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平成17年第1回江別市議会会議録(第3号)平成17年3月10日 12ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

副議長(宮野 一雄 君)

 以上をもって、山本議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 宮川議員のユニバーサルデザインについてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。

宮川 正子 君

 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。
 ユニバーサルデザインについてお伺いいたします。
 今年1月に、会派で埼玉県深谷市を視察してきました。深谷市は、ユニバーサルデザインの観点から深谷市まちづくり新生計画を進められていて、初年度を平成13年度、目標年度を平成22年度として設定する第4次基本構想と、基本構想の計画期間を前期平成13年度から平成17年度、後期平成18年度から平成22年度に区分した基本計画により計画を構成していて、前期の取り組み状況と課題をお聞きしてきました。
 深谷市では、深谷市ならではのまちづくりを進めるため郷土の偉人渋沢栄一翁が生涯の規範とされた忠恕の心・まごころと思いやりをまちづくりの基本理念とし、人や環境に優しく、だれもが安心して暮らせるまちづくりを目指しています。また、ユニバーサルデザインの観点から、深谷市まちづくりの7原則に基づく市政の推進を図っています。
 なぜ今ユニバーサルデザインの視点が必要なのでしょうか。ジョージア技術大学建築学科のリングホルツ氏が述べていますには、イタリア、ドイツ、日本、アメリカのように産業の中心になった国から広がったデザインがグローバルになって久しいとおっしゃっています。1970年代のアメリカでは、18歳から45歳までの均整のとれた体型の男子で英語を話す白人をユーザーとして想定していました。
 しかし、今や従来のミスター・アベレージに向けたデザインでは通用しない時代になりました。世界的な高齢化はデザインの世界を劇的に変化させています。日本でも、政府発表の人口統計では2025年に国民の4人に1人が65歳以上の高齢者になるとのことで、マジョリティは既に若者ではありません。
 今、アメリカでは1990年ADA法(障がいのあるアメリカ人に関する法律)が成立し、この法律がきっかけになってすべての公的な製品やサービスは障がいのある人々が利用できなければならないということが義務付けられました。そして、イギリスでは1995年に障害者差別禁止法ができました。日本では1994年にハートビル法、2000年に交通バリアフリー法が作られています。そうした流れもあり、バリアフリーに対する意識は高まりました。
 バリアフリーとは、高齢者、障がい者の様々な障壁バリアを取り除くということから、障がい者や高齢者などの特定の人に対する特別な対策ととられ、障がい者用、高齢者用と名付けられた商品や道具などに、確かにバリアフリーですが使用するのに抵抗がある人もいます。そうした中、年齢や障がいの有無などにかかわらず、だれもがさりげなく使える、みんなが使いやすいものを目標とするまちづくり、ものづくり、サービスという考え方、つまりユニバーサルデザインの視点が生まれました。
 具体的には、例えば自動ドア、だれもが使いやすいユニバーサルデザインです。ファミリートイレ、これは車いすの方から荷物の多いときなどみんなが使えます。洗面台の下の空間、空間があると車いすの人も近づけますし、いすに座って使うこともできます。また、シャンプー容器のぎざぎざ、リンスとシャンプーの容器を間違えないようにするため、視覚障がい者の方だけではなく、目をつぶって洗髪しているときも便利です。このように、建物、製品などにとどまらず広く一般製品の開発などにもユニバーサルデザインを取り入れる動きが盛んになっております。
 深谷市におかれましては、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めるためには、市民と行政が一体となって推進する必要があると考えましたが、ユニバーサルデザインという言葉も知らない方がほとんどであったため、その考え方が市民一人ひとりの日常生活の中に根付き、相手を思いやる心が定着していくことが必要であるとして、考え方の普及やお互いを尊重する意識が持てるよう普及啓発を積極的に行ったそうです。
 主な施策として、啓発パンフレットを作成し、市民や事業者に配布、ユニバーサルデザイン講演会の開催、ユニバーサルデザインの作文、絵画を募集し、啓発を図っています。市のホームページに、市のユニバーサルデザインコーナーを開催、ユニバーサルデザインの個別説明会を開催、福祉健康祭りなどのイベントにおいて、パネル、製品展示、学校教育の中でもユニバーサルデザイン教育を取り入れる、職員を対象とした講演会や研修会を開催、職員に対して市有施設での高齢者類似体験や車いす体験などを実施し、意識の高揚を図るなど実施しています。
 本市におかれましても、市長は健常者のみでなく幼児、高齢者、障がい者すべてが快適さを感じるまちづくり、ユニバーサルデザインによる人中心の基盤整備に努めてまいりますとおっしゃっています。そのためには、基本となるのは人の心です。本市におかれましても、ユニバーサルデザインの考え方を職員、また家庭、教育に浸透を図ることが大事と考えますことから、1点目として職員への研修、また市民へのパンフレットや講演会等具体的な取り組みが必要と思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
 また、2点目として現在の市のユニバーサルデザインに向けての取り組み状況をお聞かせください。また、深谷市におかれましては、ユニバーサルデザインの具体的な取り組みとしまして、市役所庁舎の改修事業を行っております。昭和41年建築の庁舎は、庁舎自体ユニバーサルデザインではないので、市民の方がよく利用される窓口、トイレと、できるところから改修していこうとのことで取り組まれています。庁舎1階の窓口は高い窓口しかなかったのを、全課に高い窓口と低い窓口を設け、低い窓口は車いすで来られても対応できるようにされています。また、市民課、児童課、福祉課等の六つの課の窓口にベビーキャッチャーを7か所設置しています。当初からベビーベッドは置いてありましたが、お母さんの目から離れるということで危ない、また赤ちゃんもお母さんの顔が見えないと不安ということもあり、窓口に設置されたことによりお母さんも安心して書類等を記入したりできるということで、大変好評だそうです。さらに男子トイレ、女子トイレ両方にベビーシート、ベビーキャッチャーを設置されていました。また、昨年一般質問させていただきました耳マークの入った筆談サインを全課の窓口に設置されています。筆談サービスは、聴覚障がいの方からお知らせしていただければ当然行っていたサービスではありますが、遠慮される方もいるということと、ユニバーサルデザインのサービスの一環として設置したとのことでした。
 江別市におかれましても、すべてをすぐというのは当然難しいとは思いますが、多くのいろいろな方が訪れる窓口は年齢や障がいの有無にかかわらずすべての人々に適合する、市民の方皆さんが利用しやすいことを目標にユニバーサルデザインの視点で整備していただきたいと思います。このことから、3点目として今後このような窓口の整備を実施していただきたいと思いますが、市のお考えをお聞かせください。
 続きまして介護保険制度についてですが、厚生労働省は介護保険制度設計当時、施設サービス4割、在宅サービス6割と見込んでいましたが、現実は逆になっています。大きな原因の一つに、ぜい弱な住宅政策があります。北欧諸国が住宅政策を重視したのと大きな違いがあります。厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者だけの世帯は2002年度に約718万世帯に達し、65歳以上の高齢者のいる世帯は約1,680万世帯と、全世帯の42.6%を占めています。
 近年、高齢者のいる世帯のバリアフリー化意識は高まっています。日本は、公共施設のバリアフリー化が進んできていますが、最も必要なのは住宅です。自立を尊重する立場に立てば、居住環境整備の検討を優先すべきであると思います。浴槽の縁の高さが50センチメートルから40センチメートルに変わるだけで半介助から自立になることもあります。また、高齢者は20センチメートル以下の段差でも転倒することがあり、高齢者の家庭内事故死は交通事故よりも多いと聞いています。住宅改修によって転倒による寝たきりを予防し、また介護を受けている人が自力で処理が行えれば本人の意欲を高め、生活の質の向上にもつながります。
 要介護者のいる家庭が、手すりの設置など住宅改修や簡易浴槽など福祉用具を購入する場合介護保険の適用を受け、費用の9割を支給されるため、自己負担は1割で済みます。しかし、業者に全額支払った後であるため立替えの負担は大きく、北海道は特に利用限度額の半分程度しか利用されていないとお聞きしています。そうしたことから、今各自治体で介護保険を利用した住宅改修や福祉用具について受領委任払い制度を実施し始めています。これにより、実質的な現物給付となり、利用者の費用負担が軽減されております。
 以上のことから、1点目として本市においてもこのような制度を導入していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。また、上記の制度は介護保険の判定で自立の方は利用できません。
 長崎県大村市では、自立と認定された人の中で地域ケア会議においてこのままではもう少しで要支援、要介護になりそうな方に自立支援サービスを行っています。その中の一つに、6万円を上限に手すり設置と段差解消工事を補助する事業で、利用者の個人負担は1割で済みます。大村市では、自立支援の一環として転倒骨折による寝たきりを防止する目的で昨年より実施しています。
 現在、要支援や要介護1など軽度の要介護者が全国的に大きく増加する中、介護保険制度が今後目指す基本方針は、予防重視型システムへの転換です。ですから、要介護認定において非該当、自立と判断された方で要介護状態になる危険性が高いと考えられる方において、早期発見、早期対応が重要だと思います。中でも、要介護状態になる以前の予防的な住宅の改修により、不用意な事故や病気を最大限に防ぐことが大事です。
 こうした観点から、2点目として我が市でもより積極的に自立度アップのため手すり設置や段差解消などの補助を、こうした水際にいる方々に導入していただきたいと思いますが、市のお考えをお聞かせください。また、先ほどお話しましたユニバーサルデザインのまちづくりを進めている深谷市では、ユニバーサルデザインに基づいた住宅などの改修及び設備改善を実施した場合、その費用の20%について最高30万円まで市で助成しています。
 先日、ご相談のあった方のお母さんが血圧で倒れ、生活するのに車いすが必要になりました。しかし、自宅は車いすで生活できるような住宅ではないので、病院から退院するように言われていても、ご相談者の方も働いているため施設入所を希望されています。深谷市のように在宅で生活できるよう住環境を整備することがご本人のためにも、また施設入所の増加による保険料アップも抑えることができると思います。
 また、ユニバーサルデザインによる改修により、高齢者だけでなく子育て中の若い世代などいろいろな世代が適正な住宅に居住する社会的な循環をつくり出すことになります。そうすることにより、施設や人手に掛かる介護費を社会全体として節約することにもなります。3点目として、江別市においてもこのような助成をしていただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
 いずれにいたしましても、福祉機器の活用や住宅改修により、住み慣れた家や地域で暮らし続けることができるようよろしくお願いいたします。
 続きまして、医療行政についてですが、前回の定例会においても同会派で質問させていただいており、また本日伊藤議員からも質問がありましたが、再度質問させていただきます。
 江別市立病院経営診断報告書に基づき質問させていただきます。
 私は、病院変わらなきゃマニュアルという本を読みました。病床利用率70%未満、廃止勧告まで受けた総合病院坂出市立病院が職員の奮起を促し、患者の信頼を勝ち得、わずか2年で黒字に転換し、今や全国屈指の優良病院としてそ生したノウハウ、過程が書かれた本です。
 その中で、筆者である院長は、たとえ公立病院であっても公共性の発揮はもちろんのこと、経済性の確保は病院企業として不可欠である。地域医療の中核となっている病院の経営悪化は、その地域の医療水準の低下につながり、単に病院の問題にとどまらず地域住民の損失となる。それゆえ、経営の安定なくして良質な医療なしという大原則の下、医療と経営が分離するのではなく一体となることが必要と、変わらなきゃのスローガンの下、病院は大きく変わっていきました。プロの経営診断も受け、その後病院アドバイザーとして指導を受けながら大胆な改革を行ってきました。そして、黒字になった今も願いは一つ、市民が安心して暮らせ、心の支えとなる病院という目標に向かってチャレンジを続けています。
 江別市立病院も、経営診断を受け、その報告の中に今後の地域中核病院として自治体病院は地域の疾患構造の変化、また地域住民の的確なるニーズを把握し、病院での医療の質を高めつつも、同時に経営の健全化を図ることが地域社会からも要請されていることを強く認識しなければならない。経営の健全化なくして病院の存続はなく、自治体病院の経営の悪化は民営化や廃止論につながるなどと、厳しい提言、助言で一杯です。悪条件で一杯だった坂出市にできたことは、江別市においてもできるのではないかと強く思います。市長は、今回の経営診断を受け、どのようにされるのかお考えをお聞きいたします。
 続きまして、納税のことについてお聞きします。
 長引く不況の影響で、収納率の低下が懸念されていますが、納付率向上のため口座振替の推進や徴収体制の整備、制度の周知徹底など行われていますが、昨年より埼玉県戸田市や草加市などでコンビニ納税サービスを始めています。土・日、夜間も営業していて、店舗数も多いコンビニを身近な納税窓口とすることにより、いつでも手軽に納税できる環境を整えるとともに、収納率アップを目指しています。金融機関の窓口は、基本的に平日の午後3時までしか開いていないことから、共働き世帯などから納税したくても金融機関の窓口の開いている時間帯はなかなか都合が付かないなどの声も上がっています。納付できるのは住民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険料、介護保険料の5種類です。江別市においても、コンビニ納付の利用を検討されてはいかがでしょうか。また、今後の収納対策についてお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終わります。

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