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平成13年第4回江別市議会会議録(第1号)平成13年12月5日 13ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

陳情第6号

議長(五十嵐 忠男 君)

 日程第34 陳情第6号 年金制度の改善について国への意見書提出を求めることについてを議題といたします。
 上程中の陳情第6号は、厚生常任委員会に付託いたします。

陳情第7号

議長(五十嵐 忠男 君)

 日程第35 陳情第7号 市議会議員定数の議会審議についてを議題といたします。
 既に議案第64号 江別市議会議員定数条例の制定についてが可決されております。
 よって、陳情第7号は、不採択とされたものとみなします。

報告第32号

議長(五十嵐 忠男 君)

 日程第36 報告第32号 専決処分についてを議題といたします。
 本件に対する報告を求めます。

市民部長(武田 信一 君)

 ただいま上程になりました報告第32号 専決処分についてご報告申し上げます。
 本件は、戸籍の誤記を原因として札幌地方裁判所で争われました損害賠償請求事件についてでございますが、平成13年11月29日に和解が成立したことから、地方自治法第180条第1項の規定に基づき市長において専決処分を行いましたので、同条第2項の規定によりご報告申し上げるものでございます。
 事件の内容につきましては、所管の常任委員会にもご報告済みでございますが、婚姻に基づき原告の戸籍を編製するに際し、その一部に誤記を生ぜしめたことから、これを訂正し、その後、再製したものでございますが、再製したことにより、その戸籍には年月日再製という字句が戸籍事項欄に記載されました。原告は、再製事項が記載されている戸籍は、これを行使する相手方に誤解を生じさせるおそれがあり、人格権が侵害されていると主張し、平成13年4月20日、江別市を被告として損害賠償を求めてきたものでございますが、これに対しまして江別市は、戸籍の誤記そのものは認め、そのほかの主張については争ってきたところでございます。
 和解の内容につきましては、原告に対して解決金として各4万円の支払義務を負うものでございますが、争いの原因となりました誤記そのものにつきましては明らかに江別市のミスであることから、紛争の早期解決を図るため、和解を受け入れることとしたものでございます。
 戸籍は人の身分を公証する公文書であることから、日ごろからその編製に当たりましては十分意を用いておりますが、今般このような事件を起こし、深く反省しているところでございます。今後はこのようなことが起こらぬよう、なお一層の注意をもって事務処理に当たってまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 以上、専決処分につきましてご報告申し上げます。

議長(五十嵐 忠男 君)

 これより本件に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上をもって、報告第32号を終結いたします。

報告第36号

議長(五十嵐 忠男 君)

 日程第37 報告第36号 海外先進都市行政調査報告についてを議題といたします。
 初めに、川村議員の報告を求めます。

川村 恒宏 君

 このたび、豪州並びにニュージーランドの両国に行政視察の機会を議会からいただきまして、関係各位に対しまして心からお礼を申し上げたいと思います。
 時節柄、国際的な同時多発テロが発生した直後であり、空港を含めて緊張の高まる中、平成13年10月1日から12日間の間、多くの方々にご心配をお掛けいたしましたが、予定の視察をすべて終了して無事帰国いたしました。
 ユニオンジャックの国旗を取り込む豪州、ニュージーランド両国は、エリザベス2世を元首とする立憲君主国であり、王権を代行するものとして総督が任命されております。
 歴史をひもとくと、英国探検家のジェームズ・クックが1769年にニュージーランド、翌年に豪州に到着いたしました。まちづくりは、地名はもちろん、街並み、仕組み、国の在りようまで、すべて英国の模倣で始まりました。
 一方、開拓に携わった入植者とニュージーランドの先住民マオイ族、豪州の先住民アボリジニ族との紛争は、入植時の土地問題を巡り激しく対立いたしました。幾たびの和平の結果、現在、先住民族との関係は非常に良好となっており、友好的に進展しているようであります。
 最初に訪れた都市は、ニュージーランド・クライストチャーチ市であります。人口は33万6,300人、イギリス本国以外で最もイギリス的と言われているまちだそうで、教会をまちの中心に据えて、あちらこちらに古いれんがの建物や石造りの建物を残しております。
 中心地からさほど遠くない場所にある救世軍の運営するレストヘブンイーブンタイド老人ホームを訪れました。スタッフは介護資格保有者で、ほとんどがパートタイムとボランティアの人々で運営されているようであります。
 部屋数は50室あり、基本的には、入居費用さえ払えば、65歳以上であれば、だれでも入れるようになっております。入居の男女割合は10対1で女性が圧倒的に多く、プライバシーを大切にするために、夫婦以外すべて個室をあてがわれております。また、共同のラウンジ、図書館等が設置されており、入居者同士の交流も積極的に行われております。
 費用は1週間509ニュージーランドドル、政府から1人1日15ニュージーランドドルの補助があります。また、2週間に1回、政府から52ニュージーランドドル、小遣いが支給されているようであります。
 施設の中に簡単な医療設備があり、医師2名と契約しており、1週間に1回、医師が施設を訪れていて、往診しているようであります。
 外部からの寄附は物品がほとんどでありまして、寄附金は非常に少ないために、経営には細心の注意が払われているようであります。
 この国では医療費は無料であり、社会保障費が国家予算の36%を占める福祉国家であります。就業時の給料の約60%程度が年金として支給されているのもうなずけました。
 市内には老人施設はほかにもありますが、順番を待つまでもなく、いつでも入居できるとのことで、この国の真の豊かさをかいま見る思いでありました。
 次に、オークランド市は人口38万1,800人、周囲を入れますと100万人規模になり、ニュージーランド最大の都市であり、海の玄関でもあることから、シティ・オブ・セイルズ、帆のまちの愛称を持つ美しい港町でもあります。
 視察団は、オークランド市議会を訪問。オークランド市議会は、市長、副市長と18名の議員によって構成されております。担当者から地方行政について説明を受け、質疑を交わしました。
 この市は、ニュージーランドの中で一番早く行政改革に取り組んだことでも有名で、例えば、同市の上下水道局などは民営化され、現在はメトロ・ウオーターという民間会社によって運営されております。
 ニュージーランドは行政改革になぜ取り組んだかと申しますと、1984年の経済危機を引き金に、公共部門も含めたニュージーランド経済全体の抜本的な再編が求められる中、87年当時の労働党政権は地方制度を包括的に見直すことを発表いたしました。
 改革の最も基本的な主要目的は、次の2点に要約されております。一つ目には、公的な資源、財源、人的資源など責任ある管理を実現すること。二つ目に、高度のアカウンタビリティ、つまり経営責任、説明責任と透明性が確保された自治体運営をすることになっております。
 改革の具体的な成果として、次の5点が挙げられております。一つ目には、自治体の総数が741から92に減少しました。二つ目に、自治体の直営により供給されるサービスの割合は70%から26%に減少いたしました。三つ目には、外部委託の推進により、大幅なコスト削減が達成をされました。四つ目に、自治体職員数、常勤部門は4万3,000人から3万5,400人に削減をされました。五つ目に、住民を自治体の顧客、株主、オーナーとして考える意識が強まったそうであります。
 ニュージーランドと日本の政治、行政が違うことから単純比較はできませんが、日本の自治体の議員数の4分の1にもかかわらず、さらに議員の数を減らすべきとの声が大きくなっております。その根拠の一つは、自治体が直接処理する事務が外部委託や企業化により減少したことでもありますが、一つ目に、公共部門全体を通してサービス運営の非政治化という傾向が進んでいるそうでもあります。
 質疑の中で、自治体の改革を進めるに当たって、労働組合からの反対はなかったのかと質問してみましたところ、経済危機への認識は働く労働者も一致しており、反対はなかったと言っておりました。この改革は見事なまでに成功しており、2001年度版の経済競争力報告の資料によりますと、世界の10位に躍進したと発表されており、ちなみに日本は21位になっております。
 最後に、オーストラリア・シドニー市を訪れました。シドニー市都市圏を入れますと382万1,000人となり、オーストラリア最大の都市で、経済、文化、商業の中心地でもあります。
 自治体における情報化の推進テーマに、財団自治体国際化協会シドニー事務局を訪れました。オーストラリアは世界一のIT国で、アメリカと日本より先端を走っていると説明がなされました。なぜITが盛んになったかといえば、それは世界の先進地から遠く、国内も国土の割合に非常に人口が少ないため、情報の伝達が遅かったと言えると言えます。このハンディが逆にITの普及を推進したと言えると言えます。
 ここで述べるまでもなく、IT化は行政の隅々まで構築されておりまして、例えば、ペットの体内にチップを埋め込み、ペットの動向や予防接種等を管理しております。ペットが買い主から離れ、遠くに行っても、情報がすべて入力されているのでありますので、すぐに買い主のところに戻ることができるわけであります。
 また、世界的に有名なシドニーの花火大会には、死傷者も出るほどの人出があるわけでございますが、IT化を進めることにより、花火の見学できる場所、周辺のトイレ、売店、交通道路情報等、逐次情報を流すことにより人出の緩和が図られ、死傷者の減少が出たことを自慢しておりました。
 IT化を進める五、六年前と比べ、地方自治体のネットワーク化の構築により、経費の節減、情報収集時間の削減、事務効率向上が図れたと説明がありました。さらに、ここでできなかったサービスができるようになったのが最大のメリットだと話されました。
 シドニー市内にあるオリンピック施設を視察いたしました。2000年のシドニーオリンピックは、茶の間で見ていても大変な興奮と感動のドラマでありました。この種の施設の最大の課題は、その後の利用はどのようにしているかが最大の課題でありまして、私はこの後の施設の運用を聞いて度肝を抜かされました。
 開催された場所は市内から車で約40分の所にある州の元とさつ場であり、ごみ捨て場でありました。オリンピック施設内のれんが造りのとさつ場は、プレスセンターに見事に再生され、活用されました。そこに巨大な施設群を建設しました。国には資金がなく、世界中の民間資金を導入して建設したそうであります。
 民間の資金を導入して施設の建設、そして、25年から30年間レンタルされ、民間はその間、利益を出すようなイベントを組み、利益を出します。そして、国に返還する方式、BOT方式という方式でありまして、ビルド・オペレート・トランスファーと言うそうであります。この方式は、オリンピックの施設の建設はもちろん、高速道路にも利用されている方式であると伺いました。
 11万人収容できるオリンピック開会式を行った陸上競技場は、現在3万人分のいすを撤去しているのも、これまたびっくりして伺いました。さらに、競技場全体に開閉できるドームをかける工事も来年から進めるとの説明に、国が管理しているには、このような工事は絶対できないし、民間の感覚で管理コストの削減と収益の向上に向けての手法を見て、改めて驚きを感じました。
 ニュージーランドと豪州は、イギリス本国で流刑のらく印を押された身を持つ人たちが、本国に負けない素晴らしい国を作ろうと懸命に汗を流しました。本国から遠いかなたの地域で、200年を経た今日、世界の10指に数えるほど豊かな生活を営んでおります。
 北海道開拓も、自然環境は厳しく、華やかな都から遠く離れ、苦労の連続の歴史であったように思われます。この国の開拓には想像を絶するような苦労があったのではないかと思います。文明の光が注ぎ込んだ歴史が浅く、開拓者の苦労も境遇も北海道とよく似ているような気がしてなりません。
 人口が分散して少ないことも、都会から遠距離にあることもハンディではなく、むしろそのことがIT化を強力に推し進めている原動力となっているわけであります。
 ニュージーランドと豪州は資源も豊かにあり、ITのソフト面でも最先端の技術を持っているなど、経済力もおう盛で成長率も高く、21世紀に向けての活力ある国であると思います。国民もおおらかで明るく、生活はゆとりを感じさせられ、今回、限られた日程の中で生活の一部分しか視察できなかったわけでありますが、この国の持つ潜在的なポテンシャルは強大なものであると感じ得ました。
 1980年代に構造改革した結果が今、実力として現れて評価されているのではないかと思います。日本の現実は、しばらくいばらの道が続くような気がしてなりません。
 最後に、貴重な時間と派遣をいただきました皆様に感謝申し上げまして、視察で学んだことを糧に、江別のまちづくりに生かしていきたいと思います。
 ありがとうございました。

議長(五十嵐 忠男 君)

 これより川村議員の報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で、川村議員の海外先進都市行政調査報告を終結いたします。
 次に、宮本議員の報告を求めます。

宮本 忠明 君

 ただいま議題となりました海外先進都市行政調査についてご報告申し上げます。
 私は、全国から応募された自治体職員15名、市議会議員1名、団体職員1名の計17名で構成されました調査団の一員として参加をさせていただきました。
 ニューヨークにおける多発テロの影響もあり、数名のキャンセルがありました中、10月3日から14日までの日程で、イギリス、イタリア、スイス、フランスの各国を視察調査いたしました。
 今回の報告については、時間の関係もありますので、公式調査について、その中の主な概要についてご報告を申し上げます。
 それでは、まず初めに、イギリスにおける廃棄物経営について申し上げます。
イギリスも日本と同じように、近年、廃棄物関係の法律、政令が改正されて、現在、様々な新しい取り組みが行われているとのことであります。
 イギリスの廃棄物の処分方法の主流は直接埋め立てであり、全体の70%を占めております。
 イギリスには、れんが製造などのための粘土採掘場が数多くあり、これらにおいては粘土層が汚染浸出水を食い止める役割を果たすと見られておりまして、長年にわたり廃棄物処分に利用されてきた経緯があります。
 私はこの話を聞いて、江別市におけるこれから整備される八幡地区の最終処分場は地質条件に恵まれていないことを思い、その汚染浸出水の食い止めには万全な工法によるべきであると考えたわけであります。
 イギリス政府は、廃棄物経営の目標として4点掲げております。一つには、社会が生み出す廃棄物の量の削減、二つには、社会が生み出す廃棄物の最大有効利用、三つ、環境汚染や人間の健康被害のリスクを最小限とする、4番目ですが、廃棄物経営手法の優先順位の上位の選択肢によって処分される廃棄物の比率を高めることであります。
 また、経営の目標を達成するための年次目標やサブ目標を具体的な数字をもって取り組んでおります。さらに、目標達成のための戦略についても、種々の手法で取り組んでおります。
 特に市場経済手法ですが、リサイクルクレジットや最近導入された埋め立て税について興味を持ったわけであります。このことについては、自主財源確保に苦労している江別市においても何がしかのヒントにならないのか、今後勉強したいと思っております。
 イギリスでは廃棄物処理が重要な政策課題でありますが、しかし、多民族の人口形態の影響があり、住む地域によって収集形態が違い、苦労されているとのことであります。特に大ロンドンは、32地区それぞれ独立した執行をしているそうであります。
 私たちは、カムデン区所有のリサイクルセンターを視察いたしました。カムデン区は人口19万人、9万世帯の移動人口の大きいアパート、マンションが多い都市であります。また、観光も割と盛んであります。
リサイクルセンターの状況についてですが、業務時間は午前8時から午後3時45分まででありまして、職員体制は、センターは2人体制で、他の場所を含めると約30人体制とのことであります。
 主な業務内容については、市民の善意により協力してもらっていながら、一日一度、約12トンをリサイクル業者に買い取ってもらっているとのことであり、特にガラス類、2000年実績は3,500トンを回収し、書籍は慈善団体のブックバンクへ年間65トン、また、眼鏡、布製品も慈善団体により海外救援物資として年間300トンあるそうです。イギリスには電池のリサイクル企業がないので、電池はアムステルダムまで出しているとのことでありました。
 週末が一番忙しく、月曜日も忙しいという説明もありました。
 ここのリサイクルセンターについては、リサイクルマークや看板を子供からのアイデアコンペによって採用しているとのことであります。このことは、子供のころからのリサイクル意識啓発に役立たせるためとの考えによるものとのことでありました。このことは逆に言いますと、リサイクルは義務付けしていないので、いかに協力してもらえるかとの意義付け、意識付けにもつながるとのことでした。実際、建物や施設内部には子供の描いたかわいらしい絵がたくさんありました。この意識啓発への発想は大変参考になりました。
 住民の積極的な関与に依存した持ち込み方式を中心にしたリサイクルシステムで成果を上げている例は、日本にはほとんどないだけに、今後の参考になると思います。
 イギリスも先進工業国であり、大量消費・大量廃棄社会であり、また、廃棄物管理に関してはヨーロッパの中でも劣等生とみなされることが多いそうです。しかし、一方には、有識者人口よりも環境保護団体の延べ会員数の方が多いと言われるように、環境意識の高さを象徴するような側面もあり、環境保全などでは力を発揮しています。そういう意味では、今後の廃棄物の分野にもその影響が及んでいくことを期待しているとのことであります。
 次に、イタリア・ローマ郊外のブラッキアーノ市の地方行政制度を中心にご報告を申し上げます。
 イタリアの主要な政治課題の一つは、高齢社会の到来が予想される中、財政の健全化と併せた年金改革であります。また、憲法改正による制度改革の必要性であります。
 制度改革については、地方自治改革などの改革が求められています。また、経済情勢において失業率が10.5%、これはEU諸国3番目の高水準にあり、特に南北格差の是正であります。北部が7%、南部が20%だそうです。ですから、南部の開発と発展がイタリアの経済政策の重要な課題であり、国際競争力強化のための構造改革が必要とされています。
 さて、今回の視察調査は、制度改革の一つであります地方自治制度、特に国と地方の役割分担についてであ ります。イタリア市街地よりバスで50分ほどの地方都市ブラッキアーノ市を訪問いたしました。人口は1万 5,000人、面積15万ヘクタールの歴史ある小都市です。日本から移り住んで20年以上という通訳、行政説明員よりバスの中で事前の説明をいろいろ受けました。ちょうど10月8日午前でした。前日の10月7日、アメリカのテロへの報復があり、日本も緊急態勢という説明がありまして、帰りが少し心配、気掛かりという一日でありました。
 そんな状況の中、アントニオ助役のあいさつがあり、地方行政に携わる者として、市民の安全、行政の変革期をどう進めていくのかを、大変責任を感じているという言葉が印象に残っております。
 アントニオ助役の説明について少し申し上げますと、イタリアの地方行政構造は、州20、県95、コムーネ8,000の3層制になっており、コムーネは我が国の市町村に相当する地方国であります。また、1993年には市長の直接選挙が導入されたそうです。それまでは市長は議会で選任していたそうです。
 ブラッキアーノ市の場合、市議会議員20名中13名が与党、7名が野党となります。勝利をおさめた市長が与党の13名を任免できるということで、大変驚きました。この新制度によって従来の不安定な政治の仕組みが覆され、強い市長を中心とした安定した行政運営が行われていると期待されているとのことです。
 また、市長の連続3選が禁じられ、議員の任期も5年から4年になったそうです。さらに、男女平等を保障するために、同性者の数がコムーネ議員候補者数の3分の2を超えてはならないと定められているとのことであります。
 新しい制度が成立して、これから大変、どうしていいか迷っているという状況でした。交付税がなくなっていく状況で、財源、収入確保をどうするか、地方自治体直接税をどうするかについても悩んでいるそうです。
 いずれにしても、交付金を当てにしないで稼ぐ方法を考えなければならない。例えば、農業が基幹産業でありますが、それと連動させて、古い小さなお城ですけれども、それらと、あるいは湖、ローマ帝国時代からの温泉を生かした特定公園整備をして、観光の可能性について力を入れていきたいということです。
 また、職員数を増やさないでプロジェクトを進める場合は、市民の参加を求めたい。特定の期間、入札を行い、奨学金を出すことなど、また、市と民間業者でプロジェクト計画を進めることも考えたいとの説明がありました。
 江別市も地方交付税交付金の減額がはっきりしている大変厳しい状況の中ですが、いかに自主財源確保に知恵を出すか、新しい発想をするか、地方分権の時代をしっかりと取り組んでいくことの必要性を強く感じたところであります。
 3番目、最後ですけれども、フランスのビューモンツ高齢者福祉施設についてでありますが、フランスの高齢者福祉・医療対策の特徴は、在宅維持支援サービスを充実させるとともに、社会施設を医療化することによって、高齢者を医療施設へ送り込むことを回避することにあります。
 今回、私たちが訪問したのは、ケア付きマンションタイプに属する軽費老人ホームで、非営利団体のアレパと呼ばれる高齢者住宅協会が運営管理している施設の一つであります。
 アレパについて少し説明をさせていただきますと、アレパは1964年、預託金庫中央不動産会社の社会福祉部のイニシアチブにより設立されました。2001年現在68か所、ケア付きが20でケアなしが48のレジデンスを管理し、レジデンスというのは住宅のことだそうです、を管理し、4,500人の高齢者を受け入れており、これに当たる職員数は1,200人いるとのことであります。
 また、アレパは、家賃を支払い、運営管理を任されているとのことでありまして、そして、アレパは2番目の規模の高齢者住宅協会であるということであります。
 それでは、訪問先ビューモンツの施設長、女性の方でしたが、の説明内容についてご紹介をいたします。
 フランスでは、精神面での介護を必要とする高齢者の受け入れに関するニーズが非常に高くなってきている。特に、高齢者にいかに生きがいを与えられるか、子供から親を預かってという希望がほとんどであります。第2次世界大戦までは、親を最後まで面倒を見ることが当たり前でありました。農村地域では、意識としてはまだ残っているがとのことでした。
 アレパは非営利を目的としているので、国籍、宗教、階級、収入に関係なく、だれでも受け入れる方針であり、入居基準の考えとしては、収入が第一でなく、アレパとしてこの人をサポートして、いかに快適で生きがいを持った生活を送れるかということだそうです。
 また、赤字を出さないで最大のサービス、バランスよくやることが大切という説明もありました。そして、自分たちは人間的な家族同士のような付き合いを心掛けているとのことであり、32名の人件費は一番大きいということです。レストランと清掃は別会社で行っているという説明もありました。
 ここでは補助金、扶助費などで管理しているので、入居者の家族からの要望が多くあり、苦労しているとのことであり、また、予算が余ったらお金を返してほしいという声もあるということです。家族によって見舞いに来る回数に大きな差があり、全然来ない人もいるそうですが、特に83名の入居者がいて、平均92、93歳だそうです。101歳の方が2名おり、痴ほうの方が13名いるとのことでした。また、驚いたことに、お母さんとお嬢さんがそれぞれワンルームずつに入居していました。68歳と75歳でした。
 家族の方々の協力により、夜、夕食会開催もあり、同じ出身地の人の集まりによる音楽会、映画会、絵画教室などがあります。料理教室も始まるそうです。ただし、そういう方々ばかりでないということも付け加えられておりました。
 苦情の受け入れ態勢について特に説明がありましたけれども、種々のクレームがありますが、なるべく言い争いにならないように、金銭は経理担当に、洗濯は洗濯係に任せ、自分たちの仕事に責任を持ってもらうことを第一としています。どうしてもうまくいかない場合は、私、所長が出て話し合いで解決するとのことでした。
 以上で公式調査の中の主な概要についてご報告申し上げましたが、このほかにも各公共施設等の調査がありましたが、時間の関係もありますので、後日の行政調査報告書にて詳しく説明をさせていただきたいと思います。
 今回の行政調査に当たっては、飛行機に乗る回数が大変多かったことと、また、朝早くの移動が多く、大変体力の要る毎日でした。しかしながら、全国の自治体の皆さん方との交流、意見交換も含めて、大変充実した実り多い12日間でありました。今回の成果について、今後の議会活動に生かしていきたいと考えております。
 最後に、市民の皆さん、そして市議会、議会事務局の皆さんを初め、多くの皆さん方に心から感謝を申し上げまして、私の海外先進都市行政調査報告とさせていただきます。
 ありがとうございました。

議長(五十嵐 忠男 君)

 これより宮本議員の報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で、宮本議員の海外先進都市行政調査報告を終結いたします。
 これをもって、報告第36号を終結いたします。

散会宣告

議長(五十嵐 忠男 君)

 本日の議事日程は全部終了いたしました。
 これをもって散会いたします。

 午後5時17分 散会

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