平成13年第1回江別市議会会議録(第2号)平成13年3月6日 7ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(赤坂 伸一 君)
清水議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川 公人 君)
清水議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
まず、教科書問題でありますけれども、歴史教科書についての感想ということでありますが、私自身も拝見をさせていただいておりますけれども、教科書については法令に基づいて適正な教育内容の維持、また教育の中立性の確保などが要請されることから、検定制度が実施されているものであり、記述については客観的な配慮がなされ公正なものであると認識をいたしております。
いずれにいたしましても、21世紀を担う子供たちには、歴史や文化に対する理解を深め、我が国に誇りを持ち、広い視野と国際感覚を備えた日本人として成長していただくことが何よりも大切なことであると考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
次に、市営住宅の建築コストの家賃の関係についてでありますけれども、市営住宅の建設につきましては、ただいま議員からもお話がありましたように、住宅に困窮する低額所得者等に対して、低廉な家賃で住宅を供給することを目的としているところであります。
したがいまして、この家賃設定につきましても、公営住宅法の定めにより、近傍同種の住宅の家賃以下とし、さらに入居者の収入区分に応じて定められている家賃算定基礎額を基に市営住宅の立地条件、規模、経過年数等に応じ定めることを基本といたしております。
しかも、この家賃算定基礎額については、入居者の収入区分により、収入の低い者ほど家賃が低くなるよう設定されているところであります。一方、民間の賃貸住宅には、こういった入居者の収入区分に配慮した家賃設定はなされていないところであります。
このようなことから、市営住宅の建設コストと家賃の関係につきましては、必ずしも連動しないことにつきましてご理解を賜りたいと存じます。
なお、この民間との建築コストの違いについてでありますけれども、市営住宅の場合、公営住宅法整備基準に定められた品質と性能を有するものとされており、新省エネルギー基準対応や長寿社会対応仕様など、それぞれの時代の要請を反映した整備を行っているところであります。
民間賃貸住宅の場合には、大量仕入れによる資材コストの低減やこういった仕様が異なる場合があること、またデベロッパーなどが一戸建てに比べ投資の回収率が良い分譲マンションを競って建築してきたことなどにより、違いがあるものと考えております。
ちなみに、当市の市営住宅建設コストについてですが、平成9年度に建設された全道公営住宅45事例での平均が、平方メートル当たり22万2,400円となっており、当市における同年施工の中央団地B棟の建設費は、平方メートル当たり20万8,200円であり、平均を下回っている状況にあるところであります。
いずれにいたしましても、市営住宅の建設に当たりましては、今後ともコストの縮減についていろいろな観点から取り組んでいきたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、高品質低家賃の市営住宅の供給が、戸建て住宅や分譲マンション等の購入意欲を阻害しているのではないかと、こういう指摘でありますが、市営住宅は先ほど申し上げましたように、低廉な家賃での住宅供給を目的としているところであります。ちなみに、当市の入居者の多くが属する収入区分1の例で言いますと、4人家族の場合、年収で394万円ほどとなっております。一方、持ち家住宅につきましては、資金の借入れに一定の収入条件が必要とされていることもあり、平成11年度住宅金融公庫北海道支店調査によります持ち家取得層の平均年収が695万円となっております。
このように、市営住宅への入居対象階層とは異なっておりますので、購買意欲等に対する影響ということについては、直接的には考えにくいものと思っております。
なお、市内の持ち家住宅の比率の推移につきましても、昭和60年から平成7年の国勢調査で見ますと、10か年で6%強の伸び率となっておりますので、この点においても持ち家取得層との競合ということについてはほとんどないのではないかと、このように考えております。
次に、市営住宅の借上げ方式についてでありますが、新公営住宅法で可能となりました借上公営住宅制度につきましては、議員ご指摘のように、現下における国や当市の財政的な問題をはじめ、公共工事全般に対する縮減傾向等を勘案いたしたとき、市場経済の活発化や新しい事業の創出を図るためにも、民間活力を導入した多様な整備方式について取り入れていく必要があると考えております。
いずれにいたしましても、現在策定しております住宅マスタープランの中で、こういったことにつきましても十分検討した中で取りまとめをしてまいりたいと、このように考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、江別駅前東側の住宅計画についてでありますが、江別市土地開発公社用地の東側には前JAえべつの大規模用地、6,340平方メートルほどでありますが、これがあり、数棟の建物が現在倉庫や事務所、工場として機能しております。前JAえべつでは、施設の老朽化や機能の集約化を考慮し、江北地区への移転の方向で検討されてきており、今後もここに施設を配置することの必要性がなくなってきていることから、当該地区の再開発事業には協力したいとの意向も持たれておりますが、現在のところ機関決定までには至っていない状況にあります。
江別駅周辺地区の現況を見ますと、長らく地区再生の芽生えが見えてこない状況にありまして、自発的な民間活力による中高層住宅の建設などを期待いたしておりますが、現状のままではなかなか民間等による事業主体を誘導することは非常に厳しい実情にあることについてご理解をいただきたいと存じます。
そのようなことから、当面の事業目的及び方向としては、土地開発公社所有地に隣接する北側の民有地を駅周辺の活性化拠点整備の第一歩として位置付け、市民生活や来訪者の活動に密着した各種機能の導入を図ることが必要であり、主な施設として宿泊施設、業務施設、商業施設などについて計画し、検討を重ねてきているところであります。このことにより、地区の利便性が向上し、マンションなどの都市型居住施設の需要がさらに高まるものと予想され、居住系施設の導入は地区内購買力を高め、地区商店街の活性化に寄与するなど、相乗的な効果も期待されます。
なお、都市型居住施設の整備においては、市街地再開発事業や優良建築物等整備事業等の補助制度を活用したり、優良な民間賃貸住宅を供給するための助成制度である北海道特定優良賃貸住宅制度の活用などが想定されるところであり、検討してまいりたいと思っております。
また、計画全体の民間活力の可能性についてでありますが、現下における国や当市の財政的な課題をはじめ、市場経済の活発化や新しい事業の創出を図るためにも、自発的な民間活力による中高層住宅の建設を期待いたしますとともに、PFIをはじめ整備方式についても調査研究し、取り入れていく必要があると考えております。
このほかのご質問につきましては、経済部長ほかをもってご答弁を申し上げます。
経済部長(河上 義之 君)
私から消費者の動向についてお答えいたします。
議員ご指摘のとおり、平成5年に北海道商店街振興組合連合会と江別市商店街振興組合連合会が、商品別買い物場所の分析を中心といたします、江別市民お買い物アンケート調査を実施しております。また、調査範囲が限られておりますが、札幌学院大学商学部のゼミや江別市街地近代化市民会議などがアンケート調査を実施しております。
平成9年には、江別市中小小売商業活性化ビジョン報告書を策定しておりますが、本報告書では、商品購入先などの江別市の商業環境を分析することにより、その課題と対応について検討し、江別、野幌、大麻の各地区の整備方針や主要プロジェクトを示してきております。それらを参考にして、駅周辺地区の再開発の基本計画などを作成してきておりますことをご理解賜りたいと存じます。
また、昨年9月には江別市、商工会議所、それから商店街振興組合連合会が調査主体となりまして、酪農学園大学の協力を得まして、市内の大型店の進出によって影響を受ける地域中小商業等の振興を図るため、大型店周辺の消費者の動向を実態調査、把握し、今後の地域中小商業等の振興の対策に役立ててきております。その概要は、市内の大型店19店舗を対象とし、29の調査地点を設けまして、時間帯を分けて調査を実施し、江別市内全体とそれぞれの地区別の通行量と、それから買い物客数などの状況把握を行っているところでございます。
いずれにいたしましても、全市的な消費者の意識変化や買い物状況等の適切な把握は、まちづくりにおきましても大変大事な要素であると認識しておりますので、商工会議所、商店街振興組合連合会などとも協議を進めながら、その適切な実施について今後とも検討してまいりたいと思いますので、ご理解を賜りたいと存じます。
教育長(高橋 侃 君)
私から教科書問題についてご答弁申し上げます。
初めに、歴史教科書の内容についての感想でございますが、歴史教育は我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てることやその時代や地域との関連において、歴史上の人物と文化遺産を尊重する態度を育てること、また外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを理解する中で、国際協調の精神を養うことなどがその目標であると認識しているところでございます。
歴史教科書について、数種類の教科書を見させていただきましたが、教科書は教育の中立性などが要請されることから、国において検定制度が実施されているものであり、記述については客観的な配慮がなされ、公正なものであることが原則であると理解しております。ただし、それぞれの教科書には記述上での表現の違い、写真、人物などのレイアウトが施されており、読み手の生徒にとって多様な感じを持たれる可能性はあるかもしれません。しかし、実際の授業においては教師は生徒に対し、その教科書を教えるという目的ではなく、その教科書で教えるという手段としての観点から、教科書を教材の媒体として扱うことが基本でありますし、教師は公務員の中立性の立場を維持しながら授業に臨むことが肝要であろうと思います。
次に、2点目の採択地区協議会の会議等の実態についてでございますが、共同採択地区の場合は、石狩教育局が事務局を所管しておりますが、直近では平成13年度に使用する中学校用教科書の採択について、平成12年6月と7月に各1回の教科用図書採択地区教育委員会協議会が開催され、平成13年度使用の中学校用教科書については、新たに文部大臣、平成12年当時でございます、の検定を受けたものがないことから、採択手続の一部を簡略化することが可能であるとする文部省通知を受けて、選定委員会の設置をしないで現行使用している教科書を採択することで、全員一致により決定されているところでございます。
さらに、前年の平成11年には、平成12年度から使用している小学校用教科書の採択が実施されておりますが、平成11年6月に採択地区教育委員会協議会が午後の2時間と選定委員会午後の2時間半が各1回、7月に採択地区教育委員会協議会が1回、これは午後の3時間でございますと、選定委員会が2日間通しての1回、1日目は午前、午後の計6時間、2日目にいたりましては午前の3時間が開催されまして、教育委員会協議会の全員一致により小学校用教科書の採択が決定されているところでございます。
また、選定委員会構成の実態につきましては、全体で52人でありまして、そのうちの43名は教頭と教員であり、9名は学識経験者、この中には大学の先生、高校の先生、父母等でございました。
次に、3点目の選定委員会の委員の任命について、どのような基準であるかについてでございますが、選定委員会の構成などについては、採択が行われる年度ごとに、道教委が教科用図書選定審議会に諮問、答申を得て決定する採択基準で示されるわけでございますが、その中で校長、教頭、教員及び地区内の父母を含む学識経験者で構成するとされております。
共同採択地区におきましては、事務局を所管している石狩教育局において、管内の小中学校に勤務する校長、教頭、教諭の中から、実践研究において優れた実績がある者、経験豊かで実践的指導力に優れた者、同一校に偏らないこと、市町村のバランスを考慮する、長期にわたる同一者の選任は避けること等々などに考慮して、事務局である教育局から適任者について推薦し、採択地区教育委員会協議会において選任いたして、該当するそれぞれの市町村教育委員会において委嘱をしているところでございます。
なお、今後における選定委員の選任につきましては、教科書の選定に当たって、より広い視野からの意見反映をさせることが大切であると考えますので、保護者や各分野における有識者の選任を促進していくことが、道教委の考え方でありますので、採択地区教育委員会協議会におきましても、そのことが反映されるものであると考えているところでございます。
次に、4点目の平成14年度使用教科書採択の在り方とそのスケジュールについてでございますが、採択の時期につきましては、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律によりまして、使用する年度の前年度の8月15日までに行うことが規定されてございます。
そこで、議員ご指摘のとおり、平成14年度から新学習指導要領による新しい教科書となるため、小学校、中学校で使用する教科書全般について、平成13年8月15日までに採択することとなるものでございます。
具体的な採択基準や日程などにつきましては、道教委が教科用図書選定審議会に諮問し、答申を得て決定いたした後に、決定した内容により採択地区教育委員会協議会などへの指導、助言をすることになってございますので、道教委においては各地区での採択に十分な時間が確保されて、小中学校の教科書の同時採択が円滑かつ適正に実施するよう鋭意努力されていると聞いておりますので、ご理解を願いたいと存じます。
最後に、江別市単独で教科書を選定採択することについてでございますが、江別市はご承知のとおり、札幌市を除く石狩管内9市町村で共同採択地区として、道教委が昭和39年に自然的、経済的、文化的諸条件を勘案する中で決定いたしたところでございます。決定されてから現在まで30数年を経過してございますが、共同採択地区であることにより、現在石狩管内において9市町村から成る石狩教育研究会、略称石教研とも申しておりますが、これが既に組織されておりまして、管内の教員が教科等の研修、研究などを共同で効果的に実施してきているところでございます。また、広く多くの有識者から意見等を聴くことができることから、共同採択地区には現在においても妥当なものと判断しているところでございます。
なお、議員ご指摘の点につきましては、今後も調査研究をいたしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を願いたいと存じます。
以上でございます。
清水 直幸 君
市営住宅の役割、低所得者世帯に対する福祉的意味合いについても、私としましても十分認識しているつもりであります。
市長にお聞きしたいのは、市民の労働意欲についてであります。毎日の残業をこなして、額に汗を流しながら懸命に働き、毎月生活を切り詰め、30年掛けてローンを支払い続ける人よりも、無理せず公営住宅に入り、一生余裕とゆとりのある生活をエンジョイされる人の方が、グレードの高い生活が送れるようでは問題があるのではないかと。繰り返して言いますけれども、低所得者世帯に対する福祉的意味合いは分かっております。それ以上の方々についてだと受け取っていただければいいと思います。
二つ目に、先ほど教育委員長からお話ございました平成11年度の小学生用教科書採択時点で、総数52名のうち教員及び学識経験者、学識経験者のうち元教員の方も含めると50名、父母の代表とその他がそれぞれ1名ずつと聞いておりますが、このような状況で将来ある子供たちが使用する教科書の選定そのものの中立性を保つことができるのだろうかという疑問でございますので、お答えいただきたいと思います。
教科書採択の決定に当たって、各教育委員の方々はどのようにかかわっておられるのか、答申された教科書のみについて審査するのか、過去の事例で結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
江別市全体を対象とした消費者の新しい調査を行うこと、新しい実態調査が必要と考えます。商店街の次の世代を担う若い商店の後継ぎの方々からも、駅前をきれいに整理しても、買い物に来る人、特に現在子供がいて、将来につながるような人たちが、ソフト面でもハード面でも、また何を求めているのか調査してくれないと、なかなかまちづくりに自分自身投資できないという意見が多くあります。是非、要望ですけれども、消費者の実態調査を新たに行っていただきたいと思いますが、お答えいただきいと思います。
以上です。
議長(赤坂 伸一 君)
先ほどの質問中、教育委員長ではなくて、教育長ですね。質問項目については、所管委員会でなされたと思いますけれども、大綱にとどめられますようお願いを申し上げます。
清水議員の一般質問の途中でありますが、昼食のため、暫時休憩をいたします。
午後0時00分 休憩
午後1時13分 再開
議長(赤坂 伸一 君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
清水議員の一般質問に対する答弁を求めます。
助役(伊東 悠平 君)
私の方から市営住宅についてのご質問がございました。市営住宅に関しましては、法の目的に沿いまして諸規定が定められ、これによりまして、管理運営が適正に行われているところであります。
したがいまして、清水議員がご指摘のようなことについてはないものと判断しております。
以上です。
教育長(高橋 侃 君)
私の方から教科書にかかわってのご答弁を申し上げます。
1点目の採択に当っての中立性の保持につきましては、今後広い分野における有識者の人数を増やす等の方向で向かっておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
2点目の教育委員会のかかわりについてでございますが、私自身教育委員会協議会のメンバーの一人でございますので、江別市教育委員会におきましても、採択にかかわって協議及び意見反映等をしているところでございますので、ご理解いただきたいと存じます。
清水 直幸 君
先ほど議長より大綱にとどめるようにというご指導がございましたので、詳細につきましては、また委員会の方に戻って述べさせていただきたいとは思いますけれども、最後に教科書の採択問題で最大の問題は、文部省が定めた学習指導要領に基づいて製作されている学校教科書を選定する機関に学習指導要領を否定しているような方々、またそこに所属しているような委員が含まれているのではないかということです。中立な立場でそのような関係の中で出版社が教科書を作れるだろうかと、公平な立場で教科書の採択をできるだろうかと、選択の余地のない子供たちにそのように選ばれた教科書を与えて良いのだろうかと、それも我々の税金を使ってであります。
(「事実だけを言え、事実」の声あり)
それでいいのか日本と思うのでありますが、この後は要望ですけれども、先ほど有識者の方々の人数を増やしていくということでございました。専門的な知識が大変必要です。それも委員の一つの条件でありますけれども、今この状況で必要なのは、一般的な良識、日本国民としての愛情と自覚を持つような方々の委員会への参加が必要ではないかと、各地区の教育委員会の各メンバーの皆さんを含め、父母、PTAの参画の樹立をもっと増やしていただきたい。また、採択後、8月15日以降ですけれども、その経過、また理由、もしできるならば各メンバーからの意見なども公表、公開できるような体制を今から考えていただきたいと思います。
以上、要望を含めまして、終了させていただきます。