16年度国保決算については、歳入の約3割を占める国保税のうち、一般被保険者の保険税、現年度課税は25億5,500万円ですが、調定額は22億4,800万円、現役の方々の収納率を88%にしていることから見ても、支払能力を超えている保険税であることを示しています。決算では23億3,500万円と8,600万円増え、関係する納税職員の努力もありますが、制裁措置としての資格書、短期証の発行効果も一部あったものと考えられます。納税相談をされている職員の方々は滞納者と家計状況をよく聞き、分割納入などで資格書から短期証への移行などご苦労されています。しかし、根本的には高過ぎる保険税に問題があります。江別市もこれらの発行は増え続けているところであり、未納者の事情をよく聞き、短期証・資格書の発行を極力避ける方向で慎重な対応を求めるものです。
一般会計からの繰入れは9億7,000万円ですが、交付税措置等を除くと、1人当たり繰入額は全道都市平均の半分以下、札幌市の4分の1という低い繰入れになっています。せめて石狩管内の平均額並みに繰入れすべきです。
歳出では66%を占める保険給付費をいかに少なくすることができるかが、財政的にも大きな課題です。早期発見、早期治療に役立つ健康診断、予防接種の普及、健康づくりの施策などで、重症化させないで歳出を低減させることは、国保会計だけでなく、介護保険会計にもいい財政影響をもたらします。厳しい財政状況の中にあっても、社会保障としての地域医療制度の柱である国保事業の施策は不十分であることを述べて不認定の討論といたします。
以上です。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
赤坂伸一君
認定第5号 平成16年度江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、賛成の立場で討論いたします。
国保会計は、被用者保険などの適用を受けない自営業者等のほか、70歳から74歳までの高齢者が対象となり、また退職後に加入する高齢者の割合も高くなり、これらが医療費の増加を押し上げる要因となっているとのことであります。
今日的な社会経済状況もあり、加入者は人口の伸びを上回る増加を示しておりますが、保険税の伸びは昨年度比3.2%、他方、療養給付費等は被保険者数の増、中でも退職被保険者数の増加もあり、10.5%もの増加となっております。
保険事業では短期人間ドック、脳ドック事業、各種健康診査や骨粗しょう症などの事業に助成をし、受診者も増加してきており、このことは健康管理と医療費抑制に向け効果を発揮してきているものと評価するものであります。
収支面では、経営安定のために一般会計から制度並びに任意分として増額の上、9億7,000万円余りの繰入れがなされ、さらに決算では前年度の繰上充用として7,970万円余を計上し、平成16年度分の赤字分440万円余は、平成17年度予算からの繰上充用によって措置されることとなり、大幅な経営の改善が図られてきたことは大きく評価するものであります。
また、収納率は毎年微増してきており、納付相談と合わせ、様々な手法が講じられてきた結果と認識し、その努力も大と評価するものですが、反面、毎年累増し、現在16億5,000万円余に上る滞納繰越額や2億円を超える不納欠損処分額は、一般会計の市税分のそれを大幅に上回るものであり、結果として、これらは被保険者に保険料引上げなどその負担が掛かることから、一層の啓もうと抜本的、多面的措置を期待するものです。
以上、国保事業は対象者及び療養給付費なども増加傾向にあり、運営は極めて厳しい状態にあることから、被保険者に対し医療費の適正化や疾病予防に向けた意識高揚と啓もうを図り、さらに負担の公平のためにも一層の収納率の向上を進めることはもとより、引き続き国・道に対し、あらゆる機会をとらえて財政措置を求めていくことを要望し、賛成討論といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第5号を起立により採決いたします。
認定第5号は委員長報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。
次に、認定第7号 平成16年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
高橋典子君
認定第7号 平成16年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算について、不認定の立場で討論いたします。
2000年4月から実施された介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支えるとして導入されたものの、保険料や利用料の負担、介護認定や財政運営、サービス提供など、多くの問題を抱えたままスタートしています。我が国における高齢者介護は、過去には同居、あるいは近くに住む子や兄弟等、何人もの人の手で支えられておりましたが、一極集中型の都市開発や産業構造の変化など、この間の国の政策の下で核家族化や少子化が進み、好むと好まざるとにかかわらず、家族による介護から社会で支える介護に変化せざるを得ない状況がつくられてきました。
一定の期待の下に、社会保険制度としてスタートした介護保険制度ではありますが、市民にとって必ずしも高齢期の生活の支えとなる制度とはなっておりません。
制度開始時に激変緩和として実施された減免制度は今年度で終了が予定されており、一般会計で行っている負担軽減のための施策も、深夜等巡回型訪問介護については、対象者の範囲が限られているため実質利用者がおらず、社会福祉法人等の負担減免助成も拡充が必要です。
また、施設入所待機者の正確な把握ができない実態は、介護サービスの提供が公社や事業所任せになってしまっており、市として、市民の実態を把握できなくなっていることを示しています。社会保険制度の名にふさわしい制度運営のためには、市が保険者として市民の実態を把握することが必要であり、被保険者は必要に応じてサービスが受けられるようでなくてはなりません。
入所型施設の不足も常態化しており、本人や家族にとって切実な問題です。だれしもが住み慣れた自宅に住み続けたいと考えているのではないかと思いますが、現状の在宅サービスの水準では、介護度が重くなると施設に頼らざるを得なくなってきます。国により制度や家族の形態、社会の仕組みは異なりますが、高齢者が一人暮らしでも在宅サービスの支えで生活できるよう制度が充実している国もあります。根本的な問題として、我が国の高齢者介護はどのような形を目指し、国はどこまで責任を果たすかが問われていると言えます。
江別市において、介護保険会計はこの間毎年残額が生じており、平成16年度決算においては6,338万5,000円と、前年度より増えていることからも、利用抑制によりサービス給付が十分行き渡っていないと見ることができます。
以上のことから、改善の余地が残されていることを指摘し、不認定の立場からの討論といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
齊藤佐知子君
認定第7号 平成16年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、討論に参加いたします。
この介護保険制度は、平成12年4月に、これから進む高齢化社会に対応するために、新たな社会制度として介護を必要とする本人と家族だけではなく、社会全体で支えていく制度として導入されました。
当市の高齢化率は平成16年度末で17.95%となっており、第1号被保険者も毎月平均で約60人の割合で増えており、要介護認定者も月平均約23人と確実に増加しているのが現状です。介護保険制度は高齢者の方々が住み慣れた地域で、家族と共に生活できることを目指して在宅で必要な介護サービスを受けることができ、社会全体で支えていく制度です。自宅で生活していく中で必要とする訪問介護等、様々な介護サービスを受けながら家族介護が不可能になった場合、施設介護サービスを利用するとされております。
しかしながら、核家族化の進行と家族介護を担う担い手の不足、家族関係の希薄化などによる環境の変化が施設介護サービスをより多く必要とさせている現状にあります。当市においても、施設入所者の待機者数が増加している状況にありますが、今後は重複の入所申込みについての整理がなされるとのことであり、一定程度申込み数に落ち着きが予想されます。
また、パワーリハビリテーションなどの普及により高齢者を寝たきりにしない、住み慣れた地域で生活が営まれるよう、老化により不活発になった筋肉を活性化し、要介護化の予防、自立性の向上を目的とした介護予防も一定程度進みつつあり、今後の一層の充実を期待するところです。今後も高齢化率の上昇に伴い、介護対象者が増加していくことは避けられない社会状況にありますが、行政・地域・家族が一体となって自助・互助・公助を前提に、これからの高齢化社会と共存していきたいと考えます。
本年の決算は歳入総額50億6,540万2,000円となり、前年度と比較すると5.9%の増であり、歳出総額では50億201万7,000円で、前年度と比較すると、同じく5.9%の増となり、歳入歳出差引きで6,338万5,000円の残額を生じ、次年度へ繰り越すとのことでありますが、なお一層の介護保険事業の安定化を強く望み、当市の今後の高齢化社会に向けてより一層の努力をすべきと申し上げ、平成16年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、賛成の立場で討論といたします。
議長(岡村繁美君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第7号を起立により採決いたします。
認定第7号は委員長報告のとおり認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。
次に、認定第6号 平成16年度江別市老人保健特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、及び認定第8号 平成16年度江別市基本財産基金運用特別会計歳入歳出決算を認定に付することについてに対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、認定第6号及び認定第8号を一括採決いたします。
認定第6号及び認定第8号は委員長報告のとおり認定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、認定することに決しました。
議事の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午後0時28分 休憩
午後1時30分 再開
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