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令和元年度江別市政執行方針(令和元年6月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年6月7日更新

 ただいま上程されました、補正予算案をご審議願うに当たり、私の市政に対する基本的な考え方と予算の大綱についてご説明申し上げます。

 市民の皆様並びに市議会議員の皆様、私は、去る4月の統一地方選挙の結果、引き続き、市政の重責を担わせていただくこととなりました。4期目に向けた所信を述べるに当たり、まず、市のまちづくりの基本であります第6次江別市総合計画「えべつ未来づくりビジョン」と「江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の認識について、申し上げます。

 平成26年に策定した「えべつ未来づくりビジョン」は、自治基本条例制定後、初めての総合計画として、策定段階から「えべつ未来市民会議」における議論や、中学、高校、大学の学生やNPO法人、各経済団体などと意見交換を行うなど、市民主体で作り上げた計画であります。

 また、平成27年に策定した「江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」においても、市内大学生や幼児、小中学生の保護者との意見交換や、自治会、各経済団体、金融機関などからなる有識者会議での議論の上、作り上げたものであります。

 私は、これまで、「えべつ未来づくりビジョン」と「江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を着実に進め、将来にわたって持続可能な人口規模を確保するための対策を最優先に取り組んでまいりました。

 人口減少対策の基本は、出生数を増やすことでありますが、本市のこれまでの状況から、市民に住み続けていただく、さらには、市外の方に本市を選んでいただける取り組みが重要であると考え、各施策を進めてまいりました。

 「えべつ未来づくりビジョン」は、前半の5年が終了し、この間、江別の顔づくり事業による野幌駅周辺の活性化を進めてきたほか、保育所や認定こども園、放課後児童クラブの整備や、保育料の独自軽減を行うなど、子育て支援に取り組んできたところであります。

 また、小中学校におけるデジタル教科書やタブレット型パソコンの整備を進めるとともに、小学校1年生からの外国語教育では、指導助手を増員するなど、児童生徒の学力向上に向け、取り組んでまいりました。

 さらに、活力あるまちを形成するため、「EBRI」や、「都市と農村の交流センターえみくる」を開設し、交流人口の増加や地産地消にこだわった各種イベントの開催、6次産業化支援に取り組んだことなどもあり、地域の農業者自らが農産物を直売する野菜の駅のオープンなどに繋がったものと考えております。

 こうした取り組みなどもあり、市内では住み替えや、大型の宅地造成が進み、本年5月には、前年同月に比べ、188人の人口増となり、9か月ぶりに11万9,000人台に回復したところであります。

 「えべつ未来づくりビジョン」は、昨年度をもって前半5年が終了し、今年度から、まちづくりにおいて、重点的・集中的に取り組む、新たな「えべつ未来戦略」による、後半5年がスタートいたしました。

 新たな「えべつ未来戦略」は、策定段階から、幼児、小中学生の保護者、大学生、自治会役員などからご意見を伺う、まちづくり意見交換会と、計画の前半5年の検証を踏まえ、行政審議会において、ご審議をいただいたところであります。

 このように市民の参画をいただき策定した「えべつ未来戦略」は、「ともにつくる協働のまちづくり」をすべての戦略推進の基盤に据えるとともに、「子どもから大人までいきいきと健康に暮らせるまちづくり」を新たな戦略に加え、取り組んでいくことといたしました。

 私は、今後も「えべつ未来づくりビジョン」をまちづくりの基本方針とし、「えべつ未来戦略」を中心とした各施策を展開してまいります。

 一方で、現在の本市における大きな課題は、市立病院の再生であります。

 市立病院では、これまでも診療体制の充実と病院事業の収支改善に努めてきたところでありますが、新専門医制度の影響などから、総合内科医師の確保が難しくなり、昨年10月からは1病棟を休止するなど、運営は極めて厳しい状況となっております。

 高齢化が一層進行する中、市民に必要な医療を確保するためには、市立病院の役割はますます重要になっていくものと考え、市民参加の下、再建に向けた検討組織を立ち上げ、あらゆる角度から議論してまいります。

 それでは、これからの市政を担うに当たり、私の基本的な考えについて、申し上げます。

 第1に、「健康のまち えべつ」についてであります。
誰もが安心して暮らすことができるための基本は、市民の健康にあります。平成29年の「健康都市えべつ」の宣言に基づき、「自分の健康は、自ら守る」との考えの下、心の健康にも配慮しながら、健康寿命の延伸に向けた施策を進めていく必要があります。

 そこで、さらなる高齢化を見据え、訪問診療・訪問看護などの在宅医療支援の充実に努めていくとともに、子どもの頃からの健康意識の醸成や、検診などの体制整備を引き続き推進してまいります。

 また、地域医療や市立病院の診療体制のあり方などを検討するため、市民、医療関係者、各種団体等による検討の場を設置いたします。

 第2に、「子育てでも選ばれるまち えべつ」についてであります。
安心して子どもを生み、育てられるまちとして、子育て世代を支援するため、妊娠から出産、子育て、さらには親の就労までの切れ目のない支援に取り組んでいく必要があります。

 そこで、保育所や認定こども園などへの開設、運営に関する支援を充実させるとともに、放課後児童クラブの定員拡大を図るほか、既存の児童センターを活用するなどして、待機児童の解消を図ってまいります。

 また、子どもの実態調査に基づき、子どもの貧困対策に取り組んでいくとともに、病児・病後児保育、乳幼児医療体制の充実について、引き続き検討してまいります。さらに子育て支援の一層の充実を図るため、子育て世代包括支援センターの設置を進めてまいります。

 第3に、「教育でも選ばれるまち えべつ」についてであります。
「江別市教育大綱」に基づき、児童生徒の学力、体力の向上に向けた取り組みを進めるとともに、生きる力を身につけるため、子どもの個性を尊重した教育環境の充実を図っていく必要があります。

 そこで、小学校1年生からの英語教育を継続し、児童の国際感覚を養成していくほか、義務教育9年間を見通した系統的な教育活動が展開できるよう、小中一貫教育のモデル校の設置に向け検討してまいります。

 また、各学校で部活動休養日を設定することなど、教員の働き方を見直し、教員が児童生徒と向き合う時間を確保するとともに、教員の負担軽減に取り組んでまいります。

 第4に、「地元企業の活性化により発展するまち えべつ」についてであります。
市内経済が発展するためには、地元企業の活性化が不可欠であります。市内の大学生が地元企業に興味を持ってもらうための取り組みや、増加する外国人就労者等への生活面に関するサポートが必要であります。

 また、地域資源を活かした観光振興を進めるとともに、起業や創業などの新たなチャレンジには、一層の支援をしていく必要があります。
 そこで、市内4大学や関係団体との協議を進める中で、大学生の就職支援を進めるほか、外国人留学生や就労者には、地域との交流の機会を設けるなど、我が国の文化や生活習慣などについての学びの場を提供してまいります。

 また、江別小麦に続く次の江別ブランドの創出に向けた取り組みを進めるほか、観光・交流・商業の各施設と連携した周遊観光による交流人口の拡大を図ってまいります。

 さらに、創業意欲のある方を対象に実施するIT人材育成スクールを支援するとともに、関係団体と連携して、市内の空き家の活用の推進について検討してまいります。

 第5に、「自然と環境のまち えべつ」についてであります。
原始林と石狩川にいだかれ、緑豊かで良好な環境を将来の世代へ継承するため、木質バイオマスや太陽光などによる循環型社会や低炭素社会の実現、再生可能エネルギーへの転換を引き続き積極的に進めていく必要があります。

 そこで、鉄道林の一部を都市緑地として再整備するとともに、世界的に深刻化するマイクロプラスチックなどの海洋汚染防止や、食品ロス削減に向けた環境教育の充実を図るほか、街路灯、防犯灯などのLED化を推進してまいります。

 第6に、「協働のまち えべつ」についてであります。
少子高齢化、人口減少社会において、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政をはじめ多様な主体が、それぞれの得意分野を活かし、協働して共生のまちづくりをさらに進めていく必要があります。
 そこで、女性をはじめ、自治会を支える人材の養成研修の充実を図るほか、企業と連携し、高齢者、障がい者などの雇用の拡大に向け、取り組んでまいります。また、すべての市民が生涯にわたり安心して住み続けられるよう、江別版「生涯活躍のまち」構想を推進してまいります。

 第7に、「災害に強いまち えべつ」についてであります。
これまでの大雨災害や胆振東部地震での教訓を踏まえ、市民も参加する効果的な訓練の実施や、公共施設の耐震化などの防災対策を進めていく必要があります。

 そこで、冬期間の災害など様々な条件を想定した実践型、市民参加型の災害訓練を実施するほか、災害の際の市民、各関係機関との情報連絡体制の充実、災害弱者である要支援者への支援など、防災、減災対策を推進してまいります。

 また、市役所本庁舎などにおける耐震化につきましては、建て替えに係る庁内検討などを踏まえ、あらゆる角度から、引き続き検討してまいります。

 以上、市政運営に当たっての私の基本的な考え方を申し上げました。

 次に、令和元年度の一般会計、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計及び病院事業会計補正予算案につきまして、その概要をご説明申し上げます。

 本年度は統一地方選挙の年でありましたことから、当初予算の編成においては、いわゆる骨格予算とし編成してまいりましたが、今次ご提案いたします補正予算は、今ほど申し上げました市政執行の基本方針に基づく政策予算等につきまして、それぞれ措置するものであります。

 その結果、今次補正の歳出予算総額は、

一般会計 4億 151万円
国民健康保険特別会計 249万9千円
介護保険特別会計 235万2千円
病院事業会計 846万5千円
計 4億1,482万6千円

となり、これを当初予算に加えました各会計の総額は、

一般会計 462億2,151万円
特別会計 242億6,285万1千円
企業会計 176億3,737万6千円
計 881億2,173万7千円

となるものであります。

 また、改元に伴い、今年度の江別市一般会計予算ほか各会計予算全体における元号の表示につきましては、「令和」に統一いたします。

 以下、補正予算の概要につきまして、一般会計から順次ご説明申し上げます。

 まず、歳出でありますが、総務費の一般管理費では、民間事業者が野幌駅南口に建設中の市民交流施設に、江別国際センターが移転することに伴う既存施設の撤去費用等補助として、 91万1千円を、江別国際センターの市民交流施設移転後の施設管理費等補助として、 16万7千円を、財産管理費では、札幌広域圏組合の解散に伴う出捐金等の配分金を基金に積み立てるための経費として、 8,086万2千円を、基金を活用し取得した「生涯活躍のまち整備事業用地」の売却収入等を基金に積み戻すための経費として、 1億897万7千円を、企画費では、江別市民活動センターの市民交流施設への移転に伴う既存施設の撤去費用等補助として、 227万8千円を、債務負担行為による市民交流施設の借上げに係る本年度分の賃借料として、 976万8千円を、諸費では、平成30年北海道胆振東部地震の災害対応を検証するための専門委員会の開催経費として、 49万5千円を、戸籍住民基本台帳費では、野幌鉄南地区証明交付窓口の市民交流施設への移転に伴う既存施設の撤去費用等として、28万3千円を、市民交流施設内に新たに証明交付窓口を設置するための経費等として、 390万3千円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、民生費の児童福祉総務費では、子育てひろば「ぽこあぽこ」の機能の充実を図るための施設の拡張に要する経費として、80万3千円を、子育て情報誌の改訂やスマートフォン版の子育て支援サイトを新たに構築するための経費として、 180万4千円を、保育所費では、本年10月から実施される幼児教育・保育の無償化に伴う子ども・子育て支援システム改修費として、427万7千円を、認定こども園施設整備に対する国の補助基準額の増額改定による補助金の追加として、 807万3千円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、衛生費の予防接種費では、高齢者肺炎球菌予防接種に係る助成制度の経過措置の延長に伴う経費として、515万2千円を、風しん予防の追加的対策の実施に伴う経費として、1,756万2千円を、保健指導推進費では、子育て世代包括支援センターの開設経費、及び産後ケア事業、産婦健診を新たに実施するための経費として、1,337万3千円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、商工費の工業振興費では、外国人技能実習生の受入れ企業に対する訪問相談や、日本語教室の開催費補助等として、31万7千円を、市内における起業・創業を促進するため、IT人材育成スクールや各種講習会、相談窓口の開設などの創業機運醸成事業に対する補助として、 160万円を、観光費では、市民交流施設において、新たに観光案内業務を実施するための経費として、 131万1千円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、土木費の道路橋梁新設改良費では、元江別地区の開発行為に伴う「兵村4丁目通」及び「元江別中央通」の整備に向けた測量調査費として、 1,900万円を、建築指導費では、特定空家等の除却・解体を支援するための新たな補助制度として、 150万円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、消防費の常備消防費では、市内在住外国人からの緊急通報に対応するための多言語通訳業務委託費として、21万9千円を措置するものであります。

 次に、教育費の学校営繕費では、学校施設整備事業の国庫補助を活用した平成30年度補正予算の繰越事業への組み替えにより、1,400万円を、減額するものであり、情報図書館費では、市民交流施設内において、新たに予約図書の貸出し等を実施するための経費として、 283万円を、保健体育総務費では、市民体育館アリーナ改修工事期間中の利用料金の減収等に伴う指定管理料の追加として、150万1千円を、体育施設費では、スポーツ振興くじ助成金の補助内示が得られましたことから、市民体育館アリーナの床改修及び照明LED化工事費として、 1億2,678万6千円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、諸支出金の国民健康保険会計では、国保被保険者の高齢者肺炎球菌予防接種経費に係る一般会計負担分として、124万9千円を、介護保険会計では、特別会計で新たに実施する「認知症みまもりあいネットワーク事業」、及び介護保険制度の改正に伴うシステム改修費の一般会計負担分として、50万9千円を、それぞれ措置するものであります。

 以上が歳出の概要でありますが、次に歳入に関してご説明申し上げます。
歳出に必要な財源として、
財産収入で 1億9,558万8千円、
繰越金で   7,175万5千円、
市債で 2,580万円

のほか、国・道の支出金等をそれぞれ計上するものでございます。

 次に、特別会計についてご説明申し上げます。

 国民健康保険特別会計につきましては、国保被保険者の高齢者肺炎球菌予防接種に係る助成制度の経過措置の延長に伴う経費として、249万9千円を、措置するものであります。

 次に、介護保険特別会計につきましては、介護保険制度の改正に伴うシステム改修費として、 110万7千円を、認知症の人とその家族を地域全体で見守り、支え合うことができるネットワークを構築するため、各種研修会や捜索訓練、GPS端末の更新経費等として、 124万5千円を、それぞれ措置するものであります。

 次に、企業会計についてご説明申し上げます。

 病院事業会計につきましては、地域医療や市立病院の今後のあり方を検討するための外部委員会の開催、運営に係る経費等として、500万9千円を、市内医療機関の分娩受入休止に伴う、産婦人科患者の増加に対応するための医療機器の購入経費として、 345万6千円を、それぞれ措置するものであります。

 以上、一般会計、特別会計及び企業会計補正予算案の概要につきましてご説明申し上げました。

 よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。