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平成17年第4回江別市議会会議録(第1号)平成17年12月7日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

各常任委員会所管事務調査報告

議長(岡村繁美君)

 日程第6 各常任委員会所管事務調査報告を議題といたします。
 初めに、総務文教常任委員長の報告を求めます。

総務文教常任委員長(坂下博幸君)

 それでは、当委員会の閉会中の所管事務調査のうち、教育施設のアスベスト調査、指定管理者の被選定者の決定と経過及び先進地行政調査についてご報告申し上げます。
 まず、教育施設のアスベスト調査についてでありますが、全国的なアスベスト問題を受け、市はアスベスト対策連絡会議を設置し、この間、市有施設の調査を全庁的に進めてきましたが、このうち教育施設に関する調査経過等について報告がありました。
 すべての教育部関係施設については、気中濃度検査を行った結果、アスベストの飛散はないとのことでありましたが、その後、さらに建材等のアスベスト含有率を調査すべく、サンプル分析を行ったものであります。
 この結果、吹き付け石綿より含有率が低いとされる吹き付け岩綿が使われている3施設については、アスベストが不検出であり、さらに含有率が低いとされる吹き付け材のヒル石を使用する13施設のうち、江別第三小学校ほか5小中学校で1%を超える含有が検出されました。
 このヒル石は、他の吹き付け材とは性質が異なり、飛散のおそれのないものとして扱われているものですが、これら6校の安全に万全を期すため、今後とも飛散の有無について定期的に調査するとのことであります。
 国土交通省では、これら飛散性のない建材等の取扱いについて、建築基準法の改正も含め検討中であり、市としてもこれらの方針や基準の整備の経過を見て、今後の対応を検討していきたいとのことでありました。
 次に、指定管理者における被選定者の決定及び経過であります。
 今定例会には、平成18年4月から管理を行う指定管理者の指定について、それぞれ議会審議がなされるものでありますが、その被選定者の決定について、企画政策部から報告がありました。
 本年6月の第2回定例会で、指定管理者の指定の手続等に関する条例及び各公の施設の設置条例の一部改正の後、7月から8月に掛けて公募を行い、9月には申込者に対するヒアリング、10月の選定委員会を経て、非公募の4施設を含め26施設、14グループの被選定者が決定したものであります。
 被選定者の決定に至る経過やその考え方については、質疑を通じて確認されたものであり、その概要について申し上げますと、手続条例に基づく選定基準は、市民の平等な利用、サービスの向上、管理運営コストの削減及び安定的な管理運営であり、この四つの視点により選定基準を定め、選定作業を進めたものであり、特にサービスの向上や付加価値の高まりといった市民の視点が重要であり、コスト削減を優先したものではない。
 選定の経過としては、8月末の公募締切りの後、9月に施設を所管する部局において、申込み者からのプレゼンテーションとヒアリングを4日間行ったもので、この中で四つの視点による選定基準に基づき採点をしている。
 その後、10月に2日間の日程で選定委員会を開催したが、時間の制約もあり、申込み団体すべてではなく、各施設2団体又は3団体のプレゼンテーションを受けるほか、各所管で行われたプレゼンテーションやヒアリング、採点結果や提案書など、すべての申込み者に関する資料を委員会に提出し、説明しているものであり、これを踏まえて最終選定に至った。
 また、地元の事業者等に対しては、早い段階から制度の概要を説明する機会を持ったが、その中で、外部からの新しい競争関係など意識喚起にも努めたが、今後地域の雇用確保、仕事の確保の課題について、関係団体との連携を踏まえて、対応を検討していきたいとのことでありました。
 最後に、先進地行政調査についてでありますが、当委員会は11月9日から11日までの3日間の日程で、長野県長野市及び大阪府岸和田市において調査したものであります。
 まず、長野市でありますが、指定管理者制度及び市民協働のまちづくりに関する主要事業について調査してまいりました。
 初めに、指定管理者制度についてでありますが、江別市と同様に、平成18年4月の導入を目指し、平成16年5月から市の行政改革推進審議会の専門部会で、施設の管理運営の方針を協議し、審議会は同年12月に市長に対し提言したものであります。
 この提言を受け、平成17年3月末に廃止8施設、民営化2施設、直営281施設、指定管理者228施設とし、指定管理者以外の決定をしたものについては、引き続き実施時期や今後の在り方等について検討していくとの方針を決定したものです。
 その後、募集要項・仕様書等の作成、募集の告示、説明会の開催を経て、5月の1か月間を募集期間とし、さきに対象施設とした115グループ・228施設について、そのすべてを例外なく公募したものであります。
 すべてを公募で行うということは、既存の管理委託団体、とりわけ市の出資団体も含め、原則一番力のあるところに絞っていくということを基本にしたと述べられました。
 選定に至る経過としては、同年の6月に応募のあった団体の事業計画・自主事業計画に基づき、担当課による書類審査及びヒアリングが行われ、7月には外部委員と内部委員で構成される選定委員会により、申請書類を基に、必要に応じてプレゼンテーションを実施しました。
 審査基準は点数化したが、点数は採点者によってレベル差があることから相対的な判断が難しいため、点数だけでなく総合判断をした。また、選定委員会のプレゼンテーションは、10施設程度行ったものであり、そのほかは書類審査・担当審査を基にしているとのことでありました。
 9月定例会において議会審議を終えているところですが、今後の課題としては、本年1月に近隣の1町3村と合併しているが、今後この施設の指定管理者制度移行に向け、準備を進める必要があること、制度の移行により全体で約1億円のコストダウンを見込んでいるが、今後これを倍程度にしていきたいとのこと、また指定管理者による自主事業については、あくまで自由提案であったので、実施に当たっては今後の協議にゆだねる部分が多いなどの説明がありました。
 次に、市民協働によるまちづくりを進める主要事業についてであります。まず、まちづくり活動支援事業でありますが、市民と行政の協働と連携を進め、市民とのパートナーシップによるまちづくりを推進するため、市民が自主的に企画立案し、実施するまちづくり活動を助成金により支援するものです。
 江別市にも同様の制度がありますが、長野市においては、事業を継続的に支援する色彩が強く、最初に企画段階で支援し、次いで事業実施に至ってからも3回、段階的な助成をすることでブラッシュアップを図っているものであります。事業年度終了後は活動発表会を行っているとのことであります。
 次に、市民公益活動支援事業でありますが、総合計画の市民と行政のパートナーシップによるまちづくりに基づき、あらゆる分野で市民との協働を進めるため、新しい社会サービスの担い手としてのボランティア団体やNPOなど、市民公益活動団体との協働が不可欠であるとして、連携・交流に係る機会、市政へ参画できる機会の創出が求められるものです。
 このため、市は側面的な人材育成、事業委託や助成などの資金の確保、情報の収集・提供や相談機能を有する場の提供という形で支援しています。また、これら支援を実現する機能を持たせた市民公益活動センターを拠点施設として設立し、支援を具体化する様々な事業を展開しているとのことであります。
 次に、市政出前講座でありますが、市民が主催する勉強会・研修会等に講師として市職員を派遣し、市政に関する説明や専門知識を生かした講座等を行うことにより、市政についての理解を深め、意見交換等を通じて、市民との協働による元気なまちながのの実現を目指しているもので、講座メニューは93項目で様々な分野をカバーしているものであります。
 昨年度の実績は119件、延べ5,270名が参加したもので、介護保険など健康福祉関係、ごみ問題などの環境関係に関するメニューの希望が多いとのことであります。
 このほか、市民と直接意見交換等をする場として、元気なまちづくり市民会議があります。市長ほか担当部長が出席し、地域に関する身近な課題について、自治会等から提案する議題や自由討議を行うもので、市内30か所ほどで実施していると説明されました。
 続いて、岸和田市では、当市においても策定に向け進めている自治基本条例及び都市政策研究所について調査いたしました。
 最初に、自治基本条例についてでありますが、条例制定の考え方としては、平成12年に地方分権一括法の施行以来、自ら考え、自ら行う独自性を持つ地方政府としての地位を持つことになりました。
 平成14年度から特例市として事務の一部が移譲されるなど、果たすべき役割も大きくなってきたこともあり、総合計画では市民自治都市の実現をうたって、新しいまちづくりのシステムを進めるとしたが、必ずしも確立されておらず、体系化されていませんでした。
 このため、市の市政運営に関する基本原則を明確にし、拘束力を持つような仕組みとしての条例を定め、これを最高規範として総合的な施策や立法を推進しようとしたものであります。
 市民が市政に参画する基本的な考え方や情報共有・協働のルールを盛り込み、共通の指針とする必要があったことから、行政主導で方向性を示すのではなく、策定段階から市民委員が中心となって一から作り上げる方法を採用したものであります。
 平成15年1月から公募の結果決定した27名の市民委員と学識経験委員4名で構成する策定委員会をスタートさせ、毎月2回のペースで会議を開き、先進地事例や市行政の現況等の調査・研究を行い、大きな枠組みとしての条例試案をまとめました。
 同年8月から、広報でのPRや市民アンケート調査を進める一方、小委員会での議論や学識経験委員のアドバイスを受けながら具体的な原案を作成し、平成16年3月から庁内組織との協議、議員や職員への説明会を開催して、出された意見や課題に検討を加えながら修正した条例素案を7月にまとめたものであります。
 さらに、この素案を広報やホームページ、市民報告会などで公表し、意見を求め、再検討を重ね、最終的には10月に市長に対し策定委員会としての案が報告され、これを尊重した形で12月には議会提案がなされ、可決成立したものであります。
 条例規定における議会については、議会の権能・責務、議員の責務を規定し、その重要性を強調し明確化することで市民に対する責任を果たそうとする意図があるとのことであります。
 また、策定過程における議会とのかかわりについては、最終的な条例審議は議会が行い、議決するものですが、策定段階から情報交換し各種意見を求め反映させることが必要と考え、多くの議員講習会又は説明会を開催しています。
 条例は、本年8月に施行し緒についたばかりであり、広報等で特集を組むなど、粘り強く市民周知に努めるとともに、市の最高規範であるからこそ、時代とともに、あるいは時代に合っているかどうか、育てていく条例だと考え、時代に合った制度として機能しているかどうか、常に検証を続けていくとのことであります。
 最後に、都市政策研究所についてでありますが、複雑多様化する市民ニーズにこたえるまちづくりについて、長期的・客観的・専門的視点から研究するため、市から独立した任意団体としてのシンクタンク組織として設立したものであります。
 その中の研究会では、非常勤の研究委員が8名、同じく非常勤のワーキング研究員21名により調査研究を行うもので、講演会や研究会の開催のほか、主として地域社会に関する総合的な調査研究及び政策提言を行っています。
 研究テーマの成果として、おおむね2か年をめどに一つのテーマに取り組み、その研究成果は都市政策きしわだとして機関誌にまとめ、これまで平成6年度から9テーマ、11冊として発行されております。
 こういった取り組みは、市が唱えている市民自治都市の実現につながるものの一つとして役立つものと思われますが、市の説明では、単に冊子としてまとめるのが目的ではなく、地域の中に外からの風を吹かせ、地に足の着いたものとして、あるいは一つのヒントとしてそれをどう展開させるかが今後の課題であるとのことであります。
 以上、先進地行政調査の概要を申し上げましたが、いずれも当市が現在取り組んでいる課題、あるいは関連するテーマでありますことから、今後の市民協働などの行政運営において十分参考になるものと申し添え、所管事務調査報告とさせていただきます。

議長(岡村繁美君)

 これより総務文教常任委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で総務文教常任委員長報告を終結いたします。
 次に、厚生常任委員長の報告を求めます。

厚生常任委員長(植松直君)

 当委員会における閉会中の所管事務調査として、市立保育園の民営化、市立病院の経営状況及び先進地行政調査についてご報告いたします。
 最初に、健康福祉部所管の市立保育園の民営化についてご報告いたします。
 市立保育園の民営化に関する保護者との意見交換会などの経過報告がありました。
 6月4日と6日には、第1回目の意見交換会を開催し、保育園の現状と民営化の必要性について説明し、7月15日、16日の2回目の意見交換会では、市立保育園の今後の在り方案を提示して、財政や保育園運営の状況、保育ニーズの多様化等により、平成18年4月1日からのみどり保育園の業務委託方式での民営化を行いたい旨、また移行時の引継ぎ保育の実施などの五つの条件を説明しております。
 8月27日、30日の3回目の意見交換会では、これまでの意見の論点整理を行ったもので、9月には市民意見公募を行い、32件の意見がありました。
 みどり保育園の保護者に対する民営化移行の説明会を10月26日に開催する予定であったが、連合父母の会から民営化白紙撤回の要求書が提出され、連合父母の会及びみどり保育園PTAから、平成18年4月からの民営化を前提とした説明会には参加できないとの主張があったことから、混乱回避のために説明会を中止しました。
 11月4日には、連合父母の会、みどり保育園PTA及び江別の公立保育園民営化問題を考える会の3団体の連名により、市立保育園の民営化に関する公開質問状が提出されておりますが、この回答の際に保護者の方々と会って、話合い再開の協議の場としたいと考えているが、平成18年度からの民営化については残された時間が限られており、また保護者の皆様と十分な協議ができないことから難しいと考えているが、協議を再開する糸口を見付け、最大限努力していきたいとのことであります。
 次に、市立病院の経営状況についてでありますが、4月から9月までの6か月トータルの経営状況では、入院患者数は1日平均では318人で、平成17年度の当初計画と比較すると6人多く、病床利用率は408床に対して78%であります。
 外来患者数は、夜間診療部門を含めて、合計では14万6,653人、1日平均1,169人で、計画に対して62人少なくなっております。
 診療科別に見ますと、入院患者数では計画よりも上回っているのは整形外科、消化器科、循環器科、麻酔科、内科などで、計画よりも下回っているのは、泌尿器科、産婦人科、耳鼻いんこう科、眼科などとなっております。また、外来患者数では内科、小児科、外科、麻酔科、精神科、夜診を除いた診療科で計画を下回っています。
 また、入院収益では、17億9,330万2,000円で、当初計画よりも2,061万7,000円下回っており、平均単価は入院患者1人当たり3万828円で、計画よりも935円下回っています。外来収益は、夜間診療部門も含めて11億7,290万6,000円で、計画よりも91万円5,000円下回っておりますが、平均単価は外来患者1人当たり7,998円で、計画よりも393円上回っています。
 診療収益の合計では29億6,620万8,000円で、計画よりも2,153万2,000円下回っており、総体的には入院・外来とも計画を下回っている状況にあります。
 これに対します医業費用の状況でありますが、給与費、材料費、光熱水費、経費、その他の合計が30億4,102万1,000円で、計画よりも5,864万円少ない執行となっており、収支の状況としましては2,428万5,000円、計画を上回る状況にあります。
 診療収益は減っているものの、医業費用が抑制されていることから収支としては計画を上回っており、経費節減の努力が感じられますが、平成18年度には診療報酬の大幅な引下げが見込まれ、一層の経営努力が必要となりますことから、地域に根ざした市民のための病院としてサービス面にも考慮しながら経営改善に取り組まれることを期待します。
 次に、先進地行政調査についてでありますが、当委員会では11月9日から11日までの3日間の日程で、京都府の福知山市、兵庫県の芦屋市、大阪府の羽曳野市を調査いたしました。
 まず、福知山市でありますが、市民病院の地方公営企業法全部適用による経営健全化の取り組みについて調査してまいりました。
 病院は、軍の病院として設置された後、厚生省に移管され、国立福知山病院となりましたが、政府の行政改革に伴う再編成・合理化の対象となったことから、市が存続を模索した結果、平成5年10月1日に、全国で初めて国からの無償移譲を受けて、市立福知山市民病院となりました。
 移譲と同時に、地方公営企業法の全部適用としたものですが、全部適用の選択については、経営責任の所在をはっきりさせるためとのことであり、実際の運営では市長部局との調整や議会への報告を頻繁に行った上で、市長決裁を経ずに契約や人事管理などを行うことが可能であり、迅速で効率的な経営ができるとのことであります。
 病院職員の給与は、移譲当初より国家公務員に準拠した給与体系としており、身分を保障することによって長期的勤務、チームワークや資質の向上が図られ、結果として市民に対して良質の医療が提供できると述べられていました。
 収支については、国立病院時代には赤字であり、移譲後もしばらくは赤字経営が続いたが、国立病院では行っていなかった24時間診療を経営方針として掲げ、日曜日の診療や救急の受入れにより市民のための病院であるということを積極的にアピールしたとのことで、市民病院の意義が浸透し、患者数は徐々に増えていき、結果として収支改善が図られ、平成8年度には単年度の黒字、平成11年度には累積欠損金も解消されております。
 経営上の特筆すべき点は、財政面では移譲から平成11年度までの間、国の補助として年1億2,000万円から最大2億4,000万円程度を受けていたこと、医療圏に関して、市内に大きな病院がなく、近畿の都市圏や地方都市とも離れているという地域性から、病院間の競争が少ないことが挙げられます。
 現在敷地内に新病院を建設中で、平成18年6月の診療開始を目指しており、新たに心臓血管外科とリハビリ病床44床を設置し、それに合わせて職員数も現在の318人から400人程度にまで増やす予定であります。
 建物解体に伴う特別損失や新病院建設費用の起債償還、職員を増やすことに伴う人件費の増加により、しばらくは赤字となるが、平成22年度には単年度黒字化、平成27年度には累積欠損金を解消する計画を立てています。
 続いて、芦屋市でありますが、市立病院の民間診療所誘致による経営改善の取り組みについて調査してまいりました。
 1人当たり個人住民税額が全国一であることに象徴されるように、以前は約300億円の基金を有する裕福な市でありましたが、平成7年1月の阪神・淡路大震災により財政が一変し、再建・復興のための積極的な投資による市債の償還や震災の影響による市税の落ち込みなどから、市の財政は破たん寸前となりました。財政再建のために平成15年度から10年間の行政改革実施計画を策定し、経費削減策として病院経営の抜本的見直し、企業会計への繰出金の見直し、給与水準の抑制などが進められております。
 市立病院の経営状態は、平成16年度には行政改革実施計画に基づく特別職を含む市全職員の給与削減が行われたほか、経費の見直しをすることで、平成元年度以来の単年度黒字となったが、累積欠損金は平成16年度末で49億円となっております。
 また、一般会計からの繰入金は平成16年度では約9億円であったものを平成17年度には1億円を削減し約8億円、平成18年度には4億円程度にまで削減されることが決まっています。
 このような中、平成16年1月に今後の市立病院のあり方検討委員会が設置され、公認会計士である大学教授などの有識者のほか、芦屋市医師会会長、職員労働組合書記長、病院長などの7名を委員として、廃止や民間移譲も視野に入れた6回の検討を重ね、平成16年4月に市長に対して答申されております。答申では、地域医療機関との機能分担と特徴の明確化をし、一般会計繰入金の削減にこたえ得る財政再建・経営健全化に集中するべきとされ、経営改善策として、診療科の再編、購入や委託費などの費用削減などが示されております。
 診療科の再編では、財政面と患者ニーズを考慮し、耳鼻いんこう科、泌尿器科、歯科の3科は院内開業方式へ移行することとされ、実現できない場合には歯科については廃止、残りの2科については廃止も視野に入れて縮小をするよう示されております。
 院内開業方式については、県などと協議した結果、公の部分と民間の部分を明確に分ける必要があるとのことから、約2,000万円を掛け正面玄関の横の壁を抜いて、専用の入り口や現在の待合室から行き来できないように仕切りを設け、分離する工事が計画されています。平成17年5月には院内開業医師を公募し、歯科は20件、泌尿器科は2件の申込みがあったが、耳鼻いんこう科は申込みがなく、再募集をしているが、このまま応募がなければ答申どおり廃止する予定とのことであります。応募があった2科については平成18年4月の開業を目指し、準備が進められております。
 院内開業医は別の診療所であることから、レセプトや職員の雇用も独自で行い、市立病院は開業医師から行政財産の使用料、管理費、光熱水費を徴収することになります。メリットとしては、市立病院側では赤字の削減につながり、開業医側では医療機器の初期の設備投資が不要であり、診療契約によって市立病院の高度医療機器による検査も可能であり、さらには病診連携の観点からも理想的とのことであります。
 今後の課題としては、平成17年度は収支の均衡を保っているものの、来年度には繰入金の大幅な削減が予定されており、公立病院や民間大病院がひしめく阪神間に位置することから厳しい状況であるが、市長が存続の方針を明確にしたことから、院内開業方式を軌道に乗せ、諸業務の委託化や嘱託職員化などによる経費の削減や診療上の特区などを検討するなど、あらゆる手立てを講じて経営改善を図りたいとのことであります。
 続いて、羽曳野市でありますが、障がい者、高齢者に対する就労支援について、陵南の森生きがい情報センターを調査してまいりました。
 羽曳野市には、古代天皇、皇族の御陵が20か所以上あります。前方後円墳も多く、その一つの御陵に隣接する場所として陵南の森という一場所があります。
 羽曳野市は、平成3年度に証明書自動交付機を導入し、その後もスポーツ施設予約端末機、シティカードの導入、平成13年度には地域情報化の拠点となる生活情報センターを設置し、平成15年度からは住民基本台帳カードの無料交付を開始し、行政サービスの手続に利用できるものとするなど、行政情報化、地域情報化を積極的に進めております。
 平成11年度に障がい者に対する情報処理講習会を開始し、平成12年度には国の事業の適用を受けて講習会を続け、これを発展させ、障がい者や高齢者が情報技術によって働くことができる場所の提供を模索した結果、国の情報バリアフリー・テレワークセンター施設整備事業の補助を受けることになりました。
 障がい者及び高齢者を対象とし、情報通信技術の活用により新たな雇用を生み出すとともに、自立・社会参加を促すことを目的に、平成13年3月に陵南の森生きがい情報センターが設置されました。
 設置場所としては、学校の空き教室利用を考えたが、学校の反対で断念し、老人福祉センターや公民館が建っている陵南の森に建てることになり、総事業費は約5,500万円で、このうち約1,800万円の補助を受けております。施設はバリアフリー一階平屋建て作業室2室で、一般のデータ入力用パソコン20台や障がい者用パソコン8台などが整備され、建物のほか、障がい者用OA機器、備品なども補助の基準に合ったものとして、極力市の負担を少なくするように努力しています。
 対象は、障がい者及び65歳以上の高齢者としたが、実質的に就労にまで結び付く方を登録する形となっており、登録時には簡単なパソコンのテストを行っています。登録者数は平成17年4月現在で、高齢者が4名、障がい者が23名で、実際の利用者は高齢者が1名、障がい者が6名となっています。
 この施設を仕事場として利用し、会員自らが仕事を受注し、納品するのが原則であるが、実際にはチームを編成して協力し合えるようにしており、受注内容はケーブルテレビの画像制作、ホームページの作成、パソコン講習、名刺やはがきの作成、顧客データの作成などであるが、当初は市民や企業からの注文もなく、市が情報発信メディアとして利用しているケーブルテレビの画像制作が主な仕事でした。
 事業売上げは、平成13年度の85万6,000円から平成16年度には471万9,000円と4年で5倍以上の成果を上げてきましたが、今年度上半期では38万6,000円と激減しています。これは利用者の1人がプログラマーとして一般企業に就職したためであります。
 事務職員として臨時職員を1名配置し、技術的なサポートは第三セクターに業務委託しており、職員数を最低限に抑えるなど、運営経費の節減に努めているとのことであります。市では平成18年4月から公の施設について指定管理者を導入しますが、当施設は現行のまま直営で運営されることが決まっています。
 今後は、発展的に事業展開を進めるため登録制をやめ、利用対象を一般の市民にも広げ、だれでも利用できる施設とし、ソフトやハードの更新時には一般的なものへと変更していきたいとのことであります。
 補助事業の制約の中での運営は相当に厳しい状況にありますが、障がい者や高齢者に対するパソコン教室は事業として続けながら、地域情報推進化の拠点としての生活文化情報センターと連携し、この補助的な役割を担う施設として位置付けていきたいということであります。
 以上、各調査市の概要を報告いたしましたが、医療政策の転換期を迎え、公立病院の経営は厳しさを増していますが、調査市の取り組みは当市立病院の参考となる部分が多く、また高齢者や障がい者に対する情報技術を活用しての事業も先進的な事例として示唆に富み、参考となる行政調査でありました。
 以上3件をご報告申し上げ、厚生常任委員会の所管事務調査報告といたします。
 以上です。

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