平成17年第1回江別市議会会議録(第2号)平成17年3月9日 11ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(宮野 一雄 君)
星議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川 公人 君)
星議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
初めに、中学生の不祥事件に関してでありますが、最近とみに将来ある青少年に係る事件が数多く発生し、また犯罪が低年齢化の傾向にあるなど憂慮に堪えない状況にあり、誠に残念であります。
このような中において、子供たちが江別市に住んでいることを誇りに思い、夢と希望にあふれ、主体性と社会性を持ち、心豊かにたくましく成長していくことが重要であると考えております。
多くの青少年は、明るくたくましく健やかに育っていますが、こうした事件発生の状況を踏まえ、改めて学校はもとより青少年の健全育成を目指しております各種市民組織(団体)、市民運動を含め、まちを挙げて青少年育成の重要性を喚起する必要があると認識をいたしているところであります。
青少年を取り巻く種々の非行問題の根本的な解決に向けては、学校だけでは限界があることから、ときには家庭教育によりどころを求めたり、ときには地域の子供は地域で守り育てるという市民意識の醸成を図りながら、子供一人ひとりの規範意識や生命を大切にする心をはぐくむための努力を積み重ねていかなければならないと思っております。
また、家庭、学校、地域社会、警察その他の関係機関がそれぞれの役割を担い連携しながら、市民一人ひとりが子供とかかわることをいとわず、その一方で、子供たちの手本となるために自らの行動を律するなどの啓発活動も必要であると考えており、市民の皆さんのご協力をいただきたいと存じます。
それから、次に狂犬病の予防とその実態と対応についてお答えをいたします。
初めに、予防対策でありますが、日本では、1950年(昭和25年)に狂犬病予防法が制定され、犬の登録と年1回の予防注射や検疫が義務付けられたことにより、1957年(昭和32年)以降、狂犬病の発生はなくなりましたが、世界各地ではアジア、アフリカの地域を中心に毎年4万人から7万人もの人が狂犬病で亡くなっていると推測されております。
諸外国との交流が盛んな現在、狂犬病発生国からのペットの輸入などにより、常に狂犬病ウイルスが侵入する危険にさらされていることから、国では、狂犬病ウイルスの国内侵入を防ぐため、平成16年11月より輸入前の犬などにこれまで1回であったワクチンの接種を2回以上に義務付けすることや、係留期間の延長など検疫の強化が図られているところであります。
次に、江別市内における畜犬登録及び予防注射の状況でありますが、平成15年度末の登録数は6,169頭、予防注射の接種数は4,188頭で、これは67.9%の接種率となっています。登録数は、ペットブームも反映し毎年200頭から300頭増加しておりますが、予防注射の接種率は低下傾向にあります。
この要因としては、国内では50年近く狂犬病が発生していないこともあり、飼い主の危機感が薄れ、有料接種に抵抗感があることなどが考えられますが、狂犬病の予防対策として最も有効な手立ては犬への予防注射でありますことから、市では、広報えべつや愛犬ガイドの自治会回覧によるPRのほか、犬の登録者に対しては毎年予防接種の案内通知を行っているところであります。
しかし、未登録の犬も多数いると推測されることから、市といたしましても、狂犬病予防の基礎的措置とも言える犬の登録と予防注射接種率を高めるために保健所や獣医師会と毎年情報交換を行っているところでありますが、さらに効果の上がる市民PRの手法などを考え、飼い主に対して強く求めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、台風18号における緑の復旧と今後の対応についてということでありますが、昨年9月8日の台風18号は、昭和29年の洞爺丸台風以来のみぞうの規模で、各地に大きな被害を与えたところであり、江別市においても野幌森林公園、JR鉄道林や市の公園、街路樹等の樹木に倒木や枝折れなどの被害が生じたところであります。
野幌森林公園など自然林として管理する樹林地もございますが、市街地における市の施設内にある樹木にありましては、周辺が住宅地であり、かつ市民が利用する施設でもあることから、日ごろから見回りを実施し、危険木の処理や枝払い等に努めているところであります。
今後におきましても、きめ細かく点検するほか、間伐や枝払いなどを実施して樹勢を保つことが被害を少なくする手法と考えますので、さらなる適正な管理に努めてまいりたいと存じます。
なお、江別市では、来年度から今回の台風により集中的に被害を被った保安林などの樹林地における植栽を年次計画で進める予定でおります。
また、野幌森林公園やJR鉄道林につきましても、それぞれの管理者が森林の再生計画について検討中であり、来年度から数年次にわたり植栽を実施し、植生の回復を図っていく予定と伺っておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、緑と調和された共生のまちづくりについてでありますが、江別市緑の基本計画では、原始林(みどり)・水・らしさを感じるほっとするまち江別を江別の緑の将来像として掲げています。
江別には、緑のかなめである野幌原始林や骨格となる石狩川、鉄道林、耕地防風林をはじめ、住宅地、公園、道路などの公共施設、町なかを流れる中小河川など、身近なところに緑や水辺が比較的多く存在しておりますが、こうした緑を生かして、さらに潤いと安らぎを感じることのできる緑のあるまちづくりを市民・事業者・行政が協働して進めてまいりたいと、基本的にそのように考えております。
また、このため市民や事業者からの浄財を募り、水と緑の基金の造成に努め、将来の事業にも備えているところであります。
ご質問の宅地販売時におけるPRにつきましてですが、一部の民間宅地造成において緑地協定を取り交わし分譲されているところもありますが、今後の宅地造成に際し、事業者に対し江別市の緑環境の優位性をPRし、既存樹林地の保全や緑の創出を図るべく理解と協力をお願いしながら緑のあるまちづくりを図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、江別駅周辺地区の再開発についてでありますが、多くの皆様方に関心を持っていただき、ご意見をいただいており、議員ご指摘の市民の声を十分に認識し、これまでも江別地区のまちづくりの根幹をなす最も重要な行政課題として認識をし、民間再開発事業での再構築に向けて積極的に取り組んできたところでありますが、多くの難しい課題を抱えており、現状では、具体的な整備計画等を策定する段階までには残念ながら至っておりません。
今後は、民間サイドの事業化における一つのハードルとなっている用途地域の変更等につきまして、これまでの事業化の話の中でも敷地の高度有効活用と事業投資リスク等の面で容積率の緩和等に対する要望を受けてきた経過がございます。そこで、現行の準工業地域から商業地域へ変更し、容積率を200%から400%に引き上げる検討をし、民間サイドでの事業化の幅をより広げるための敷地条件等、整備の検討に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
いずれにいたしましても、今日の社会経済情勢や市の厳しい今日的な財政状況等を見据えながら、引き続き地域住民とも十分な議論を重ねつつ鋭意取り組むとともに、当面、同用地での暫定的な市民活用を進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
それから、江別駅南口の新設や江別駅構内の人道橋についてでありますが、駅利用者の利便性向上を図るため、これまで種々の検討を重ねてまいりましたが、大麻駅や野幌駅のように上下線しか通っていない構造とは異なり、江別駅においては引込み線や車庫等の保線作業施設があるため、南口と北口を結ぶためには長大な通路の整備が必要であり、その実現性はかなり難しいものと認識をいたしております。
また、江別駅構内の人道橋につきましては、平成15年度に調査をしましたところ当面の使用には耐え得る状況にありますが、その整備について慎重に検討していかなければならないと考えているところであります。
このほかにつきましては、経済部長ほかをもってご答弁を申し上げます。
経済部長(久保 泰雄 君)
私から、観光行政についてお答えをいたします。
江別市の観光振興は、江別市観光振興基本計画において、水と緑とやきもの文化を生かした観光振興を基本方針としており、そのコンセプトの一つとして、水と緑に囲まれた公園都市づくりを標ぼうしているものであります。
この主要な観光要素であります水と緑を、江別市の風土と歴史・文化などの地域性に生かしながら魅力ある空間構成を図っていくことが極めて重要であり、特に石狩川エリアと原始林エリアにおける様々な施策が江別市の観光振興に大きなウエイトを占めると考えているところであります。
ご質問の河川防災ステーションを中心とした観光でございますが、河川防災ステーションは、洪水時に円滑な水防活動や効果的な緊急復旧活動を行う拠点として防災機能を重点に整備したものでありますが、ご承知のように平常時においては、施設の有効活用として、河川に関する情報の提供、川の歴史学習や防災意識の啓発とともに江別の特産品を紹介する施設でもあります。
本施設は、国道12号に面していることから、利用者の拡大を図る目的で施設の壁面に案内板を設置するとともに、平成17年1月には江別大橋の手前に案内板を設置し、利用者増に努めてきているところでもあります。
ご指摘の名称につきましては、施設の目的や国の基準等もありますので、関係機関と協議をしてまいりたいと存じますが、本施設を中心とする観光振興につきましては、3月に完成予定の美原大橋との相乗効果にも大きな期待をしているところでございますので、石狩川エリアにおける散策路のネットワークや観光施設のアクセスなどを観光協会を中心として検討してまいりたいと考えております。
なお、新年度から、河川防災ステーション内で特産品を展示している各企業を中心に、江別観光協会による特産品販売を予定しておりますが、今後、親水イベントなどの集客についての施策につきましても、江別観光協会をはじめ関係者との連携の中で、必要な範囲で支援してまいりたいと考えております。
次に、原始林を中心とした観光でございますが、野幌森林公園周辺は、今、議員がご紹介されましたように、地域のイメージに大きな影響を与えている素晴らしい景観や、先人の遺構、遺跡が配置されており、また江別市観光振興基本計画においても、原始林エリアは自然環境の豊かな緑のネットワークとしての観光拠点と位置付けているところでもあります。
これからの観光振興は、自然・歴史・文化など地域固有の資源を生かすことを目的としておりますが、平成13年に制定をされた北海道観光のくにづくり条例におきましても、自然・景観等の環境の保全への配慮や食材及び食文化の魅力を生かすことを基本理念として観光振興施策の推進を図っておりますことから、原始林エリアにおいても、これらの趣旨を反映し、地域固有の資源を保全し生かすことを目的とする、いわゆるエコ・ツーリズムや農村景観・農産資源の活用を図るグリーン・ツーリズムの展開が考えられるところであります。
いずれにいたしましても、貴重なご提言と受け止め、地域経済の発展や地域社会の活力を念頭に、地域住民の皆様方をはじめ、観光協会やNPOなど観光関係団体での議論を深めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
健康福祉部長(宮内 清 君)
私から、肝炎症状の早期発見についてほか1件のご質問にお答え申し上げます。
まず、肝炎に関してでありますが、ご承知のように昨年の12月9日に厚生労働省では、C型肝炎に感染している可能性が高いとされるフィブリノゲン製剤の納入先として、道内で384件、市内で3件の医療機関を公表しております。
同血液製剤は、患者への投与が中止されてから既に10年以上が経過しており、市立病院をはじめ各医療機関では、カルテ等が廃棄され、患者への投与の実態把握が極めて不可能な状況にあります。このため、平成6年以前に同製剤の投与を受けた可能性のある方に対しましては、肝炎ウイルス検査の受診を呼び掛けたところでございます。
北海道においても、各保健所を通して、投与をされた可能性のある方の肝炎ウイルス検査受診の周知を行ってまいりましたが、江別保健所によりますと、例年は四、五件の検査でありますが、今年度は2月末までに80件の検査受診があったとのことであります。
このC型肝炎は、ウイルス感染で起きる肝臓病で、血液を介して感染することが多く、自覚症状のない慢性肝炎となるというもので、早期発見されれば適切な治療が可能であるとも言われております。
また、厚生労働省では、平成14年度からC型肝炎等緊急総合対策として検査体制の整備を行っておりまして、江別市といたしましても、同年度から保健センターでの成人検診推進事業である基本健康診査の受診者のうち、40歳から5歳ごとの方を対象に無料で、節目検診として肝炎ウイルス検査を実施しており、さらに過去に輸血等を受け肝機能に不安を持たれている方には、節目外検診も併せて実施し、平成14年度には節目と節目外の合計で1,614人、平成15年度では1,652人の検診受診者数となっております。
いずれにいたしましても、C型肝炎をはじめとして、生活習慣病や感染症などあらゆる疾病の早期発見・早期治療といった観点からも、市としましても、広報や保健センターだよりなど、あらゆる機会を通して基本健診やがん検診などの検査受診の必要性を市民に周知し、受診率向上による健康の維持・増進に努めてまいりたいと考えております。
次に、薬物乱用対策に対する取り組みについてのご質問でございますが、いわゆる麻薬、覚せい剤、大麻、シンナーなどの薬物の乱用状況につきましては、現在は第3次乱用期と言われておりまして、議員ご指摘のように非常にきぐされているわけであります。
特に最近の状況は、中高生への拡大による低年齢化、供給源である密売人の多様化、携帯電話やインターネットなどによる密売方法の変化などにより、大麻やMDMA(錠剤型合成麻薬)等の押収量が平成10年の1万錠から平成14年は19万錠、平成15年上半期では30万錠となるなど依然として急増し、過去最高と言われております。
また、道内での状況でも、平成15年の全薬物事犯の検挙は853人に上り、そのうち覚せい剤事犯は719人で84.3%、大麻事犯は110人、12.9%となっており、一方、江別市内においても平成14年で11件7人、平成15年には11件6人が検挙されている状況にあります。
このようなことから、国においても、薬物乱用防止新五か年戦略を策定し、1998年から2008年までの国連薬物乱用根絶宣言に基づき、全国的な支援募金活動や6月26日を中心とした「ダメ。ゼッタイ。」の街頭防止キャンペーンの実施などの各種対策に取り組んでいるところでございます。
また、北海道においても、薬物乱用防止指導員による連合協議会や札幌など各地区協議会が中心となり、さらに道庁、警察、保健所、保護司会、薬剤師会などの関係機関・団体等が連携しながら、麻薬・覚せい剤乱用防止運動として全道や各地域、また学校など教育機関での防止キャンペーンや研修・講習会等の普及啓発活動などを実施しており、また、江別市を含む石狩管内で組織する薬物乱用防止指導員札幌地区協議会では、江別市内の指導員の方が会長としてその先頭に立って活躍されているところでもあります。
いずれにいたしましても、近年は未成年者や女性への薬物乱用が増加傾向にあり、低年齢化が懸念されることから、教育機関での薬物乱用防止教室や、また地域全体での意識を高めるための乱用・依存・中毒といった依存形成に対する街頭予防啓発、さらには、えべつ市民健康づくりプラン21においても、心の健康として薬物に関する正しい知識の普及を目指しておりますことから、今後とも指導員協議会や市内関係機関・団体等とも協力し、十分連携を図りながら対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上であります。
教育長(高橋 侃 君)
私から、教育行政につきましてご答弁申し上げます。
市内中学生による事件に関しての今後の取り組み姿勢についてでございますが、現代は少子化・核家族化による世代間の断絶、地域の連帯感が希薄化していることを背景にして、家庭や地域での教育力の低下や問題行動の低年齢化などの社会現象が顕在化してきております。したがって、青少年が社会性や豊かな人間性をはぐくみながら自立した人間として成長していくには、厳しい環境の下に置かれているものと思っています。
このため、子供たちが将来への夢や目標を持ちにくくなっていること、美しさや優しさを感じ取る感性が十分身に付いていないことなどが指摘されておりまして、家庭や地域社会の教育力向上への取り組みやいじめ・不登校、そして青少年の問題行動等への対応策が一層求められてきております。
教育委員会といたしましては、このような認識の下に、青少年の健全育成に当たりましては、子供たちの未来を考えながら人格の形成を目指すという観点から、人間尊重の教育の推進を平成17年度の重点施策事業として取り上げております。そのことを通して、命を大切にする心や相手を思いやる心など豊かな心の育成や、基本的な規範意識や倫理観、公共心や社会性などの育成がなされていくものと考えております。
具体的に、例えば学校教育においては、従来の言葉中心の学習から、より体験的要素や実生活と結び付いた子供の心に直接響く授業の展開が大切であると考えまして、学校現場に働き掛けを行ってまいりたいと考えております。
一方、地域に開かれた学校づくりの具現化の一環として、江別市民や多様な専門分野の社会人が自由に学校に出入りして、例えば道徳の授業では命の大切さを語って聞かせる場を作ったり、体育、芸術などあらゆる分野の教育活動に可能な限り社会人がかかわって、いわゆる本物教育を進めていくことが重要であると考えております。
また、ご提言にありましたサミット開催も有意義なものであると思いますので、支援してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、問題行動等の未然防止、早期対応に向けましては、家庭、学校、地域社会、警察など関係機関とのより一層の連携に努め、地域の子供は地域で見守るとの視点に立って、地域社会全体あるいは江別市がまちを挙げて青少年の健全育成を図っていかなければならない、そういう取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。