平成13年第3回江別市議会会議録(第4号)平成13年9月25日 4ページ
6 議事次第の続き
議案第43号及び議案第44号
議長(五十嵐 忠男 君)
日程第11及び第12 議案第43号 江別市職員の再任用に関する条例の制定について、及び議案第44号 地方公務員法等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、以上2件を一括議題といたします。
総務文教常任委員長の報告を求めます。
総務文教常任委員長(稗田 義貞 君)
ただいま議題となりました条例案2件につきまして、委員会における審査経過及び結果をご報告申し上げます。
市職員の再任用制度に関するこれらの条例は、本年4月の地方公務員法の改正に基づくもので、我が国が本格的な高齢社会を迎える中、公的年金の満額支給開始年齢が3年ごとに段階的に引き上げられることを踏まえ、退職後の雇用と年金の連携を図る仕組みを整備することと、意欲と能力のある職員の長年培った能力と経験を、本格的な雇用の場で有効に発揮できるようにすることを趣旨としております。
定年退職者等の希望者を対象に、従前の勤務実績等に基づく選考により、1年を超えない範囲内で任期を定めて再任用するもので、任期の更新期限は、年金支給開始年齢の引き上げに合わせて、今後、上限の65歳まで段階的に引き上げられるものであります。
勤務形態は、定年前職員と同じ週38時間45分を勤務するフルタイム勤務職員と、週16時間から32時間の範囲内で勤務する短時間勤務職員で、フルタイム勤務の2分の1の時間による短時間勤務を基本とする考えが示されております。
給料月額は、フルタイム勤務職員では国公4級に相当する25万9,600円でありますが、基本に据える短時間勤務職員では、勤務時間に応じた半額の給料月額となり、12万9,800円。手当も含めた年間支給額は、ほぼ年金の補てん分に相当するとのことであります。
なお、服務や分限、懲戒等につきましては、おおむね定年前職員と同様でありますが、短時間勤務職員に市町村職員共済の継続適用はなく、国民健康保険等に加入するとのことであります。
このほか、国や道、道内各市、市内民間事業所の状況についても説明を受けており、調査に回答のあった民間事業所におきます定年後の継続雇用制度は、65.9%の実施率とのことであります。
次に、質疑の概要を申し上げますと、任用につきましては能力実証に基づくことが根本基準であり、再任用を希望する職員の取扱いが不平等にならないよう、従前の勤務実績のほか、適正な選考方法により進めていきたいとのことであります。
また、再任用と新規採用等の関係では、今後5か年を平均した定年退職者数は年23から24名であり、再任用職員に適した職種をあらかじめ精査し、短時間勤務を基本とすることにより、職員の年齢構成の平準化や新規採用枠の確保にも十分配慮したいとのことであります。
なお、高齢社会対策大綱の内容は官民共通の課題であり、公務内での再任用枠に入れない場合も、雇用主の責任としての支援をしていくつもりであるとのことであります。
また、今日的な経済や雇用情勢などから、市の行政改革との関係の質疑があり、答弁では、再任用職員も定数内であることや給与の額から見て、人件費の増加を招くとは考えていないが、国が示すように、行財政改革の要請に十分配慮して取り組むとの考えが示されております。
さらには、今後の行政改革は、現在進めている行政診断などにより、一定の数値目標を掲げた行政改革大綱を策定する考えであるとのことであります。
次に、討論の状況を申し上げますが、いずれも賛成の立場からであり、内容の重複を避けながら、概要を申し上げます。
再任用制度の趣旨や少子高齢化の時代背景から、方向性は基本的に理解できるが、現在の経済情勢や江別市の完全失業率、有効求人倍率などの雇用情勢から見て、時期の面で適切なのか。雇用創出を求める陳情を多数の署名を添えて市に提出したが、いまだに具体論が示されておらず、市内企業の厳しい状況や、給与、退職金等の官民格差からも、再任用制度は市民からせん望のまなざしで見られている。財政状況も大変厳しく、自ら努力して行政改革を実行した上で提出すべき条例と考えていたが、行政診断の結果をもって行政改革を進めるとの答弁があったので、市民が納得できる厳しい数値目標による行政改革を望み、雇用確保等についても最大限の努力を求めて賛成する。
ほかの委員の討論では、会派内では、雇用対策や民間の継続雇用への対応を行い、将来の方向性が見え、市民生活に安心感が得られた上で提案され、実施するのが本来ではないか。また、行政診断や行政改革大綱の策定中であり、事業量や適正な人員配置が見えてから実施すべきであり、時期尚早との意見もあったが、再任用制度は国や道、各市町村の動向等に照らしても提案の時期であり、給与の設定や短時間勤務職員を基本とするなど、一定の考慮がなされた状況も見ることができる。実施に当たっては、任用基準や運営の公平性・透明性を確保し、行財政改革の推進、民間に対する雇用の創出、制度の市民への説明についても積極的に進められるよう希望する。
別の委員からは、ほかの自治体でも条例の制定を進めており、当市においても労使協議を経て提案されていることを理解する。長年培った能力や経験を引き続き有効に発揮できるよう配慮された点や、新規採用職員の確保に配慮し、短時間勤務を基本とすることについても評価する。市内の民間企業も大変厳しい状況だが、国の高年齢雇用継続給付制度を活用して定年後の継続雇用に努力されており、その充実に期待する。制度の運用に当たっては、再任用者が長年培った経験を活用し、これまで十分な対応ができなかった分野で、きめ細かな住民サービスを提供するためにも、新たな職場、職種の設定に努力を期待する。
さらにほかの委員からは、長寿社会における定年退職後の職場確保は大きな課題だが、不況の下、再就職はおろか、リストラの嵐が吹き荒れているのが現実である。公務員の職場確保のためとの誤解を受けやすいことや、新規採用枠が狭められること、行政改革の妨げにならないか、民間企業や公益法人などの関連団体と職場条件の格差が生まれないかなどの課題が挙げられるが、利点としては、長年の経験や能力を引き続き活用できること、基本とする短時間勤務はフレックスタイムなどで行政改革につながることも予想され、高齢化社会への対応であることや、国による公的年金の支給開始年齢の引き上げによるものであり、制度自体の有効性は理解する。不公正や制度の乱用がないよう、透明性をもって適切な職場に適切な人材を望むものであり、新規採用との均衡等も十分考慮するよう要望する。
また、別の委員の討論では、年金制度の改正や高齢社会対策要綱の閣議決定による高齢者の知識・経験の活用は官民共通の課題であり、民間に対しては退職年齢の引き上げの明文化を強く指導されており、市内の事業所も継続雇用の実施割合が増える傾向にある。公的年金の補てんを趣旨としながらも、短時間勤務や再任用に適した職場を設定し、新規採用への影響を抑え、一層の市民サービスを期待できるものと考える。少子化社会に向かう中、年齢で採用を差別することなく、健康で能力のある人が活躍できる場を官民協力しながら創出することが急務であり、有能な退職者を確保し、職員に良い意味での緊張関係が生まれることを期待する。
ほかの委員からは、年金の減額は自己責任ではなく、国の制度によるもので、希望者全員の再任用を前提とするよう配慮すべきである。新規採用への影響で職員の平均年齢が上がると予想され、市職員の活性化のために長期的観点で人事管理や職員定数を考慮する必要がある。再任用職員の経験を生かし、今まで以上に住民サービスの向上を図る職に位置付けるべきであり、現業職場等も含め、退職前の職員研修や教育が必要である。また、この際、何らかの方法で非常勤職員の労働条件の向上も検討すべきである。雇用情勢は深刻であり、解雇を規制するルールの確立やサービス残業の根絶に向けた取り組み、失業者の生活保障の拡充、介護・医療など公的雇用の拡大、緊急地域雇用特別交付金の制度延長など、雇用政策の拡大強化に努めるよう要望し、賛成すると述べられております。
以上のように多くの要望を含めた討論がございましたが、当委員会は採決の結果、議案第43号及び議案第44号は全員一致で原案どおり可決すべきものと決した次第であります。
議長(五十嵐 忠男 君)
これより総務文教常任委員長に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で総務文教常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第43号 江別市職員の再任用に関する条例の制定について、及び議案第44号 地方公務員法等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてに対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。
星 昭史 君
議案第43号 江別市職員の再任用に関する条例の制定について、及び議案第44号 地方公務員法等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、討論に参加をいたします。
公的年金の満額支給開始年齢が段階的に引き上げになることや、少子高齢化の時代背景からも、再任用制度というような体系になっていく方向性は、基本的に理解できるものでございます。しかし、これだけの経済状況や、完全失業率が約6%という非常に高い数値の雇用状況と大きく変化している今、あえてこの制度の開始時期が適切なのかどうかという疑問を感じております。
江別市での平成13年7月に公表されました月間有効求人倍率を見ても、全国平均の0.54%に比べ、企業の9割に相当する中小企業の不振が目立ち、0.24倍といった状況にあります。
平成13年2月に私たち会派は、雇用創出にかかわる何点かの施策についての陳情署名を行い、1万3,000人余りの方の声を添えて市長にお届けをいたしました。それは雇用確保を市の政策として求めた切実な市民の願いでありました。しかし、いまだに具体論が示されておりません。
私たちが知る限りにおいて、江別市内の多数の会社は、商工会議所で出ている企業統計の中にもあるように、大変厳しい状況にあると受け止めております。また、リストラや倒産等で再就職もままならず、大変な苦労をしている方々がいる中で、江別市の民間に比べ公務員の給与等の待遇は、ボーナス、退職金を合わすと大きな差があります。厚生年金と共済年金の支給額にも差があることも現実であります。前段のこういった状況を受け止めるとき、市民の中には、再任用制度にかかわる条例は、誠にせん望の対象と言われる方もいらっしゃいます。
江別市の財政を考えるときに、大変厳しい運営を自らの努力において行わなければならない状況にあり、まず行政改革の実を示した上で、江別市職員の再任用に関する条例を出すべきではなかったのではないかと考えておりましたが、論議の中で、現在行われている行政診断の結果をもって数値目標を示し、行政改革を進めるとのご答弁もございました。私たち会派はこの言葉を信じ、市民の皆さんの理解を得ることができるのではないかと考えております。厳正な数値目標を示し、市民に納得していただけるような行政改革を望みます。
先ほど指摘をしました雇用確保についても、最大限のご努力も必要と考えております。
また、市内の民間企業につきましても、まだ再任用の制度は緒についたばかりだと考えております。市のリーダーシップと現状の周知に努力を重ねてお願いをいたしまして、以上申し上げまして賛成の討論といたします。
議長(五十嵐 忠男 君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、議案第43号及び議案第44号を一括採決いたします。
議案第43号及び議案第44号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
議案第48号
議長(五十嵐 忠男 君)
日程第13 議案第48号 江別河川防災ステーション新築建築工事請負契約の締結についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
建設部長(斉藤 勝幸 君)
ただいま上程になりました議案第48号 江別河川防災ステーション新築建築工事請負契約の締結について、その提案理由及び施設概要につきましてご説明申し上げます。
本施設は、洪水を初めとした災害に際し、市民の生命と財産を守るために、復旧活動などを円滑かつ効率的に行える防災拠点として、水防資器材倉庫、水防団員詰所などを備えており、また施設の有効利用を図るため、平常時においては広く市民に開放し、川に関する学習の場、及び江別をPRする施設として設置をするものであります。
この工事の概要でありますが、建設場所は大川通70番地内で、既存の開発局の施設に合築施工する鉄骨造一部鉄筋コンクリートの2階建でありまして、水防機能のほか、事務室、会議室などを備えた延べ床面積700平方メートルの施設であります。
本件につきましては、去る9月17日、郷・高木共同企業体ほか6企業体による入札の結果、3億1,710万円で丸彦渡辺・松下共同企業体が落札いたしましたので、同日、工事請負仮契約を締結したところでございます。その内容につきましては、参考資料を添付しておりますので、ご参照いただきたいと思います。
本案件につきましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第2条の規定により、議会の議決を求めようとするものでございます。
以上、提案理由をご説明申し上げましたが、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(五十嵐 忠男 君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより議案第48号 江別河川防災ステーション新築建築工事請負契約の締結についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第48号を採決いたします。
議案第48号は、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
議案第41号
議長(五十嵐 忠男 君)
日程第14 議案第41号 江別市固定資産評価審査委員会委員の選任についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
市長(小川 公人 君)
ただいま上程になりました議案第41号 江別市固定資産評価審査委員会委員の選任につきまして、提案の理由をご説明申し上げます。
現在、固定資産評価審査委員会の委員であります原 陸郎さんは、平成13年12月2日をもって任期満了となりますが、引き続き原 陸郎さんを選任いたしたく、地方税法第423条第3項の規定によりまして、議会の同意を求めようとするものであります。
原陸郎さんは、昭和10年4月28日生まれの66歳でありまして、現在、江別市野幌代々木町34番地の1にお住まいであります。
なお、原陸郎さんは、平成10年12月から固定資産評価審査委員会委員に選任いたしておりまして、固定資産の実態に熟知し、評価等に関して幅広い知識・経験を有する方でありますことから、今回再任をお願い申し上げる次第でありますので、よろしくご審議、ご決定賜りますようお願いを申し上げます。
議長(五十嵐 忠男 君)
お諮りいたします。
本件については、質疑、委員会付託、討論を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより議案第41号を採決いたします。
この採決は無記名投票をもって行います。
議場の閉鎖を命じます。
(議場閉鎖)
ただいまの出席議員は、当職を除いて31名であります。
立会人に赤坂議員、稲垣議員を指名いたします。
投票用紙を配付いたさせます。
(投票用紙配付)
投票用紙の配付漏れはありませんか。
(「なし」の声あり)
配付漏れなしと認めます。
投票箱を改めさせます。
(投票箱点検)
異状なしと認めます。
念のため申し上げます。
本件を可とする諸君は賛成と、否とする諸君は反対と記載の上、投票願います。
なお、投票中、賛否を表明しない投票及び賛否の明らかでない投票は否とみなします。
議席の順に従い、三上議員より順次投票願います。
(投票)
投票漏れはありませんか。
(「なし」の声あり)
投票漏れなしと認めます。
投票を終了いたします。
議場の閉鎖を解きます。
(議場開鎖)
開票を行います。
赤坂議員、稲垣議員の立会いをお願いいたします。
(開票)
投票の結果を報告いたします。
投票総数31票、これは先ほどの出席議員数に符合いたしております。
そのうち、賛成31票、 以上のとおり、賛成全員であります。
よって、議案第41号は同意することに決しました。