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平成16年第4回江別市議会会議録(第2号)平成16年12月13日 5ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

議長(宮澤 義明 君) 

以上をもって、島田議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 宮川議員の教育行政についてほか1件についての質問を許します。通告時間30分。

宮川 正子 君

 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問いたします。
 特別支援教育についてお伺いいたします。
 2002年12月に策定された障害者基本計画には、21世紀に我が国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会とする必要があると基本的な考え方が示されています。これは、障がい者の人権尊重の観点から提起されたノーマライゼーションの理念を日本社会においても実現すべきことを表明したものと考えられます。その理念を教育の分野で実現する重要な方法原理の一つとして、統合教育(インテグレーション)が挙げられます。
 統合教育のレベルが最も高いものが特別支援教育で、文部科学省は、小中学校の通常の学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等の児童生徒に積極的支援を行う方針を打ち出し、2003年度から特別支援教育推進モデル事業を展開しています。
 こうした国の動きに対して、最近、2人の障がいをお持ちの子の保護者の方からご相談がありました。支援体制ができることはうれしいと歓迎しながらも、普通学級に在籍が移って十分な支援が得られなければ、学級が混乱し、障がいを持つことでつらい立場に追いやられるのではないか、また障がいの特質、発達の段階に配慮した支援、健常児と違った教育もまた必要ではないか、いじめに遭うのではないか、障がいの程度に見合った教員数を配置しなければ立ち行かないのではないか等々、不安は尽きません。
 北海道では、モデル地区として、札幌、千歳、岩見沢の3市が実施しています。先日、千歳の教育委員会に実施状況をお聞きしました。教育行政の地方分権が進む中、様々な試みが行われていました。校内委員会の設置、特別支援教育コーディネーターの研修に加えて、医療、心理の専門家チームを作り、市内の小中学校、全児童生徒8,500人を対象に、特別な教育支援を必要とする児童生徒に関する全市実態調査を実施したそうです。また、乳幼児期から学校卒業まで通して活用できる教育相談ファイルを作成し、個別の教育支援計画を作っています。
 千歳市では、市立北進小中学校があり、全国でも珍しい特殊学級のみで、情緒障がいや知的障がいを持つ子供たちと長年かかわっていますので、専門的な方がそろっているということで、現在、千歳市の特別支援教育のセンター的役割を持っているとのことです。千歳市内のある小学校では、奇声を発する、指示を聞けない児童への対応に先生が困り、北進小中学校に相談、同校の先生に接し方などのアドバイスをもらい、児童の良い面を見て自信がつくようにしてあげたところ、今では随分落ち着いてきたそうです。子供の自尊心を傷つけないなど、内面のケアの大切さに気付いたとのことです。
 同市は、特別支援教育コーディネーターの研修を3回実施したところ、成人のADHDやアスペルガー症候群の人が講演をしたときは、コーディネーター以外の先生も多数詰め掛けたそうです。難しい問題もたくさん見えてきたそうです。
 先生へのアンケート調査の結果、LD、ADHD、高機能自閉症の障がいがあると担任が判断した子供は、小学校で約2.6%、中学校では約3.2%ですが、特別支援教育が必要と先生の気付きがあったとしても保護者の了解が得づらいそうです。また、先生は全体に教えなければならないということで、人が足りない、身近な先生がどれだけ意識しているか等、実施前に必要なこととして、校内の体制づくり、先生への研修が大事ということでした。特別支援教育を受ける側の児童、また受け入れる児童、教師にとっても、相当な準備期間が必要になるだろうと推察されます。このことから、江別市としても早期に取り組まなければならないと思います。
 以上のことを踏まえてお伺いいたします。
 1点目に、教員の研修についてです。
 現場の教員が軽度発達障がいに対して理解が深まり、指導ができるような研修を是非とも実行していただきたいと考えますが、どのように取り組んでおられるのか、お聞かせください。
 2点目として、特別支援教育のコーディネーターの養成であります。
 学校と保護者、医療等の関係機関との連携を図り、教育支援が円滑に行われるよう、軽度発達障がい児の支援について、専門性を持つ特別支援教育コーディネーターを早急に育成しなければなりませんが、現在どのように進められているのでしょうか。
 3点目として、支援教育を受ける対象児童の中には、普通学級で学びたいという方と、特殊学級で学びたいと希望される方もいらっしゃると思います。受ける児童の気持ちが一番大切と考えますが、受ける側の選択を第一に考えてくださるのでしょうか、確認いたします。
 4点目として、対象児童や保護者の方に、特殊学級で学ぶこと、通常学級で学ぶことのメリット、デメリットなど、両方それぞれの教育の在り方を事前にしっかり周知すべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 また、通常学級の児童・保護者の方々に対して、軽度発達障がいなどの理解を深めていただき、スムーズにスタートできるよう周知が必要と考えます。そういった課題に対してご検討されているとは思いますが、お聞かせください。
 5点目として、発達障がいの方々の早期発見、早期治療の観点から、9月に5歳児健診導入ということで質問させていただきましたが、同じ観点から、様々な子供の面倒を見ている幼稚園の先生や保育園の保育士の方々にも研修が必要と思いますが、どのようにされているのでしょうか。
 以上の点について、本市の今後の取り組みについて、教育長にお伺いいたします。
 歴史的偉大な仕事をした人に、ADHDの人がいるそうです。トーマス・エジソンや坂本龍馬、最近ではアメリカの俳優トム・クルーズらがそうだそうです。周囲が理解し、支えてあげることで、その人にしかない才能が開花します。今の社会に求められている視点だと思います。障がいを個性ととらえる優しいまなざしと支援が必要だと思いますので、ご答弁をよろしくお願いいたします。
 続きまして、学校運営協議会についてお伺いいたします。
 いじめや不登校など、教育現場は今、様々な問題を抱えています。こうした諸問題解決を学校だけに任せるのではなく、これからの学校教育を考えるとき、保護者や地域が責任を持ち、一体となって学校づくりをすることが大切であります。
 国においては、平成12年4月に学校評議員制度が制定され、2003年度で全公立学校の6割強に設置され、そのうち8割を超える多くの学校で1回から3回程度の会合を開催しているそうです。
 さらに、今年6月には地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正され、公立学校の運営に地域住民や保護者が参画する学校運営協議会を設置できるようになりました。これは、地域住民や保護者が学校運営に主体的に取り組むことによって、より開かれた信頼される学校づくりを目的としたものです。
 学校運営協議会は、教育委員会が指定した学校に設置され、協議会の運営について教育委員会や校長に対して意見を述べることができます。校長は、教育課程の編成など、学校運営に関する基本的な方針について協議会の了承を得なければなりません。学校運営協議会の設置によって、地域と家庭と学校が一体となって子供の健全教育に取り組む体制づくりが大きく前進することが期待されています。
 同法改正に先立ち、文部科学省は2002年度から3か年の期間で全国から9校を指定し、学校運営について実践研究を行ってきました。
 学校運営協議会と似たような組織は、これまでも評議員制度がありますが、しかし評議員制度は省令に基づくもので、具体的な権限はなく、校長の求めに応じて意見を述べることができるとされているにすぎません。これに対して、運営協議会は法律によって根拠付けがなされ、学校の運営に関する基本的な方針について承認する、教育委員会又は校長に対して意見を述べることができる、教職員の採用に関して教育委員会に対し意見を述べることができ、教育委員会はこれを尊重するなどと、具体的な権限を有することが決定的に異なります。学校運営協議会の設置が、地域や保護者の声を学校運営に生かすことによって教育現場の活性化が更に進み、教育環境の向上に大きな役割を果たしていくと思われます。
 学校運営協議会の制定は、今年9月からスタートしております。江別市においても積極的に取り組むべきであると思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。
 次に、福祉行政についてですが、障がい者の方の就労支援についてお伺いいたします。
 昨年は、新たな障害者基本計画と新障害者プランの初年度であると同時に、障がい者の地域生活を支援し、自己決定と利用者本位のサービス提供を旨とする支援費制度がスタートした年でした。
 また、重点的に取り組むべき課題として、特に精神障がい者施策の総合的かつ計画的な取り組みを促進し、入院医療中心から、地域における保健、医療、福祉を中心とした施策を推進することを定めています。このように、障がい者の地域生活支援という目標を目指して、厚生労働省においても取り組んできたところです。
 特に、施設解体とも言われる地域移行の取り組みは、結果的にその地域に暮らす場を作らなければならないのですが、ただ単に大規模施設から小規模施設に、厚生施設からグループホームへという形態の問題だけではなく、地域で暮らすということの意味を考えた支援であることに加えて、個別のニーズに応じた恋愛、結婚、出産、育児、日中活動、就労、生涯学習や趣味、生きがいなど、存在を肯定するための自己表現、決定、実現することは、障がいの有無を問わず重要なことです。一人ひとりの人生をトータルにマネジメントしていくためには、社会福祉にとどまらず、医療、教育、雇用、所得保障とのリンケージをどのように図っていくかが大きな課題です。
 とりわけ、成人の障がい者にとって、働くことは単に生計を得るためだけではなく、地域で生活する上で働くことは、完全参加と平等の理念を実現する観点から極めて重要です。現に、就労を希望する障がい者の方々も多いそうです。そういった当事者の思いを受けて、関西では社会福祉法人プロップ・ステーションを立ち上げた竹中ナミさんがいらっしゃいます。
 その活動のねらいは、チャレンジドを納税者にしようということです。チャレンジドとは、アメリカで障がいを持つ方々を人生での挑戦という生きる使命を神から授けられた人との意味があるそうです。どうしたら納税者になれるのか。チャレンジドの皆さんにITやパソコンの技術を身に付けてもらい、それで仕事をしてもらおう、そして収入を得て納税者にというのがナミさんの考えたことですが、その前提になったのは、重度の障がい者の皆さんに送ったアンケートから始まります。内容は、あなたは大変重い障がいを持っているけれど、仕事をしたいと思いますか。もし、仕事をするとしたら、何がそのための武器になると思いますかというものでありました。200通近い回答があり、しかも回答のうち8割の方が、自分も社会に対して何かしたい、できれば仕事もしたい、自分の病気と能力に応じた職種に就きたいというものであったそうです。また、そのための武器としては、コンピュータだと思うとの回答であったそうです。
 この活動の原点は、チャレンジド自身の声から始まったものです。1992年から、コンピュータを使った勉強会が始まり、チャレンジドたちに技術を習得してもらい、就労の促進、障がい者を納税者にまで育てようと活動されています。
 そういった流れを受けて、三重県においては、障害者SOHO支援事業として具体的に支援しています。障がいのある人がITを活用することは、社会参加や経済的自立を促す効果が大きいと期待しています。特に、在宅やサテライト・オフィスにおけるテレワークなどのSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)は、障がいのある人が誇りを持って働くことを実現する有効な手段であると考え、そのためにIT習得や就労訓練など、支援を行う団体が必要と考え、行政だけではなく、多様な関係者の協働による支援をコンセプトとしたITを活用した障がい者の自立支援策を立ち上げ、平成14年8月、その推進役となる支援プロジェクト・eふぉーらむを設立しています。そして、障がいのある人のSOHOの可能性を広げる取り組みとして、三重県とeふぉーらむが連携し、障がいのある人の就労意欲の向上と、障がい者雇用の促進を図るための就労訓練を目的として、三重県のIT関連業務を障がい者ワーカーに実験的に提供していく障害者SOHO支援事業を推進しています。
 国の動向としても、厚生労働省、総務省において、ITを活用した障がい者の就労支援、自立支援が注目されています。具体的には、平成16年度からモデルとして開始されている総務省の障害者IT支援研究事業、厚生労働省の重度障害者在宅就労推進事業などです。
 特に、厚生労働省の障害者雇用問題研究会における検討の結果、次のポイントについて法改正を含め進んでいます。
 (1)精神障がい者を雇用算定率の対象に、(2)在宅就労支援、(3)福祉的就労から一般雇用へ。
 また、具体的な施策として、厚生労働省がバーチャル工房支援事業を来年度から全国で進める方針も固めています。パソコンを貸与して操作方法を訓練した上で、インターネットを利用して自宅で作業できる仕事を提供する仕組みであります。
 これまで障がいを持った方々は、能力があり、働きたいという強い就労意欲がありながらも、社会参画は様々なバリアがあって困難でありましたが、しかしITの進化がチャレンジドの社会参画に大いに役立ち、広がりを見せています。
 以上のことから、まず1点目として、現在の市内の障がい者の方の実雇用率及び雇用者数をお伺いいたします。また、就労を望んでいる障がい者の方は何人くらいいらっしゃるのか、併せてお伺いいたします。
 2点目として、障がい者の方の自立と参加のためにどのような方策を持たれているのか、どのような努力や工夫をなさっているのか、お伺いいたします。
 3点目として、江別市においても、ITを活用した障がい者への就労支援体制を充実していただきたいと強く望むところですが、市長のお考えをお聞かせください。
 続きまして、障がい者の雇用促進につながる制度についてです。
 雇用情勢が厳しい中、不況のしわ寄せを一身に受けるのは障がい者の方々であります。平成14年度、厚生労働省の調べでは、雇用保険に加入資格のある労働者のうち、企業を解雇された障がい者の数が全国で過去最高の4,017人に達し、対前年度比で約1.6倍と急増しております。障がい者の方の就職希望者が14万3,772人と過去最高となる一方で、就職件数は2万7,072人、前年比4.5%減と、統計開始以来、最悪の数値を記録しています。厳しい雇用状況の下では、現行の障害者雇用促進法に頼るだけでは不十分であります。企業の障がい者雇用が進まない現状を打破するために、障がい者を雇用することのメリットを強調できるシステムが必要です。
 そこで、三重県では、障がいのある方々の雇用の促進及び福祉的就労の安定を図るため、県庁内の各部局及び地域機関等で物品等の調達に当たり、障がい者を多数雇用している中小企業や授産施設等を優遇する障がい者多数雇用企業からの物品等調達優遇制度を設けています。障がい者(身体・知的・精神)の雇用率が3.6%以上の企業等です。
 優遇の方法として、随意契約における物品等を調達する場合、障がい者多数雇用企業及び授産施設等を見積り業者として選定する機会を多くできるようにします。指名入札により物品等を調達する場合は、障がい者多数雇用企業及び授産施設等を他社に優先して指名するよう努めています。このように優遇制度を設け、障がい者の雇用の促進に努めています。
 また、大阪府では、2003年度から、企業の障がい者雇用への貢献度をポイント化して格付けをし、上位の企業を公表し、表彰すると聞いております。江別市においても、障がい者の雇用促進につながる制度を設けるべきと思いますが、市長のお考えをお伺いいたします。
 以上で1回目の質問を終わります。

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