平成13年第3回江別市議会会議録(第2号)平成13年9月12日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(五十嵐 忠男 君)
以上をもって星秀雄議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
矢澤議員のお年寄りが安心して暮せる社会を作ることについてほか2件についての質問を許します。通告時間20分。
矢澤 睦子 君
議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問させていただきます。
1項目めの質問は大綱にとどめて質問いたしたいと思います。
人生の先輩から、江別にFM放送を開局できないだろうかと提起されました。その理由は、年を取ったら市の広報など文字や図版などを読むより、耳からの方が分かりやすいということです。今、江別市で何をやっているのか、市にはどんな施設があり、どんな活動をしているのか、どんな催しが開催されるのかなどなど、スイッチ1つで1日中聞くことができます。
開局している岩見沢市の放送局を訪問してみました。駅前の中央バスターミナル1階のガラス張りの部屋が放送局で、中へ入ると、だれが話をしているのか一目りょう然です。バスを待ち合わせている人たちが座って聞いています。私も耳を傾けていましたら、若い学生風の4人が、今やっている部活動の様子を元気よく話していました。今どきの若者は、マイクを向けると、ごく自然に臆することなく司会者の質問に答えています。そこへまた別の男の学生さんが来て、ボランティアですが、何かお悩みごとはありませんかと、用紙とペンを持って話し掛けてくるのです。絶えずネタ探しと見受けました。このように、若い人たちが活躍している町は活気があります。1人の小さな悩みがみんなの共感を呼んだり、1人の声が大きく町の声となって反映される、そんな場にもつながるのではないでしょうか。
局の責任者の方に聞きましたら、まずはいかい老人の解消につながったこと、家族からこんな服装で体格はこのくらいで、見掛けた方はFM放送へという呼び掛けをすると、タクシー会社や福祉関係のネットワークのおかげで通報が早く、すぐに見付かるようになったということです。以前、背広姿でかばんを持ち、タクシーで函館まで行き、着いたところで何しに来たか分からず、また戻ってきたという話を聞いたことがあります。途中で運転手さんが気が付いたそうですが、戻ってくるまでのご家族の心境はいかばかりでしょうか。また、80歳の方が外科手術の際の出血多量で死の直前に放送で呼び掛け、同じ血液型の市民の方々の献血で一命を取り止めたそうです。ほかに、今日の出産、死亡、お悔やみなど日に5回の情報を流すそうです。
先日、江別市で購入した旧れんが工場跡地で江別における文化、芸術の可能性を探ると題したパネルディスカッションが開催されました。パネラーの方々の話と参加者の提言や感想などがありましたが、あの建物をどうするという点で、わずか三、四十人の集まりで決定していいのでしょうか。話の中身は個人的には賛成ですが、もっと多くの方々と意見交換して決めてほしいと思います。情報不足で何をやっているのか分からない。したがって、集まりが悪い、関係者や知り合い同士の会合になっている。この日はちょうど旧江別高校の跡地で農業祭りをやっていました。その後、あの人波の半分でも来てほしいと思いました。やはり情報不足なのです。そして、情報提供にはお金が掛かります。
江別市の住民は、地域的条件からどうしても単なる札幌のベッドタウンで、市民としての意識が薄く、公民館に寄っても、自ら積極的に情報収集することもなく通り過ぎていきます。市の広報誌以外にインパクトあるものはないだろうかという言葉も聞かれます。お年寄りどころか現役の方々も、自分の身の回りのことで精一杯で、広報誌も斜め読みで終わってしまいます。お年寄りが安心して暮らせる社会を作りたいとだれしもが考えています。
平成9年に同様の趣旨の質問を先輩の岡村議員がしております。その折の市の答えを言いますと、放送メニューやニーズの把握状況のほか、経営内容や目的、財政計画なども作られない状況なので、計画がまとまりましたら十分検討させていただきたいとありました。私からの提言ですが、マスメディアの性格上、経営はやはり民間にお願いし、市内の経営者の方々に役員になっていただき、立ち上がるまでは市が人的、物質的サポートをするという在り方が理想的です。本州のある地域では、小高い丘の小学校の空き教室を利用して発信しているところや、岩見沢のように、駅横の人が集まりやすい所のスペースを借りて、家賃は市に払っているそうです。恵庭市のように、古い倉庫を活用して運営する手もあります。どれを取っても江別でも可能です。目的は、先輩議員の言葉をお借りして、地域に密着した各種情報を放送することを通して、当該地域における生活環境の改善及び文化の向上、地域の振興を図ることにあります。地域のニュースや行政サービス情報、各種施設の利用案内や催し物情報、交通情報や商業、観光レジャー情報など、地域特性に応じた様々な番組編成ができ、既存の広域放送では満たされなかった身近なメディアとしての可能性を秘めていると言えます。誠に私が申し上げたいことずばりです。
そこで、ミニFM放送、又はテレビスポット情報などの活用について、市長はどのようにお考えか、ご見解をお聞かせください。
今日本では、皆さんご承知のように、大変な借金を抱え、そのための骨太改革が唱えられ、大手民間企業のリストラ計画が話題になっております。失業率5%とか、先行き真っ暗になりがちなご時世です。無駄な公共事業をやめるべきと訴えたいところですが、江別市内に無駄でない公共事業をやってほしい箇所がありました。それは、王子製紙前の道路、国道337です。あの通りに面してお住まいの方が、夜間の交通量が多く、騒音で睡眠不足だと訴えております。市道ではないので、国へ改善を申し入れていただきたい。このようなことは市議会で取り上げることではなく、内々で済ませるべきかもしれませんが、この道路に関しては、一度も議事録に載ったことがないということです。騒音で病気になっている方がいたり、平成6年にはトラックが家に入り込んできたり、子供が小さいときは、地域ぐるみで交通安全運動に取り組み、子供の命を守ってきたというお話も聞きました。
現在、制限速度は40キロですが、歩道もない狭い道路で、平均60キロぐらいで走っています。このような道路をつえをついたり、車いすで通ることができるでしょうか。あえて夢の大橋と言わせてください。平成16年に完成予定の美原大橋が開通すると、この道路も交通量も緩和されるでしょうが、住民にそれまで我慢しなさいとは言えません。道路の改良、夜間の速度制限、車両制限など住民の健康と安全を第一に考え、善処策を国にも働き掛け、一刻も早く実現していただきたいと願います。このことについて、市としてのお考えをお示しください。
次に、江別の町はれんがの町、ここ数年、毎年にぎやかにやきもの市が開催され、あの日だけ見ると、とても活気のある町に見え、個性のある町に住んで良かったと思える日です。もちろん、江別はやきものだけではありません。誇るべき特産品も数々あります。米、酒、さらに小麦、パン、酪農製品、大工場王子製紙、大学は4つもありますから、他の都市もうらやむ文化都市であります。ただ、この大学をまちづくりにフルに活用できているでしょうか。教授陣も大学生も素晴らしい人材です。学校側も市民との交流を大切にし、開かれた大学を目指しています。江別の木はナナカマドですが、このナナカマドに似た黒ナナカマドの実を使った菓子展が平成10年、焼き菓子コンペとして開催され、大変好評でした。早速商品化されて、いよいよ江別に黒ナナカマドと江別特産の小麦を使い、れんがを表現した菓子ができたと喜んでおりましたが、菓子店を訪ねても、原料の黒ナナカマドの実がなく、菓子が作れないという話でした。
この木は、昭和51年日ソ農業技術交流事業を通してソ連から種を導入し、道の林木育種場と林業試験場、大滝村バイオ農場で栽培されているそうです。何とすぐそばの育種場で栽培されているのですから、この点では江別は大変恵まれているわけです。せっかく江別の木にちなんだ名産品と取り組んでいる最中に中断せざるを得ない理由はどこにあるのでしょうか。この実は、ポリフェノールとカロテノイドを豊富に含んでおり、ブルーベリーの2倍で、発がん抑制の効果が動物実験で認められていることから、健康食品としても優れています。黒ナナカマドの実で、菓子だけでなくジュース、ドレッシングソース、ピクルスなどいろいろな研究をしている道の食品加工センターが、地元にまず試飲、試食をと希望を持っていながら、現実には何も進んでいない。うまくいけば、地元の菓子職人と連携して、江別特産の銘菓としてまちづくりに一役買えそうな気がいたしますが、残念でなりません。
具体的には、1点目、3月議会で先輩の稗田議員の質問に対して、市長は、将来の地域農業の活性化につながるようサポートしますと答弁されておりましたが、以後の進展状況をお知らせください。
2点目、3月議会でも出ていましたように、産学官が中心となってアロニア研究会を発足しとありましたが、産は農業の方々やお菓子屋さん、学は酪農大学、北大、東海大、藤女子大の先生方、官は道立食品加工研究所の職員、保健所、農業改良普及所の職員です。その官の中に江別市の職員もかかわっていただけると、より強力なチームになるのではないでしょうか。市も緑化事業の一環として、市民への苗木のあっせんをしたり、実の栄養分析をしたり、ゼリーやジャム、クッキーの試作品を作り出し、いろいろ努力していることがうかがわれます。この研究との今後のかかわりはどのように進めていくのでしょうか。
3点目、大滝村役場では、江別から1本1,500円で苗木を1,000本買い、農家に1,000円で売ったそうです。500円が村の持ち出しで、支援総額50万円です。産業の土台育成に村の英断でした。江別市として、そのような形で苗木の増植に一役買えないものでしょうか、できないものでしょうか。
9月1日、札幌の大通り公園で開催されたふるさと市場をのぞいてみました。江別市が何を出しているのか興味がありました。出店していたのは、トンデンファームと広谷製パンの2店で2種類でした。来年は是非ナナカマド菓子とか、ソースなどを出店できれば、もっと江別の名が注目されるのではないでしょうか。この黒ナナカマドの実の食品化が軌道に乗るまで、効果的な支援を是非お考えいただきたいと思います。
以上を申し上げましたが、市の黒ナナカマドの対応についてお聞かせください。
これで1回目の質問を終わります。
議長(五十嵐 忠男 君)
矢澤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川 公人 君)
矢澤議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
ミニFM放送についてでありますが、ミニFM放送はコミュニティ放送、このように言われ、市町村内の一部を単位とする小規模放送であること、地域に密着したコミュニティ情報を提供できることなどが特徴、役割として挙げられるところであります。コミュニティ放送は、地域の特色を生かした生活情報や行政情報、地域住民の参加した番組、緊急を要する情報などを提供することにより、地域情報の発信拠点としてまちづくりに貢献できるものと認識をいたしておりますし、経営の在り方についても、議員と認識を同じくするものであります。
現在、道内で13局が開局しておりますが、全国コミュニティ放送協議会の報告によりますと、開局に向けての動きは活発化している一方で、経済の低迷等により各局の経営は苦戦を続け、経営の改善は最大かつ共通の課題、このように報告をされております。いずれにいたしましても、コミュニティ放送開局に当りましては、番組内容や番組制作体制、また経営体制や事業収支見積もり、特に財政的基盤となる広告収入見込みなど十分に練られた事業計画が必要であり、開局後の安定的な経営が行われる、このことが最も重要であると考えるものであります。地域のための放送局として発展が見込まれ、また、地域に密着した情報の発信などを盛り込んだ事業が企画された場合には、十分検討させていただきたいと、こう思っておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、国道337号の道路沿いに住んでいる方々の安全確保についてでありますが、王子製紙前から緑町東3丁目に至る道路の車道幅、幅員は5.5メートルで、王子製紙前は片側に歩道があり、緑町東3丁目の付近は両側に1メートルの路側帯、これがあるものの、国道としては非常に狭あいな道路であります。交通規制の現状は、速度につきましては40キロメートル、大型車両の進入につきましては一部規制がされておりますが、国道12号札幌方面から左折し、当別方面に向かう場合と、それから2番通り、それから3番通りから直進し、それぞれ337号に入る場合につきましては大型車両の通行が可能となっております。
そこで、住民の健康と安全重視の視点からのさらなる規制措置ということでありますが、沿線には工場や事業所が立地し、経済活動も活発な地域であることから、直ちに規制強化を図るということについては難しいものと考えるわけでありますが、今後とも地元自治会等とも相談しながら改善策について協議してまいりたいと考えております。
なお、国におきましては、この現状の問題解決も含め現在道央圏連絡道路を鋭意整備中であり、これが完成をいたしますと交通量は緩和するものと思われますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、市の活性化対策、黒い実のナナカマドの活用についてでありますが、本年3月の第1回定例会で稗田議員より同様の趣旨のご質問があり、ご答弁申し上げておりますが、正式にはアロニア・メラノカルパ、こう言うそうでありますが、花の構造がナナカマドに似ていることから黒い実のナナカマドと、こう呼ばれているところであります。
江別市では、平成8年度アロニアの栽培や加工製品試作、研究などを目的とした事業に対し、江別市商工業活性化事業の補助をいたしており、さらには緑化事業の一環として平成10年、11年の2か年、市民へ苗木のあっせんをいたした経緯もございます。昨年、アロニア研究会が発足し、現在活動を進めておりますが、さきの8月31日も研究会が開催され、研究成果についての報告が行われ、テレビ放送もなされたことにより、市内外からも反響のあったところと、このように伺っております。
しかしながら、矢澤議員のご指摘のように、一部の会員の方から、原材料の供給システムが確立されていないことから、原料の入手など今後の課題も残されているとも聞いており、苗木のあっせん、収穫、集荷及び供給、そして活用、研究など一貫したシステムづくりが必要と考えているところであります。現在のアロニア研究会の会員メンバーを見ますと、苗木の生産団体、農協女性部、JA、普及センター、菓子業界、大学、国の研究機関や食品加工研究センターなどで構成されていることから、コーディネートなどによりシステムが機能的になりますと、これらの課題は十分解決できるものと考えているところであります。
そのような観点から、今後の研究会の活動に大いに期待をいたしますとともに、市といたしましても、黒い実のナナカマドが市民に親しまれるように普及などに努め、さらにまた、道央農協を初め関係機関とも連携協議をする中で、育苗にかかわりを持つといいますか、そういう方向で会に対しサポートしてまいりたいと考えております。
なお、提言のありました苗木のあっせんに対する補助、支援と、こういうことにつきましては、現在のところといいますか、直ちには考えのないことについてご理解を賜りたいと存じます。
以上であります。