平成17年第4回江別市議会会議録(第1号)平成17年12月7日 5ページ
6 議事次第の続き
認定第4号ないし認定第8号
議長(岡村繁美君)
日程第7ないし第11 認定第4号 平成16年度江別市一般会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第5号 平成16年度江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第7号 平成16年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第6号 平成16年度江別市老人保健特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、及び認定第8号 平成16年度江別市基本財産基金運用特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、以上5件を一括議題といたします。
決算特別委員長の報告を求めます。
決算特別委員長(伊藤豪君)
ただいま議題となりました平成16年度の一般会計及び各特別会計の決算認定につきまして、審査経過と結果をご報告申し上げます。
これらの議案はいずれもさきの第3回定例会最終日に当委員会に付託され、閉会中の継続審査となっておりました案件で、委員会の開催日はお手元の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
当委員会では、各常任委員会の所管ごとに執行内容等の説明を受け、歳入の実績や歳出の行政効果などについて、担当部・課長に対する質疑により鋭意進めたものであり、その概要について以下ご報告申し上げます。
山本副委員長以下各委員の積極的、集中的な審査の参加によりまして、予定の日程で終了いたしましたけれども、何しろ1週間という審査でございますので、できるだけかいつまんで、手短に申し上げるつもりでございますけれども、少々長くなりますのでご容赦を願います。
まず、建設常任委員会所管では、経年劣化や老朽化が進んでいる市営住宅もあるが、その修繕等はどのように進めているのか、また建替えの方向性に関する質疑があり、修繕等については、入居者が住宅管理人を通じて提出する修理事務願に基づき行っているが、手続上書類の滞ることのないよう指導している。入居者の過失によるもの以外は市において処理しているもので、原状回復を基本とし、退去時の畳の張り替えなどを除き、全面的な改修等は本人負担を求めていない。老朽化の進んでいる市営住宅の建替えは民間の借上げやPFIなどの手法を含め検討しているが、国の補助制度やPFIなどにおける民間資本も厳しくなっていることから難しい状況にあると答弁されました。
次に、江別の顔づくり事業における地域への説明会を実施しているが、理解をいただくための取り組みとして十分であったのかとの質疑がありました。答弁では、基本構想に基づき平成10年度から市民説明会を五十数回開催して、計画の総論部分の理解を深める努力をしてきた。平成16年度には事業の影響を直接受ける住民の方々への説明を進めてきたが、専門的であり分かりやすく説明する工夫が必要であったと感じており、このことを含め今後とも粘り強く理解いただくような説明に努めたいと述べられました。
このほか、放置自転車のリサイクル、河川防災ステーションの利活用、公園管理の在り方、町名表示板などに関する質疑がありました。
次に、環境経済常任委員会所管では、平成16年10月にごみ有料化がスタートしたが、不適正排出などにどのように取り組んだのかとの質疑があり、一部排出者が不明なものを除き、排出適正化の指導により改善されている。ごみステーションにおける不適正排出は地域からの通報等により対処しているが、排出マナーの問題でもあり、自治会の美化推進員と意見交換を行うなど、地域の協力をいただきながら一体となって進めていきたいとのことであります。
また、市内の就業機会の厳しさが続く中、市税収入の確保の面からも企業誘致に力を入れるべきではないかとの質疑に対し、組織体制の強化については部内の商業及び工業の部門を一本化して、効率的な対応が可能となっているが、業務の必要に応じて対応したい。企業誘致については、経済ネットワークなどにより有益な情報を得るメリットを大事にしながら、社会情勢の変化からチャンスの時期でもあり、現体制で努力していきたい。また、単に工業専用団地への誘致ばかりではなく、もっと幅広い対象の中での誘致の可能性も見いだしたいと答弁されました。
このほか、消防行政、環境クリーンセンターの維持・管理、ハルユタカなどブランド化事業、若年層の就業機会、緊急地域雇用特別対策推進事業、江別駅周辺再開発事業の推進、観光行政などに関する質疑がありました。
次に、厚生常任委員会所管では、市民アンケートの結果から子育て支援事業の充実を評価するが、子育てサポート事業など、更に活用を広げるため認知度を高めるべきではないかとの質疑がありました。答弁では、平成15年度から3か年で、60名のサポーターを育成することを目標とし、活動としては保健センターや子育てサークルと連携しながら相談業務を行っているが、認知度がまだ低い状況もあるので、さらに広報やホームページなどで周知に努めるほか、他のいろいろな事業に積極的に参加いただくなどして認知度を高めていきたい。
また、疾病の早期発見、早期治療により、市民の健康を守るため、保健センターで実施している健康診査の受診率を高めるべきではないかとの質疑に対し、基本健診では、市内の事業所等で40歳以上の健康診断を受ける機会のない方の受診率が平成16年度で24.2%と、前年度と比較して若干減少している状況にあるが、基本健診で30%、個別のがん検診で20%程度を今後の目標と考えている。受診率を上げるため、対象年齢の方に文書を発送して受診を促すほか、平成16年度から日曜健診を年1回実施しており、120名ほどの申込みがあり効果があった。また、今年度からは対がん協会で行う集団がん検診で、バス送迎の出発場所を増やすなどの利便性を向上させていると述べられました。
このほか、予防接種実施状況、障がい者に対する在宅福祉サービス、保育事業の充実、福祉除雪の助成、介護保険料の減免、特養老人ホームの入所待機、国保資格証明書等の発行、医療費抑制の啓発、生活保護世帯の取扱い状況などに関する質疑がありました。
次に、総務文教常任委員会所管では、セラミックアートセンターの入館者を増やすべきであるが、その手法の検討に関する質疑があり、平成8年をピークに入館者は減少傾向にあるが、一昨年度からは横ばい状態である。今年度やきもの市の開催に合わせて、展覧会において試験的に1週間、午後8時までの夜間開館を実施したが、公共交通機関がなくなることもあり、期待した結果は出なかった。
入館者を増やすには、交通の便の改善が必要と思うが、シャトルバスの運行は経費の面から難しいと考えており、現在バス事業者との検討懇談会の中で、バス路線の延長などを働き掛けているとのことであります。
また、学校図書館の充実が求められているが、蔵書数など環境の整備、読書活動の推進などにどう取り組んでいるのかとの質疑がありましたが、平成16年度末の市内小中学校の蔵書率は56%ほどとなっている。各校にばらつきがあり、特に新設校など歴史の浅いところは50%を切っている学校もあるので、これらを重点的に整備を進め、今年度末までに60%まで引き上げ、その後、学校図書館の書架・閲覧用の机など環境整備についても進めていきたい。
情報図書館との連携では、学校側から要望に応じた図書の整備を行うとともに、長期的に学校に貸し出すなど利用に努めている。
また、読書機会をどう増やすかが重要であり、読書ボランティアによる読み聞かせなどに力を入れている学校もあるが、このようなPTA、保護者、地域との連携・協力による読書活動の推進を検討したいと述べられました。
次に、広報について、高齢者や外国人の方に配慮した在り方を含め、より広く読んでもらう工夫をすべきではないかとの質疑に対し、現在の広報の倍の大きさのものを試験的に市内の病院や老人ホームなどの施設で閲覧に供している。また、広報が更に分かりやすく、見やすいものになるように、文字の大きさも含めて検討したい。
外国人の方に対しては、英語圏以外の多くの国に対応することは現実的には難しいが、情報提供の問題としてとらえ、国際交流センターなどを通して提供するなど、充実する手法を検討したい。
実際に読んでいる割合を高めるため、更に工夫していくが、広報だけではなくタウンミーティングや地域担当職員制度などを活用し、幅広く市民の皆さんと議論する場をつくりたいと答弁されました。
また、市税などの自主財源の割合が50%を切る中での財政運営の考え方、組織体制の在り方に関する質疑がありました。地方交付税の削減など、一般財源の減少から市債の発行を極力抑制するため、毎年厳密な見積りが必要である。自主財源の一層の強化が求められると同時に、財政的には歳出の削減にも向かわざるを得ないが、行政評価、事務事業評価を実施することで、第5次総合計画と予算の連動性を確保しながら政策の実現につなげていくもので、施策の優先度、資源の有効配分の観点からの枠配分により進めている。今後もより効率的な行財政運営に努めたい。
また、組織体制は財政の健全化を前提に、不必要な人的配分はしないことを基本に、すべての部局を通じて業務の見直し、環境やニーズ等の変化への対応が求められるもので、これらを念頭に置いた上で、より一層適材適所に努めたいとのことであります。
このほか、給食センター事業、スポーツ施設の利用増進、学力向上支援など教育内容の充実、市民文化祭の在り方、バス路線の効率化、土地開発公社の在り方、人事考課制度の理解度、行政評価システム、市民協働のまちづくり、男女共同参画推進事業などに関する質疑がありました。
以上の質疑を経て、それぞれの立場から討論が交わされておりますので、要約して申し上げます。
まず、一般会計決算を不認定とする立場の委員からは、政府の経済失政の下での倒産や失業、不安定雇用の増加などが市税収入に大きな影響を及ぼしており、負担増が追い打ちをかけるため、市民の生活が更に緊迫した状況に追い込まれている。このような状況の中、市民の切実な声にこたえ、生活・福祉をいかに守るかを最重点に置いた施策展開が求められるが、市営住宅の入居待機者の増加、住居環境の悪化、老朽化などが深刻化していることから、抜本的な改善策を検討すべきである。
保育所においては、待機児の解消などのための財源措置や職員体制を整える責任があり、生活保護における就労支援は働き口の不足、低い賃金、不安定な雇用条件などの実態を十分配慮した上で行うべきであり、さらなる支援体制の整備が必要である。
また、急ぐ必要のない投資的経費が温存されたまま、住民福祉施策の意義が軽視されていることを指摘すると述べられました。
一方、認定とする立場の委員からは、歳入歳出差引きの形式的収支は3億913万5,000円の黒字であったが、基金の取崩し額の調整や市債の発行抑制に努めたことなどで、実質単年度収支は3億3,069万7,000円の赤字決算となった。
歳出では、少子高齢化や子育て支援への対応、循環型社会の形成と環境問題への対応、計画的な社会資本の整備、教育の充実などにおいて適正に執行され、財政運営の弾力性が少ない状況下での努力を評価する。
行財政を取り巻く環境は厳しい状況が続くと思われるが、自主財源の確保に努める一方、行政評価や自立した市民の意見により適切な取捨選択を行い、自主・自立のまちづくりの施策を積極的に展開されるよう期待するとのことであります。
また、認定とする立場の別の委員からは、自主・自立のまちづくりを進めるには、財政基盤の安定や健全性の確保が不可欠であり、自主財源の一層の強化が求められている。
野幌地区の顔づくり事業や江別駅前の再開発に早期の進展が望まれ、産業の振興を図り、財源の確保に努力すべきである。
義務的経費のさらなる圧縮と将来を見据えた投資的経費の拡充を求めるが、地方債についても償還の推移を見極め、計画的な活用を行い、更に厳しさを増す財政運営に対応できるよう総合的な視野を持ち、行政の推進に努めることを期待し、認定すると述べられました。
次に、国民健康保険特別会計でありますが、これを不認定とする立場の委員からは、長期の景気低迷と倒産、リストラなど、無職者や低所得者が増加している状況において、国民健康保険税の賦課が負担の限度を超えていると思われる滞納者に対する短期被保険者証と資格証明書は国民健康保険法の本旨に反するもので、結果として制裁措置となってしまうため、発行はやめるべきである。
また、医療費の負担を軽減するため、一部負担金の減免制度を見直すほか、疾病の早期発見や予防、受診しやすくして重症化させないなど、医療費の低減を図るべきと指摘されました。
一方、認定とする立場の委員からは、退職者の増加とともに、療養給付費の増加が続き、介護の納付金も大幅な増加を続ける一方、歳入では税などが予算額を下回り収支不足となったが、平成15年度と比較すると大幅に改善された。
平成16年度から始まった出産育児一時金の医療機関への受領委任払いをはじめ、税収納率のアップへの努力を評価し、今後も国保運営の安定化計画に基づき、一層努力されることを期待すると述べられました。
次に、介護保険特別会計でありますが、これを不認定とする立場の委員からは、現在、特別養護老人ホーム待機者が市内全体で630人、そのうち在宅での待機者は266人とされているが、正確な待機者などが十分に把握がなされていない状況にあり、保険者としてこれら実態把握を十分行い、入所までの期間を支える必要がある。
また、在宅介護サービスについては、今後十分に検討し、次期計画に反映させるほか、被保険者の権利が守られ、要介護度に応じたサービスを安心して受けられる仕組みが保障される必要があるが、いまだに施設整備、保険料、利用料の負担軽減など、市民の切実な要望にこたえるものとなっていないとのことであります。
一方、認定とする立場の委員からは、平成16年度末の要介護等認定者は3,588人であるが、介護を必要とする高齢者とその家族を支える社会的安全弁として、その機能を発揮している。核家族化の進行と担い手不足、家族関係の希薄化などの環境の変化が施設介護サービスをより多く必要とさせる状況もあり、入所の待機者数も増加しているが、重複申込みの整理などにより申込み数が落ち着くことが予想される。
また、パワーリハビリテーションの普及など、寝たきりにしない介護予防も進みつつあるが、自助、互助、公助を前提とした高齢化社会との共存に向け、さらなる努力を期待すると述べられました。
老人保健特別会計及び基本財産基金運用特別会計に対する討論はありませんでした。
以上の討論を経て採決を行った結果、認定第4号の一般会計、認定第5号の国民健康保険特別会計及び認定第7号の介護保険特別会計は賛成多数により、また認定第6号の老人保健特別会計及び認定第8号の基本財産基金運用特別会計は全員一致で、いずれも認定すべきものと決したものであります。
以上、決算特別委員会に付託されておりました決算認定5件の案件につきまして、審査の経過と結果を一括ご報告申し上げましたので、よろしくご審議、ご決定くださいますようお願い申し上げます。