平成15年第3回江別市議会会議録(第3号)平成15年9月18日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(宮野 一雄 君)
以上をもって、山本議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
鈴木議員の保健福祉行政についてほか2件についての質問を許します。通告時間30分。
鈴木 真由美 君
議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問いたします。
今年の4月に行われました統一地方選挙におきまして、小川市長は、市民協働による自立したふるさと江別の創造を掲げられ、3期目の市政を担われることとなりました。市政執行方針の基本理念として、公平・公正・平等な行政、思いやりの心を持った行政、市民とともに行動する行政を進められると述べられております。私も小川市政とともに初心を忘れず、新たな思いを持って障害児や障害者が安心して暮らせる町、子供が主役の教育環境づくりに努力し、ふるさと江別のまちづくり、人づくりを進める決意を持ちまして任期を務めたいと思っております。
では、まず保健福祉行政についてお伺いいたします。
当市の保健・福祉・医療の各施策は国の制度改定、また新設等の下に取り組まれてきておりますが、高齢化や核家族化、都市化の影響を受けて地域の人間関係が希薄になりつつある中で、これからの福祉施策の質を充実するには、地域にともに暮らす人々が互いに支え合える仕組みが必要と考えます。
市長の執行方針にも、市民とともに行動する行政が掲げられており、また、地域の人々が互いに支え合う、ハンディキャップのある人々への気持ちを大切にする、そうした心の通う温かいまちづくりを進めてまいりますと述べられております。地域福祉計画は、江別市に生活する市民にとって実効性の上がる内容となることを期待して、質問いたします。
1点目は、地域福祉計画等策定事業についてお尋ねいたします。
本定例会に予算計上もなされましたが、地域福祉計画、次世代育成行動計画、障害者福祉計画の策定に際して、1点は基本理念は何なのか。2点目、それぞれの計画の概要、今後の取り組み方について。3点目に利用者、若しくは当事者の意見、要望などの受入れ方法について、どのように考えているのかお答えを願います。
次に、私自身実際にかかわった方の在宅生活上での課題について伺います。
人工呼吸器を付けて在宅生活をするなど、24時間介助を必要とする重度障害のある方、家族への支援体制について、江別市としてその充実と拡大に取り組む時期にあるのではないかと考えます。
一つには、移送サービスの実施が行われていないということです。人工呼吸器を付けている場合、幼児であっても救急仕様の車が必要であり、お母さん一人で車に乗せるのも大変なことです。デイケアサービスを受け入れてもらえたとしても、そこに通うことができないという壁に突き当たります。移送サービス実施についての考えをお伺いします。
二つには、四六時中目配り、気配りをしながら生活をしている母親、父親、親族が、何をするにしても常に一緒にいなければならないという問題があります。乳幼児ならば常に親がついているのは当たり前と言われそうですが、一般にはどなたかに見ていてもらって買い物に行くとか、外出しての用事を済ませるといったことがなされていると思います。しかし、重度な障害のある子供との生活では、ほとんど不可能に近いのが現況と言わざるを得ません。
このようなご家族に対する支援が非常に必要と考えます。介護保険が動き出した背景には、家族だけで支えるには限度があり、社会的に支え合うことについて理解を得られたことにより実施されているものと考えます。同様に、重度障害児や重度障害者とともに暮らしている家族に対して、ヘルパー、看護師の派遣を手厚くし、心身のストレスを軽減することが必要と思います。昨今、子育てに悩んで自分の子供を虐待したり、命までをもなくしてしまうといった事件も起きております。江別市では子育て支援センターを設置し相談に応じるなど行われておりますが、重度障害児と暮らすご家族には、具体的なサポートが必要と考えておりますのでお伺いいたします。
三つ目には、江別市内において医療的ケアを要する重度障害児のデイケアサービスは行えないのかということです。
現在は、札幌市内の法人にお願いする形で何人かの方が通所しておりますが、市民ではないため、いつ断られるか分からず、送迎サービスも受けられない状況です。人口も12万人を超えた当市として、また、重度障害があっても在宅生活を基本にした考え方が広まりを見せていることを考えますと、具体策を講じるべきかと考えます。発達支援センターとして位置付けられ、障害児のデイサービスについても受入れが可能となりましたあゆみですが、職員の方々も専門的な技能の研修を重ねるなど、障害のある子供たちとその家族を具体的に指導、励ましておられ、大変心強く思っております。そこで、このデイサービスに重度障害児を受け入れることは考えられないでしょうか、お尋ねをいたします。
12万人市民の暮らす町江別が、いつまでも他都市に依存する形で重度障害児の対処をするのは、市民としても情けない思いです。受入れ方法については、いろいろ考えられると思います。例えばあゆみに看護師を派遣する、又は、市内医療法人に重度障害児・乳幼児のデイケアサービスを委託するなどして対応できるのはではないかと考えます。また、デイケアサービスの間、お母さんには休憩時間をとってもらうなども可能になるのではないでしょうか。
以上について答弁をお願いいたします。
次に、教育行政について質問をいたします。
子供の育ちを考えますと、障害の有無にかかわらず家庭で、地域の中で影響を受けながら育ち、総体として人を受け止め理解していくと考えます。学校教育にあっても学力向上のみならず、人間としてどう育っていくのかを見守り、サポートすることも役割かと思います。また、子供たちは同年齢集団の中で育ち合うことも大切な要素であると考えております。
そこで、一つには、障害のある子供の学校への受入れ状況についてお尋ねいたします。
障害のある子供の場合、市内小中学校に設置されている障害児学級に通学していると思いますが、障害児学級のない学校に入学、転校した場合には、学級を開設できると私は認識しておりましたが、江別市では開設できるのでしょうか、あるいはできないのでしょうか、お伺いをいたします。
関連いたしまして、学校教育法の改正により、障害のある子供も普通学級で学ぶことができるようになったと聞いており、札幌市では特別支援教育事業ということで動き出しているとの話も耳にいたしております。江別市としては取り組みを始めているのでしょうか。また、普通学級への障害児受入れにより、障害児学級を閉鎖するようなことにつながるのではときぐいたしております。障害のある子供にとって、選択肢が多岐にわたることが重要なことと私は考えておりますが、どのような方向になるのか、考え方をお聞かせください。
もう1点は、障害児の通学支援についてお尋ねします。
現在は、通学交通費を支払う方法で支援されているようですが、前段で申しましたとおり、毎日の通学をすべて保護者が行うことについて考え直しても良いのではないでしょうか。つまり、障害児の通学に対して必要な子供には介助員を派遣することを行ってはいかがでしょうか。年々成長する子供を見守ることは喜びでもありますが、保護者も病気になったり、体力的に子供を抱き上げられないなどといったことで、学校を休まざるを得ないといった実例にも遭遇いたします。親が子供の面倒を見るのは当たり前でしょうけれども、支援を必要とする方に子育ての応援をするのも当たり前ではないかと考えますので、お考えを伺います。
次に、放課後児童についての考え方をお尋ねいたします。
なお、この質問につきましては、次に予定をしております質問と重なる部分もございますので、ここであわせて質問をさせていただくことをお許しいただきたいと存じます。
江別市内に住む子供たちは、親の有無、職業、あるいは障害の有無にかかわらず、等しく未来に向かって健全に育っていけるようにとの考え方に立って、児童館あるいは児童センター、そして放課後児童会などが設置され、指導員の配置により子供たちを見守っていると考えていたのですが、この認識でよろしいでしょうか。
では、放課後児童会の位置付けについてなんですが、どのように考えておられるのか、お聞かせください。
以前から福祉の領域ではとか、教育の領域ではということで、大変あいまいな対応の声も耳にするような記憶があります。気になっておりました。放課後児童について明確な方針を示すことにより、内容豊かな児童会運営も可能になるのではと考えるものですから、お尋ねいたします。
障害のある子供の児童会受入れについての考え方ですが、放課後児童会の入会に際しての条件は、放課後自宅に保護者がいないということ、その児童に障害があるのかどうかは要件に含まれていないというふうに理解しておりましたが、間違っておりますでしょうか。
現在、市内放課後児童会の民間経営のところでは、障害のある子供を受け入れておりますが、公立運営の児童会、児童センターでは条件付きでしか受け入れられません。障害のある子供は放課後、自分の家の中でじっとしていれば良いという意味なのでしょうか。障害の有無にかかわらず、子供たちはその住んでいる地域の中で育つのではないかと考えております。障害があって、だれか見守る必要性があるのならば、指導員の加配もできるはずですし、必要な曜日に一時的に人を派遣するなど、その子にとってどうすることが大切かを考えれば、答えは見つかると思うのですが、なぜ障害のある子が放課後児童会、児童センターに行っている間、保護者同伴の条件を付けるのか、お答え願います。実態として、介助者が必要な子供もいるかとは思いますが、その子の状態等を判断して受け入れていくような体制づくりがなされてしかるべきと考えますので、お答え願います。
次に、学校選択制について、お伺いをいたします。
私は、先ほど来から子供の育ちについて触れておりますが、子供の立場から見ますと、どのように映るのかと気になります。日本の義務教育の始まりは1872年の学制に教育の機会を国民の間に普及しようとする見解を示されたことによるようです。その後、保護者の義務の確立、1900年には学齢児童の教育を公立小学校にて行うとの原則が立てられ、1945年、日本国憲法、教育基本法が制定されましたことは、皆さんもご承知のことと存じます。
かつては学校に行きたくても、なかなか行けない。法律で義務付けられていても、子供を通学させられないといった時代もありました。今とでは大変大きな隔たりを感じます。そして、今、燃えるような思いで学びたいと願わなくとも学校へのレールは敷かれています。そのような時代背景もあって教育方法の研究、今回の学校選択制の課題も生まれたのかと推察いたしております。
そこで質問ですが、昨日もこの件について質疑がございましたので、私からは1点目は通学区域審議会への諮問内容は、さきに選択制ありきではなく審議会の審議経過の中で導入するか否かをご決定いただけると理解してよろしいでしょうか。
2点目は、新聞等では答申の時期を12月と報道されておりますが、大変に重要な課題でもあり、数か月で回答を得られない場合、十分な審議の時間、つまりは答申時期の延長は保証されるのでしょうか。
3点目は、もし、仮に審議会の答申が導入となったとしても、その導入の時期については限定されていないと理解してよろしいでしょうか、お尋ねをいたします。
次、最後の質問ですが、市民サービスについてお尋ねいたします。
先ほど来、福祉あるいは教育について質問をさせていただきました。これらの課題解決に臨むにはどうすべきかと考えますと、やはり行政の縦割り機構の限界について認識をし、それぞれの部局が横断的に情報を共有し、問題解決に臨むことが必要ではないかと考えます。
当市は、行政改革の推進、行政評価システムの導入など、職員の意識改革を含めて事務事業の見直しに取り組まれている最中ですが、その結果に対する評価は市民からいただけるような仕組みも必要ではないかと私は考えております。これからの江別市、市民と行政、議会、それぞれの立場から江別独特の安心、安全に暮らせるまちづくりをしていくものと考えておりますが、例えば市政執行の大前提に障害児、障害者の命を授かったときから、命のともし火が消えるまで江別市は保障することを基本に据えて行政改革なり、組織の見直しをなさってはいかがかと考えます。
これからは市民サービスの質的向上がより一層求められております。サービスの原点は経済に代えられない、心の豊かさとはとの問い掛けにこたえていかなければならないときであろうと考えます。そういった意味合いでは、例えば福祉業務の窓口には専門職、福祉のエキスパート、あるいは当事者にしか分からない痛み、つらさの分かる障害のある方の配置をするなどの配慮、あるいは教育分野と福祉分野で共通する業務については、相互に職員の派遣を行ってその内容、質の充実を図ることにより、結果としてサービスの向上につなげるといったことについてお考えはないのか、お尋ねをいたします。
以上をもちまして、1回目の質問を終わります。