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平成16年第2回江別市議会会議録(第3号)平成16年6月11日 6ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

議長(宮澤 義明 君) 

 吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。

教育委員会委員長(安孫子 建雄 君)

 私から、学校選択制につきましてご答弁申し上げます。
 この学校選択制を検討するに当たりましては、昨年から江別市立小学校及び中学校通学区域審議会における審議や、議会、市民、教職員から多くの貴重なご意見をいただきましたことに対しまして、深く感謝申し上げる次第でございます。
 平成15年第3回定例市議会一般質問におきまして、私から学校選択制の基本的な考え方などにつきましてご答弁申し上げておりますが、昨年9月24日開催の通学区域審議会に学校選択制の基本的な考え方及び導入方法等について諮問したところであります。
審議会では、教育関係者との意見聴取、教育委員会が実施した保護者アンケート調査の結果や、教育関係者との意見交換会、教育タウンミーティングで出されました多くのご意見等を参考に審議を行い、10回の審議会を経て、本年2月10日に導入を是とする旨の答申がなされたものであります。
 教育委員会では、2月12日開催の臨時教育委員会で、この答申を踏まえ今後の進め方を決定し、2月26日開催の平成16年第2回定例教育委員会において、学校選択制の一定の方向性を定めたものであります。
この一定の方向性につきましては、保護者や教職員を対象としました説明会を4月12日から7回にわたり各地区ごとに開催し、基本的な考え方を説明したところであります。説明会で出されましたご意見等を踏まえ、4月27日開催の平成16年第4回定例教育委員会で慎重審議の結果、最終確認を行い、これに基づきまして、去る5月27日開催の平成16年第5回定例教育委員会において、導入にかかわる最終決定に至ったところであります。
ご質問の1点目の学校選択制を江別で導入する根拠についてでありますが、昨年4月の学校教育法施行規則の一部改正により、学校選択制について、市町村教育委員会の判断により導入できることが規定されるとともに、完全学校週5日制や新学習指導要領の全面実施など、学校を取り巻く教育環境が大きく変化したところであります。これらの背景から、学校選択制については、具体的な検討をすべき状況に至っているものと考え、冒頭申し上げました通学区域審議会へ諮問したところであります。
 その後、保護者アンケート調査や教育関係者との意見交換会、教育タウンミーティング、さらには説明会での市民、保護者、教職員等のご意見等を踏まえ、当市の現行通学区域や弾力化の現状なども十分検討した上で通学区域審議会で審議を行い、その結果、学校選択制を導入し、制度化すべきであるとの答申を受け、教育委員会として慎重審議の結果、決定したものでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 2点目の学校選択制導入に当たり明らかになった制度の限界と矛盾についてでありますが、選択できる学校の範囲につきましては、これまでの保護者等の方々のご意見を踏まえ、市内の交通網の状況、遠距離通学や通学時の安全性、地域との関係についてなど、これらを配慮する中で、原則として徒歩通学が可能な範囲の隣接校選択制としたところであります。
 また、学校選択制は、現行の通学区域を前提とする中で導入するものでありますことから、受入れ人数や選択できる学校の範囲など、一定の条件の下で選択できる制度となります。したがいまして、通学区域以外の学校を希望する場合は、この一定の条件を理解いただいた上で申請することとなりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 3点目の学校選択制における選択という意識の問題についてでありますが、学校選択制におきましては、指定校以外の学校を希望する場合に、初めて申請行為等が生ずるものであり、希望申請をしない場合は指定校となるものであります。したがいまして、保護者と児童生徒が相談して指定校と選択校のどちらかを決める過程においては、選択という行為が生じてまいります。
 指定校の場合ですと、確かに手続的にはこれまでと同様でありますが、選択したという意識を持っていただき、保護者、学校とのかかわりの意識を持っていただきたいということでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、4点目の選択に伴う責任についてでありますが、現行の通学区域制度は、学校ごとに通学区域を定め、住所によって入学する学校を指定しております。指定校以外の学校を希望される場合は、友達や地域の関係など通学区域の果たしている役割、通学の安全性や通学距離等も含めまして、保護者の責任の下で考えていただきたいということであります。
 また、責任ということの考え方につきましては、通学する学校を決めたこと、通学時の負担などでありますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 いずれにいたしましても、学校教育を巡る諸課題が山積みする中、学校選択制は、通学区域の弾力化の視点で、子供たちが行きたい、保護者が行かせたい学校を希望できる制度であります。この制度の下、学校現場では、校長をはじめ教職員にとって、やりがいのある学びの環境を実現されることを大いに期待するところであります。
 また、今回の制度決定ですべてが解決するとは考えておりませんが、学校を巡って保護者や教職員、そして地域社会の皆さんが学校のことを真剣に考え、望ましい学校づくりに向けて動き出していただきたいと考えるものですので、今後ともご理解とご協力をいただきたいと存じます。
 以上でございます。

教育長(高橋 侃 君)

 私から、子どもの権利条約につきましてご答弁申し上げます。
 児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約につきましては、18歳未満のすべての人の保護と基本的人権の尊重を促進することを目的として、平成元年の国連総会において全会一致で採択され、我が国も平成6年に条約を批准しているところでございます。
本年1月に我が国は、国連子どもの権利委員会から、子どもの権利条約への取り組みが不十分な点を改善するよう勧告されたところでございます。
ご質問の1点目、教育制度に対する考え方でございますが、国は前回の勧告に対し、不登校等の児童生徒に対しては、スクールカウンセラーの配置の拡充など、相談体制の充実を図ってきているところでございます。また、学習指導要領等を改訂して、ゆとりの中で学ぶ楽しさを実感できる体験学習などを進めてきております。
 一方、子供を指導する教師に対しては、新任教員をはじめ、教職の経験年数に応じた研修を通じて、人権尊重教育、あるいは国際理解教育、生徒指導等に関する様々な研修事業を実行してきているところでございます。
 本年1月の勧告は、私としましては重く受け止めて、今後、国が権利委員会に報告する内容を見極めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
 次に、子供にかかわる施策の意見表明の反映でございますけれども、これまで一例として、子供たちの遊び場である公園の再整備の際に、自治会と児童会とのワークショップによって子供たちの意見をくみ上げて、現在まで8か所の公園整備を行ってきております。
 現在策定中の次世代育成行動計画におきましても、幼児及び小学生の保護者や中高校生からのアンケート等により、子供の意見・要望等を行動計画に反映させていこうとしております。また、各種審議会での市民の意見聴取や、市のホームページや手紙等においても、児童生徒等から幅広く意見、提言等の機会を常時用意し、その把握に努めているところでもございます。
 各学校においては、学級活動や児童会、生徒会の活動で、児童生徒が学校運営等に意思決定ができるような環境づくりにも努めておるところでございます。また、学級新聞などを通して、子供たちの考え方、意見が述べられるなどの取り組みもいたしております。
 そのほかに、子供たちの悩みや、不登校・いじめ等の相談窓口として、ヤングテレホン、家庭児童相談、子ども電話相談などを行っているところでもあります。
 また、江別市教育研究所では、毎年テーマを定めて、子供たちや保護者からのアンケートによる意識の把握を行って、施策に反映しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも子供たちの意見等を尊重し、施策に反映させていくことが重要と認識しておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。

吉本 和子 君

 ただいまのご答弁に対しまして、何点かについて述べさせていただきたいと思います。
 初めに、子どもの権利条約についてでありますが、ただいま教育長がおっしゃいましたように、江別においても子どもの権利条約の根本となる部分を既に施策に反映されておられるということを伺いまして、安心いたしました。
 ただ、今回の国連子どもの権利委員会の勧告の中身につきましては、今申し上げました子供の意見表明権のみならず、例えば全体的には四つの点について内容を勧告しておりますけれども、その一つについて、例えば能力や競争、成果主義に基づいて子供たちを差別、選別してはならないということ。また、二つ目には、国家や公共への忠誠を求める権威主義、刑罰的な子供施策を改めること。そして、三つ目には、財政効率最優先から子供の福祉施策最優先にすること。以上の四つの点を大きく述べております。このことにつきましても、是非これからの子供施策に関して反映させてくださいますように要望するものであります。
 次に、学校選択制についてでありますけれども、ただいま教育委員長がお話をされましたように、この5月にはもう導入が決まりました。このことについては述べるものではありませんけれども、ただ現実としては、いまだにこの選択制導入については、不安や、疑問や、そして混乱があることは事実だと思います。このような保護者や教職員の今までにあった不安や混乱、これがどんどんとふっしょくされて、安心して子供たちが新しい学校の教育制度にのっかっていくことができるように、現場の担当の方々は本当にご苦労されていることとは思いますけれども、これからの説明会などに当たりましては、個別に説明申し上げて理解を得ていただくような、そのようなきめ細かな対応が必要かと考えておりますので、この点についても強く要望いたしまして、私の意見といたします。

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