平成14年第4回江別市議会会議録(第1号)平成14年12月4日 7ページ
6 議事次第の続き
請願第5号及び請願第6号
議長(五十嵐忠男君)
日程第30及び第31 請願第5号 「失業対策の拡充と通年雇用安定給付金制度の存続・改善等を求める要望意見書」の提出に関することについて、及び請願第6号 季節労働者の雇用と生活安定を求める意見書について、以上2件を一括議題といたします。
請願第5号の紹介議員は鈴木豊実議員、森好議員、請願第6号の紹介議員は赤坂議員、矢澤議員であります。
上程中の請願第5号ほか1件は、環境経済常任委員会に付託いたします。
陳情第8号ないし陳情第10号
議長(五十嵐忠男君)
日程第32ないし第34 陳情第8号 年金制度の改善について国への意見書提出を求め ることについて、陳情第9号 現行の65歳老人医療費助成制度の継続を求めることについて、及び陳情第10号 「認可外保育所への運営費等の助成」を求めることについて、以上3件を一括議題といたします。
上程中の陳情第8号ほか2件は、厚生常任委員会に付託いたします。
陳情第11号
議長(五十嵐忠男君)
日程第35 陳情第11号 循環社会をめざした廃棄物政策を求めることについてを議題といたします。
上程中の陳情第11号は、環境経済常任委員会に付託いたします。
報告第32号
議長(五十嵐忠男君)
日程第36 報告第32号 専決処分についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。
建設部長(斉藤勝幸君)
ただいま上程になりました報告第32号 専決処分についてご報告申し上げます。
本件は車両物損事故に係ります賠償についてでございますが、平成14年9月30日に相手方と示談が成立し、専決処分をいたしましたので、ご報告申し上げるものでございます。
なお、事故などの内容につきましては、所管の常任委員会に報告済みでございますが、この事故は平成14年8月25日午後1時ごろ、野幌代々木町の兵村2番通りを江別方向に走行中の乗用自動車に、折からの強風により折損しました街路樹の枝が当該車両の屋根に落下し、車両に損害を与えたものでございます。この事故により相手方に賠償すべき額は30万4,699円でありまして、賠償いたします相手は、○○○○○○○○○○○○、○○○○さんでございます。今後とも係る事故が発生しないよう、道路パトロールの強化と道路施設の適切な維持管理に努めてまいる所存でございます。
以上、専決処分についてご報告申し上げます。
議長(五十嵐忠男君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって報告第32号を終結いたします。
報告第36号
議長(五十嵐忠男君)
日程第37 報告第36号 海外先進都市行政調査報告についてを議題といたします。
坂下議員の報告を求めます。
坂下博幸君
議長の許可をいただきましたので、海外行政視察調査報告をさせていただきます。
初めに、イギリスにおける環境教育等についてご報告申し上げます。
イギリスのロンドンでは、ごみ収集・リサイクルなどのごみ処理対策、ごみ分別収集と住民協力体制、ごみ分別収集・リサイクルに関する市民啓もう活動について、ロンドン市から説明がある予定でしたが、急きょ相手先の都合により変更となり、イギリス環境省の職員3人により、環境の整備、農村部の繁栄と環境、野生動物との共存できる環境整備、すべての人が参加するごみ政策、食料生産と持続性ある環境整備について説明を受け、その後、質問に答えていただく形式で、持続性のある開発を基本テーマに、イギリス環境省の若手の職員からイギリスの現状報告がございました。
政府で策定された環境政策をデフラーと称し、持続性のある開発のための環境政策の基本となるとのことであり、各省にまたがる総合的計画であると伺いました。国の環境政策において、省庁それぞれの独自性のある環境政策を行っていたそうで、環境政策として大きく流れが変わり始めたのは、1997年に開催された南アフリカ環境サミット以降であるとのことであります。環境サミット開催後、国際社会においての環境保護に関する役割が明確になり、イギリスにおいても国際社会の大きな役割を担うべき考えが打ち出され、さらに京都サミットにて決定されました地球温暖化ガスの発生抑制規定を満たすだけではなく、イギリスはデフラーの環境行動計画の下、積極的に高い目標を目指し、同計画を策定したとのことであります。イギリスは、デフラーの考え方で、ごみの処理を対応していくが、基本は一人ひとりの生活習慣を変えていくことが大切であると考えられ、また政府は経済成長と環境悪化の悪循環の輪を断ち切ることが大切であると考えているとのことであります。
ここでイギリスの環境教育について触れさせていただきます。どこの国においても、環境教育を進めることはなかなか難しいものがあるなと考えさせられました。同国においても、以前は環境教科があったそうですが、採点基準も一律にはいかないという問題点と、適切な評価を行うことが難しい要素が環境教科には多く含んでいたと考えられ、教科としては先細りになったとのことであります。環境問題を論ずるとき、科学、技術、経済、美学、政治、文化及び精神論など多くの面を含んでおり、総合的にバランスのとれた評価、見方をするためには、これらの分野の専門家による共同作業が不可欠であると考えられるようであり、環境科目として評価の在り方の検討を加える必要があると考え、努力されているとのお話であります。
また、固定された環境教育カリキュラムの中では、環境教育が基本的な目的を達成することは難しくなっていると感じておられているようで、意識の高い教師と学校が中心となり、学校単位、地域を巻き込んでの環境教育プロジェクトを行い、大きな教育成果を上げているとのことでありました。専門科目ではなく、各教科の中に関連する事項にリサイクル、コンポストを中心に環境教育に関する事項を入れ、環境破壊を食い止める教育に力点を置いているのが現状とのことであります。
社会教育面での環境政策として、教育関連の環境アクションプログラムを予算内で非営利団体でプログラムを作ることのできる法律を作り、民間のNPO団体の環境活動を活発化させることにつながったとのことであり、同プログラムにおいて、生物の生態系の保護、持続性ある経済発展と廃棄についてを掲げ、同団体の活動とともに成果を上げられております。プロジェクトの予算は、廃棄物処理に対する予算も含まれており、市民、事業主等には廃棄物の価値を知っていただくことで、廃棄物を資源として活用、エネルギーの抽出等、最後の段階で埋め立て処理するサイクルを理解し、実行していただく努力と環境教育を行っているとのことであり、今後も焼却処理は行わず、持続性のある廃棄物処理が中心であるとのことでありました。
持続性のある廃棄物処理として、5つのプロジェクトを考えておられ、一つとして、ウェイストウォッチ、ごみを見張るという意味だそうですが、全国キャンペーンの地方レベルで廃棄物を最小限に抑える取り組み、二つ目として、ごみをもう一度考えてみよう、ごみを出さないリサイクルについて考えるプロジェクト、三つ目として、コミュニティリサイクリングネットワーク、それぞれ活動している非営利団体をサポート、四つ目として、非営利団体のモデルズコミュニティ地方部門とコミュニティをベースにしたリサーチ活動、五つ目として、コンポストを作る理解を深め、関心を求める活動を展開しているとのお話でありました。
次に、イタリアでの研修課題、イタリアの地方制度の概要と国と地方自治体の役割分担と市民サービスの充実と地域経済振興策について、イタリア、ブラッキアーノ市訪問視察をいたしましたので、ご報告申し上げます。
同市は、湖を中心に囲むように3つの都市があり、その一つがブラッキアーノ市です。人口は2001年現在約1万5,000人で、国道と県道が市内を走り、ローマから50キロメートルとの近郊に位置し、鉄道の駅もあることから、観光、バカンスの町として発展してきたとのお話であります。また、農業活動も積極的で、近郊農業としての発展をしている市とのことでありました。
イタリアの地方制度の概要でございますが、国として地方行政システムを作ることができる法律になっているとのことであり、市独自の財源を有し、コムーネ、市と直訳されますが、市警察、文化の育成、都市計画等の市民生活から警察の監督までが行政課題となっているとのことであり、日本では都道府県単位と国の一部を市長が判断することとなる立場にあると考えられ、地方の在り方を考えさせられた次第です。
一般的には、市町村は上位の行政機関の権限以外のすべての事柄を統制する権限を有しており、同市の組織として、公共交通、環境保全、健康計画、経済・社会的開発に関する広範な事務を行うことができるそうであり、しかしながら実行するのは市でありますが、現実的には県にお伺いを立てることも多いということであります。
議会を監督、監査を担当し、補佐する参事会というのが独立して存在し、そのような各参事会をアセソーレと言い、独自性の中で仕事を行っているとのことであり、同会は日常の行政を監督し、議会に報告等を出すことができるそうであります。また、行政を監督する中央政府から派遣される事務局長が存在し、日常の業務を直接監督調整することと、行政の公平と継続性を保つシステムとなっているそうであります。
市議会議員は20人で構成され、直接選挙で選ばれている。市長に関すれば、1993年までは議員の中から選ばれていたが、改革後に市民から直接選ばれるようになったそうであり、議員に関しても、直接選ばれるといっても、政党を選ぶ選挙で、与党を13人、7人が少数党に割り当てられるとのことでありました。
国と地方の役割分担については、1970年に国が権限を持っているものを州に権限を移行したのが始まりで、1977年には県にも分担すべきと議論があり、新しい法案ができ、最終的には連邦制の国家をイタリアは目指しているとのお話でありました。
自治体において、それぞれ市の保障制度、看護を国がオーガナイズしておりますが、本当に実行すべきものかどうか検証しているとのことで、資金の調達も実際のところ厳しい状況であり、その理由として、外国人の生活保障の処理に追われているとのことでありました。国からの補助金がつかないことも見直しの理由であるそうであります。市民に対し公平を保つシステムとなっていること、地方の独自性を発揮できるシステムになっていると感じるとともに、財源確保を独自で調達する努力をあわせ行うことが地方分権の姿であるのだなと考えた次第であります。
市長から今後の市運営に関してのお話があり、住民サービスと地域振興策として、湖と恵まれた自然環境、歴史的古城を活用し、観光産業に力を注ぎたいとのお話があり、ホテル誘致、滞在型のペンション、国定公園を利用したアグリティツーリズムを基本とした自然あふれる観光を中心に考えていきたいとのお話でありました。
以上が研修の要旨であります。
最後に、フランスのシャモニーにおける観光行政についてご報告申し上げます。
担当者の開口一番、「シャモニーはツーリズムの町です」と言われました。その由来について、1741年にさかのぼるとのことで、2人のイギリス人が氷河見物で谷の方まで下り、モンブランの山頂の発見に始まり、その後250年にわたり、国内よりも外国人の観光客数がはるかに多いということがうれしい限りとお話をされておりました。
シャモニー観光の歴史の中で二つのエポックがあり、その一つが1786年のモンブランの初登頂で、1900年初めまでシャモニーの観光は山登りが基本でありました。冬山、夏山に観光客の興味は四つのカテゴリーに集約され、山登り、ハイキング、氷河を歩く、景色を楽しむ観光客であります。二つ目のエポックは、1924年に冬季オリンピックが開催されてから、本格的な観光地としての整備が進んだとのことであり、1900年ごろからだんだん冬のスキーが盛んになりつつあり、同オリンピックの開催を契機に1950年ごろから観光客は、夏冬50%ずつの割合で観光客が訪れるようになったとのことでありました。
シャモニーの観光プロモーションは、政府と共同して行うだけではなく、民間企業と協力して行うことが多いそうで、フランスには観光省というものがあり、メゾンドフランスが置かれ、フランス政府の観光支店がシャモニーにあり、それはフランスの大使館と同じように観光だけの役割があり、シャモニー観光を支えているとのことであります。同支店は、それぞれの旅行会社とコンタクトをとり、企画をする機関でもあり、スキー場のプロモーションを政府観光局に宣伝してもらうかを戦略的に行っているとのことであります。フランスは世界第2位の行ってみたい国であり、文化、歴史、食文化、海等、いろいろな面で引き付けるものがあり、シャモニーの特徴を生かし、メゾンドフランスはスキーを中心にプロモーションしているとのことであります。
観光に力を入れるとき、アイデアと資金が必要であり、そのために国の後押しを引き出す努力が必要で、フランスは各国でフランス観光をアピールする観光サロンというものを開いているそうであります。そのサロンに参加するために、ブースにお金を支払い、自分たちの努力で参加しなければならない場合も多く、サロンの目的が重要であり、目的を重視していかなければならないとお話をされておりました。
シャモニーは、冬には登山、スキーなどの売り込みを目的に、フランススキー連盟と共同しながら参加をするなど経費を抑えているとのお話であり、観光地としてのハード面の整備として、氷河を観光するルートとする鉄道敷設、モンブランを眺望可能とするロープウェイの建設、ホテル建設で受入れ準備をいたしたそうであります。ソフト面では、スキー学校の開校、レストランの整備等を行ってきたとのことであり、その上で世界観光市場に対応できたとのお考えを話されておりました。
日本においても、旅行代理店、スキー連盟にコンタクトができ、手ごたえのある反応に対してパッケージツアーとして売り出しているそうであります。また、年配者が多ければ、年齢に合ったコースを考えるなど、様々な対応を研究し、整備しているとのことであり、毎年同じ対応をするのではなく、努力を惜しまず、市場の反応を的確につかまえることが重要であるとお話をされておりました。
シャモニーの自然保護については、ごみの分別作業、瓶、紙、電池、コンポスト、生ごみの4品目を各家庭の協力の下行い、自然の空気を守るため、ガスを中心とした暖房、セントラルヒーティングも今まではオイルを利用していたそうですが、市民にも理解をいただき、ガスセントラルヒーティングに移行しているとのことで、公共施設は既に替えられているということでありました。
地球環境の変化、取り分け温暖化の影響を考え、氷河の状況を50年間調査しているそうですが、近年氷河の一部が溶け、はんらんがあり、住宅が流された事故があったそうで、計画の見直しをエキスパートと行い、危険ゾーンとして指定し、住宅として利用させない箇所や、住宅として利用させるが、地下に避難場所として確保させるようなゾーンなど、規制を強化したとのことであります。
この項の最後となりますが、フランス政府はどのようにまちのプランを作るかを町ごとに義務付けられているそうで、そのプランを県によってチェックを受けることになり、一度チェックを受けたものは変更しづらいシステムになっているそうであります。もちろん古くなった建物を改築するにも長い時間がかかるとのことで、実際100年以上の建物がそのまま利用されている現状を見させていただくと、古いものを大切にしながらまちづくりを考えていることに、日本にない歴史と伝統に何とも言えない感動を覚えました。
まちづくりの区画プランを提出することで、ゾーンごとに分かれていて、高さ、壁、屋根の色が決められている。このようなプランは20年前にさかのぼり決められたとのことです。ただし、一定の計画要件を満たすと、建築はできますが、一つのプランが出来上がると、市庁舎にプランを展示して、市民の意見を聞き、市の決定することに反映することであり、例として、外壁の色まで指定することができるそうであります。最終的には市民の意見を求めて、議会で決定するとのことであります。
このたび視察を通じ感じたことは、ヨーロッパ各国が人道的見地から移民を受け入れたことで、治安と環境が著しく低下したことを見させていただきました。どの訪問国も問題を抱えながらも、統一経済圏のヨーロッパを目指し、前向きの努力をされていたことを最後にご報告し、海外行政視察調査報告といたします。
以上です。
議長(五十嵐忠男君)
これより坂下議員の報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって報告第36号を終結いたします。
散会宣告
議長(五十嵐忠男君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後1時53分 散会