平成17年第1回江別市議会会議録(第4号)平成17年3月28日 6ページ
6 議事次第の続き
議案第8号ないし議案第11号及び議案第20号ないし議案第27号の続き
森好 勇 君
議案第21号 平成17年度江別市国民健康保険特別会計予算について、反対の立場で討論を行います。
国の平成17年度予算は、平成18年度の医療保険制度改革に向け、保険者の再編、統合や新たな高齢者医療制度の創設などの検討が本格化し、同時に、三位一体の改革で医療費の国庫負担額を減らし、都道府県負担に置き換え、その結果、国保給付費に占める国の負担は50%から43%に減少することになります。しかし、全国で国保税の滞納者が全世帯の2割近くに上り、保険証取上げが平成16年度には約30万世帯となった今、高すぎる保険料を下げるために、国による財政支援の強化こそが求められるというものです。
そんな中、この間示された平成15年度の江別市の国保の実態は、国保世帯数は全世帯の39%以上、被保険者数は市民全体の29.4%を占めるに至りました。一方、財政基盤については、所得階層別世帯数から見ると、所得ゼロから200万円未満が依然として全体の約80%を占め、特に所得ゼロ世帯がそのうちの31%を占め、年々増加する傾向を示しています。
新年度、国保税を据え置くことは評価するものでありますが、それでもなお国保税が払い切れない、国保税が生活費に大きな負担を与えている深刻な状況は改善されません。国の制度改正で75歳までの高齢者が被保険者となったことで、江別市の国保被保険者全体の33%以上が70歳以上となり、自然増も含め保険給付費の増加を招き、さらに厳しい状況に拍車を掛ける実態となっています。
この状況に対し、市政執行方針において、地域の医療制度としての重要性にかんがみ、その安定的な運営に努力するとのことで、市の政策的な支援に大いに期待するところです。が、一般会計からの繰入れは、対前年度比825万2,000円増の9億7,842万9,000円でありますが、国保中央会のデータによりますと、少し古いのですが、平成14年度決算では、江別は1人当たり一般会計繰入金は4,318円、石狩管内を見てみますと、札幌市が1万8,218円、恵庭市が1万5,683円、千歳市が1万4,509円、北広島市が8,139円、石狩市が5,456円と、1人当たりの繰入金は江別市が最低となっています。
今でさえ深刻な国保世帯には、次年度以降の税制改正の影響、医療制度の改正など計り知れない負担が強いられることがきぐされます。その意味では、江別市の全世帯の約4割を占める国保税の安定化を図るための政策的位置付けがまだ弱いと指摘せざるを得ません。
次に、資格証明書の発行は、一部の滞納者を除き、払いたくても払えない、高すぎる国保税によって恒常的に少なくない市民が命綱の保険証を奪われるという事態は深刻です。納税相談など職員の努力の結果が、資格証明書から短期証に移行でき、収納率を上げることにもつながっていることは評価するものですが、根本的には過重な税負担が滞納者の増加につながっているわけですから、制裁措置の拡大として資格証明書や短期証発行という命とお金をはかりに掛けるともとられかねないようなやり方は、厳しい状況に置かれている市民の立場に配慮し、更に慎重に対応すべきです。
また、医療費の自己負担の増加は、受診抑制から病状悪化、重症化させ、結果として医療費の高騰につながっていることは従来より指摘されているところです。様々な事情で医療費の窓口負担が困難となった市民が江別市国民健康保険事業規則第14条、一部負担金の減免及び徴収猶予の制度を十分活用できるように条件など検討すべきです。歳出の6割以上を占め続けている療養給付費を抑える方策は、従来からの受診抑制中心ではなく、健康の維持増進から予防にシフトすることの重要性に照らし、今回の健診内容充実など評価するものです。
しかし、厳しい財政状況の中にあっても、社会保障としての地域の医療保険制度、国保を守ることが市民の命と健康を守ることであるという立場から見て、まだ施策として不十分であることを述べて、反対の討論といたします。
以上です。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
五十嵐 忠男 君
私は、議案第21号 平成17年度江別市国民健康保険特別会計予算につきまして、委員長の審査結果報告のとおり可決すべきという立場で討論をいたします。
国保事業は、平成14年度の制度改正に伴う対象者の大幅な増加や、70歳以上の原則1割負担に伴う負担増により、毎年医療費が大幅に増加する一方、昨今の景気の低迷により保険税収入が伸び悩み、厳しい財政状況が続いております。平成13年度以降、基金取崩しや繰上充用で対処しておりますが、今年度末の累積赤字は1億4,500万円と見込まれ、今後の安定的な運営が懸念されております。
本予算では、保険者支援制度や国の権限移譲の一つとして、都道府県負担の導入、さらには保険給付費に対する国庫負担金の補助率の変更などが行われ、他方、保険税は被保険者の増加により4.6%の増となっております。特に保険給付費では、退職者医療制度の対象者となる被保険者の増、老人保健制度の対象年齢の段階的引上げに伴い、国保が9割を給付する70歳以上、75歳未満の加入者の増加により、給付費は8億円余で12.1%と大きく増加し、予算総額前年対比7億900万円、7.2%増の105億2,200万円となっております。
平成17年度も極めて厳しい財政状況にあって、医療分、介護分共に国保税率を据え置き、一般会計からの繰入金は、低所得者に対する保険料の軽減分増を見込み、前年対比0.9%増の9億7,800万円余が措置されたことを大きく評価するものであります。
特に、年々増加傾向にある医療費に対処するためには、疾病の予防や早期発見・治療が求められ、意識の高揚と一層の啓もうと啓発活動により効果的な事業の展開が重要であります。さらに、収納率は地道な努力により毎年向上しておりますが、全道の平均を下回る状況にあることから、納付している加入者との公平を確保するためにも、納付相談など多用な手法を継続するなど、一層の努力を期待し、討論といたします。
以上です。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第21号を起立により採決いたします。
議案第21号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第23号 平成17年度江別市介護保険特別会計予算に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
吉本 和子 君
議案第23号 平成17年度江別市介護保険特別会計予算について、反対の立場から討論を行います。
今年は介護保険制度導入から6年目、介護保険のサービスの利用が増えたり、介護報酬を引き上げると、利用料の負担の引上げだけでなく、介護保険料の引上げにもつながるその制度の仕組みそのものが今、財政破たんを招き、制度存続を危うくする事態となることがいよいよ明らかになってきています。にもかかわらず厚生労働省は、制度を安定的に継続させるためとして、要介護軽度者のサービス制限や施設の居宅費、食費の自己負担などをしなければ保険料の大幅値上げは避けられないとしています。
しかし、介護保険に比べてはるかに給付を受ける可能性が高い国保の保険料と比べた場合でも、低所得者にとっての負担の重さは、今でさえ歴然としています。その上さらに2005年度の税制改正は、所得税の課税最低限の引下げや年金課税の強化が行われ、負担能力のない高齢者にまで課税や社会保険料賦課が行われることにもなります。介護保険導入の際、介護費用の国の負担を50%から25%に引き下げたことが制度そのものの存続を危うくしているのであって、この根本的な問題には何ら解決策を示さず、この見直しは負担増とサービス利用の制限が中心となり、ホテルコスト徴収をはじめ一部はこの10月からの実施を既に2006年度国家予算に盛り込んでいるとも伝えられています。
そんな中で、江別市の第2期計画最終年に当たる本予算は、1号被保険者が2万3,061人、前年度比で3.5%増、787人増加する下で、予算の規模は前年度の104.2%、2億1,600万円増の53億1,700万円となっています。一方、サービスの利用については、施設分は月平均741人と、利用者数、給付費ともほぼ横ばいであり、在宅サービスは月平均2,247人と、前年度比16.2%、365人増を見込みながら、給付額は1人当たり7.9%、6,004円減の7万5,474円となっています。
審査の中で、この2月時点で要介護認定を受けた方3,560人に対し約25%、874人の方は、介護が必要と認定されていても利用していないこと、また、サービスを利用されているその利用状況も、1種類しか利用しない方々が51%を超えていることが明らかにされました。この2年間をさかのぼってみても、平成14年度の要介護認定者は2,921人、うち65歳以上は2,811人、これは65歳以上人口の約13%、平成15年度は要介護認定者3,810人のうち65歳以上の方は3,196人で、全体の15%で推移してきています。また、サービス利用者数は、平成14年度は2,236人、認定者の76.5%、平成15年度は2,535人、76.6%、つまり利用していない方々は23.5%、24.4%と、同じような利用割合でこの間推移していることが分かります。
これらのことから、第1号被保険者について、その増加の割合に比べ認定を受ける割合も、さらにサービスを利用する割合も少ないこと、つまり保険料だけ払い続けている人が圧倒的に多いということが分かります。サービス利用状況も1種類の単品のみでの利用が半数以上であることは、軽度の要介護認定者が多いことも一因とも言えますが、従来より高齢者の収入に比べ1割利用料の負担が重く、必要なサービスを制限せざるを得ない状況が続いていることも、この間明らかになりました。
これらの問題解決には、保険料、利用料の低所得者対策が非常に重要であることはかねてより指摘してきました。市としても新年度予算で、第2段階相当の保険料の一部軽減や深夜等訪問介護利用者への負担軽減などの独自施策を継続していたことは評価するものですが、対象条件により該当する方がごく少数であることは、いまだ制度としては不十分と言わざるを得ません。例えば、介護保険料の区分については、もっと細分化し、収入に応じて負担できるようにすること、また、在宅介護を続ける上でかなめともなる夜間介護費用負担軽減策については、現在の利用条件を見直し、利用者とその家族の生活実態から必要性を判断して、もっと利用しやすいものにすべきです。
さらに、要介護3以上の在宅の特養入所待機者が、この3月1日時点でまだ107名にも上っていることが明らかになりました。特別養護老人ホームは、住居、家事、緊急医療などの総合的な機能を備えた施設であり、介護の最後のとりでになるものです。2006年に開設予定の老人保健施設とは本来目的が異なるものであり、市は地域の実情に即して整備することを検討すべきです。
今、検討中の国の介護保険制度の見直しは、低所得者への対策、利用負担や基盤整備の遅れ、在宅での援助介護が賄えないような実態、高齢者の実情などを反映しないままに進められており、新たな矛盾を引き起こす過ちを犯そうとするものと考えます。
このようなときだからこそ、市は国のペナルティに屈せず、一般会計からの繰入れや基金の有効な取崩しなど、知恵と工夫で住民の福祉の向上という本来の役割に徹することが求められます。また、保険料、利用料の免除、減免制度を制度として作るためにも国庫負担の引上げが必要であり、国の負担を基本的に、給付費25%を交付し、調整交付金5%は外枠として、国庫負担の割合を総額30%にするように強く国へ要請すべきです。
高齢であっても障がいがあっても、人としてその人らしく、人に負い目を感じることなく人生を歩むことができる介護保険制度の構築のために、江別市としてのさらなる努力が必要であることを申し上げ、反対の討論といたします。
以上です。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
鈴木 真由美 君
議案第23号 平成17年度江別市介護保険特別会計予算について、委員長報告に賛成の立場で討論に参加します。
平成17年度介護保険特別会計予算では、第2期介護保険事業計画に基づき、サービス事業の増大、高齢者人口の増加などを勘案し、被保険者数の増加率を3.5%とし、予算総額を前年度比4.2%増の53億1,700万円としております。当市の予算では、介護状態を予防するためのいきがいデイサービス事業、あるいはモデル事業の高齢者筋力向上トレーニング事業に取り組んでおります。また、市独自の施策として、低所得者の方々への介護保険料の一部減免、深夜巡回型訪問介護費負担の軽減も引き続き行われる予算内容であります。
介護保険制度が動き始めて6年目を迎え、利用の方法、サービスメニューの定着化など、利用者に浸透し始めてきているものと理解をします。また、要介護者への対応のみならず、介護状態に陥らないように予防する方向も示されており、施設福祉から在宅でサービス制度を利用しながら自立生活をしようとする市民も見受けられます。
このような利用者の意識の変革を視野に入れ、質の良いサービス提供をする上での環境整備、条件整備を検討し、第3期事業計画策定が進められることを申し上げて、賛成の討論とします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第23号を起立により採決いたします。
議案第23号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第22号 平成17年度江別市老人保健特別会計予算及び議案第24号 平成17年度江別市基本財産基金運用特別会計予算に対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第22号及び議案第24号を一括採決いたします。
議案第22号及び議案第24号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
議事の途中ではありますが、あらかじめ時間の延長をいたします。
暫時休憩いたします。
午後3時20分 休憩
午後3時40分 再開