平成15年第1回江別市議会会議録(第3号)平成15年3月12日 10ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
市長(小川公人君)
小玉議員の再質問にご答弁を申し上げます。
先ほどからいろいろ具体的な例を挙げていただいて、特に林木育種場なり、あるいは旧ヒダれんが工場なり、それから防災ステーション等々いろいろ例を挙げていただきましたけれども、私は決して失敗を恐れるな、これはそのとおりで、だれしも失敗があるし、ではそれをどうするかということで、また次につなげる総括をしなければならないと思うんですね。それで例えば私は、この財政の大変な中で、率直に財政だけ考えれば、旧ヒダれんが工場にしても林木育種場にしても岡田倉庫にしても、大変な高い買い物なんですね。ただ私は、この種の三つについては、江別にこれからの将来、5年、10年、将来を考えるときに、取り返しのつかないところの判断をやっぱり、そこにどっちかの判断をしなければならない。例えば文化、江別の歴史に、れんがのまちという歴史につながる旧ヒダれんが工場とか、それから原始林と石狩川に抱かれたふれあいのまちという、そのすそ野にある長い歴史のある林木育種場、どれもこれも市が買わなければ即壊します。天下の国でさえ、林野庁でさえ、林木育種場を買わなければ、あしたにも壊す。みんな愛着を持ったあの赤い屋根の施設を、もう即壊す。市でさえこれはと思うのを、平気で国でさえ壊すと言うんですね。旧ヒダれんが工場も、ああいう状況の中でどうするか、江別の中で象徴的に、ひとつあれをどうしようかと市民のいろいろな意見の中で残すべきだ。それでもあるこだわる方は、全部あのパチンコ屋さんも含めて全部用地を買わなければ夜も日も明けない、れんがのまちの看板を下げろとまで言われた。でも、限度があって、パチンコ屋さんと競争して全部用地を買うなんていったら十億あっても足りないんですね。でも、象徴的な江別のまちのれんがの建物、それから河川の歴史の母町にある岡田倉庫、それぞれ買わなければ即なくなってしまう。本当にそれでいいかどうかと考えたときに、この3点くらいは、財政が厳しいですから、あれもこれもではない、せめて象徴的なこの三つだけは、とりあえず残したいと。そのためにその後、では買った途端に全部活用が有効にされているかというと、確かにそれは進んでいないんですね。でも、これはやむないというか、今度、不特定の市民に林木育種場にしても旧ヒダれんが工場にしてもどうぞとなったら、今度、防災上の観点でスプリンクラーもあれもしなければならないという安全性の中では、何億とまたお金がかかる。財政を考えると、とりあえず壊さない状況の中で大事な施設を残し、その中で当面、最小限のことを活用させていただいて、今後財源を見ながら、あるいは市民の皆さんの利用の仕方のいろいろな意見を聞きながら、そこにやがてつなげるということで、一足飛びにはいってないことは、もう何も隠しもしません。認めますけれども、せめてその辺の点の買い物を、本当は壊さない状況があれば、またそういう仕方もあるんですけれども、もう即座になくなるということでは、ちょっと私も決断させていただいた。
では、それから今の後半の方で、いろいろ風通しの問題、決断、いったん決まったらと言いますけれども、率直に申し上げますと、いったんもうずっと動き出していて、最後、私はノーと言った象徴的なのは、江別駅前の再開発の中で、振興公社も選択肢の一つということで検討はしました。担当も一生懸命になって検討したんですね。でも、いろいろ考えて、どうもそういう流れからすると、もうずっとそこまで来ていると。ではそれを目をつぶって、ただ飛び込めばいいかという段階では、私は決断をして、振興公社については断念をあえてしてきています。ですから、あれもこれも全部とは言いませんけれども、何もかもいったん流れがあったら、疑問があっても、ただ惰性で進めるかというと、そうではなくて、一概に全部は言えませんけれども、できるだけそういう判断でやってきているということを理解いただいて、いずれにしても全部がいろいろな大きな事業にかかわって、成果は、全部トータルで結果は出ていませんけれども、中にはちょっと将来につながるような形で生かしたいという形で進めることについてご理解をいただきたいと思います。
それから、一応マニフェストの関係、具体的にはまた助役からもお答えしますけれども、基本的にマニフェストの問題は、国政レベルの政党自身がマニフェストということで、それこそ財源もいついつまでにどうするかということで政党も問われている。今たまたま言われている北川さんのは、都道府県もそういうテーマ、市町村、都道府県でも財源の話になると、ちょっと北川さんでも財源の話はそう簡単ではないと言って、そう簡単に全部裏付け、今言われたとおりのことをやるだとか、選挙戦にそれに臨めるかというと、やっぱりもう少し段階的な経過がいるだろうと。せめて今、江別的には、総合計画につなげる、あるいは行政の施策展開の中で、こういったことに、行政評価システムの中に成果指標というか、そういうものを掲げて、総計にもできれば、今はもう試行をやっていますから、それでやがてこの新総計に少しでも近づけようということで今やっていまして、成果指標を掲げて、そして達成状況というものを、その年の年度にきちっと、どういうふうに市民の皆さんに、どういうふうに達成されたかされないか、成果が上がったかということの責任が問われていますし、そういうことをやっていこうということで、やっている最中で、いわゆるPDSというか、プラン、ドゥ、シーというこのサイクルは、やっと今そういう中で、イギリスからすればもう10年も後れて、もうとっくの前の話ですけれども、今ここに来て、それが注目されていますから、江別も庁内の中では、その取り組みでやり出していると。そういう意味では限りなく市民の皆さんにきちっとそういうものを示して、結果について説明をして、また上がったものは上回るように区分けをして、市民の評価を受けていくということが大事だろうと思っていますので、そのようにご理解をいただきたいと思います。
ちょっとマニフェストの、余り専門に詳しくは承知してない面は、また助役からお答えします。
助役(中川正志君)
若干ただいま市長が答弁したことに重複する部分があろうかと思いますけれども、小玉議員さんがおっしゃっておりますローカルマニフェスト、いわゆる政策要綱に関してということであろうかと思いますけれども、去る1月25日に三重県の北川知事が提案されたと、こうお聞きしております。これはいわゆる従来型の公約といいますか、政策の進め方とは違いまして、政策の達成期限、それから数値目標、それを支える財源配分、こういったものを目に見える形で掲げて、もっと言えば、財源配分のプロセスまでも明らかにする中で政策を実行していこうと、こういった考え方ではないかと、こういうふうに理解をしております。
こうした考え方につきましては、江別市が進めておりますいわゆる現在の成果主義、それから説明責任の方法などといった様々な改革とその理念、方向性は同じくしているものと、こういうふうに理解をしております。
ただ、市長も申し上げましたように、改革派知事と言われていらっしゃる皆さん方も、財源の話は大変難しい。いわゆる分権時代の中での財政改革と言いながらも、交付税の見通しが見えてこないの中での議論でありますので、克服しなければならない課題もたくさんあるのではないかと、このように思うところであります。
私ども江別市におきましても、この2年間で行政評価システムの構築、導入を図ってまいりました。政策、その下にある施策、さらにその下にある事務事業と、こういったピラミッドで、それぞれの階層において優先順位を定めて、事務事業は施策への貢献度、施策は政策への貢献度で、その優先順位を定めてまいりますが、その内容につきましては、市民の皆様に情報公開を通じてまいりたいと、このように考えているところでございます。
当然これを支える予算配分につきましても、そういった優先度の高いものから財源配分をしていくということになろうと思いますので、こういったことにつきましても、一つ成果指標と目標値を定めて、市民の皆様方にも、その進ちょく状況等が具体的に見える形でお示ししながら進めることで、ただいま検討しておりますので、そのことでご理解いただきたいと思います。
以上であります。
小玉豊治君
3回目の質問をさせていただきます。
何か1質目の質問よりも長い時間答えていただいて、ありがとうございました。
マニフェストについて、多分皆さん知ってらっしゃると思います、もう十分に。それで財源にはついては難しいというのを、もちろん私も理解しています。ただ、私、市民運動出なものですから、1億円の財源を手当てするのではなくて、では総体で100万円の事業をやってみたらどうなのかなと。100万円の事業の中で本当に財源の確保をするためにいろいろなことをやることが、次につながるシミュレーションではないかと。やはりよく言われる言葉ですけれども、できることからやろう。これ行政も同じだと思うんですよ。ですから、これと思う課題、あるいは手法があれば試すべきだと思っています。これについてちょっと、基本的なことなんですけれども、お答え願いたいと思います。小さなことでも始めて、検証していく手法が必要だと思います、僕は。市長はいかがお考えですか。
それと、あと残りの方、例えばれんがの建物の保存についても十分分かります、判断しなければならないときというのがあるというのは。ただ、その目的というのが明確になっていなくて、それが進んでいく中で目的がぶれるパターンが結構多いのではないかと。本来保存だったのに、保存がしにくくて活用が先になったり、これは質問項目には入ってないので質問はしませんが、例えば顔づくり事業も今調査されますけれども、本来高架だったはずなのに、いつの間にかオーバーの話が出てきたり、アンダーだったり、自由通路だったり、動いていく中で目的が変わるというのは、僕まずいと思うんですよ。ですから、本当にしたい目的は何なのか。それについて最低限その目的を達成するための期間はこのくらい要て、何をしなければならないというふうなスケジュール、組立てが必要だと思います。これもきっと分かっていらっしゃると思いますから、これは要望にします。
先ほどの1点目だけ市長からお答えください。
以上、3回目終わります。
市長(小川公人君)
ちょっと正確に聞き取ったかどうか、もしかしたらずれがあるかもしれませんが、いずれにしても、今日の状況は、というか新しい時代は、地方分権時代ということで、行政が何もかも市民サービスという名が付けば全部一手に引き受けるとか、そういう時代ではなくて、市民とともに、これも正に協働で担っていくということが基本ですし、また財源も、もう経済も右肩上がりはもうないと。だから当然に財政、財源についても、どこまでも湯水のごとくにわいてくるわけでなくて、かなり限定されてくると。そういう中では、ただつけた予算はつけたのだからどこまでも残さないで使うとか、これだけのお金がただ多額にかかれば、それがいいことかとか、そういうことでなくて、むしろその財源のことを考えると、今ご指摘の100万円うんぬんという話がちょっとありましたけれども、こういう中でより効率、効果の上がる事業、施策はどうかという、そういうことについて試されるかというか、そういうお話がありましたけれども、もう全然否定する何物もなくて、むしろ貴重なご意見で、そういった観点で施策について模索することについては、検討することもやぶさかではないというか、むしろお説のとおりと思っていますので、受け止めさせていただいているということを申し上げて答弁といたします。
副議長(塚本紀男君)
以上をもって小玉議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
副議長(塚本紀男君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後2時24分 散会