平成17年第3回江別市議会会議録(第2号)平成17年9月21日 12ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
高橋典子君
また、新予防給付の実施には、地域包括支援センターの設置が必要となります。地域包括支援センターは新予防給付のマネジメントと地域支援事業、ケアマネジャーに対する指導や助言、権利擁護や虐待防止など、地域の介護サービス全体に大きな影響を及ぼすことになる公共的な役割を担うこととなります。設置は人口2万人から3万人に1か所が基準とされておりますが、日常生活圏域は利用者や家族の目の届く範囲で設定しなければ、高齢者の役に立つものとはならないと考えます。
これらのことから、地域包括支援センターは、まず市の直営で運営することを基本とするべきだと考えます。また、委託する場合においては、既存の在宅介護支援センターの機能を高めて移行させていく、一法人に受託させるのではなく、運営協議会を母体とするNPOなどを新たに設置して共同受託とするなど、公共性を持たせることが必要ではないでしょうか。また、運営協議会には当該地域の事業者がすべて参加でき、利用者、地域住民、事業者の声が十分反映できる仕組みが必要と考えます。万が一にも利用者の囲い込みなどといったことが起こらないよう、公平性、中立性の確保は厳密に行われなければならないはずですが、どう対応していこうとお考えかお伺いいたします。
次に、地域支援事業についてお伺いいたします。
ここには、従来の老人保健事業や介護予防・地域支え合い事業が組み込まれてきますが、これまで当市で行ってきた事業が縮小されるのではないか心配なところです。高齢者が地域で生き生きと暮らしていくためには、多面的な施策が必要です。また、利用者負担についても、だれもが利用できるよう、少なくともこれまで以上の費用負担とならないよう設定すべきです。財源については、第一義的には国がしっかりと財源保障するべきと考えますが、被保険者の保険料負担として跳ね返らないよう、市としても予算を考えていくべきと思いますが、これらのことについてどう考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、男女共同参画についてお伺いいたします。
現在、当市では仮称江別市男女共同参画推進基本条例の制定に向けて、条例案の骨子について検討するための懇話会を立ち上げ、具体的に取り組み始めようとされており、そのこと自体は否定するものではありません。ただ、既に条例が作られた幾つかの自治体において、条例は作ったけれど現実の場面において変化が感じられない、住民の意識の変化が生まれているとも思えない、この条例がどれだけ意味を持っているのか分からないといった声もあると聞くところです。
1999年に国が制定した男女共同参画社会基本法自体が、事業主の責務を明記せず、企業に対して男女共同参画促進の責任を求めていない点、また、機会の共同参画は求めるが、結果の平等を求めていないという弱点とも言うべき問題を持っていることも事実です。
政府は2000年に基本計画を策定したところですが、関係する専門調査会等において男女間の賃金格差問題が指摘されており、7月25日付けで出された男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向についてと題する答申の中でも、1985年に28.4%だった女性のパート・アルバイト比率は、2003年には40.8%にまで急増していること、正社員とパートで賃金格差が存在し、パートタイム労働に女性が比較的多く就いていることが、男女間の収入格差をより拡大させていると指摘されているところです。生活していく上で欠かせない労働の分野で、基本法が弱点を持っていることが、各自治体での取り組みに限界を生み出している一因になっているとも言えるかもしれません。
しかしながら、自治体によっては、条例の中に、事業者の責務や生涯にわたる健康と権利の尊重、男女間の暴力やセクハラの禁止など、国の基本法には明記されていない問題についても積極的に盛り込んでいるところもあると伺います。これは、条例づくりの過程で市民の意見や要求を丁寧に取り上げ、それを反映させながら作り上げられた成果と見ることができるのではないでしょうか。
今、当市が作ろうとしている条例は、男女共同参画が江別市において現実的に推進されることを目指すものとしようとしているのかどうか、問われるのではないでしょうか。どのようなお考えを持って懇話会を設置されたのか、まずお伺いしたいと思います。
次に、ジェンダー・フリーの問題にかかわってお伺いいたします。
このところ、ジェンダー・フリーに対する攻撃が目立ち、しかも誤解や曲解によると思われる主張がなされているところです。その事態を受けて、日本女性学界は7月16日付けで声明を発表しています。
この間のいきさつを見ていると、ジェンダーという言葉が示す概念について、まだ理解が広がっていないのではないかと考えられます。実際、ジェンダーという言葉を日本語でどう表現するのが適切なのかというところでいろいろな論があるようですが、概念を表す言葉であり、簡単な日本語に置き換えることは難しいのかもしれません。それにしても一定の見識を持っているはずの方たちが、故意なのか、あるいは本当にご存じないのかは分かりませんが、的外れな、あるいは事実から目を背けた批判を繰り返すことは慎むべきではないでしょうか。
いずれにしろ、ジェンダー概念の理解なしには、本来目指すべき男女共同参画社会の実現はあり得ないものと思いますし、当市において条例を制定していく作業の中で、ジェンダーとはどういうことなのか、どのようにして形成されてきたのかなど、市民の中に丁寧かつ正確に知らせていくことは、とても重要なことと考えますが、いかがお考えかお聞かせいただきたいと思います。
次に、当市における課題について、どのようにとらえておられるのか、お伺いいたします。
2002年に江別市男女共同参画基本計画が策定され、以来その推進を図るために関連施策の実績について一覧としてまとめられ、評価委員会で点検を受けられてきています。また、当市議会総務文教常任委員会でも報告を受けてきたところです。
しかしながら、この一連の過程の中で率直に感じたのは、当市の男女共同参画を推進するには、どの施策が重要なのかが見えてこない、どこが重要なポイントとなっているのか、なかなか見えてこないということです。男女共同参画が言われてから既に相当の年月がたっているのですから、少なくとも市役所内にはそれなりに理解が定着してきているでしょうし、各施策が行われる中で、男女共同参画について意識されているなら、当市の課題や特徴が見えてきているのではないかと思います。
今、正に条例について取り組みが開始されています。条例を作るに当たっては、当市の実態を把握してこそ意味のある条例作りができると考えます。この間、取り組まれてきた中で、当市の課題をどうとらえていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。ご答弁をお願いいたします。
最後の項目として、カラス対策についてお伺いいたします。
多くの方がご存じでしょうが、カラスがごみを荒らしたり、人にいたずらをしたり、子育ての時期などは威嚇してきたりといったどこでも共通の問題のほかに、大麻駅付近をねぐらとするカラスが地域の方たちに恐怖感を抱かせるなど、特別の問題も存在しています。
この問題は、過去に他の議員によって、1999年、2001年、2003年と1年置きに取り上げられてきており、鮮明に記憶に残っております。特にそれを引き継ぐつもりはなかったのですが、この夏、ちょうど鉄道林と大麻中央公園が交わっている辺りに住む方から相談が寄せられ、その苦労がよく分かったものですから、今回取り上げさせていただきました。
特に今年は例年以上に暑い日が多く、窓を開けたまま寝たい日もあったのですが、伺ったお話では、鉄道林やその周辺で夜を過ごしたカラスたちが、朝、空が白み始める午前3時、4時ころから、えさを取りに行く前に鳴き始め、うるさくて寝ていられない。窓を閉めたら暑くてかなわないと、大変な一夏を過ごされたということでした。
先日、新聞に東京都で取材したカラスについての記事が出ておりましたが、やはり同じような行動をとっているようです。夕暮れになると、途切れることなくカラスがやってくる。夜は遅くまで、朝は未明からカアーカアーと耳障りな合唱が続くと書かれていました。
夕暮れどきに大麻駅周辺でカラスが群がって飛んでいる光景は、大抵の人は不気味に感じると思います。そういう感覚自体は人間の方で作り上げたイメージによるものとも言えますが、JRで札幌から江別に向かってきて、江別に入った最初の駅であのような光景に出会うのは、まちの印象を悪くすると思います。また、あのような状態は近年のことであり、以前は違っていたということです。何らかの環境の変化と条件の下で作り出されていると理解する必要があるように思います。
東京都では、明治神宮や新宿御苑などがカラスの集団ねぐらとして有名だそうですが、それらの状態について異常繁殖だとし、自然状態とみなされる目標を設定し、2001年度から取り組みを始めているとのことです。
カラスは学習能力が高いこと、生態の研究が進んでいないことなど難しさも理解しますが、市民が困っていることも事実です。市民から出されている苦情や被害についてまとめ、市民の協力が必要なこと、市の側で対応が必要なこと、問題によっては部局間の調整が必要なことなど整理して、解決の道を探っていかなければならないと思いますが、この間、カラスの問題にどのように取り組んでこられたのか、また、何らかの進展はあるのか、お伺いいたします。
また、カラスは市境を越えて移動します。近隣自治体との協力も必要かと思いますし、JRの協力をいただかなければならない場面もあるかと思います。また、生態についての情報収集、進んだ対応を行っているところから情報をいただくなど、関係機関とも情報交換しながら総合的な取り組みが必要かと思いますが、いかがでしょうか。
以上お伺いいたしまして、1回目の質問といたします。