平成25年第3回江別市議会定例会会議録(第2号)平成25年9月11日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(齊藤佐知子君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
内山祥弘議員の就業・労働政策について外1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
内山祥弘君
議長より発言の許可をいただきましたので、1項目目の就業・労働政策についてより質問をさせていただきます。
現在、平成26年度からの次期総合計画に向けた策定作業が進められているところでありますが、その一環として、江別市まちづくり市民アンケートが行われました。その調査結果では、就業・労働政策、とりわけ雇用については、重要度は高いと考えるが、とても不満であり、力を入れてほしい分野として位置付けられております。また、自由意見におきましても、若い世代が安定して生活できる都市づくりとして、若い世代を中心とした雇用拡充についての意見が多く寄せられているところであります。
私も拝見しましたが、次期総合計画に向けたえべつ未来中学・高校・大学生会議においても、できることなら江別に住み続けたい、そのためにも市内で働ける場がもっとほしいという声や、ほとんどの学生が就職のために市外へ転出してしまうので、雇用の場が必要との意見が多く、若い世代自身からも出されておりました。
実際に江別市の年齢別人口構成の推移を見ましても、18歳前後から、市内大学への入学などでその後の人口は急増しますが、一方で、大学卒業後に当たる20歳代前半から後半に掛けては、高校卒業時に当たる人口よりも更に数百人単位で下回っており、若い世代の市外への流出の状況がうかがわれるところであります。
一方、道内の雇用情勢について見ますと、リーマン・ショックや東日本大震災などの影響による厳しい状況から幾分持ち直しの傾向は見られますが、平成25年3月時点で、道内の有効求人倍率は0.65、江別市に近いハローワーク札幌東でも0.59と、いずれも全国平均の0.82を大きく下回り、依然として厳しい状況にあると言えます。また、道内の平成25年3月末現在の新規高卒者の就職内定率の状況は92.9%と、前年同期と比較して4.9ポイント上回り、15年ぶりに90%を超える高い水準となっているものの、未就職のまま卒業した生徒も依然多くいるとのことであります。また、道内の離職者数について見ますと、事業主都合による離職者は、中長期的には減少傾向にあるものの、全体としては、ほぼ横ばい傾向にあります。
一方、平成24年就業構造基本調査結果によると、道内における非正規雇用は42.8%と4割を超え、若い世代の不安定な雇用、そして不安定な生活に結び付いているものと推測されます。
しかしながら、他方では、さきの東日本大震災後、ふるさとや地域のきずなの大切さが再認識され、また、お金だけではない人間らしい生き方の価値に重きを置くような、地元や地域で役に立ちたいという、若い世代における中央一辺倒ではない地方回帰の流れがあるというような話も、また耳にするところであります。
さらに、当市の次期総合計画に向けても、市民協働を重要な戦略として位置付けていこうということですので、その市民協働を担う市民自身の定着、すなわち特に若い世代にとっての安定した雇用の確保ということが何よりも求められるのではないかと考えます。言い換えれば、安定した雇用の確保こそが、地域への定着、ひいては市民協働の実現にもつながると考えるところであります。そして、市民協働のまちづくりに関わることによって生まれるまちへの愛着こそが、本当に、住んでいることが誇りに思えるまちづくりにつながるのではないかと考えます。
もっとも、当然ですが事はそう簡単ではなく、市や市内企業の方々もこれまでも多大な努力をしてこられ、また、議会でも数多くの議論がなされてきたことは承知しております。しかし、それらを十分に踏まえつつ、とにかく現状変革に向けて何でもやってみるという気構えの下、まずは他市の事例なども参考にしながらより多様な政策について検討してみる必要があるという意味で、このたびの就業労働政策について質問する次第であります。
まずは、(1)就業・労働政策における市の役割について、改めての議論になるかもしれませんが、お伺いします。ハローワークなどの業務を担う国との関係で、できることはある程度限られるかと思いますが、だからこそ、その役割をしっかりと認識し、それに十分な力やアイデアを注ぐ必要があると考えます。また、昨今の厳しい雇用状況や地方分権の時代にあっては、それぞれの地域の実情に応じたきめ細やかな独自の労働行政が積極的に求められ、それゆえ、市としても、国などと一体となった、地域における労働行政の強化なども求められるものと考えます。
よって、改めて(1)についてお伺いします。
続いて、(2)ですが、(1)の役割を受けて、市でもこれまで様々な就業・労働政策を行ってきたことと思います。しかしながら、今後においては、常に地域の実情に応じたきめ細やかで有用な就業労働政策にしっかりと取り組んでいくため、これまで行ってきたそれぞれの取り組みに対する事後的な検証・評価もしっかりと行わなければならないものと考えます。
市でこれまで行ってきた就業・労働政策に係る取り組み、特に近年においては、国の緊急雇用対策により、市でも緊急雇用創出事業などに取り組んできているところですが、それらの成果、また、課題について、とりわけ若い世代に対する波及効果を中心に伺いたいと思います。
次に、雇用創出に向けた取り組みについては、さきの経済建設常任委員会でも、市内の雇用創出に向けた市内雇用の補助率加算の企業誘致に係る補助制度改定の考えが示されたところであります。
また一方では、雇用創出や雇用のマッチングのためには、離職率が高いと言われる若い世代の状況を踏まえ、新卒時などの短期集中型の就労支援だけではなく、就職後の定着率の向上に向けた緩やかな就労への準備型支援とでも言うのでしょうか、いわゆる実習型やトライアル型の若者への就労支援も、時代や状況に合った取り組みとして求められていると考えます。
当市におきましても、先ほど述べた緊急雇用創出事業による新卒未就職者雇用促進事業が、そのような就労支援として行われております。本事業は、今年度までの3年間行われており、内容としては、大学卒業後3年以内の新卒未就職者を雇用し、就労に必要な知識や技術を習得する研修や、実際の職場実習の実施により、早期就業に向けた支援を行っているところであります。
また、先日の新聞で読みましたが、札幌市においても同様な雇用支援として、ジョブスタートというプログラムが実施されているとのことでした。記事によりますと、本事業の成果として、大卒コース参加者の就職率は平成22年度の76.9%から平成24年度の89.5%に増え、また、高卒コース参加者においても就職率は平成22年度の64.8%から平成24年度の91.6%に伸びているとのことであります。加えて、正規雇用の割合も大卒コースで27.8%から48.8%、高卒コースでは18.6%から56.9%へと急伸しているとのことであります。プログラム参加者の声としては、大学の友人の何人かは入社後2か月で辞めているが3か月の実習で企業のことがよく分かるのでいい制度だという声や、受託企業側からも、面接技術にたけた学生を面接だけで採用すると失敗することもある。一方、実習で何日も一緒にいると職場になじめるかどうかよく分かるという声も書かれておりました。
以上より、本市における事業は今年度で一応終了するわけでありますが、本事業の就職支援への効果も踏まえ、来年度以降も、財源が限られた中であってもいろいろと工夫しつつ継続して行くべきではないかと考えますが、お伺いします。
次に、市内人材のマッチングや掘り起こしに向けた取り組みについて、特に、現在市内に在住している若い世代などへの就労人材のマッチング策として、Uターン・Jターンなどに向けた施策の必要性についてお伺いします。
先ほども述べましたように、市内で育った若い世代の流出が顕著である一方、できることなら江別に戻って働きたい、住み続けたいという若い世代の声も聞かれるところであります。また、市内の企業にとりましても、なかなか全国に向けた有効な情報発信は難しいと思われる中、地元で育った優秀な人材を確保することにもつながるのではないかと考えます。
既に函館市などでも行われておりますが、必ずしも就職情報だけではなく、子育てなどの生活情報も含むかもしれませんが、そのような施策について検討するお考えがあるか、お伺いします。
最後に、就業・労働者の就労定着に向けた取り組みについて、お伺いします。
就労定着、それによって実現する市民協働を担う地域への定着のためには、メンタルヘルスなどへの影響も含めた、いわゆる仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスが求められているのではないかと考えます。またディーセント・ワーク、働きがいのある人間らしい仕事ということも言われているところであります。
ワーク・ライフ・バランスについては、平成19年に、政・労・使の合意により仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章が策定されたところであります。また、その中では、地方公共団体の役割も求められているところであります。ディーセント・ワーク、働きがいのある人間らしい仕事は、1999年のILO、国際労働機関総会で初めて用いられ、その後、ILOの主目標と位置付けられている概念であります。
確かに、近年の厳しい経済状況の中、雇用を直接支える民間企業の方々にとっては、その考え方は理解できるものの、実現できる余裕がないというのが現実としてあるものと理解いたします。しかし、国にとっても、自治体にとっても、企業にとっても、何よりも大切なのは、活力や競争力の源泉となる人材ではないでしょうか。それゆえ、ワーク・ライフ・バランスのような概念について、未来への希望、明日への希望として、希求すべきものと考えます。少なくとも、現実への対処のために目をつぶっていいというものではないと思います。
したがいまして、もちろん一義的には労使の協議や合意によって決められるものではありますが、先ほどの憲章の中でも、地方公共団体の地域の実情に応じた役割も求められていることから、まずは、市としてのワーク・ライフ・バランス、ディーセント・ワークについてのお考えを、また、それらに基づく取り組みのお考えについて伺います。
引き続きまして、2項目目の文化政策について質問いたします。
最近の話題として、皆さんもご存じかと思いますが、釧路市出身で市内在住の桜木紫乃さんのホテルローヤルが直木賞を受賞するという、一道民、一市民としてたいへん喜ばしい出来事がありました。また、今年の6月にえぽあホールで行われたジュリアード弦楽四重奏団の演奏会は、全席が早々と売り切れたほどの大盛況で、新聞でも取り上げられ、この評者の言葉を借りれば、弦楽四重奏の極致を極めた演奏会だったそうです。市民自身による文化活動も非常に多岐にわたって活発に行われているところであり、先日行われた市民ミュージカルは、私も見に行きましたが、内容に込められた深い意味もさることながら、子供たちの生き生きとした演技に少なからぬ感動を覚えたものでした。このように、市内の文化芸術活動は、プロ・アマ問わず大変盛んなものがあり、それら一つひとつは江別市の貴重な文化的財産となっていると認識するところであります。
一方で、人口が減少に向かい、また、し好がより多様化する社会の中で、このような文化的財産をいかにして次世代へつなげ、さらなる創造的発展へと結び付けていくかが、もちろん市民自身による自主性が第一になければなりませんが、地域の活性化に向けての課題の一つであると考えるところです。
それゆえ、改めて文化政策に対する市の役割及び姿勢を問い直すという意味で、このたびの質問をする次第であります。
まず初めに、文化芸術に対する公的支援の根拠を考えるという意味で、いささか抽象的な議論となることをお許しいただきたいと思います。
私が考えますに、文化とはすなわち個性であります。
まず、個人という観点から見ますと、それは個人の尊厳に根差したものであり、自己表現並びに自己実現の表れであります。それゆえ、一人ひとりに一つひとつの文化、すなわち個性があると考えられます。そして、個人の文化・個性は、表れ・表現であるがゆえに、一人だけでは成り立たせることはできず、他者がいて初めて意味を持つものであります。また、その個人自身も、自分だけでは自己表現及び自己実現を図ることができず、他者の文化、他者とのコミュニケーションを通じることで、初めて感化・感動し、学習し、自己表現及び自己実現を図ることができるのです。したがって、文化、個性とは、極めて個人的なものであると同時に、極めて社会的なものでもあると考えられます。それゆえ、社会すなわち公共の営みが不可欠となるのであります。
当然、社会すなわち公共の営みの全てを、公的な行政が受け持つわけではありませんが、以上の根拠が、文化、その最たる表れである文化芸術に対して、公共の営みを担う主な主体である行政の役割が必要とされるゆえんであると考えます。また、自己実現の保障こそが、国際人権規約における社会権規約、文化的な生活に参加する権利の根拠であると考えられます。そして、そのことが我が国の文化芸術振興基本法などの制定に結び付いていると考えます。
続いて、一気にレベルが広がりますが、まちの文化、そしてまちの個性という観点から見ますと、それはつまり、そのまちのアイデンティティであります。そのようなまちの文化、アイデンティティは、まちへの愛着をもたらし、ひいては、そのまちに住む人々が誇りに思えるまちの実感をもたらすと考えます。
一方、まちの自立が求められている現在、そのまちの課題をそのまち自身で考え解決していかなければなりません。そして、まちの文化すなわち個性を知ることは、ひいては、まちの課題自体も見付けることになり、その課題を自分たち自身で解決していこうという気持ちも起こさせるものと考えます。
加えて、文化芸術は、多くの面において、隔てている壁を壊す、あるいは乗り越えるものであると考えます。芸術は世界共通の言語であるということはよく言われているところだと思いますが、より身近に考えても、文化芸術を通して性別や年齢、職業などを超えて親しい交流が生まれるというのは、実感として皆さんもお持ちではないかと思います。
したがって、まちの市民協働が求められている現在、人と人を結ぶじん帯としての、文化芸術の役割は決して小さくないものと考えます。
確かに、文化芸術は、とかく経済的余裕や余暇、暇があってのものと考えられがちであり、行政においても、財政状況によってはまず第一に削られるものということを耳にします。しかし、さきの東日本大震災後において、被災者が財産も心の余裕もない中、文化芸術がどれほどの人々を勇気付け、励まし、また慰め、そして再び自分のふるさと郷土で、中には離れざるを得なかった方もいるかと思いますが、そこで踏ん張り頑張っていこうという気持ちを起こさせたかについては、多言を弄さないものと考えます。
以上、長くなりましたが、改めまして、文化芸術の役割は決して小さくないものと考えますので、(1)の文化・芸術活動に対する市の考え方について伺います。
次に、(1)のような考え方に基づいて、現在当市で行っている文化・芸術に係る事業について、どのような現状認識を持っておられるのかについて伺います。 特に、もちろん施設整備も必要と思いますが、豊かな人間性や創造性を育むという意味では、優れた第一線の芸術鑑賞機会の充実が重要かと思いますが、そのような芸術鑑賞の機会の充実に関する面について、また、市民の自己実現や生きがい、さらに、市民相互の交流を図るという意味では、市民自身の文化芸術活動への支援も重要と考えますので、そのような観点でお伺いします。
次に、先ほど述べた、文化芸術は、多くの面において隔てている壁を壊し、あるいは乗り越えるということでありますが、文化芸術は、様々なまちづくり、行政分野にも浸透していくと考えます。その具体的例としては、当市において、協働のまちづくり活動支援事業の中で、オーケストラを通じて音楽に親しむことにより、子供たちの情操豊かな人材形成に取り組む教育的活動や、人形劇を一緒につくり上げることにより、高齢者のお互いに支え合う関係を構築する福祉的活動などが行われています。
また、それ以外にも、文化芸術を通じて、産業振興や地域振興、異文化交流を図るということも考えられるかと思いますが、市として、そのような積極的に文化・芸術を視点としたまちづくりを進めていくお考えはあるかについて伺います。
加えますが、さきの協働のまちづくり事業でも行われているように、文化芸術を通じてのまちづくりのポテンシャルは高いと考えられ、加えて、当市にはその道を極められた方も数多くおられ、私がお話を伺った方も、これまでお金も時間も惜しまず費やしてきた文化的な知識や技能をもって、必要だと求められれば惜しみなくまちづくりに貢献したいとおっしゃっておりました。
したがって、特に文化に的を絞ったまちづくり活動の事業を設ける考えはないかについて伺います。
最後になりますが、人口減少、し好の多様化した社会に対応した、文化芸術活動団体を支援する新たな仕組みづくりについてですが、これまでも、一般質問において、文化財団の設立や文化芸術振興条例の制定などが議論されてきていることは存じているところであります。また、他市においては、企業メセナや市民メセナなどの取り組みを行っているところもあるということです。
しかし一方では、文化芸術は何よりも自主性が尊重されるべきものであり、また、今後のまちづくりに向けても市民協働、市民参加による取り組みが何よりも必要であると考えます。
現在、当市において、特に文化芸術活動に関して、条例あるいは指針等として策定されているものに、平成10年に策定されたえべつ文化振興指針があります。本指針は、大変示唆的な部分も多く、現在においても生かされるべき内容を多く含んでいると思いますが、その一方で、策定後15年が経過し、人口減少や少子高齢化、また情報技術の発達などにも起因するより一層のし好の多様化など、社会状況は著しく変化してきております。また、本指針策定後には、実際に実現されたものや、実現困難になっているものもあると考えられます。
以上より、例えば本指針の改定を行うことなどを機会として、文化芸術活動団体を支援する新たな仕組みづくりについて、市民協働、市民参加の形で文化振興、団体支援に向けての議論の場、会議の場を持つべきではないかと考えますが、お伺いします。
以上で1回目の質問を終わります。
副議長(齊藤佐知子君)
内山議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
内山議員の一般質問にご答弁申し上げます。
まず、就業・労働政策に関連した市の役割についてでありますが、従来、労働行政は広域的な分野であり、雇用対策は公共職業安定所など国や都道府県を中心に展開され、市町村の役割は限定的でありました。
しかしながら、1990年代以降の失業率の上昇、非正規労働者の増加、正規労働者の労働負荷増大など、雇用・就労環境の急激な変化が進んだことから、勤労者の行政に対するニーズの多様化にもありまして、きめ細かな対策を図るための新たな観点に立った労働行政が必要とされてきたところであります。
このため、就業・労働政策における市の役割については、国、道の労働行政の方向を踏まえながら、商工会議所や市内企業、大学等の関係団体と、ハローワークなど地域の労働関係機関との橋渡し役を担うことであると考えておりますので、今後ともその考え方に基づきまして、市の役割を果たしてまいりたいと考えております。
次に、雇用創出に向けた取り組みについてでありますが、北海道労働局によりますと、道内の若年層の雇用情勢は改善傾向にあるものの厳しさが残るとされており、市といたしましても、新卒者や新卒未就職者への就職支援は重要なものと考えているところであります。
そこで、市では、平成23年度から大学卒業後3年以内の未就職者の早期就職支援策として、緊急雇用創出事業による新卒未就職者雇用促進事業を実施してまいりました。事業終了後の参加者の就職状況を見てみますと参加者の9割が何らかの就職に結び付いており、本事業による支援が早期の就職につながったものと考えております。
若者の就職支援については、大学においても取り組まれており、市といたしましても、これまでも市内企業と学生とのマッチング事業や大学生インターンシップ事業などに取り組んでまいりましたが、引き続き、企業や大学などと連携しながら、若年層の就職支援に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、ご質問の新卒未就職者雇用促進事業は、国の交付金を活用した事業でありますことから、国の予算動向を注視しながら、来年度以降の対応について関係機関と協議してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、この他の質問につきましては、経済部長外をもってお答え申し上げます。
経済部長(北川裕治君)
私からは、就業・労働政策についてのうち、就業・労働政策に係る市のこれまでの取り組み及びその成果について外2件について、ご答弁申し上げます。
まず、就業・労働政策に係る市のこれまでの取り組みとその成果についてでありますが、市では、近年の具体例で申しますと、平成21年度からの国の緊急雇用対策としての交付金事業を活用し、緊急雇用創出推進事業に取り組んできたところであり、その成果は、昨年度までの4年間で、中学校図書館活性化事業や健康食品臨床試験推進事業など80の事業により339人を新たに雇用してきたところであります。
また、これらの事業により雇用された方々の年齢構成を申しますと、20代が70人、30代が79人となっており、若い世代の雇用機会も創出できたところであります。各年度の事業終了後の調査によりますと、パートを含めて161人が何らかの就職につながっており、市の事業がつなぎの就業機会の提供として一定の効果があったものと考えております。
いずれにいたしましても、緊急雇用創出事業は、一時的な雇用機会の創出でありますので、長期的、継続的な雇用の創出につきましては、引き続き、関係機関や団体と連携して、将来の雇用につながる取り組みを研究してまいりたいと考えております。
次に、市内人材のマッチング、掘り起しに向けた取り組みについてでありますが、まず、北海道において、ホームページを活用して道内の求人情報を提供しているほか、道外在住の優秀な人材を求めている道内企業との橋渡しを行う、U・Iターンフェアなどを実施し、Uターン、Iターン希望者の就職機会の創出に努めているところであります。当市におきましては、ホームページにおいて移住を希望する方に向けた情報を掲載し、江別市への移住促進を図っているところであります。
ご質問のUターン、Jターンの若い世代に向けた就職支援は、地元企業の人材確保だけではなく、定住人口の増加につながることから重要なことと考えておりますが、まずは、地元の高校生、大学生と地元企業のマッチングを優先し、市内で就職できる取り組みを進め、江別の外に出た方々のUターン、Jターン支援といたしましては、ハローワークや市内企業、関係団体などと連携しながら有効な手法を研究してまいりたいと考えております。
次に、就業・労働者の就労定着に向けた取り組みについてでありますが、まず、国の動きといたしましては、平成19年に仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章及び仕事と生活の調和推進のための行動指針を策定し、その後、施策の進捗や経済情勢の変化を踏まえ、平成22年に、ディーセント・ワークなどの新たな視点や取り組みを盛り込んでいるところであります。これらを受け、厚生労働省では、事業者や働く人に対する支援事業を展開し、年次有給休暇の取得促進や長時間労働の抑制など、労働者の健康と生活に配慮する制度的枠組みの構築や環境整備を推進しているところであります。
しかしながら、内閣府の調査によると、ワーク・ライフ・バランスという言葉の認知度は約2割にとどまっており、さらに、市が毎年実施している給与・雇用実態調査結果を見ても、有給休暇の取得率なども低く、ワーク・ライフ・バランスという言葉やその考え方が十分に浸透しているとは言えない状況にあると考えております。
そこで、当市においても、ワーク・ライフ・バランスの取り組みについては、公共工事の契約時や事業者の集まりなどにおいて、労働者の福祉向上や労働基準関係法令の順守を踏まえた労働者の事故防止など、機会あるごとにその趣旨を事業者に周知するなどの取り組みを進めているところでありますが、今後とも引き続き、広く市民等も含め、啓発に努めてまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
教育部長(佐藤哲司君)
私から、文化政策について、ご答弁申し上げます。
まず、文化・芸術活動に対する市の考え方についてでありますが、教育基本法では、個人の要望や社会の要請に応え、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならないと規定されております。
教育委員会といたしましては、文化・芸術は、人々の創造性を育み、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや、相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成することに寄与するものと考えており、文化・芸術の振興に向け、これまで7期にわたって社会教育総合計画を策定し、必要な施策の推進に努めてきたところであります。
今後も、文化・芸術活動を行う市民の自主性を尊重し、市民が主体的に活動して成果を発表し、新しい地域文化を創造していけるよう、質の高い芸術・文化に触れる機会の提供や文化団体への補助、文化施設の充実など環境整備にも努め、総合的な奨励策によって、文化・芸術の振興や市民の交流促進、人材育成を図ってまいりたいと考えております。
次に、文化・芸術に係る事業の現状認識についてでありますが、江別市では、自主的な市民文化・芸術活動の育成・支援に向け、様々な事業を行ってきております。活動発表への支援では、芸術文化の祭典として江別市文化協会の主催で開催される江別市民文化祭など、各種文化団体の発表に助成してきたほか、全国規模で行われる各種芸術文化の大会やコンクールに出場する市民への奨励金などにより、芸術文化活動の活発化と人材育成を推進してきたところであります。
また、市民組織の育成に向けては、まちかどコンサートや市民ミュージカルの場合、市民による実行委員会が企画運営しており、この組織へ助成しているところであります。今年度の市民ミュージカルには、約1,000人の来場者数があり、大変好評をいただいたところです。さらに、地域の歴史に根差した特色ある文化芸術の振興としては、れんがとやきもののまち江別を発信するため、陶芸文化普及振興事業を実施しているほか、地域の伝統芸能である野幌太々神楽の保存伝承活動団体に対する補助も行っております。
社会教育総合計画における成果指標においても、生涯学習機会が充実していると思う市民割合は若干ではありますが増加しており、各種文化事業数も270前後を数え、鑑賞型よりも参加型の事業が増える傾向にあります。
しかし一方では、活動団体が会員の減少や高齢化などを理由に解散や休止を余儀なくされるケースも出てきております。教育委員会といたしましては、文化・芸術に限らず、スポーツなども含めた生涯学習活動全般に若い世代の市民が関心を持ち、活動団体の新陳代謝が図られ、次世代へ円滑に継承されていくことが最も重要なことと考えております。
その対策として、地域活動におけるリーダーの在り方と題して、生涯学習講座を企画するなど、人材育成のための各種セミナーを開催してきたところであり、今後も継続してまいりたいと考えております。
次に、文化・芸術活動をまちづくりに積極的に取り込むことについてでありますが、まず、積極的に文化・芸術を視点としたまちづくりを進めていく考えがあるのかでありますが、教育委員会といたしましては、市民が学んだことをまちづくりや次世代の人材育成に還元でき、市民協働が促進され、心豊かな活力ある社会が形成されることが理想と考えておりますので、文化・芸術活動につきましても、生涯学習活動の一つとして奨励していく必要があると考えております。
次に、特に文化に的を絞ったまちづくり活動の事業を設ける考えはないかについてでありますが、先ほど申し上げました各種助成の外に、生涯学習推進協議会におきましても生涯学習関係団体が行う事業へ支援を行っており、芸術文化振興基金や北海道文化財団による補助、さらには民間による助成もありますので、市が補助する事業については、その意義や課題を整理し、総合的に検討してまいりたいと考えております。
次に、人口減少やし好の多様化した社会に対応した、文化・芸術活動団体を支援する新たな仕組みづくりについてのご質問でありますが、現在策定作業中の第8期江別市社会教育総合計画には、市民の文化・芸術活動への支援や芸術活動の推進、市民や社会教育関係団体等との連携の構築について掲載されており、この計画案は市民が委員となっている社会教育委員の会議によって立案されたものであります。案に対しましては、生涯学習推進協議会や文化協会などからご意見をいただき、さらには、現在市民の皆様からご意見を募集しているところであり、市民参加による計画策定に努めてきたところであります。
ご質問の、市民参加の形で文化振興、団体支援に向けての議論の場、会議の場を持つべきではないかについてでありますが、行政と協働して江別市の生涯学習のまちづくりを推進することを目的として平成7年に設立された江別市生涯学習推進協議会があり、大学や文化協会、劇団、美術文化サークル、演劇鑑賞会、自治会連絡協議会、高齢者クラブ連合会、女性団体協議会、体育協会など、現在67団体により構成されております。
活動の基本方針として、 生涯学習の機会の充実を掲げ、市民がやりがいと生きがいを持ってまちづくりに積極的に参加し、活動できるよう、市内の学習団体や市・教育委員会と連携しながら、市民・行政協働型の生涯学習活動の推進に努めるとしております。事業内容としては、生涯学習講座や視察研修などに取り組んでいるほか、生涯学習フェスティバルでは、会員が一堂に集い、広く一般市民にも参加を呼び掛け、各団体の活動内容を発表し交流を深める場としております。
これらの他、演劇鑑賞への助成など、生涯学習事業への支援も行っていることから、文化振興、団体等支援に関する議論の場は、多くのまちづくり関係団体が参加しているこの協議会の中で検討していただけることを期待しております。
以上であります。
内山祥弘君
ご答弁ありがとうございました。
まずは、就業・労働政策につきまして、(3)については要望としたいと思います。
先ほどのご答弁でも、新卒未就職者雇用促進事業により、参加者の9割が何らかの就職に結び付いており、本事業による支援も早期の就職につながったものと考えているとのことであり、やはり大変効果的で成果が出ているものと理解いたしました。
私としては、先ほども述べましたが、このような就労支援は、現代の若い世代の置かれている社会状況や、あるいは、企業にとっても職員の定着率向上に向けたものとして、大変前向きに評価すべきものなのではないかと思うところです。
したがいまして、財源確保の課題などあるものの、是非とも前向きに継続に向けて検討していただけることを要望いたします。
続きまして、(4)についても要望とします。
確かに、ご答弁にありますように、北海道においてもU・Iターン就職情報として、道外の人材と道内企業のマッチング支援を行っているところであります。また、その事業におけるU・Iターンの事例の一つとして、江別市の企業も掲載されておりました。その企業の声としては、高い技術を持つ人材の確保につながり、また、この企業ではUターン者が多いとのことですが、北海道へ戻りたい、北海道で仕事をしたいという方に来てもらえるのであれば、それは本人にとっても会社にとっても、非常に幸せなことではないでしょうかということが述べられておりました。
確かに、このような道の支援制度はあるものの、しかし、市内の企業とのより効果的なマッチングに向けて、市独自の支援制度や、チャンネルが複数あることのメリットもあると思いますので、ご答弁も前向きなものと受け止めておりますが、是非ともご検討願えればと思います。
続いて、文化政策について2回目の質問及び要望をしたいと思います。
まず、(1)について質問ですが、ご答弁は、文化芸術振興基本法などの内容に沿ったものでありまして、文化芸術活動に対する教育委員会のお考えとして妥当なものであると理解いたします。また、振興施策などについても、市民の自主性を尊重し、総合的な奨励策を行うということでありました。
とはいえ、私が質問で本当にお伺いしたかったことはそういうことだけではなくて、まちの自立、個性が求められている中で、市独自の特色ある文化的まちづくりについてどのように考えておられるのか、また、まちづくりにおける文化芸術について、どのくらいの重み又は価値を置いておられるかについてもお伺いしたかったのです。
札幌市や小樽市、三笠市、苫小牧市など道内他市町では、いわゆる文化芸術振興条例を制定し、文化芸術基本計画や基本方針を策定するなどして、個性ある文化芸術振興施策に取り組んでいるところであります。ここでは、あえて文化芸術振興条例などについて直接お伺いすることはしませんが、改めて、まちの特色に沿った市独自の創造的で個性的な芸術文化振興について、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。
教育部長(佐藤哲司君)
内山議員の再質問にご答弁申し上げます。
市独自の創造的で個性的な芸術文化振興に向けての考え方についてでありますが、芸術文化の振興に当たりましては、芸術文化活動を行う市民の自主性・創造性を尊重することが重要であり、その上で、行政は各種の奨励策を担うことが基本であると考えております。
これまで、歴史や風土に根ざした陶芸や野幌太々神楽などは、江別市独自の個性的な文化として保存・振興策を取ってきておりますが、芸術文化の全体的な振興につきましては、行政が特定の方向に誘導するのではなく、市民が主体となって、多様化する興味・関心に基づき、自由に芸術文化活動が行われ、その結果、創造的で個性的な芸術文化に発展していくことが望ましいと考えております。
また、そうした状況が生み出されることにより、まちが活性化し、芸術文化を通じたまちづくりにも寄与できるものと考えておりますので、教育委員会といたしましては、今後もそのための奨励・支援を行ってまいりたいと考えております。
以上であります。
内山祥弘君
(1)については、終わりたいと思います。
次に、(2)についての質問をしたいと思います。
文化芸術に係る事業の現状認識については、市では、自主的な市民文化・芸術活動の育成・支援に向け、様々な事業を行っているが、一方では、活動団体が会員の減少や高齢化などを理由に、解散や休止を余儀なくされるケースも出てきているとのことでありました。
ここでは、事業に関わるそのような事例として先ほども述べられましたが、優れた芸術鑑賞機会の充実に係る芸術鑑賞招へい事業について伺いたいと思います。
芸術鑑賞招へい事業は、平成13年度から行われている事業であり、NPO法人えべつ楽友協会への補助によって行われております。しかしながら、えべつ楽友協会は、来年の札響ニューイヤーコンサートをもって解散するとのお話を伺っているところであります。えべつ楽友協会は、市内においてこれまで数多くの世界的な第一線のプロフェッショナルの演奏会を主催してきており、これまでの市の文化的財産の蓄積への貢献は計り知れないものがあると考えます。それだけに、さきにも述べられた団体の会員の減少や高齢化など致し方ないところもあると思いますが、その活動の終了は大変残念なことであり、また、当市における優れた芸術鑑賞機会の充実にとっても、大きな損失ではないかと思います。
思いますに、市民レベルも含めた全ての文化芸術活動は、プロフェッショナル、すなわち表現者として一身を捧げる文化芸術家の創造的な営みの成果とその積み重ねの上にあるといっても過言ではありません。それゆえ、優れた芸術鑑賞機会の充実は、大変重要なものであり欠くことのできないものであると考えます。ましてや、当市のえぽあホールは、全国でも有数の優れた音響を持つホールであるということであり、それが第一線の音楽表現の場として十分に活用されないことは、大変もったいないことであります。
今後の芸術鑑賞招へい事業、優れた音楽鑑賞の機会の充実に向けては、どのようにお考えなのかお伺いします。
教育部長(佐藤哲司君)
内山議員の再質問にご答弁申し上げます。
今後の芸術鑑賞招へい事業、優れた音楽鑑賞の機会の充実についての考え方についてでありますが、NPO法人えべつ楽友協会の代表者から、今年度をもって活動を終了する旨、口頭でお聞きしております。
同協会は、平成9年から16年間にわたり、クラシック音楽やオペラなど多くの演奏会・公演を主催し、市民が芸術鑑賞できる機会の提供に貢献してきたところであり、活動を終えられることは残念に思っております。
えぽあホールの利用につきましては、使用を希望される団体が多く、季節や曜日によっては抽選でご利用いただいている現状ですので、えべつ楽友協会の活動終了により、直ちに利用頻度が下がるとは考えておりません。
教育委員会といたしましては、市民へ優れた芸術鑑賞の機会を提供することは重要なことと考えており、現在も、指定管理者の自主事業や、他の音楽団体、演劇団体により、様々な演奏会や公演が実施されていることから、今後、これらの関係者と協議してまいりたいと考えております。
以上であります。
内山祥弘君
最後に、(4)については要望とします。
文化芸術活動団体を支援する新たな仕組みづくりについて、市民参加の形で議論する場をつくるべきではないかという問いに対して、江別市生涯学習推進協議会の中で検討していただけることを期待しているとのことでした。
確かに、当協議会は、スポーツ団体や自治会なども含め、市内の生涯教育関係団体がほぼ網羅、包括されているような協議会となっており、現在ある団体への新たな支援の検討の場としてはふさわしいと思われ、私としても積極的に検討していただけることを期待します。ただし、そのような包括的な協議会だからこそ、特に文化芸術振興に絞った新たな支援の仕組みづくりについては、実際の具体的な議論や討論が果たして有効になされるのか疑問がないわけではありません。
また、検討していただけることを期待するとはどういうことでしょう。市としての積極的な働き掛けについても、私としては期待したいところであります。ちなみに、先ほども述べた道内他市町の事例では、文化芸術振興条例制定に向けての検討懇話会を設置したり、文化芸術振興条例に基づいて、社会教育委員とは別に文化芸術審議会を設置しているところもあります。そのような場の議論などに基づき、小樽市では、アーティスト・バンクという、市内のアーティストの人材情報を集積し、それを文化芸術振興に活用していくという仕組みづくりを行っている事例もあります。
いずれにいたしましても、これらについては私としてもまだ勉強不十分な部分がありますので、文化・芸術活動団体や、アーティスト・バンクという形であれば個人も含むかもしれませんが、それらを支援する新たな仕組みづくりについては、文化芸術振興条例の制定なども含め、今後の課題としてまいりたいと思います。
市としても、前向きなご検討、ご研究を期待し、終わらせていただきたいと思います。
副議長(齊藤佐知子君)
以上をもって、内山議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
副議長(齊藤佐知子君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時03分 散会