平成17年第1回江別市議会会議録(第3号)平成17年3月10日 7ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
吉本和子君
次に、教育行政について伺います。
1番目に、青少年の健全育成から見た地域のゲーム・センターの問題について伺います。
今、日本の子供たちの安心・安全は正に危機的状態と言っても過言ではありません。子供をねらった犯罪は、児童虐待、誘拐、殺人へと凶悪化していき、そしてその加害者が親であったり子供であったりすることもまた社会に大きな衝撃と不安を与えています。さらに、子供たちのいわゆる非行の問題もますます深刻化、多発化しており、これらの問題は今やどこかの特別な地域の特別な関係で起きる問題ではなく、どこででもだれにでも起こり得る問題となっています。だからこそ、私たち大人は今安心して子供たちが育つ環境をつくるために何をすべきか、多くの保護者、学校関係者、地域の人々が真剣に悩み、考えています。
江別市内では、東野幌地域にこの4月開店予定のゲーム・センターについて、地域住民から子供たちの健全育成という視点では一体どうなのかという不安の声が上がりました。それは閑静な住宅地内の、しかも小中学校の校区内ということ、同じ敷地に夜中の零時まで営業するスーパーマーケットがあり、さらにゲーム・センターは夜の10時までと遅くの営業時間であること、またゲーム・センターは店舗面積200坪、170種類以上の遊具施設を持ち、従来にない規模であること、さらにゲーム・センターはスーパーマーケットとは独立し別棟となっていることなど、子供たちの教育環境の問題、地域の治安の悪化の問題、青少年の非行の温床や犯罪の引き金になる危険などなどたくさんの不安が挙げられました。これらについては、地域住民が直接ゲーム・センターの関係者との話合いを行いましたが、説明を受けてもその不安は完全に消えることはありません。
江別市の少年指導センターが行っている市内の街頭指導の状況からも、ゲーム場が接点となり、中学生間の問題行動が起きていることや、深夜営業のコンビニやファミリー・レストランに出入りする中高生が見られるというような心配な報告があります。
1点目に、大規模ゲーム・センターの出店が更に多くの問題発生の誘因になりはしないかという住民の不安に対して、行政としてはどのように認識されているのか伺います。2点目に、住民の不安を現実化させない取り組みとして今までにない大規模なゲーム・センターであることから、どのような方法を検討されているのか伺います。
2番目に、青少年の健全育成を支える体制づくりについて伺います。
ゲーム・センターについての話合いの中で私も同席させていただきましたが、施設設備や安全管理については健全な娯楽施設として法的にも問題ないという説明に終始する経営者の対応に対して、不安や心配を訴える地域住民の気持ちとの間には最後まで溝があったように感じました。そのために不安や不満が残ってしまったのではないかと考えます。
そんな中にあっても工事は着々と進み、この4月にはオープンということになっているということで、今、地域の方々からは個々の家庭での遊び方の指導から、学校やPTAなどによる生活指導、地域や警察などの防犯対策に至る地域社会全体で見守る必要性が指摘されています。行政としては、ゲーム・センター経営者に対して青少年の非行問題の発生を未然に防ぐ、又は発生した問題を解決するために自治会などの地域団体や学校やPTA、そして教育関係者等の行う活動への積極的な参加や協力をお願いする、子供たちの健全育成を担う地域の一員としてのゲーム・センターとしての役割、いわゆる企業の社会的責任としてその役割を求めるべきと考えますが、お考えを伺います。
次に、企画政策部所管の交通バリアフリーに関する問題について伺います。
1番目に、大麻駅舎のバリアフリー化後の問題について伺います。高齢者、障がい者等が社会参加していく上で、移動の自由と安全を確保することが不可欠であり、基本的な権利であることは今日だれもが認めることになりました。2000年11月に施行された交通バリアフリー法は、その意味においては改善すべき点が残されていると言えます。
例えば、法律には移動の自由と安全確保が明記されておらず、公共交通機関を利用する際に移動の利便性及び安全性の向上と狭いとらえの目的とし、また対象が高齢者や身体障がい者等と限定され、すべての障がい者が対象となっていないこと、またバリアフリー化の適合基準が新設の施設等に限定され、既存の施設などは事業者任せで努力義務になっていること、さらに整備の実施計画目標も乗降客5,000人以上の施設とし、しかも設備内容もエレベーター、エスカレーターなどの設置を中心とする限られたものであることなど、交通バリアフリー法そのものの限界が高齢者や障がい者の住み慣れたまちで、住み慣れた地域で暮らし続けたい、積極的に社会参加したいという願いにこたえきれていないと考えます。
今、法律に基づくバリアフリー化が進められてもなおバリアが存在し、移動の自由が制限されている実態があります。例えば、大麻駅を車いすで利用するときは事前に駅に連絡をし、時間調整をし、そのときのエスカレーターの利用状況によっては希望の時間帯の電車を利用できないこともある。エスカレーターを止めて車いすを乗せるために、その間一般利用者を待たせることになるのでとても心苦しい、エスカレーターも電車に乗るのも車両とプラットホームの段差や透き間の問題で結局人に頼らなければならない。このような状況では積極的な社会参加をためらってしまうことにもなりかねません。
交通バリアフリー法が、本当の意味で実効性を持つかどうかのかぎを握っているのは、国や地方自治体はもちろんのこと、公共交通事業者、特に鉄道における旅客利用の多くを担うJRなどの対応が重要となります。もちろん、大麻駅ではその不備は職員の努力で補われており、毎日車いすで通勤、通学することが可能になった方々がおられることは大変うれしいことではあります。しかし、移動の自由と安全確保の視点で江別市としては今後関係機関に対し、少しでも改善のための健康を求めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お考えを伺います。
2番目に、野幌駅のバリアフリー化について伺います。
野幌駅も早くからエレベーターなどの設置を求める声が地域から上がっていました。しかし、今野幌駅は計画では六、七年後をめどに鉄道高架事業により建て直しされるという状況にあって、現在の駅舎等はバリアフリー化の検討対象にはないということです。地域の住民からは6年も7年も待てないというような声がたくさん聞かれます。野幌駅から札幌へ行くには南口を使用する場合は別として、江別駅と同じように段差の大きい32段もの長い階段を二つ昇り降りしなければなりません。トイレは和式であり、狭くて手すりなど支えになるものはなく、待合室への入り口にも2段の階段があり、手すりが片側のみ付いていますが冬道は特に安全とは言えません。
今後六、七年、あるいは工事着工後は仮設の駅舎となったとしても、かなり長期間高齢者や障がい者にはもちろん、移動困難な状況になったときにも最低限の移動の利便性と安全確保が保障される施設設備が必要であることは言うまでもありません。今の駅舎の大小様々なバリアをすべてなくすことは現時点では難しいのは理解できるものではありますが、地域住民の声を受け止め、限られた条件の中でも少しでも利便性の向上と安全確保にかかわる部分はないのか、関係者と検討するお考えについて伺います。
次に、建設部行政にかかわることについて伺います。
1番目に、安心して住み続けられる市営住宅という視点から、家賃の問題について伺います。
公営住宅法第1条で、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸しと明記しています。公営住宅が憲法第25条の、人間らしく生きる権利、つまり生存権を保障する制度として国や自治体の責任で建設、整備すべきものであることを示しています。
しかし、今日暮らしの悪化がますます深刻化する中で、公営住宅の入居希望者が増え続けているにもかかわらず、新規建設はこの10年間で日本全体で8割も減り、小泉内閣のこの3年間のみでも公営住宅建設費は4割も減っています。その影響は、江別市においても先の見えない市営住宅問題に追い打ちをかけ、老朽化した住宅の維持修繕に毎年多くの費用を注ぎ込んでも追い付かず、特に高齢の入居者にとってはついの住みかであるのに安心して住み続けられない状況になっていることは重大です。
また、生活の糧を年金に頼る高齢者に対して小泉内閣の税制改正、公的年金等控除の縮小と所得税の老年者控除の廃止は大きな負担を強いるものとなりました。改正は、見掛け上は所得が増えたことになるため市営住宅家賃が上がるのではないかという不安の声が広がっています。この税制改正が、市営住宅に入居されている高齢者への影響についてお聞かせください。さらに、この税制改正によって家賃の減免制度にも影響があるのではないかと考えられますが、このことについてもお伺いいたします。
2番目に、市営住宅の安全管理の問題について伺います。
この問題につきましては、昨年の第3回定例会で関連した質問をさせていただいたところですが、別の視点から再度伺います。
老朽化した市営住宅に住む高齢入居者から、昨年の台風や地震、そして今年の大雪は今まで以上に家が本当に壊れるんじゃないかと心配だった、心細かったと強く訴えが聞かれます。また、高齢者や女性、子供をねらったという社会的な事件が度々報道されるたびに、一人暮らしの心細さや安全管理の問題を感じたと言われています。今や、これらの問題は大都会の出来事ではなくなっています。
今、江別市内でも単身高齢者や母子世帯、障がい者世帯など多くの方々が住む市営住宅において、安心して住むことのできる住宅の条件として、施設の安全管理、また健康で文化的な生活を営むに足りる住宅という視点で市営住宅を見たとき、現在の生活様式には安全に対応できない、建設当時の古いままの施設設備の使用などなど、入居者からも改善を望む声も聞かれます。可能な限り改善し、健康で文化的な水準に近づけることが求められますが、どのようにお考えか伺います。
さらに、市営住宅に住む人々に対し、直接に聞き取りなどを行い、意向を確認しながら今申し上げたような安全対策、防犯や防災という視点でも計画的に修繕や改修を進めることが居住環境の悪化を遅らせることになり、また何よりも入居者の安心につながるのではないかと考えますが、お考えを伺います。
以上で、1回目の質問を終わらせていただきます。