平成17年第3回江別市議会会議録(第4号)平成17年10月4日 5ページ
6 議事次第の続き
請願第1号
議長(岡村繁美君)
日程第11 請願第1号 野幌駅南地区の再開発事業計画案の見直しについてを議題といたします。
駅周辺再開発調査特別委員長の報告を求めます。
駅周辺再開発調査特別委員長(高間専造君)
ただいま上程されました請願第1号 野幌駅南地区の再開発事業計画案の見直しについての審査の経過と結果をご報告申し上げます。
本件は、今期定例会の初日に付託されたもので、委員会の開催日はお手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
当委員会といたしましては、担当部局に対する質疑、請願者の参考人招致、さらには理事者の出席を求めて質疑を行ってまいりましたが、お手元に配付のとおり、平成17年9月26日付けで請願者より議長あて、諸般の事情によって請願を取り下げたい旨の書面の提出がありましたので、審査を中止したものでございます。
この間、公務ご多忙の中、審査にご協力をいただいた理事者並びに担当部局の皆様をはじめ、限られた日程の中で鋭意誠心誠意、審査をいただいた委員各位に厚くお礼を申し上げ、委員会の審査経過と結果とさせていただきます。
よろしくご決定のほどお願いいたします。
議長(岡村繁美君)
これより駅周辺再開発調査特別委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、駅周辺再開発調査特別委員長報告を終結いたします。
お諮りいたします。
請願第1号につきましては、委員長報告にありましたように取下げの申出がありましたので、これを承認することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第76号
議長(岡村繁美君)
日程第12 議案第76号 江別市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
総務文教常任委員長の報告を求めます。
総務文教常任委員長(坂下博幸君)
ただいま議題となりました議案第76号 江別市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例の制定について、審査の経過及び結果をご報告申し上げます。
審査日と審査結果は、お手元の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
本条例は、これまで試行を進めてきた人事考課制度について、その本格実施とともに医療職を除く課長職以上を対象に、考課基準に基づく行動結果としての勤務成績を勤勉手当に反映させようとするもので、本年12月支給分から適用させるため必要な改正を行おうとするものであります。
初めに、主な質疑の状況を申し上げますと、改正前の条例においても勤務成績に応じて支給するとあるが、どのように行われているのかとの質疑があり、これまでも期間率や懲戒処分に対応した減額として勤務成績に応じた勤勉手当の支給を行っており、これに人事考課の結果を加えるものであると答弁されました。
次に、議会事務局や行政委員会の職員に係る任命権者はそれぞれの長であるが、考課者を助役、市長としているのはなぜかとの質疑に対しては、これら市長事務部局以外では任命権者をまたがる異動が多いことや、在籍人数が少ないこと、また任命権者が非常勤であることなど困難な面があり、統一的な取扱いをする必要があるためと考えているが、今後、制度の見直しの中で他市町村の動向も見ながら検討していきたいと述べられました。
次に、今回の処遇反映は課長職以上の管理職が対象であるが、それ以外の職員は対象としないのかとの質疑がありました。答弁では、管理職以外では主幹職及び係長職について試行を継続中であるが、そのほか係員職も含めてまず試行を始めて、その結果を踏まえて検討していきたいと述べられました。
また、評価を数字で行うことによって、働くことや昇任などの意欲を失う恐れがないかとの質疑に対しては、目標達成型の成績主義を導入することは改革事項の一つと認識しており、職員の意識そのものが変化することが求められ、この意識改革により実際の経営が変わることが必要であり、数字で示すことによって客観性が得られると考えていると答弁されました。
次に、多くの職員が納得していないという結果のアンケート調査に関する質疑に対しては、アンケート調査は試行1回目を終えた時期に行っており、経験が不足している時期の調査という事情がある。納得性を高めるためには、面接の手法が大事であり、互いのコミュニケーションの取り方を含め研修を通じて行っているが、本年度も再度アンケート調査を実施すると答弁されました。
次に、総人件費の枠内での処遇反映を相対評価による区分で行うことに関する質疑があり、答弁では考課の方法としてはそれぞれの考課項目ごとの判断基準を指標として絶対評価で行う仕組みになっているが、処遇反映においては一定の財源の中、評価の客観性を高めるため、頑張りや成果の度合いによって成績段階を付ける相対評価を併用するものであると述べられました。
また公平性、透明性を保つための考課結果の開示に関する質疑では、1次考課者が被考課者に対し、面接の中で考課内容を十分説明し、次の目標設定及び成果につなげるよう配慮している。また、職員の請求に応じて一部開示ができる制度としているが、その範囲については広げることが望ましいと考えており、今後の推移を見ながら検討したいとの答弁であります。
さらに、実施後の制度の見直しや検討に関する質疑では、多くの指摘をいただく中、今後においても常に制度の検討及び見直しを行っていかなければならない。また、制度の透明性、公平性を高めて、職員の納得が得られるよう機能させる必要があり、問題点などを十分精査しながら軌道に乗せていきたいとのことであります。
次に、討論の状況でありますが、最初に反対の立場の委員からは、いち早く能力・成果主義システムを導入した民間企業においても失敗を恐れチャレンジ精神がなくなる、利己的な人材をつくりチームワークを阻害する、導入目的とは逆の労働意欲を低下させる結果となっているなどの弊害から、見直しを行っている状況にある。
職員に対するアンケート調査によれば、目標管理シートについて、一部又は全部が分からないとの回答が3分の1ほどあること、考課期間内の面接を実施していない部署があること、また被考課者の3分の2は考課結果を納得していないなど、制度が十分に理解されていない。
また、今回の条例改正は、人事考課制度の運用として、課長以上の管理職に対し12月勤勉手当から処遇反映をするものであるが、今後、管理職以外に拡大することも予想され、スタート時こそ時間を掛け慎重に対応すべきである。
考課の方法としては、自己評価・相互評価を基礎とした組織単位の合議と絶対評価にすべきとともに、部下からの評価システムと評価結果の全面的な開示を行うことが必要であり、そのことからも時期尚早であり反対する。
一方、賛成の立場の委員からは、提案された条例改正は職員の人事考課制度を確立し、人材育成や適材適所の配置、管理職員のマネジメント能力の向上など、市民のために働く職員をつくり出すことを目的にしている。また、各自治体はそれぞれせっさたくましながら住民と共に発展する努力を続けており、民間においても厳しい状況の中で能力を磨くことが求められている。江別市においても、平成15年10月より約2年間にわたって試行を行い、積極的に人事考課制度に取り組んでおり、様々な研修等を重ね制度の手直しを行ってきた。そのような慎重な対応の中、平成17年12月支給の勤勉手当から勤務成績を反映させようとするものである。
どの制度もそれぞれ一長一短があるので、厳しい今日の状況の中で人間関係が損なわれることのないように、また制度の運用の仕方によっては職員の能力を生かすのではなく、枠の中にはめてしまう危険性もある。今後は、制度に様々な検討を加えつつ、より良い制度として成長することを願い賛成する。
また、賛成の立場の別の委員からは、人事考課制度については日常業務に目的意識を持って取り組み、職場での研さんや互いに評価し合うことが重要であり、制度については公平性、公正性、客観性、透明性、信頼性及び納得性が担保され、結果として意欲の向上につなげていく必要がある。
市職員の業務形態は多岐にわたるため、様々な目標設定が生じ、客観的基準が明確でなく、基準の統一化が必要となること、1次、2次の複数考課があるが、一面的な評価となりやすいため、同僚や部下による多面的な評価を導入すべきこと、制度の導入には納得性が必要であるが、アンケート調査においても導入段階で可否を問う設問がなく問題を含んでいること、制度の信頼性や透明性を確保するため、本人への結果開示手法を改善すべきこと、行政委員会の場合は、その長との協議が不可欠であり手続を整備する必要があることなど、多くの問題点を含んでいる。また、絶対評価を相対評価に置き換える手法は、チームワークや働く意欲など制度の目的を失わせかねない。
制度の導入は、当初から予算を限定したことに起因するものであるが、よって人数割合の緩和、弾力的運用を求めるとともに、制度実施までにしんしに検証し、職員の理解を得るべきである。また、可能な限り不利にならないよう制度の見直し時点で検討したいとの答弁を踏まえ、賛成すると述べられております。
以上のような討論を経て採決を行った結果、議案第76号につきましては賛成多数により原案のとおり可決すべきものと決したものであります。
以上、当委員会における審査の概要をご報告申し上げましたので、よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。