平成16年第2回江別市議会会議録(第2号)平成16年6月10日 7ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(宮澤 義明 君)
島田議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川 公人 君)
島田議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
まず、道州制に関してでありますが、本年3月に発足した国の第28次地方制度調査会において検討されております道州制については、国としての役割を外交や安全保障など国際社会における国家としての存立にかかわるもの、あるいは年金や広域的交通体系など、全国的な規模又は視点に立って行われるものなど、真に国として果たすべきものに重点化し、その他の権限の多くを地方に移譲するものと考えられています。
一方、地方は全国を幾つかの道又は州に分割し、その中に現在の都道府県を包含させ、道州は区域全体の視野に立った産業振興、雇用、国土保全、防災などといった広域ネットワークの分野を担うものとし、したがって国の地方機関が持つ権限は例外的なものを除いて道州に移管するものとされています。
それから、住民に最も身近な基礎自治体としての市町村は、地域における総合的な行政主体として、住民の暮らしに密着した行政サービスを地域の実情に応じて提供する役割を担うことが期待され、それぞれの自治体の能力に応じて、国や道州から権限が移譲されることが想定されています。
市町村としては、このような環境が整備されれば、自己決定、自己責任の原則の下、市民ニーズにこたえたきめ細かな行政サービスが展開できる権限が強化されるものと考えますが、個性と活力ある地域経営を行っていくためには、安定的な自主財源の確保が不可欠であります。
そこで国からの税源移譲は、その基盤となる税源の安定性や地域偏在性に十分配慮した形で行われるべきであることから、本定例会初日の行政報告の中で申し上げましたように、三位一体改革の推進に関する決議においては、地方行政が的確に行えるよう、地方交付税が持つ財源保障及び財政調整機能を強化するべく、市長会を通じて国に訴えていくとしているところであります。
また、道からの権限移譲におきましても、相応の財源やマンパワーが必要となりますことから、市の負担が過重にならぬよう慎重に見極めていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、道州制につきましては、先日閣議決定がなされた骨太の方針2004の中で導入の検討を本格化するとともに、道州制特区の推進体制を整えることとされております。北海道においても、各市町村に対して道州制特区についての説明をしていくとのことでありますので、国や道の動きを関心を持って見守ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、財政再建に関する質問でありますが、国・地方を通じた行財政改革につきましては、いわゆる骨太の方針2003において、平成18年度までの改革と展望の期間中に、おおむね4兆円を目途に国庫補助負担金を廃止・縮減することとされており、一方で、引き続き地方が主体となって実施する必要のある事業については、基幹税を中心に税源移譲を行うこととされ、平成16年度においては所得譲与税が暫定的に措置されたところであります。
しかしながら、地方交付税はその算定に当たって、地方単独事業を9.5%圧縮するなど、需要額を抑制することにより交付税総額が減少し、さらに不足分を埋めることとされている臨時財政対策債も大幅に減額され、江別市のみならず全国の地方自治体において予算編成に苦慮したと伝えられております。
一方で、少子高齢化、子育て支援、循環型社会の形成などの新たな地域課題に対応するとともに、地方分権の時代の中で、自らの権限、責任、財源において、将来に向けて持続可能な都市経営を進めていかなければならないところであります。従前の一律増分主義的な行政運営はもはや不可能であり、将来を見据えて活用できる資源の範囲内で、最大限の効果を生み出す地域最適化の考え方が必要となってまいります。
このような考え方に基づき、平成16年度においては第5次総合計画の政策・施策の優先度と、それに基づく一般財源の枠配分を基本として予算編成を行ってきたところであります。
投資的経費削減による市内中小企業への影響については、ご指摘のように市場競争の激化や公共投資の削減により、大変厳しいものとなっております。このことから中小企業対策においては、それぞれの企業の必要度に応じて、資金の円滑な供給を行うことが極めて重要との認識から、各種資金融資事業を実施しているところであります。
そうした中、中小企業対策をはじめとする地域経済の活性化に資する施策に対する予算配分、さらには施設を新たに建設する量的な拡大よりも、現在ある施設をいかに有効かつ効率的に活用していくか、そのための維持補修費、あるいは真に市民が必要とする投資的経費をいかに確保していくか、こういうことに意を用いて予算編成を行ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、市内中小企業の収益性を高め、雇用を確保していくには、合併による競争力の強化や業態の転換などのなお一層の企業努力も必要と考えておりますが、今後とも江別市として、持続可能な行財政体質を作り上げる一方で、市内中小企業に対するきめ細かい対応も進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
このほかにつきましては、教育長からご答弁を申し上げます。
教育長(高橋 侃 君)
私から、教育行政につきましてご答弁申し上げます。
初めに、特別支援教育についてでございますが、近年小中学校に設置している特殊学級に在籍している児童生徒は、重度、重複障がい等を含めまして増加傾向にあり、障がいの多様化が進んでおります。また、通常の学級においては、学習障がい・注意欠陥多動性障がい、高機能自閉症の児童生徒に対し、指導が行われております。
このような現状等の対応を図るには、学習障がい、注意欠陥多動性障がい、高機能自閉症を含めて障がいのある児童生徒は一人ひとりの教育的ニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善し、克服するために、幅広い分野の専門家の活用や関係する機関の連携が不可欠でありますことから、新たなシステムとして特別支援教育を構築し、適切な教育を支援していこうとするものでございます。
文科省は、この制度を平成19年度までにすべての小中学校に対して、特別支援体制を整備することを目指しております。
また、国においては、本年2月には学習障がいなどの児童生徒に対する支援の仕組みや特殊学級の在り方を審議する特別支援教育特別委員会を設置し、夏ごろを目途に中間報告がなされる予定でございます。
今後、関連する法律の改正、教員の加配措置等、国の動向を見極めながら、各小中学校の校内体制の構築に向け進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、卒業式・入学式の国歌斉唱でございますが、小中学校の学習指導要領における国歌の取扱いにつきましては、国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、小学校のいずれの学年においても、国歌を指導することとなっております。また、卒業式や入学式などには国歌を斉唱するよう指導するものとしております。
国歌の指導状況につきましては、小学校19校のうち、通常の音楽の時間で指導している学校は14校で74%、式の練習の中で指導しているのが4校で21%、両方で指導している学校が1校となっております。
また、小中学校の卒業式、入学式にはすべての学校で国歌斉唱は行われておりますが、議員ご指摘のとおり、実施の際について、まだ不十分な点も見受けられますので、教育委員会としましては卒業式、入学式での国歌斉唱は、学習指導要領に基づいて実施していくものでありますので、式の中で児童生徒が国歌斉唱するように、今後とも各学校に対し指導に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
島田 泰美 君
ご答弁ありがとうございました。
まず、財政再建についてですけれども、国の三位一体の改革が進展すると、地方に財源が移譲されるものの、国庫補助金や地方交付税が大きく削減され、当市も各自治体と同様、その財源確保に苦慮することになります。
ご答弁の中にもありますように、江別市の財政状況は理解できますが、急激な投資経費の落ち込みは、中小企業にとって立ち直る体制を整える間を与えず、また、頼みの資金融資事業が確立されていても、先の仕事の見込みがない以上、改善計画も金融機関に提出できない状況となります。企業努力で業態の転換もと言われていますが、ある程度の資金がなければそれもかないません。やはりご答弁の中で述べているように、市民にとって必要な投資的経費は何かをしっかり精査し、その予算編成に努力していただきたいと思います。要望といたします。
次に、入学式、卒業式における国歌斉唱の在り方ですけれど、以前、こういったお話を聞いたことがあります。それは江別市内の学校ではありませんが、やはり学校の式に出席した来賓の方が、国歌斉唱のときに先生方が全員座っているのを見て、来賓が起立しているのに大変失礼だと言ってその場を退席したそうです。私自身にはそんな勇気はありませんが、少なからず出席した方々の中には、そう思っている人もおられると思います。
私は、入学式、卒業式も生徒にとって一つの教育の一環だというとらえ方をしています。そうであるならば、個人として国歌を認める、認めないにかかわらず、これから社会に出たときの一つのルールとして、こういった式の在り方を生徒にしっかり教えるべきであると思います。それができないのならば、さきの質問にも述べてあるように、国歌斉唱の部分を削除することも選択肢の一つであるというふうに思っております。学習指導要領に反することになりますが、そのことも生徒にとって、式の在り方を考えさせる良い機会になるのではないかと私は思います。
以上、今後の教育委員会に期待をして要望とさせていただきます。
議長(宮澤 義明 君)
以上をもって島田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
午前11時52分 休憩
午後1時00分 再開