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平成16年第2回江別市議会会議録(第2号)平成16年6月10日 8ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

副議長(宮野 一雄 君) 

休憩前に引き続き会議を開きます。
 一般質問を続行いたします。
 宮川議員の福祉行政についてほか2件についての質問を許します。通告時間30分。

宮川 正子 君

 ただいま議長から発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
 福祉行政についてお伺いいたします。
 今年の3月、ある高齢者の方からご相談を受けました。その方は駅近くのおふろのない共同住宅に長年住まわれている方です。そのアパートは比較的家賃が安く、駅も近く、買物も便利で、一人暮らしの高齢者の方ばかりが8世帯入居されていて、ずっとそこでみんなで助け合い、住んでいこうと思っていたそうですが、大家さんから急きょ、建物が古くなって心配なので、アパートを新しく建て替えるから5月一杯で立ち退いてほしいと言われて、毎日寒い中、転居先を探し回っているが、なかなか安いアパートもないし、あっても高齢との理由で断られるので何とかなりませんかとのご相談でした。
 このように古い木造アパートの取壊しで、立ち退きを迫られた一人暮らしの高齢者の方には、建替え後のアパートに入居できる経済力はありませんし、一般の賃貸アパートのオーナーや管理人は、火の始末などから火事になったらという心配などがあり、高齢者の方に部屋を貸したがりません。今回、退去を迫られた高齢者の方は、引っ越し先をなかなか見付けることができませんでした。80歳を過ぎているので健康に不安もあります。昨年の一般質問の中で、高齢者世帯への入居を拒まない賃貸住宅の登録閲覧制度について質問させていただきましたが、その後も高齢者世帯の方から住居に関するご相談が多くあります。
 日本の高齢者人口は、2002年度現在で約2,358万人で、高齢化率18.5%になっておりますが、2015年には 約3,277万人、高齢化率26.0%、つまり全人口の4人に1人が65歳以上になる見込みで、その後も2050年には約3,586万人、高齢化率は現在の約2倍の35.7%に達すると予測されています。
 各種の統計調査を見ると、親と子供の両方とも別居志向が強まっていることから、江別市においても、今後も夫婦のみの世帯や一人暮らしをする高齢者の方は年々増えてくると予測されます。
 また、ライフスタイルの多様化も見逃せません。これまでの典型とも言える結婚をして子供をつくり、マイホームを築くという暮らし方に対して、結婚もしない、子供もつくらないという選択をする人たちも出てきています。このように核家族化により高齢者だけの世帯が増えています。そうした方々が安心して暮らせる場所が必要です。人間は、やはり一人では生きていくことはできないと思います。人々との触れ合い、安心と楽しみのある生活の場、住まいの空間が必要です。
 また、特養をはじめとする介護保険施設の入院、入所者が、介護保険で自立や要支援と認定された場合の受皿の確保も必要です。介護保険と医療保険はともに社会保険ですが、しかし、医療保険は被保険者が医師の必要を感じれば、いつでも、どこでも受診可能ですが、介護保険からの給付の判断は被保険者ではなく、保険者が全国一律の基準に従って行います。被保険者が自ら要介護と判断しても、自立と結果が出れば介護保険からの保険給付を受けることができなく、介護保険施設の利用もできません。介護保険施設に入院、入所していても、状態が改善し、要介護状態でなくなれば退所しなければなりません。本来、自立と判断されることは喜ばしいことなのですが、しかし、サービスを受けられないという不満を持つこともあります。自立、要支援であっても、一人暮らしに不安を覚える高齢者は少なくありません。そういう生活支援の住める場所をいかに作っていくかが大事だと思います。
 今金町では、介護保険制度の要介護認定において、自立、要支援と判断されながら、何らかの理由により在宅での生活が困難な方のために、生活支援ハウスを建設しています。生活支援ハウスとは、指定通所介護事務所などに最大20戸の居住部門を併設した複合施設で、厚労省の生活支援ハウス運営事業に基づき運営されているものです。独立して生活することに不安がある高齢者などが対象となります。
 住宅の提供のほか各種相談、助言、及び緊急時の対応、地域住民との交流の場の提供を行います。実施に当たっては施設、設備整備費については国が2分の1、都道府県が4分の1、その他運営費補助も受けられるとお伺いしています。
 課長さんのお話では、今金町は農業が中心の人口約7,200人で、およそ4分の1を65歳以上の高齢者が占めているそうです。地域住民が住み慣れた地域で安心して老後を迎えることができるまちづくりを目指し頑張っていますとのことです。生活支援ハウスの利用者は豪雪地帯であり、集落が点在している地域性から、日常生活の不安などにより越冬を目的とした施設入所も多いそうです。運営費は利用者の利用料と町が補助しているそうですが、それでも医療費でかかり、介護保険でかかるより、高齢者が元気でいてくれる方が財政削減につながりますとお話ししていました。
 今後も住宅改修費の支給や高齢者下宿等を整備し、高齢者が一人暮らしになっても安心して住み慣れた今金町で生活できるよう、地域住民、関係機関との協力を得て、積極的にサービスを推進していきますとのお話でした。
 帯広市では、商店の方々が空き店舗事業の議論の中から、これまで商店街の事業に加えて、さらに一歩進んだ取り組みが必要ではないかという考え方から、高齢者下宿の事業を発案したそうです。この事業は、高齢者に安心して生活できる場所を提供するだけでなく、まちづくりに参加してもらったり、高齢者下宿を核とした世代間の交流を促進したり、だれもが気軽に立ち寄れる喫茶や市民の交流の場として活用したり、子育て支援センターもあり、そこに高齢者の方が赤ちゃんや幼児と一緒に過ごすことができ、とても生き生きとしていました。この事業は中心市街地の居住対策だけでなく、今日の高齢者社会に対応した高齢者にも住みやすいまちづくりにも貢献しています。
 また、介護保険の指定対象外の住宅としてグループリビングがあります。高齢者が身体的機能の低下を補うための複数の人、5人から9人が共同して生活する居住形態です。そこに行政が共同生活に対する支援などを行っています。
 高齢者グループリビング支援モデル事業の第1号として国の指定を受けた、埼玉県にあるグループハウスさくらのオーナーの方は、入居者の一人は特別養護老人ホームからここに移って6年たちます。特別養護老人ホームにいる間は、1か月およそ35万円の援助が必要です。年間にすると400万円以上です。さくらに来て補助金はもらっていません。あのまま特別養護老人ホームにいたとすると、彼女だけで6年間分で2,400万円以上にもなりますとお話ししています。
 これから来る高齢化社会は、一時的なものではなく、今後100年以上もの間、人口の4分の1が高齢者となります。人生の最終ラウンドに入ったら、だれしも安心して居住できる環境を確保したいと思うのは当然のことで、特に居住については、自力では確保できない世帯もあり、住宅の保証は生きることの保証にほかならないと思います。
 以上のことから、今後更に高齢者の住まいの問題は増えていくと思います。
 江別市においても、介護保険で自立と認定を受けた方がいつまでも元気で暮らせるよう、生活支援ハウス、高齢者下宿、グループリビング、高齢者向け優良賃貸住宅と積極的に推進していただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
 医療行政についてお伺いいたします。
 日本人の平均寿命は世界一、けれども長い寿命の終盤を病気や障がいで寝たきり、又はそれに近い形で過ごす人も少なくありません。病気や障がいがなるべく少ない状態でこの時期を過ごすこと、つまり健康寿命の延長が重要です。病気の予防やその早期発見、早期治療はますます大切になっています。現在、日本では寿命が延びても、健康寿命が延びず、障がい期間が延長され、介護ニーズが加速度的に増える結果をもたらしています。理想の形は平均寿命が延びたら、健康寿命も延びて、障がい期間も短縮され、一人ひとりの生活のQOLが向上し、同時に医療や介護ニーズも減少します。
 宮城県の保健所管内にある1市13町で、40歳以上の国保加入者5万5,000人に対して、平成6年、生活習慣などのアンケートを実施、その回答者5万2,000人について、その後の医療費の状況を追跡調査した結果を見ると、健康に対する意識やそれに基づく健康的な生活習慣が医療費に及ぼす影響が大きいとの結果が出ています。
 まず、喫煙習慣と医療費との関係では、過去に吸っていたという人も含め、吸わない人に比べて6%も医療費が高くなっています。しかも1日当たりの本数が多い人ほど医療費が高くなるという結果が出ました。喫煙・肥満・運動不足の3つの生活習慣をすべて持たない人に比べて、喫煙習慣だけある人は7%、肥満のみある人は2%、リスク3つとも持つ人は35%も医療費が高くなったのです。
 このように生活習慣の在り方がいかに医療費に影響を及ぼしているかを考えると、健康教育といった生活習慣指導の分野が今大きくクローズアップされています。
 がんで見ると、我が国では死亡率が下がっているがんよりも、上昇しているがんの勢いの方が強く、今後、がんの死亡率は上昇の一途をたどるのではないかと予測されています。
 ところが、アメリカでは1990年を境にがんのり患率、死亡率とも減少に転じました。これはアメリカにおけるがん予防対策、生活改善の取り組みによるところが大きいとされています。アメリカでは1960年代末にがん死亡率半減を目指し、治療技術の改善にばくだいな予算を投じたにもかかわらず、死亡率は一向に下がらなかったそうです。その結果、治療ではなく予防に立脚した対策へと方向転換し、ヘルシーピープルという新しい健康対策が登場しました。予防に方向転換し、がん死亡率を減少させることができたそうです。
 ヘルシーピープルは、1990年のアメリカ国民の健康レベルについて数値目標を設定し、その目標に達するための疾病予防、健康対策を体系化したものです。この政策は、その後、先進各国の健康政策のモデルとなり、日本で現在進められている健康日本21もその一つです。
 我が国では急速な人口高齢化に伴う医療ニーズの増加、高度な医療技術の導入など、様々な要因によって年々医療費が増加しています。病気になってから治療する、寝たきりになってから介護する、それももちろん大切ですが、それ以上に病気にならない、寝たきりや痴ほうにならないよう、予防や健康増進に力を入れて一人ひとりの健康と幸福につなげていくことが大事だと思います。
 千葉市稲毛区の稲毛病院の整形外科医佐藤部長は、医療の目的は病気と闘うことだけではなく、今後、国民の健康をサポートすることも必要ではないか。21世紀には病院を健康に不満を感じるだれもが立ち寄れる場所にし、訪ねてきてくださる方々に健康の追求をお手伝いする役割として、付加していかなければならない。成人病という不可逆な状態になる前に、生活習慣を変えることで克服し、成人病の芽を未然に防いでいくことを目的として、約10の健康支援外来を開いていますと、生活習慣改善の意義は、ますます高まっています。
 また、精神科や神経科といった診療科に対する抵抗感があるため、気軽な受診が推進されない現状にあることから、物忘れ外来といった特殊外来の設置も全国的に広がりを見せています。
 日本は確かに長寿世界一になりましたが、平均寿命に占める痴ほうのない期間の割合は世界一低いそうです。日本の高齢者は痴ほうが非常に多く、精神面での健康寿命は短いのです。
 痴ほうにはアルツハイマー性のものと脳血管性のものがあり、アルツハイマー性痴ほうの頻度は国際的にも差がありませんが、日本では脳血管性痴ほうが多く、そのため痴ほうのり患率が高いそうです。しかし、脳血管性痴ほうは診断や生活習慣指導によって予防することが可能です。寝たきり対策同様、これから痴ほうの予防が非常に重要になってきています。痴ほうも他の病気同様、早期発見が大事です。
 しかし、診断を希望されても、どこで診てもらったらいいのかという声をよく聞きます。そこで物忘れという症状を標ぼうすることによって、診断を希望される方が受診しやすいそうです。また、先ほど話をしたように、喫煙習慣も医療費の増大を招きます。たばこが余命に及ぼす影響は、交通事故や殺人よりもはるかに大きく、失われる余命平均は35歳から69歳の喫煙者では22年、70歳以上の喫煙者では8年、全年齢では16年と計算されています。
 最近の研究では、自分で喫煙しなくても他の喫煙によって汚れた空気を吸うことにより肺がん、副鼻腔がん、虚血性心疾患などを患い、夫や妻がたばこを喫煙する人だと自分が喫煙しなくても、喫煙していない人と比べて死亡率が高いそうです。
 禁煙者が多い先進国では、肺がんなどにかかる率も、死亡率もともに減少しつつありますが、日本では現在も増加を続けているのです。本人にも周りにも影響がある喫煙に対して、禁煙支援外来を設けているところもあります。
 現在、日本人の病気の多くは生活習慣病です。この生活習慣病という治らない慢性疾患は死ぬまで払い続ける借金のように、医療費を増やし続けます。医療費を減らすには、根本的には生活習慣病を減らす以外に手だてはないというのが、世界の共通した認識になりつつあります。
 疾病予防、また早期発見、早期治療のために、江別市立病院に物忘れ予防外来、禁煙支援外来を現科に併設表示して、予防医療に力を入れていただきたいと思いますが、市長をはじめ病院長のお考えをお聞かせください。
 総務部所管、窓口の改善についてお伺いいたします。
 耳が不自由なことを職員に知らせる耳マーク表示板を窓口に設置している自治体が増えています。耳マークは聴覚障がい者が自らの障がいをアピールし、適切な対応を求めるために、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が制定したシンボルマークです。耳に音が入ってくる様子を矢印で表したデザインで、窓口用の表示板には耳マークの下に耳の不自由な方は筆談しますので申し出てくださいと書いてあります。
 苫小牧市では、これまでも耳の不自由な方が窓口に訪れた際、職員が筆談や手話で対応してきましたが、福祉のまちづくりの一環として表示することになったそうです。市内公共施設はもちろん、郵便局、銀行、医療機関にも協力を要請しているそうです。聴覚障がいで手帳を持つ人は全国で約47万人、老人性難聴など軽度を含めると耳の不自由な人は全国で約1,000万人以上と、全難聴では推測しています。高齢化社会は難聴者の多い社会でもあります。現在、70歳以上の2人に1人は聞こえの不自由な人々と言われ、今後、中途失聴者の増加も予測されます。
 先日、ご近所の方からご相談を受けました。段々耳が遠くなってきたので、役所や銀行、病院へ行って名前を呼ばれても聞こえないので、娘と一緒に行ってもらうようにしているが、病院などで長時間一緒に待っていてもらうのは悪くてとお話ししていました。自治体や病院の中には耳マークがなくても十分対応しているという意見もあるそうですが、普及運動を続ける難聴者福祉会理事長は、障がいは訴えなければ存在に気付かないし、対策の必要性も分かってもらえない。耳マークは難聴者が自立し社会にかかわっていくための白いつえですとお話ししていました。
 急速に進む高齢化社会、加齢、騒音ストレスなどによる難聴者の増加のため、江別市においても是非窓口に耳マークの設置をしていただきたいと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終わらせていただきます。

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