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平成17年第2回江別市議会会議録(第3号)平成17年6月17日 5ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

一般質問の続き

植松直君

 簡単に2質に入らせていただきます。
 財政上の視点から顔づくり事業をもう一度お聞きしたいと思います。
 5月30日に関西社会経済研究所から都市の財政力2005自治体経営分析における財政分析が出されました。江別市も資料を提供し、その結果を入手したと思います。財政状況をグラフで表しています。平成15年度の江別市の財政はどの辺に表示されているかと言うと、グラフの左下に位置付けられています。この左下の評価は一般的に言うと償還能力が低く、資金繰りも苦しい状況なので財政運営は大変困難であり、抜本的な見直しの必要性がある。でも、研究所の所見は、おおむね財政状況は安定しており償還能力は中位、資金繰りは下位水準にある。直近では、資金繰りと償還能力が共に若干回復基調にあると、多少ほっとするような評価をもらいました。しかし、資金繰り指標の償還財源指数を見ると、近年は弱含みで推移しており厳しい状況にあります。
 債務償還可能年限が平成14年の7.22年から6.83年に短縮されたことから、回復基調もうかがえると言っていますが、平成7年からは償還可能年限は六、七年で一向に短縮されていません。このような財政状況の中で市債の償還を考えれば、100億円を超える一般財源で実施される事業の返済計画が示されているのでしょうか。2年前に宮城県多賀城市の立体交差事業の調査をしました。多賀城市も駅周辺の土地区画整理事業に取り組んでいましたが、立体事業よりも先に区画整理を行っていました。高架、区画、街路の三位一体ということではなく、立体交差とそれに関係する事業のみに限定し、その後は、そのときの内外の財政状況や経済効果を勘案しながら事業を進めていくという柔軟性を持ったスケジュールにしてはどうでしょうか。現段階での市長の見解があればお伺いしたいと思います。
 カウンセラーの設置についてですが、後ほど質問する川村議員がメンタル・ヘルスに触れていますので簡単にお話しします。
 最近の厚労省は7年連続で自殺者が3万人を超えている状況から、予防策の検討に入ると言っています。職場でのストレスは仕事と人間関係ということになります。仕事量が多い、忙し過ぎる、超過勤務が多いで、忙しいと疲労がたまる。これは今後増えるでしょう。職場での人間関係ということも単純ではありません。平成11年に総務省の外郭団体からストレスの自己チェックシートが出ています。これを参考にして気軽に自己採点できる体制を作ってはどうでしょうか。その中で、本人が相談できる受皿を内外に構築しておくことが、安心して働くことができる環境をつくることになるのではないでしょうか。でも、先ほど助役からそれに関したような答弁もいただきましたので、これは単なる要望ということにしておきます。
 庁内の雰囲気を変えるということでは季節感を出していただきたいというふうに思います。ある役所を訪問したときに、入り口の正面におひなさまが飾ってありました。2月下旬でしたが、なるほどと思いましたが、これは市民から寄贈されたものであると。その時どきで梅や桜やこいのぼりであったりしょうぶであったりと、季節にふさわしいものを飾るということでした。深刻な問題を抱えて来庁する市民に、せめて雰囲気だけでも明るい市役所になるように工夫してはいかがでしょうか。庁内改革の小さな実験として片隅に置いていただきたい。
 次は、教育長になんですが、兵庫県が取り組んだトライやる・ウィークは、連続殺傷事件と大震災を教訓にして始まった事業ですが、その根底には教育に対する危機感があった。確かに、長崎県佐世保小学校や最近の光高校の事件などは読み書き計算の勉強だけでは克服できない問題でもあります。芦屋市も順調に事業展開できたわけではない。大きな反省の中から新たな取り組む姿勢をつくってきたと言っていました。事業の主体は教育委員会よりも中学校区で組織するトライやる・ウィーク推進委員会で、その構成員は学校長、PTA、受入れ側と地域団体代表でつくられている。この地域団体代表とは自治会の役員で、町内の受入先の開拓もしている。校区推進委員会でお互いに情報交換し、事業の活性化を図り、地域がかかわることでそこの地域の教育力を高めることになるのではないだろうか。
 江別市は財源が付いたのでということで、動機が不純とは言いませんが、もっと教育の根本のところから取り組む姿勢を示してほしい。地域を巻き込むことで、この冬に起きた暴力事件も回避できたと思う。来年はもっと大きな推進委員会をつくって地域の住民を入れていただきたい。
 それに、中学校の職場体験では市民の注目を引かない。トライやる・ウィークのような躍動感あふれるキャッチ・コピーを考えてほしい。各学校でこのようなポスターを作って活動場所に張ってあります。これは子供たちが作ったポスターなんです。このように、自分の独自のポスターを作って、そうすると多くの市民の目に止まり関心を呼ぶことになる。まず最初が肝心と思います。
 兵庫県は2000年から小中養護学校の先生を企業や福祉施設に派遣する事業を始めています。一、二か月の社会体験研修ですが、芦屋市では1人の先生が1か年の研修を行ったと言っていました。子供たちが体験した職場で、夏又は冬休み期間中に先生の職場体験を取り入れてはどうでしょうか。中学生の体験記を読みましたが感動が伝わってきました。先生も体験することで生徒との一体感を強め、これからの授業に生かされるものと確信します。取り組みを始めてはいかがでしょうか。
 以上、教育長には要望といたしますが、分かったということであれば、その一言だけでもお聞かせ願いたいと思います。
 以上、2質を終わります。

市長(小川公人君)

 植松議員の再質問でありますが、前段で新聞報道された研究所の江別市の財政の件でありますけれども、江別市のまちはもうどうしようもないと言われる悪い評価をされるよりは、もちろん、それはほっとしたというお話でありますけれども、それはちょっとうれしいことでありますけれども、全く私は、そのことをもって楽観は全然していない。たまたま、もう全国区ではその100番目にも入らない、道内でたまたま一つの物差しの中で江別市がランクが上に出たということで、多少ほっとしていますけれども、しかし全然楽観する状況ではないと、こう受け止めております。
 そんな中で、特に顔づくり事業でありますけれども、もう一度顔づくり事業の、この意図・目的と一体に取り組むことの必要性と、それから財政についてちょっと触れたいと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、顔づくり事業は江別市の新しい中心市街地の形成を目的として、商業・文化交流、交通等の都市機能の充実により活性化を図るものであり、したがって、連立事業に合わせ、駅前広場、それから街路事業を効率的に進め、南北市街地の一体化や活性化に資する施策を効果的に進めていく。このことがまちづくりの事業効果を早期に上げていくことにつながると。そういうことで、この連続立体交差なり土地区画整理事業なり街路事業について一体的に進めたい。その必要性はその辺にあると、こういうふうに思っておりますし、財政でありますけれども、各年度のこの事業費や起債額についてそれぞれの年度の財政見通しをきちっと踏まえる中で、財政は非常に厳しいわけでありますから、その抑制と平準化を図っていくことが非常に大事だと。そういうことで、他の事業とのバランスやこの起債償還額等の状況などを総合的に勘案する中で進めてまいりたいと、こう思っておりますのでご理解をいただきたいと存じます。

教育長(高橋侃君)

 再質問というか要望というかちょっとあいまいなんですけれどもご答弁申し上げます。
 まずは、植松議員に対しては、分かりましたということでお答え申し上げます。どういうことで分かったかということで、私なりに付け足して申し上げたいと思いますのでお許しいただきたいと思います。
 ニートなどの実態を見ると、やはり議員と同様に、今の日本の、あるいは江別市の若者はこのままでは駄目なんだという危機感を私なりに持った次第でございます。何とか義務教育段階から社会の中に子供たちを入れ込んで、生きる力を付ける必要があると考えて文科省の事業を受けた経緯がございます。こういう私どもの考えている手法は、やはり行政主導とか、私どもが江別市の各種企業、団体に頼んで、学校にも働き掛けるという形だと思うわけであります。
 しかし、今の植松議員のご提言は、もう一歩踏み込んで、学校と地域のパイプを強めて、運営委員会あるいは推進委員会を立ち上げて、地域の子供たちのために地域の方々が各種企業に、子供たちのために体験の場の提供をお願いに上がるというようなダイナミックな動きを私は感じるわけであります。そういうような形に是非江別市も持っていきたいと、そういうように考えております。
 話は少し変わりますけれども、最近読んだ雑誌を今日持って来ております。植松議員も資料を持ってきましたので、私もこれを持って来たんです。和田秀樹という精神科医の論調が出ておりました。タイトルは、生きる力は学校では教えてくれないというものでございました。小さいころに連続していじめに遭っております。不登校も経験したと言うんです。そこから立ち直れたのはおばあちゃんとお母さんだと言っております。文章をちょっと拾いますと、僕がおばあちゃんから教わったのは、自分に誇りを持ちなさいと。いわゆるプライドを持てと言われたと。お母さんからは、自分一人で生きていける力を付けろという価値観を受け継いだんだと。結果として彼は、じゃあ、東大に入ってみようじゃないのということで今の自分がいるんだということを述べております。親が社会の本音を教えてあげるなり、とりあえず生きていくための価値観を教えてあげないと、子供に生きる力なんて学校だけに頼っては駄目なんだということを彼は言っているわけであります。この方は、僕が娘たちに残せるものがあるとしたら何だということになれば、しぶとく生きろと。そういうことを言いたいんだと言っております。
 それで、締めになりますが、議員のご提言を受けて、このせっかくの事業ですので、江別市の子供たちに将来にわたって、正にしぶとく生きろとエールを送りながら、私ども行政と、それから学校と地域が丸ごと一体になって将来の江別市の子供たちに対して支援をしていけるような事業に持っていきたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。

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