平成15年第3回江別市議会会議録(第5号)平成15年9月26日 4ページ
6 議事次第の続き
認定第1号ないし認定第3号の続き
議長(宮澤 義明 君)
これより、決算特別委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、決算特別委員長報告を終結いたします。
これより認定第1号 平成14年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて、及び認定第2号平成14年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについてに対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。
高橋 典子 君
認定第1号 平成14年度江別市水道事業会計決算及び認定第2号 平成14年度江別市下水道事業会計決算について、不認定の立場で討論に参加いたします。
平成14年度においては、建設改良事業においては配水管網の整備のほか、緊急貯水槽の設置や上江別浄水場への警報監視システムの設置、下水道事業では管きょ整備、ポンプ場、浄化センター等の整備が行われ、安全で快適な生活環境の維持向上のため努力されているところです。
しかしながら、両会計とも収益の面では財政計画を大きく上回り、水道事業においては当年度純利益2億1,312万6,000円を計上、下水道事業においては1億4,173万9,000円の当年度純利益を計上しています。
地方公営企業は常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとされ、当然市民の利益が重視されなければなりません。両事業とも安定的に運営されており、多額の利益を上げている下では、水道部としての裁量で料金の引下げは可能な経営内容といえます。
核家族化が進む中、一世帯当たりの人数は2.4人となっており、水道使用料は基本水量の8立方メートル以下の世帯が約4分の1を占めています。長引く不況や年金支給の減額など、市民の生活は厳しい状況に置かれています。こうした実態から、基本水量を引き下げ実使用量を反映させた料金体系に見直し、市民の負担軽減につなげていくべきであると指摘してきたところですが、そうした対応がなされておりません。
雨水対策については、雨水管整備は55.7%と前年度からわずかな伸びにとどまっています。現在、大麻低地帯について重点的に整備を進め、その他については道路縦断管を幹線で取り込み整備する方法がとられているところですが、自然災害から市民の財産と命を守る立場を離さず最善を尽くされるよう求めます。
企業債の償還については、高利率のものの低利借換えは経営改善の点でも急ぐ課題です。かねてより指摘しているところではありますが、低利への借換えや繰上償還について、関係する団体とともに国に強く働き掛けるよう求めるものです。
なお、夕張シューパロダムからの受水に関して申し添えます。我が党は以前から過大な人口想定の下での計画と指摘し、現水利権5万6,000立方メートルあれば人口17万人以上の給水が可能であることから、見直しを主張してきたところです。石狩東部広域水道企業団の一員として当市がイニシアチブを発揮し、撤退も含め、早期に見直しを求めるべきであります。
以上を述べまして、不認定の立場での討論といたします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
宮川 正子 君
認定第1号 平成14年度江別市水道事業会計決算、認定第2号 平成14年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて、賛成の立場で討論に参加いたします。
水道事業については、市民に水道水の安定供給と災害に強い給水サービスの向上を図るため、引き続き配水区域のブロック化事業の推進や老朽配水管の布設替えなどの管網整備初め、緊急貯水槽の設置や浄水、配水設 備の設備更新がなされております。実務実績については、給水人口が前年度比で392人の増、給水件数では723件の増加、配水管総延長は0.6%増の874キロメートルとなっております。年間総給水量は0.6%の減少で、有収水量も0.2%の減少ですが、有収率は95.3%と0.3%上回っております。
その結果、事業の収支では、年間総給水量及び年間総有収水量が前年度を下回る状況ではありましたが、耐用年数の一部変更に伴う減価償却の減少や経費節減に努めたことなどから、当年度純利益は約2億1,000万円余となっております。
また、石狩東部広域水道企業団の拡張事業については、できるだけ早く当市の考えを提示すべきとの要望も出されましたが、今後早急に構成団体における論議を行い、再評価委員会の立ち上げを求めていくとのことであり、最大限、当市の努力に期待いたします。
下水道事業会計においては、安全で快適な生活環境整備を目指した下水道整備が進められており、汚水管の布設とともにポンプ場の整備、浄化センター設備の整備が計画的に行われ、汚水の処理普及率は97.1%、水洗化人口普及率では99.2%の高い普及率となっております。
また、市街地内での雨水整備については、市街化区域面積に対する整備区域面積は55.7%で、道路改良工事に伴う雨水縦断管布設等による雨水処理面積約300ヘクタールを加えると、約66%となるとのことであります。
決算では平成14年度においても、経費節減、効率的な事業運営により、1億4,000万円余の当年度純利益を計上しております。
上・下水道は市民生活の基本となる施設であり、安全で安心できる安定した給水の確保と快適な生活環境を確保するためには、日常的な施設の維持管理が必要であります。この点からも、有収率の向上や経費の節減等による安定した経営の努力とともに、着実に事業が執行されていることを評価いたします。
今後の水道事業経営においては、水需要の動向を十分に見極め、適切な水源水利確保と経済的、効率的な設備投資を行い、より安全で良質な水の安定的供給のために計画的な施設整備と維持管理体制の充実を図り、給水サービスの向上と健全経営による水道事業の遂行に努力され、市民サービスの向上に努められることを要望し、賛成の討論といたします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第1号及び認定第2号を起立により一括採決いたします。
認定第1号及び認定第2号は、委員長報告のとおり、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。
次に、認定第3号 平成14年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
吉本 和子 君
認定第3号 平成14年度市立病院事業会計決算について、反対の立場で討論に参加いたします。
今決算は、平成14年3月で本予算が否決された暫定予算も包括した決算という特異な審査であります。
国の診療報酬の引下げ、高齢者医療費や社会保険本人の3割負担など医療費の増大による受診抑制、そして平成13年、14年と続く元市立病院医師の地元での開業などは市立病院の経営にも大きな影響を与え、その結果、入院外来合わせて大幅な患者数の減少となりました。しかし、診療単価の上昇により前年度比1.5%、約1億円の減収にとどまっています。
また、支出では給与費のマイナス改定や委託料の縮減等で、単年度純損失は健全化計画の本年度目標に対し、1億4,000万円近く上回る良好な結果となっています。
経営的には主に人件費、委託料の削減の結果で、働く人たちにとっては手放しで喜べない費用縮減です。
また、診療単価の上昇は患者負担も増えたということです。高度な検査ができ、病気の早期発見、早期治療ができれば喜ばしいことではありますが、今日の状況から医療費負担はますます深刻です。窓口で支払を待っている患者が、幾ら請求されるかと思うと1回下がった血圧がまた上がってしまうという、笑い話にもならない話をしていました。また、ある開業の医師は、検査をするとき費用も知らせて納得した上でないと、窓口でいろいろなトラブルが起きると言われていました。検査一つに対しても目的や手法、リスクはもちろん費用まで説明し納得していただく、この対応が今求められるものであり、市民の信頼を得る重要な要素になると考えます。
不認定の理由の1つは、初診時特定療養費の問題です。
市立病院において初診時特定療養費を徴収する根拠の1つは、紹介状を持つ患者と持たない患者の負担の均衡を図るということでした。紹介状を持参するということは、初診の段階でそれまでの病状や経過、検査結果や治療の概要が分かるために、すぐに次の段階の治療計画が立てられるというメリットがあります。しかし、紹介状を持たない初診の場合には、診察から検査、診断、治療まで多くの時間と多額の医療費を負担することになります。保険適応の紹介患者加算と初診時特定療養費とは全く性質の異なるものであり、単純に負担の公平化で取り扱うべきではないと考えます。
そもそも特定療養費は1984年に、高度先進医療や差額ベッドなど、患者が選択して医療を受ける部分については自費負担として導入されました。初診時特定療養費は度重なる診療報酬の改悪で、1996年に200床以上の病院での紹介状なしの初診料が特定療養費化されたものです。
年々、医療法や老人保健法の改悪等で患者負担が大きくなり、受診抑制が問題となっている今日、公立病院としては市民の負担増は可能な限り和らげる努力をするべきであり、収益増対策として初診時特定療養費の名目で患者負担を求めることは、適当とは言えないと思います。
不認定の理由の2つは職員体制の問題です。
費用削減を重視したこの間の経営姿勢は、安い労働力で運営する施策として、臨時、嘱託、委託化と、正職員以外で対応することを続けてきました。
しかし、そのことが職員の労働条件をますます過酷なものにし、患者対応の面でもサービスの質の低下が生じるのではときぐされます。408床の入院患者、1日平均1,400人を超える外来患者にしんしに対応するには、今の職員体制では到底無理があるように見えます。
公立病院として費用対効果で考えられない、不採算と言われる、苦情・相談への対応業務、これらの業務をしっかり受け入れてこそ、市立病院に対する市民の信頼がさらに得られるのではないでしょうか。現行の看護相談室やボランティアの活動がその一役を担って奮闘されていることは十分評価いたしますが、病院を利用する市民の悩み、相談に対応できる体制としては、まだ不十分と言わざるを得ません。そのためには現在の職員体制を見直し、むしろ必要な部署には専門職を配置し、体制を充実させるなどの必要があると考えます。
最後に、2点、要望を申し上げます。
1点目、医薬品についてです。
全国保険医団体連合会が行った後発医薬品についての調査結果では、開業医の後発品使用の理由のトップは患者の薬剤負担が軽減されるで85.7%に上りました。効用が同じで新薬より相当安い後発医薬品の使用を、市立病院においてもさらに拡大し、患者負担の軽減に一層の努力をされるよう望みます。
2点目、病診連携、病病連携の推進についてです。
市立病院は江別市全域の医療の責任を負う基幹中核病院として、市民に対して質の高い医療サービスを将来にわたって提供するという重要な役割があると思います。市内の開業医を利用している患者から、「入院が必要になったとき、すぐに入院できるのか本当に心配だ」、開業医からは、「市内にベッドが空いていなくてとても困ることがある」、こんな声が聞かれます。市内の医院、病院との連携、協力体制を整備することは緊急な課題です。国の医療費引締め政策が一段と厳しくなる中、市民の命と健康が守られる江別市全体の総合医療システム作りのために、なお一層の努力を望みます。
以上、2点の要望について申し上げ、反対討論といたします。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
赤坂 伸一 君
認定第3号 平成14年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、認定の立場で討論に参加いたします。
近年の国の一貫した医療費抑制政策の中で、平成14年度は制度創設以来初めて診療報酬本体の減額改定が行われ、また、高齢者本人一部負担金が引き上げられたことによる受診抑制など、病院事業を取り巻く環境は極めて厳しい状況となっております。
こうした中、病院経営健全化計画を基調として、初診時特定療養費の導入、制度として必然の結果になったわけでありますが、導入を初め、人工透析患者の確保、薬剤指導管理業務の拡大など、各種の収益確保策に取り組んだほか、特に病院機能評価の認定を受けたことは、医療サービスの質的向上を目指す努力の成果であったと評価できるところであります。
また、患者数の減少傾向の中、高度医療を供給することで診療単価の増や、費用面でも人事院勧告の4年連続の引下げ改定に一部助けられた形になっておりますが、委託費を初めとする様々な経費の節減により、結果として計画よりも約1億2,000万円予定損失を下回ったところであります。
さらに、近隣に診療科の複合する開業医が増加し、その影響も考えられますが、地域の医療を守るため、中核病院として各医療機関との機能分担を図り、病診連携を強化し、市民に納得と信頼の得られる医療を推し進めていくとのことであります。
現在、健康保険本人負担が3割となり、16年度は再度の診療報酬の減額改定が予想されており、また、卒後の研修医制度が開始になるなど、極めて医療環境を取り巻く状況は厳しい、難しい状況となることが予測されますが、自治体病院として精神医療や救急医療を初めとした不採算部門を担いつつ、市民の健康や安心を支える適切な医療サービスの供給と同時に、経済性の発揮も求められます。
今後、医業収益の大幅な増加を望むことは難しい情勢にあると思いますが、長期的見通しに立った経営基盤の確立と健全化に向け一層の努力に期待して、病院事業会計決算の認定討論といたします。
以上です。
議長(宮澤 義明 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第3号を起立により採決いたします。
認定第3号は、委員長報告のとおり、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。