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平成14年第1回江別市議会会議録(第2号)平成14年3月11日 2ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第

開議宣告

議長(五十嵐忠男君)

 これより平成14年第1回江別市議会定例会第11日目の会議を開きます。
 ただいまの出席議員は30名で定足数に達しております。

議事日程

議長(五十嵐忠男君)

 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

諸般の報告

議長(五十嵐忠男君)

 次に、諸般の報告を事務局長をして報告いたさせます。

事務局長(明孝一君)

 ご報告申し上げます。
 本日までに市長提出案件1件を受理いたしております。
 なお、本日の会議に三上議員が欠席する旨の通告がございました。
 以上でございます。

会議録署名議員の指名

議長(五十嵐忠男君)

 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
 会議規則第111条の規定により、清水議員、宮野議員を指名いたします。

一般質問

議長(五十嵐忠男君)

 日程第2 一般質問を順次行います。
 春日議員の江別のまちづくりについてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。

春日基君

 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問をいたします。
私は、昨年の9月13日、この場に立っておりました。このとき、2日前に起きたアメリカの同時多発テロ事件の犠牲者に哀悼の意を表したわけであります。大いなる希望を持ってスタートした21世紀は、このような事件により希望は無残に打ち砕かれました。今、見回すと、国際的な貧富格差の拡大、地球環境の悪化、飢餓人口の増加、国内的にはデフレスパイラル現象から景気が一段と低迷し、企業倒産、リストラ、失業、またBSEの発生といった、人類が、そして日本人がかつて経験したことのない状況が生まれております。ある意味では新しい時代の生みの苦しみであり、経済成長から心の成長という新たな価値観へ動き出すきしみなのかもしれません。
 これは江別市においても他人事ではなく、市政は財政難の中で、高齢化の対応など、福祉関連費の増大、ごみ処理を初めとする環境に関する負担、明日を担う子供たちへの教育の充実、その他多様な市民ニーズに対応していかなければならないという難しい運営を強いられているわけであります。船に例えるなら、氷山の間をすり抜けていくようなかじ取りを強いられているものだと思います。船長である小川市長の心労は察して余りあるものとねぎらい申し上げます。決してタイタニック号にならぬよう、しっかりとしたかじ取りをお願い申し上げます。
 さて、このような背景にあって、まちのグランドデザインである総合計画は、時代にミスマッチを起こし、新たな総合計画策定の必要性が出てきたわけであります。今般の新たな計画策定を1年前倒しするという判断は、市長の時代を見据えた的確なものと評価するものがあります。しかし、その前に必要なことは、どのようなまちをつくりたいのかであります。つまりこのまちの哲学であります。
 まちとは一体何だろう、江別とは一体何だろう。江別は北海道の、そして日本の、大きく言えば地球のどのような存在であり、どのような貢献をし、どのように負担をかけているのだろうか。果たして江別というまちは本当に必要なのだろうかという究極的な問いであります。
 えべつ21「15万人都市プラン」、原始林と石狩川にいだかれたふれあいのまち、これが現在の江別市新総合計画後期基本計画のタイトルであります。
 この15万人都市プランは、江別市の人口伸び率から推計すると不可能に近い数字となってまいりました。高度成長時代の幻と言って良いかもしれません。低成長時代となった今、新たなテーマを創造しなければなりません。テーマ設定に当たって、意欲を持って新たな計画に踏み出した小川市長の思いをまずお聞きいたします。ご答弁願います。
 平成13年3月発行のまちづくりニュースに、都市計画マスタープラン、ワークショップの市民意見のまとめでは、自然・環境・農業を大切にし、江別らしさが感じられる生活の場としてのまちを目指すとあります。また、市長は平成12年第4回定例会で私の質問に対し、「地域の歴史や文化に根ざした個性豊かな生活都市を目指したい」と答弁しております。まさに同感でありますが、ふと考えるとき、江別らしさ、江別の個性とは一体何でしょうか。れんがのまちえべつ、札幌のベッドタウンえべつ、原始林と石狩川のえべつ、いろいろと江別を表現する言葉はありますが、市長の考える江別らしさとはどんなものなのでしょうか、ご答弁願います。
 関連して質問いたします。
 後期基本計画、つまり15万人都市プランの主要プロジェクトとして、江別の顔づくり事業が、平成10年度に都心地区基本構想案が作成され、事業が緒についたわけでありますが、人口の伸びの鈍化からして、事業の意味が薄れてきたのではないか。また、今の市の財政状況を考えたとき、事業を進めるだけの体力を確保できるのか。また、土地区画整理事業の地元説明会における意見要旨を見るとき、果たしてだれのための事業なのか、率直な疑問がわいてきます。連続立体交差事業による交通渋滞の解消というのは、ある意味理解できますが、その他の事業についてはコストや住民合意形成など、リスクが大き過ぎるのではないかと思われます。江別の顔づくり事業の意義、住民合意形成の手法、財源の確保、国の補助はセット事業が条件とあるが、道・国との協議にどのように臨んできたのか、深い議論は特別委員会にゆだねるとして、この事業の推進に向けての市長の考え、また決意をお答えください。
 次に、行政改革について伺います。
 私は、行政改革こそが、今の江別市の苦境を乗り切る最大の要素だと思っております。今年2月に改訂版として出された江別市行政改革大綱は改革の6つの基本方向、3つの推進項目が出されています。どれも当然必要なことと思います。しかし、行革の根本をたどると、職員の意識の問題と思います。つまり幾ら制度や方向を打ち出しても、職員の内面を作らなくては成果は上がらないと思います。職員一人ひとりがいかにすれば住民の気持ちをくみ取り、市民サービスに徹しられるか、いかにすればまちに活力を与えることができるか、いかにすれば江別を売り出すことができるか、このようなことに必死に知恵を出し、汗を流そうとする気構えの醸成です。
 一つの手法として、職員の社会体験を試みてはいかがでしょうか。これは道教委・札幌市教委の教員長期社会体験研修制度の市職員版と言っても良いかもしれません。教員の長期社会体験研修制度は、社会常識がなく視野が狭い、そんな批判がつきまとう教師の意識を根底から変えようと始められたとあります。
 例えば、私の職業を引き合いに出して恐縮ですが、江別市には農業振興課があります。農業を振興する課である以上、農家の気持ちを知らなくてはできない仕事であります。気持ちを知るということは、つまり農作業をしなくては分からないのではという考えであります。
 とかくお役所仕事とやゆされる中に、かゆい所に手が届かないと言われています。またこのところ民間企業と行政の格差をかしましく言われている昨今であります。民間の意識を市職員が体験するためにも、有効な手だてと思われますが、いかがでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
 関連して提案いたします。
 市長は市政執行方針で、まちづくりに参加する市民の力は、文字どおりまち力と言い、市民参加のまちづくりを推進するとして、地域担当職員制度を試行されています。市民参加型のまちづくりとして評価したいと思いますが、ただこの制度は地域が基本であります。市民活動の多くは目的集団、つまりサークル活動が多いと思います。これまでこのようなサークル的な市民活動の支援は、主に補助金での支援が多いように思います。実態を見ると、これらの市民活動の多くの悩みは活動資金と同時に事務局体制であります。市民はおおむね本業を持って活動に参加してくるわけですから、情報の集約や情報の発信が時間的な制約でおろそかになる。そんなことから団体が崩壊していくことが多いように思います。行政として単に金銭的な支援だけではなく、精神的な支援、つまり活動のよりどころを支援するという発想であります。これは文化・教育・環境・福祉など、すべての市民活動に言えると思います。事務局体制としてスペースの提供とともに、人的支援を考えてみてはいかがでしょうか。
 確かに現在は行政主導の市民活動、また文化協会など、市民権を持つ活動には事務局を担当課が担っている場合がありますが、それは逆に自立を促していき、生まれたての団体や小さな団体には内面からの活動支援を考えるべきではないでしょうか。職員の社会体験や団体の事務局支援は、市民の気持ちを知り、市民との協働のまちづくりとして有効な手法と思われます。市長のご所見をお伺いいたします。
 農業行政についてお伺いいたします。
 農村と都市を結び、江別の特性を生かした魅力ある農業の実現を目指してと題して、平成7年に平成16年までの10か年の江別市農業振興計画が作られ、これをバイブルに現在まで江別市の農業振興が行われてきたわけであります。この間、新農業基本法の制定など、農業情勢は大きな変化がありました。こんな中、この計画は大詰めに向かっているわけですが、これまでの検証はどうであったのか、計画に対して実績をどのように受け止めているのか、ポイントと課題をまずお伺いいたします。
また、この計画書発刊に当たり、市長は前期5か年、つまり平成7年度から平成11年度早々に策定し、農業振興の各施策の実現化を図っていく所存と結んでおります。既に後期に入っているわけですが、後期の施策をどのようにしてきたのか。また策定時に、農業関係機関・団体で作られた江別市農業振興協議会は、その後実現に向けてどのような連絡調整を行ってきたのか。そして、平成16年を迎えるに当たって、次期総合計画との関連はどうするのか、どのような形で新たな計画を考えているのか、ご答弁願います。
 今、改めてこの計画をひもときますと、7年前の農業振興計画は、さすがに農業は江別市の産業として色濃く描かれ、意義付けられているような気がいたします。当時の社会通念では当たり前のことだろうと思います。振興計画半ばの平成11年に食料・農業・農村基本法が制定され、ここで農業に対する新たな概念として農業の多面的機能が意義付けられたわけであります。つまりこの振興計画では、希薄な市民の食料確保、市民の憩いの場としての農村、国土の保全という農業の持つ多面的機能の発揮といった観点であります。このような観点の希薄な振興計画でありますが、何点か今日につながると思われることについて、今後の対応を含めて質問をいたします。
 農業と都市との調和の促進という項目の中で、ファームインなどの検討・支援、都市住民も受入可能な短期宿泊施設などの研究を検討するとありますが、検討結果はどうであったのか。また通年観光農園の支援とありますが、実態と今後の考えはいかにあるのかお伺いいたします。ご答弁願います。
 次に、市民の食料自給についてであります。
 私は、今最も大切にしなければならないのが地産地消費であると思っています。なぜならBSEの問題から肉の偽装問題など、食品表示の信頼性を考えるとき、顔の見える消費者と生産者の関係が食のアカウンタビリティとして有効であり、最も安全性・信頼性が確保できるからです。また、自然災害や食料危機など、不測の事態に備える点から言えば、市民の食料の備蓄と確保は地産が前提となるからです。市は緊急時の水確保のため緊急貯水槽を設けていますが、果たして現状で江別市民は食料の面から見て、何日生きていられるのでしょうか。加えて、地元でとれたものを食べることこそ健康の源であると言われております。医療費の問題などから健康の重要性がより求められている中で、命の源である食料といった観点からも地産地消費は重要なことであります。
 このように食料の自給はあらゆる面で重要性を持っているわけであります。確かに北海道は180%程度の自給率を誇っているようですが、品目別にすると決してそうではないはずです。そこで江別市において、品目・種目別ではどうであるのかを調査し、どうすればそれぞれの自給率を上げられるのかを考えるべきではないでしょうか。ついては、江別市民の食料自給率の調査研究を検討してはいかがでしょうか、ご所見をお伺いいたします。
 次に、食料・農業・農村基本条例の制定についてであります。
 先般、会派の視察で新潟県の上越市に行ってまいりました。上越市は人口13万人、農家世帯は専業・1種兼業で502戸、総面積2万4,930ヘクタールのうち、耕地面積5,568ヘクタールの都市でありました。ちなみに江別市の農家世帯は、専業・1種兼業で512戸、耕地面積6,647ヘクタール、つまり江別市と人口構成・農地面積などが酷似している都市であります。
 この都市では、食料自給率を品目別に目標を設定し、消費者・生産者・行政・関係機関が一丸となって努力しているまちでありました。また上越市は各作物の目標自給率に必要な農地面積を積算し、確保するといった農地確保のコンセプトもしっかり持っているまちであります。つまり市民のためにこれだけの食糧を生産する農地が必要だから、これだけの農地を確保するといった考え方であります。それを単に振興計画レベルではなく、上越市は30年の長期ビジョンを策定し、市民の食料は自給するのだという確固たる信念に基づき、食料・農業・農村基本条例として位置付けているのでありました。この条例の内容を見ると、都市と農村の交流のためには、これだけの農地を転用するといった土地利用の考え方も明確になっており、農村の過疎化対策、つまり農村のコミュニティ形成対策として、優良田園住宅を位置付け実施していました。
 私は、これほどまでに明確にコンセプトを持って農業施策をしている都市が存在していることに感動すら覚えたものでした。江別市も今後の食料・農業・農村を考えたとき、振興計画といった拘束力のない穏やかなものではなく、条例化にすべきと思ったわけです。もちろんこのような条例は、生産者・消費者のみだけではなく、関係機関・商業者・工業者、そして行政がそれぞれの役割を理解し、進まなければなりません。当然、策定には相当のプロセスを踏まなければならないと思われます。しかし、言い換えれば、このプロセスこそが重要と思われるわけであります。ついては、このような条例制定についてのご所見をお伺いいたします。
 次に、江別ブランドについてであります。
 北海道の誇りであったスノーブランドが牛肉偽装事件など、様々な不祥事で音を立てて崩れております。私たち道民にとっても非常に不愉快な出来事であります。一方、ソルトレークオリンピックでは、北海道出身の清水宏保選手や里谷多英選手がメダルを取ったことは誠に喜ばしいことであります。このことはいずれも北海道という名前が世の注目を浴びた状態であります。
 小川市長は、広報えべつの市政一筆で、NHKドラマDモード彼女たちの獣医学入門において、江別市が舞台になったことを喜び、江別市は全国的に知名度が低く、北海道の江別市ここにありと知らしめる良い機会であったと述べられております。タイトルには、江別市宣伝の有効素材は機を逃さず積極活用したいものとあります。私もこの考え方は賛成であります。しかし、一歩引いて考えたとき、さて、江別をPRするということはどのような意義があるのか、札幌のベッドタウンなら別に無理して売り込む必要がないのでは、そんな思いも浮かんできます。市長は恐らく江別というまちそのものがブランドとなり、江別市民であるという誇りの熟成、また観光者の誘致、江別特産品の優位性を獲得したいという願いから、この一筆を書かれたものと推察いたします。
 ここでも、最初の質問にある江別をどのようなまちにしたいのか、江別らしさとは一体何だということがテーマになってきます。市長が江別を売り出したいという気持ちを持っているからには、他力本願ではなく、もっと積極的に進めなくては、だれも江別を買ってくれません。今、えべつを商標に使っている商品はどれだけあるでしょうか。また江別が誇れるものとして、人・風景・文化活動・スポーツ活動がどれだけあるのでしょうか。
 今回の私の質問は、産業振興として江別ブランドの確立の方策と題していますが、結果として産業振興につながれば良いという思いからです。つまり江別という名前が世に広められ、江別にはこんな所がある、こんな人がいる、だから行ってみよう。そこでとれた農産物、そこで作られた特産品、だから買ってみようという関係であります。このようなコンセプトから江別ブランドを育成してみてはいかがでしょうか。当然それには人づくりから始め、創造するという確たる意思がなければできません。ご所見を伺った上で、江別ブランドをつくり出す方策があればお答え願います。
 市長は、まちづくりに参加する市民の力はまち力と呼び、市民に働き掛けしております。また市民一人ひとりが主人公のまちづくりを進めたいとも述べております。私はそのようなまちづくりを決して否定するものではありません。むしろそうであるべきだと思っています。しかし、主人公が存在する裏には、脚本や小説で言えば、作家が存在するわけです。舞台で言えば演出家の意思であります。市民に向かって、おまえは主人公だといって舞台に投げ出しても、立ち尽くしてしまうのが落ちであります。その意味からしても、作家であり、演出の市長は、しっかりとした主題とコンセプトを持って、良い舞台を創造してほしいものと望むものであります。また、舞台づくりのスタッフである職員との息の合った強い連携を望むものであります。
 あえて言わせてもらうなら、市長ご自身も主人公であり、小川市長そのものが江別ブランドなのでありますから、しっかりと江別を売り出してもらうことを強く要望して、第1回目の質問を終わります。どうもありがとうございました。

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