平成17年第2回江別市議会会議録(第3号)平成17年6月17日 13ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
川村恒宏君
次に、職員のメンタル・ヘルス・サポートについてお伺いをいたします。
メンタル・ヘルスとは、心の健康、精神衛生と言われております。ストレスとは、古くから工学系で使われていた言葉で、ひずみとの意味があり、ストレスが医学の対象となったのは20世紀に入ってからのことです。ストレス疾患は21世紀の国民病であり、豊かな社会の病気であると言われております。近年特にマイクロエレクトロニクス時代を迎え、オフィス・オートメーションの発達はテクノストレスという新たな精神心理的病状を労働者に生じさせ、男女雇用機会均等法による女性の職場進出、終身雇用、年功序列から能力主義への急速な変化など、職場の人間関係の複雑さも加わり、メンタル・ヘルス問題は、いわゆるストレス関連疾患が精神保健衛生上大きな社会問題となっています。
2003年発行のNHKのデータ・ブックによると、生活上の出来事で、どのようなときにストレスを強く感じるかとの問いに対して、肉親の死亡、離婚、自分のけがや病気、失業、新しい仕事、親せきとのトラブル、上司とのトラブルが上位を占めております。
また、労働者のストレス状況では、職場の人間関係、仕事の質・量、仕事への適性、昇進、昇給などが高い割合となっています。ストレスを感じ、その対処方法は何があるかと言えば、楽しいことで気を紛らわそうとする気持ちが根本にあって、会話、食事、買物、飲酒、趣味が挙げられております。ストレスの強さの感じ方は人様々で、年齢や性別に関係なく、性格や生き方により千差万別であります。
一方、朝日新聞によると、2003年の国家公務員の自殺者は134人となっており、未遂まで入れますと相当数の職員がメンタル・ヘルスに何らかの問題を抱えているとの指摘があります。ストレスの積み重ねが、肉体的にも精神的にも疲弊して、深刻な障がいを引き起こし最悪の結果になってしまいます。現代病であるストレス疾患はだれでもかかりやすく、また、どこの職場でも少なからず抱えております。市役所内でのメンタル・ヘルス・サポートを伺いましたら、まず職場の上司に相談することとなっており、次に職員課に相談することとなっているそうです。
札幌市では、今年から組織内に保健室的な相談窓口を設けることになったと報道されております。労働者のストレスは職場内で発生することが多く、直属の上司とのトラブルであれば最悪で、職場の上司には相談できません。相談すれば配置転換など不利な条件が言われそうで言いにくいのが本音の部分ではないかと思います。自分のことでありますので、組織内で他人の耳に入ることが不安で、なかなか微妙でありデリケートな問題でありますので、気安く相談はしにくいと思われます。疾病が重くならないで軽いうちに対処できれば、本人はもちろん職場の復帰は早まりますし、戦力は失われないと思います。気楽に相談でき、人事にも助言できる第三者組織の窓口の設置はどうか伺います。
次に、水道法改正について。
今年度江別市では2003(平成15)年地方自治法の改正により、公の施設の管理における指定管理者制度が制定されて、市の管理している公共の施設を民間に委託すべく条例の改正を議会に提案してきました。この趣旨は、民間の力を活用して住民サービスの向上を図り、より効果的、効率的な施設の運営に取り組むことが目的であります。
一方、市の財政は、改めてここで申すまでもなく、今後も含め極めて厳しい状況下にあり、財政の負担を軽減するための施策でもあります。
水道部は過去1982(昭和57)年、1983(昭和58)年と2度の水道料金値上げの改定を実施して、石狩管内でも高い水道料金と言われた時代がありました。しかし、1993(平成5)年に水道サービス公社を設立して、検針等の業務、浄水場夜間監視業務、浄化センター汚泥脱水処理業務など、上下水道合わせて多くの業務委託を実施してコスト削減の努力を実施してきました。千歳川堤防土壌のフミン質によるトリハロメタンの有害物質除去のため、さらにコスト負担が膨らむ活性炭による高度浄水装置の導入による市民サービスの向上にも努めてきました。これらの努力により、他市町村では水道料金の値上げが実施されても、江別市は料金を改定せず今日まで安全を守り、安定した料金で推移をした経緯があります。
水道事業は法律上、原則として市町村が経営することになっていて、市町村以外の者が経営しようとする場合には、水を供給しようとする区域の市町村の同意が必要です。
また、水道事業者はそれぞれの給水区域内において独占的に水を供給することになっています。このような水道事業に対する規制は、市民の生活に欠くことのできない水を、安全に安定して供給するために存在するわけですが、一方では水道事業に競争原理が働きにくく、事業者が経営を効率化する意欲がわきにくい原因ともなっています。
こうした規制が存在する中で、事業者が経営の効率化を図る手段として外部への仕事の委託が挙げられます。これまでは水道の検針や浄水場の夜間監視など補助的な仕事しか委託の実績がありませんでした。しかし、2002(平成14)年4月1日に施行された水道法改正により、浄水場の運転や水質の管理など、高い技術力を要する仕事を外部に委託する場合に、水質の管理責任が委託元の事業者から委託先の事業者に移ることになり、水道事業者が外部委託をしやすい環境が生まれました。これにより、小規模な事業者からほかの大規模な事業者や民間事業者への委託が進み、仕事の効率化が図られ、水道料金が安くなることが期待されております。水道料金は地域によって料金の格差、内々格差が大きいことが知られております。家庭で10立方メートルの水を使う場合の最高と最低の料金を見ますと、全国的に比較すると10倍前後の格差が見られます。江別市の料金は全国的に見ても平均的な価格であると推察いたします。
水道料金の内々格差の大きな原因については、水源から浄水場までの距離が遠いため、長い導管が必要になること。水源の水が汚れていて、浄化するのに費用が掛かること。水を使う人が少ないために料金収入に対して費用が割高になること。水道事業者の費用削減に取り組む姿勢が違うことなど、地域によって事情が異なるためと考えられます。
さて、日本水道協会の資料により、各国の水道料金を調べてみると、各国の水利条件、水質、水を使う量などに違いがあることから、厳密な比較は困難と思われる中で、日本の一般的な家庭が1か月当たりに使用する水の量である20立方メートルを使う場合の料金を比較すると、日本の水道料金はイギリスと同じ水準にあり、フランス、ドイツに比べて割安ですが、アメリカに比べると約2倍となって割高となっております。
市水道部では、今春既に指定管理者制度を導入する以前に、水道法の改正により、一般競争入札方式により民間委託で上江別浄水場の運転管理業務を始めようとしております。水道部のこれまでに進められたコスト削減による経営努力に対して敬意を表すところであります。しかし、指摘すべきことは下水道使用料であります。先ほど述べたように、水道の料金についてはこれまでの経営努力は評価いたしますが、札幌市と下水道使用料を比較した場合、10立方メートル当たり札幌市は600円、江別市は1,030円と江別市の約6割の使用料で処理していることになります。市民世帯当たり平均の1か月20立方メートル処理したとして860円の差が出ることになり、年間1万320円になります。この額は家庭の主婦にとっては決して少ない額ではないと思われますがいかがなものでしょうか。
規模や様々な違いがありますが、市民は札幌市と江別市を行き来しており、選択の自由がない公共下水道使用料でありますので、今後、下水道使用料をいかに下げるかは水道部の大きなテーマではないでしょうか。コストを下げ、市民に低料金の公共サービスを提供する観点から、下水道の操作部門での民間委託を進めるべきではないかと考えられますがお伺いをいたします。
以上をもちまして、1回目の質問とさせていただきます。