平成17年第1回江別市議会会議録(第4号)平成17年3月28日 7ページ
6 議事次第の続き
休憩前の続き
議長(宮澤 義明 君)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
議事を続行いたします。
次に、議案第25号 平成17年度江別市水道事業会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
森好 勇 君
議案第25号 平成17年度江別市水道事業会計予算について、反対の立場で討論に参加します。
昨年の水道予算については、水道料金の道内他市との比較や夕張シューパロダムにかかわる人口推計と水需要での見直しを評価し、反対しなかったわけです。しかし、本年度予算には、安心、安全な飲料水をつくる浄水場が、一部であっても営利を目的とする民間企業に委託することには納得し難いものがあります。
水道事業は、毎年1億円から2億円の利益を上げている優良企業であり、経営分析、財務諸表を見ても、今後とも安定した経営が維持できる内容になっています。もちろんこの間、経営努力をしてきたことは認めるものですが、今回の委託業務は、水道サービス公社の検針業務とは質的にも相当異なる業務であると思います。命の源をつくる飲み水、正に公的責任を果たす重要な部署までもが、コスト削減の対象にされようとしています。
水道部の職員数は、1985年、20年前には102名、現在は82名と20名減っているわけで、水道サービス公社の受託業務範ちゅうを超える委託業務を許すことになれば、止めどもなく水道部職員が減少していくものと考えられます。バブル崩壊後、特に公務員を見る目が厳しくなり、民間労働者との対立をあおり、公務員は少なければそれに越したことはないという、財界中心にした世論づくりがされています。その理論的な柱がNPM(ニュー・パブリック・マネジメント)と言われており、民間企業の経営管理方式を公共部門に適用させるということです。今回の委託についても公共性、効率性、専門性について検討されたと思いますが、公共性と対立するNPM的発想が見え隠れします。
水道部職員は、ライフラインのかなめである飲料水を24時間体制でつくっており、敬意を表する次第であります。また、新年度予算では、量水器の地上メーターやマンションの各戸検針を進める取り組みなど評価しますが、安全、安心な水をつくる工場まで民間委託することに反対し、討論といたします。
以上です。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
伊藤 豪 君
議案第25号 平成17年度江別市水道事業会計予算について、委員長報告に賛成の立場で討論を行います。
平成17年度水道事業は、給水戸数4万5,650戸、1日平均給水量は3万2,025立方メートル、年間総給水量は1,168万9,000立方メートルであり、前年度とほぼ同様を予定しています。
収益的収入では、給水収益、受託工事収益、その他営業外収益を含めて24億7,460万円が見込まれております。対する収益的支出は、事業費用として浄水場運転管理等業務委託料、量水器更新整備費などを含めて、前年度比2,446万円増の23億26万円が予定されています。この結果、税抜き純利益で1億5,109万5,000円が見込まれています。
次に、資本的収支でありますが、収入では工事負担金等により3,273万円を見込み、支出では建設改良費で、災害に強く安定供給のため配水区域ブロック化事業費や浄水施設整備事業費の増などにより、前年度比5.3%増の9億2,802万円を見込んでおります。全体としては、前年度と比較して大差なく、バランスのとれた予算案となっております。
また、懸案となっております夕張シューパロダムを水源とする石狩東部広域水道企業団拡張事業については、国の人口推計を受けて事業の再評価を1年間繰上げ実施し、大幅に計画水量の見直しを行うとともに、事業の継続を決定し、江別市としても受水水量の見直しを行ったことは、一定の理解が得られたものと認識しております。
なお、同拡張事業に対する江別市の出資については、現行の負担割合試算の結果を踏まえつつ、今後縮減に努力されることを望むところであります。
次に、コスト削減の一環として平成17年度より浄水場運転管理業務について、現行職員16名体制から半数程度に減員し、民間委託を導入し、約1,700万円のコスト削減を行うこととなりました。そのため昨年度より職員の研修を深め、安全で良質な水の提供を続けるとともに、市民サービスの低下とならないよう努力されていることは評価するところであります。
さらに、水道料金滞納整理についてでありますが、本年度より2年の短期消滅時効を適用するとのことで、収納対策に一層の力を注がれることを期待し、今後とも水道事業の執行に当たり、安定した経営により快適で安心できる市民生活が担保されることを強く要望して、賛成討論といたします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第25号を起立により採決いたします。
議案第25号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第26号 平成17年度江別市下水道事業会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第26号を採決いたします。
議案第26号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第27号 平成17年度江別市病院事業会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
星 秀雄 君
会派明政会として、議案第27号 平成17年度江別市病院事業会計予算案について、委員長報告のとおり原案に賛成の立場で討論に参加します。
最初に、多くの自治体病院は経営に苦労しておりますことも承知しております。昨今の医療機関の厳しさ、なかんずく診療報酬などの改定、医師不足と、それに伴う退職者の悪循環の問題、市民サービスの低下防止、一般会計繰出金の検討、患者ニーズの把握と受診率の向上、制度的な不採算部門の解消などなどと多くの課題解決のための経営診断の断行は、ときを待たないと思います。
基本姿勢として、いたわりの心を持って良質な医療を市民に提供するとともに、民間医療と提携し、保健・福祉分野とも更に連携を図り、行動プランを早急に作成していくとありますが、もちろん医師不足の解消は最優先課題として取り組み、経営の確立には経費の節約も急務として、医療材料や医薬品、光熱費、物品などの効率的な購入、各委託費の効率化もこれに含みます。
予算案によれば、諸材料費では前年対比8,100万円の減、純損益も圧縮して1億7,400万円と、健全化に向けての努力もうかがえます。経営診断に基づき実現の可能性を見極めながら、自治体病院の苦労とも言える不採算部門の切捨てはできないことは、今後十分市民のコンセンサスを深めながらの改善は課題として残りましょう。
いずれにしても、市長、病院長、事務長、そして病院役職員一丸となり、強い危機意識を持って病院経営に当たって、先が見える結果を出していただくことをご期待し申し上げ、賛成の討論といたします。
以上です。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか
宮川 正子 君
議案第27号 平成17年度江別市病院事業会計予算について、討論に参加いたします。
江別市立病院は、経営健全化に向けて、平成11年度を初年度に病院経営健全化計画を策定し、平成14年度第2次見直しを行いながら策定がなされてまいりました。
市民の税金で運営されている病院として、市民のために良い医療を提供し、住民の健康を守り、自治体病院のあるべき姿としていかに地域社会に貢献していくのか、そのために経営診断を行ったと理解するところです。経営診断報告書の中で、重点的に取り組むべき課題として2種類に大別されており、一つは、江別市行政の積極的な協力体制抜きには解決不可能なもの7項目と、もう一つは、当院として取り組むべきものとして14項目です。経営診断の結果に基づいて、今年度は21項目のうち12項目について取り組んでいくとのことですが、残された9項目を中長期的にどのように取り組んでいくのか明確にされておらず、きぐするところですが、環境整備ができたものから取り組むお考えを示されたことを受け止め、その推移を見守りたいと思います。
課題の中でも特に、地域医療連携の強化と急性期入院加算の取得は、診断の結果でも急務の課題として指摘されました。また、精神病棟の再編については、当院で最大の赤字部門となっているため、早急に検討する必要があると指摘されております。さらに、業務の外部委託の拡大については、現在すべて当院で職員運営されている部分の外部移行、又は非常勤職員に転換することによって、医療の質と収益性の向上に寄与する効果が期待できるなど、明確に診断結果が出ており、早急な改善をすべきと考えます。
また、行政による積極的な協力体制が必要な課題の中で、医師確保については、非常に厳しい現状ではありますが、医師確保は、地域の根幹となる急性期病院としての機能を維持するための最重要課題であり、平成17年度の取り組みに期待をいたします。
当会派として再三議会で一般質問でも指摘させていただいている地方公営企業法の全部適用への移行については、必ずしも黒字に転換しているとは限らないとの委員会での答弁でありましたが、私どもが視察してきた岡山の市立病院においても黒字に転換しております。全部適用の成功例として、経営診断にもありましたが、埼玉県立4病院の事例を挙げています。病院事業管理者いわく、病院改革のために経営上良いと思うものは何でも手を着けたとおっしゃっています。経営改革に本気で取り組めば、地方公営企業法が求める公共性の発揮と企業性の発揮は両立可能であると証明されております。
今後、自治体病院として本来の使命を全うするためには、赤字経営は許されない時代になったと診断されています。平成16年度においても一般会計からの繰入金が8億9,260万円で、これからも財政事情が厳しくなることを考えると、更に危機意識を持って病院の健全化に取り組むことをご期待し、議案第27号 平成17年度江別市病院事業会計予算に賛成の立場で討論といたします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
矢澤 睦子 君
議案第27号 平成17年度江別市病院事業会計予算について、賛成の立場で討論いたします。
平成17年度の事業は、一般病棟278棟で86.1%の病床利用率を見込み、精神病棟では利用率62.3%です。また、一般外来患者は開業医開設の影響などもあり、1日平均1,229.8人で、いずれも平成16年度当初比より大幅に低い見込みです。この結果、医業収益で68億3,560万円余、費用では71億9,400万円余の予算となっています。
病院事業は、国の医療費抑制策と診療報酬減額改定などの背景から極めて厳しい状況であります。平成12年度から平成15年度までは経営努力により赤字幅を圧縮してきましたが、平成16年度の決算見込みでは3億2,600万円の見込みに対し4,800万円を上回る純損失、平成17年度も3億6,200万円余りとなり、この結果、未処理欠損金は計画を下回るものの、38億9,000万円余に上る見込みであります。
江別の現状は、札幌圏の中にあっても医師が10名ほど不足し、今年度も市長を先頭に医師確保に努力をしましたが、研修医制度の壁もあり、現状確保も至難の業とのことです。しかしながら、過重労働による悪循環や、医療事故防止のためにもあらゆる手立てと要請を行うべきであります。また、経営診断や審査でも示されましたが、精神科については、原価計算による赤字幅が最大であることから、精神科の患者動向を的確に把握し、院内及び患者家族とのコンセンサスを基本に、看護単位の在り方も検討すべき重要課題であります。
以上のことから、病院の課題は、一つに、院内のインフォームド・コンセントを基本とした行動計画の策定、二つに、何よりも医師不足に起因することが大であり、医師の定着化と確保に最大の力を注ぐこと、三つに、特に一昨年からの医師退職、市内開業に伴う収益減も大きく、また、このことは反面、病床利用率の向上につながることからも、病診連携により紹介率を高めるため一層の努力を期待するものです。四つに、今年度も一般会計から総額8億9,000万円余の繰り出しが予算化されていますが、市立病院は公的病院のゆえ、精神病棟や救急医療などの不採算部門も持たざるを得ず、国・道に一層の財源確保を求めるべきであり、その上に立ち、精神科、救急医療など、一般会計の負担区分の見直しを積極的に進めるべきであります。
以上、病院経営は外的要因や制約に起因する点が多いことから、現状をつぶさに分析し、医師確保と赤字幅の圧縮など、病院長の決意と手腕に大きく期待し、賛成討論といたします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、議案第27号を採決いたします。
議案第27号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。