平成17年第1回江別市議会会議録(第2号)平成17年3月9日 7ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(宮澤義明君)
岡村議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川公人君)
岡村議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
まず、農業振興計画についてご答弁を申し上げます。
現行の農業振興計画は、平成6年11月にスタートした農業経営基盤強化促進法に基づき、農業所得や労働時間などの目標について、国・道の指導を基に農村と都市を結び、江別の特色を生かした魅力ある農業の実現を目指して、平成7年度に策定したものであります。
策定から10年を迎えた総括としまして、農業のグローバル化や市場競争により農業所得の低迷が続き、これに対応して、所得を確保するため、花き・野菜の集約作物への転換、複合化が進められ、所得向上が図られている反面、労働時間が増加しているのが現状であります。
また、平成16年度における農家戸数は697戸で、計画戸数の580戸を上回っておりますが、このうち主業農家戸数の減少が大きく、計画510戸から見て61戸減の449戸となっております。
このように兼業農家の増加とあいまって高齢化と担い手不足が深刻化していることは否めない現実であり、農村コミュニティや農業の多面的機能を維持する観点からも、担い手対策は今後の重要な課題であると認識をいたしているところであります。
一方、当市の水田農業は、転作率が70%を超える中で、作物の多品目化、経営主体や担い手の多様化など都市型農業としての特徴が明確に現れ、地理的優位性を生かした流通、販売や市民農園の開設など、都市と農村の交流や地域内産業との連携による新たな取り組みが活発になっていることは計画の成果と考えております。
特に春まき小麦のハルユタカに代表されるように、江別産農産物の代名詞となる地域ブランドの創出は、地域農業に自信と誇りをもたらし、産業としての農業復権の第一歩を踏み出したものと高く評価しております。
このような具体的な実践事例のノウハウを蓄積し、次の段階に進化させることはもちろんのこと、感性豊かな女性の積極的な農業経営参加やそれぞれの地域の持ち味を生かすこと、さらには食農教育をも取り込んだ広範な視点での検討が必要ではないかと思っております。
また、農家・農村・農業のどこに視点を当てていくのかという点につきましては、基本的に、個別に分けて考えるのではなく、密接不可分の関係として総合的な視点で考えてまいります。
いずれにいたしましても、次期農業振興計画につきましては、第5次江別市総合計画の具体的アクションプランとして位置付け、検討してまいりますが、平成16年度からスタートしました米政策改革大綱や農業経営基盤強化促進法の改正、今月閣議決定が予定されている食料・農業・農村基本計画の見直しなど、国の農業政策の改革方向との関連、整合性を十分勘案し、できるだけ早い時期にJA道央、関係機関と調整し取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、環境行政についてでありますが、まずアダプト制度の充実・拡充についてでありますが、これからは住民密着型の公共サービスは、すべて行政が行うのではなく、提供するサービスの内容により行政・市民・NPOなどが役割や機能を分担し、各々が連携し、より良く効率的なサービスの提供体制を築き上げることが必要であります。
公共のスペースを住民が里親のように愛情を持って世話をするアダプト制度は、正に第5次江別市総合計画の政策の一つであります市民協働によるまちづくりを具現化した制度であり、住民自治や市民参加のまちづくりを進める上で大変重要なシステムであると考えております。
江別市でも、平成14年度から地域の公園の美化活動にアダプト制度が取り入れられており、平成16年度においては、24団体が里親となり53の公園で市民による公園の清掃活動などが行われております。また、北海道が河川管理している篠津の中津湖でも川づくり有志の会による活動が行われているなど、市内各地でアダプト制による住民参加の活動が根付き始めております。
したがって、市民協働によるまちづくりを進める上からも、貴重な制度であると認識しており、期待しているところでありますので、今後とも地域住民や各種団体などの理解を得ながら、公園管理に限らず広くアダプト制による市民参加のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、環境マネジメントシステムについてでありますが、本年2月16日に地球温暖化を防止するための国際協調の枠組みを定めた京都議定書が発効されましたが、地球温暖化やオゾン層の破壊、森林の減少など今日の環境問題は、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済活動に伴う環境への負荷がその大きな原因を占めており、これら環境問題に対処するには、市民・事業者・行政がそれぞれの立場で自らの行動を見直し、環境に配慮した行動を実践していくことが必要であります。
このような中、リーダーシップをとるべき行政自らが環境保全に向けた行動を率先垂範して実践し、その有効性を対外的にアピールするとともに、環境学習等を通じ、市民・事業者の自主的な行動を誘発する施策を展開することが江別市の役割と考え、一事業者、一消費者の立場から、市の事務事業の執行に伴い発生する環境への影響をできる限り少なくするような行動を組織的に実践すべく、国際スタンダードである環境マネジメントシステム(ISO14001)に準じた経営管理システムを導入し、電気の使用などの17項目の環境への配慮行動プログラムを定め、平成15年7月からの9か月間の試行期間を経て、平成16年4月からはさらに達成目標を定め本格運営を開始したところであります。その結果、省エネ意識や環境意識の向上など、徐々にではありますがマネジメントシステムの効果が現れてきているところであります。
また、試行の取り組み結果や本格運営の趣旨・内容などについて広報・ホームページ及びパンフレットなどで広く市民や事業者に公表し、環境保全に向けた行動の必要性をアピールするとともに、環境意識の喚起に努めてきたところであります。
なお、システムを維持、管理し向上させていくには、職員個々人の環境意識の向上が重要であると考えるため、環境活動推進員や環境監査員の研修などを進めるとともに、各課の取り組みの徹底を図りながら、さらなる改善に努めてまいりたいと考えております。
また、市民や事業者に対しましても、積極的に本システムの有効性をアピールし、環境に配慮した取り組みの推進、拡大につなげてまいりたいと考えております。
次に、地球温暖化防止の取り組みについてでありますが、京都議定書で定めた我が国の温室効果ガスの削減目標達成のため、現在、国では、温暖化対策推進法の改正手続が進められております。改正案では、効果的な排出抑制につなげるねらいで、一定規模以上の企業や事業所に温室効果ガスの年間排出量の算定・報告を義務付けるとのことであります。
また、国では、そのほかのすべての主体に対しても、先ほどの齊藤議員の一般質問にもありましたとおり、来年度から温暖化防止のための大規模な国民運動推進のための大キャンペーンを実施し、削減目標達成のための基盤の構築を進める計画であります。
京都議定書で定めた温室効果ガスは、二酸化炭素をはじめとする6ガス、24物質にも上り、またこれら物質により、その温室効果の度合いや使用する燃料等で排出係数が異なるなど、場合によっては、それらに精通した人がいなければ排出量の算定が困難なケースも考えられますことなどから、江別市といたしましても、国や道と連携しながら、市民・事業者等に対しましても今まで以上に温暖化防止に係る取り組みの普及・啓発・支援に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、自然エネルギーの利用促進についてでありますが、風力、太陽光、バイオマスなどの自然エネルギーは、地球温暖化問題や酸性雨、放射性廃棄物の処理問題等のエネルギー消費による環境問題を解決する決め手として普及拡大が期待されています。
現在、環境クリーンセンターに風力発電、量というか規模は少ないんですけれども、これは40ワット、それから太陽光発電、これは30ワットですが、これらの複合型設備2基を設置し、プラント模型の部位の表示灯などの電源として利用しており、小学生の施設見学の際などに活用していますが、風力発電はコスト的にもまだまだ高く、コストを回収するにも長期の期間を要するのが現状であることは認識しておりますが、早急な温暖化対策が叫ばれている現在、小規模であっても風力発電により公共施設の電力の一部を賄うとともに環境学習のステージなどとして活用していけないか、こういったことについて検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、介護保険制度についてのご質問でありますが、特養をはじめとする施設整備の今後の見通しについてでありますが、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設のこの3施設につきましては、施設の適正配置や保険料のアップとも密接に関連することなどから、これまでも札幌市を含む6市1町3村により道が設置・主催する札幌圏高齢者保健福祉圏域連絡協議会で、その圏域内における高齢者数や整備済みの施設数などを勘案して整備内容を調整してきている現状にあります。
江別市におきましては、現行の平成15年度から19年度までの第2期介護保険事業計画において、札幌圏での協議・調整を終えた中で、新たに介護老人保健施設100ベッドについて平成18年度の開設を予定しており、現在、その事業主体が準備を進めている状況にあります。
したがいまして、その後の施設整備につきましては、平成17年度中に策定することとしている第3期介護保険事業計画の中で検討することとなりますが、江別市の現状と将来見通しを踏まえた中で、札幌圏での調整も含め慎重に対応してまいりたいと考えております。
次に、介護老人福祉施設の入所判定委員会の委員構成に関するご質問でありますが、現在、市内には三つの介護老人福祉施設があり、国が示した介護老人福祉施設入居優先度判定指針に基づき、それぞれ独自に入所判定委員会を設置し、運営しております。この3施設が設置する入所判定委員会の構成を見てみますと、第三者委員としまして、民生委員、自治会役員、ボランティア団体役員、江別市介護保険課職員などが入って運営されている現状にあります。
このようなことから、現行の入所判定に当たっては、一定の公平性は担保されている状況にあるととらえておりますが、議員ご指摘のとおりだれもが安心して納得できる入所体制の確立、また、より一層公平性、公正性、透明性を高めるよう今後とも適切に指導してまいりたいと考えております。
次に、今回の制度見直しで新予防給付対象者にどの程度移行するかとのご質問でありますが、今回の国の見直しでは、まず要介護認定区分がこれまでの要支援、要介護1から5のこの6区分から、要支援1及び2、要介護1から5の7区分とする方向が示されております。このうち、現在国が提案しております新予防給付の対象とするのは、軽度の要支援1及び2としており、国の推計では、現行の要支援、要介護1の7割から8割が新予防給付へ回ると見ております。これを江別市に置き換えますと、平成17年1月現在で要支援が743人、要介護1が1,177人おりますので、おおむね1,300人から1,500人程度が移行することになるものと推計しております。
また、高齢者筋力向上トレーニング事業についてでありますが、本事業は、国のモデル事業の指定を受けて昨年度から導入した事業であり、現在市内の社会福祉法人に委託し、事業を展開しております。
事業の実施状況でありますが、当初1コース15人定員で4コース、総体で60人を予定しておりましたが、利用者が36人と少なかったことから、現在さらに2コースを実施し、最終的には57人が利用している状況にあります。
本事業は、現在国が見直しを進めている介護保険制度の新たな予防重視型システムへの転換の主要事業であり、利用者の増加も予想されますことから、市といたしましても適正な実施体制が確保される事業主体があれば、積極的に推進していきたいと考えております。
次に、今回の見直しの中で、国が新たに創設しようとしている地域支援事業についてでありますが、本事業は、要支援、要介護状態になる前からの介護予防が重要とのこの観点から、現行の老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業を見直し、効果的な介護予防サービスの展開を図ることとしているものであります。
その内容につきましては、現在、国において検討されている状況にありますことから確定的なことは申し上げられませんが、新たに創設が予定されている地域包括支援センターを核として、認知症予防、うつ予防、閉じこもり予防など、要介護状態となるリスクを取り除くようなサービスが主体となるものと考えております。
いずれにいたしましても、これからは特に予防ということに重点を置くことになりますので、市といたしましても国の方針を踏まえた上でサービスメニューを検討してまいりたいと考えております。
次に、第3期の保険料の見通しについてでありますが、保険料につきましては、今後3年間の高齢者数や要介護認定者数の推移、さらにはサービスの基盤の整備やサービス量など様々な要素と条件を考慮した中で算定し、介護保険事業計画策定等委員会に諮るなどして決定していくものであります。また、抜本的見直し内容につきましても、現段階ではその詳細は不確定な部分が多い状況にあり、今後、国から示される事業計画策定指針を受けて事業計画の本格的策定作業に入るという、そういうスケジュールになっておりますので、現段階で保険料の見通しについて申し上げることは難しい状況にありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上で答弁を終わります。