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平成13年第1回江別市議会会議録(第2号)平成13年3月6日 4ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き

議長(赤坂 伸一 君)

 以上をもって尾田議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 齊藤議員の教育行政についての質問を許します。通告時間25分。

齊藤 佐知子 君

 ただいま、議長より質問の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問してまいります。
 教育行政についてお伺いいたします。
 1点目は、不登校児童生徒の対応についてお伺いいたします。
 過去においても質問させていただきましたが、論点を変えて何点かお伺いいたします。
 昨年第3回定例会で質問させていただいた時点では、小学生7人、中学生36人の計43人が不登校児で、前年度の同時期に比べると12人の減少ということでした。これは、専任指導員の先生方、また学校全体の不登校児童に対する解決への努力の結果と評価しております。その後においても、減少傾向だったようですが、ここに来て徐々に増加傾向を見せ、1月末時点では小学生20人で13人増え、中学生は49人と13人も増えております。態様別に見て私なりに分析してみますと、無気力型が17.4%、不安など情緒的混乱型が15.9%に対して、複合型が40.6%と不登校児童生徒の4割以上も占めております。季節的な要因もあると考えますが、十分な対応ができていない結果で、看過できない状況ではないかと思います。
 中学校には十分ではありませんが、スクールカウンセラーとか心の教室相談員などの対応がありますが、小学校には児童相談員との不登校相談などもあるようですが、その対応では不十分であります。小学生の親からは、不登校の原因が多様化してきているとの指摘もあり、子供たちに対応できる学校環境の整備が必要なのではないかとの声も受けております。前回、教育長は、学校の中ですべて対応するとのご答弁を受けましたが、不登校児童対策は学校の中での対応は限界に来ていると考えます。現状をどうとらえ、どのようにお考えなのか、最初にお伺いいたします。
 また、江別市の不登校児全体から見てみると、不登校状態が継続している小学生、中学生が増加しているようです。全国的に見ても、このような傾向が見られるようですが、不登校が継続している理由として、無気力で何となく登校しない、迎えに行ったり強く催促すると登校するが長続きしない、登校の意思はあるが、身体の不調を訴え登校できない、漠然とした不安を訴え登校できないなど、不安を中心とした情緒的な混乱によって登校できないなどの調査結果が報告されており、この背景には、学校生活上の影響で嫌がらせをする生徒の存在や教師との人間関係など、明らかにそれと理解できる学校生活上の影響から登校できない、また不登校状態が継続している理由が複合していて、いずれが主であるかを決め難いなどと様々であります。
 この調査は、教育関係の新聞の内容であり、この調査の一部に教師との人間関係も不登校の影響の一つとして分析しているのであります。国会においても、教師の資質や指導力についての議論を盛んに行っているようでありますし、全国的に見てもこの問題がクローズアップされております。市内においても、PTAの中で教師の指導力についての話題が少なからず上がることがあります。新たな教師と児童生徒との信頼関係の構築をする努力をするべきではないかと思うのであります。
 学校は本来、ある意味では子供たちにとって友達に会える楽しみの場所の一つであったはずであり、当然勉強するところであり、また友情をはぐくむところでもあり、社会性を身に付ける場でもあると思います。その中で、人間性も養われているのではないかと私は思うのであります。ところが、戦後経済成長していく中で要求されたことは、家庭からも社会からもとにかく勉強をして良い会社に入ること、他人よりも上の立場に立つことが良いこと、素晴らしいことと言われ、社会の教育だったわけであります。決してこのことが悪いと言っているのではありません。ただ、余りにも社会的目的のためだけの勉強で、一番肝心な子供の心を育て、陶やすることを忘れてきたのではないかと思います。
 昨年の第3回定例会で、飯山市のことを例に出させていただいたのも、不登校児童の対応について江別市としての独自政策を出すべきだとの質問をさせていただきました。また、前段でお話ししたように、不登校の原因の中には教師の対応がウエートを占めることも否めない事実であります。ある識者は、教師は最大の教育環境であると言われております。私もそのとおりと考えております。議論の中には、親の在り方などを指摘される方もおりますが、教師の資質の向上の考え方について、教育長はどのようにお考えになっているのかお聞かせください。
 次に、不登校に関して、我が家とは無縁の問題と思っている保護者の方に対して、また関係ないと思っている保護者の方に対しても一定の理解を得ていただき、同時に現在悩んでいる保護者には気軽に相談をと呼び掛けるためにも、保護者向けリーフレットを作成してはどうでしょうか。今、悩んでいる方に不登校はどの子にも起こり得る問題であることを示すとともに、一人で悩みを抱え込まず、気軽に相談できる体制が必要ではないかと考えます。
 滋賀県の教育委員会では、関心の薄い層にも正しい理解を得ていただくために、リーフレットの作成に取り組んでいるとのことです。内容は、不登校はどうして起こるのと題して、一般に考えられている背景、きっかけを解説した後、不登校の前提として一つには、学校は、不登校はどの子にも起こり得る可能性があるという認識を持っている、二つ目に、不登校問題で何よりも重要なことは、そのことで児童生徒自身や親が悩んだり傷付いたりしているということ、三つ目に、不登校の子供は心の成長の助長期であり、決して怠け休みでないので、周囲の人はゆとりを持って接する必要があることなどの3点を強調しているとのことです。
 またさらに、予兆と考えられる点を上げ、家庭で子供の様子や心の動きをじっくりと見守ることが大切とのアドバイスや、心の触れ合う温かい家庭を目指してをテーマに、家庭の在り方などの助言をされているようです。
 教育委員会では、不登校は特に中学1年時に増えることから、各中学校で開催されている入学説明会などで配布しているとのことです。担当の方は、「不登校は確実に増えており、大きな問題となっている。そこで、できるだけ多くの方に知ってもらうために取り組み、これですべてオーケーというわけではなく、不登校に関心の薄い方にも理解していただき、また現実に悩んでいる方が少しでも気を楽にしてもらえればと思っている」との話をされておりました。
 江別市としても、学校の先生また専門機関等を通して、一生懸命取り組んでいただいていることに対しては一定の評価をしているところでありますが、まだまだ不登校児童生徒、またその親への理解が薄いのではないかと思います。その点、滋賀県で取り組んでいるこの保護者向けリーフレットは、不登校対策の一環として必要な一つの対策ではないでしょうか。教育長の見解をお聞かせください。
 2点目に、いじめと暴力行為についてお伺いいたします。
 文部省の1999年度の問題行動調査の結果によれば、公立の小中学校と高等学校の児童生徒が起こした暴力行為は3万6,000件を超し、過去最多を更新したとのことであります。暴力行為が学校内で発生した学校数は、全学校中15.2%であり、学校外で発生した学校の割合は8.4%だそうです。また、いじめに関しては、減少傾向は見られるものの、依然3万9,000件を超す報告がなされております。これらの数字は、学校側が報告した件数に基づいたものであって、私立の学校は調査対象には入っておらず、氷山の一角にすぎないとも言われております。
 問題なのは、子供たちにとって学ぶ喜びの場となり、生きる喜びの場であるべき学校において、いじめや暴力などの問題が半ば常態化しているということであります。いじめ防止の環境づくりとともに、いじめや暴力は絶対許さないとの気風を社会全体で確立していくことが強く求められていると思われます。子供たち同士社会の犠牲になることなく、すべての子供たちがその可能性を無限に広げ、一人残らず幸せな人生を歩んでいける環境づくりとともに、その豊かな成長の芽を子供同士で摘み取ってしまうような悲劇だけは絶対に学校からなくしていかなければならないと思います。そのためにも、今まで以上に家庭、地域、教育現場の連携を強くすることが必要ではないかと思われますが、いかがでしょうか。
 昔もよく子供たちがけんかをしていたように思いますが、現在起きているいじめ、暴力行為とは少し違い、理解し合うための一つの行動であったように思います。文部省の問題行動等に関する研究調査で協力者を務める岩井上越教育大学教授のお話によると、「最近の暴力はキレルという言葉に指摘されるように、面倒なことは考えず、欲求を充足することに走る。人間関係を構築する力は弱く、自分の思いどおりの人間関係ができないと非常に大きなストレスを感じ、その結果暴力行為につながることがある」との指摘をされております。
 私は、人間関係の根本は、この世に生を受け、親子、兄弟から始まり、親戚、隣近所のおじさん、おばさん、初めての団体生活で友達関係のできる幼稚園、小学校、中学校、高等学校と、どんどんと社会が広がっていくものと考えております。その中で、楽しいことや悲しいこと、つらいことなど、様々なことにぶつかりながら成長し、それぞれの素晴らしい人格形成ができていくものであると信じております。
 江別市の中学校生徒の問題行動とその増加を見ていると、十分それらのことが理解されず、成長できぬままに年々増えてきているのではないかと思います。とにかく、人間としてわきまえるべき当たり前のルールが通じなくなってきている今日、その原因がどこにあるのかもっと真剣に取り組み、いじめや暴力行為は悪であり、絶対に許さないとの気概で取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、今までいじめや暴力行為などにどのように対応されてきたのかお伺いいたします。また、中学校だけではなく、小学校、高等学校の問題行動はどのように把握され、理解されているのかお聞かせください。
 3点目に、授業の始まる前の朝の10分間の取り組みについてお聞きいたします。
 朝の読書推進協議会の調査によりますと、全国の小学校、中学校、高等学校で把握されている朝の読書の実施校の数は、2001年1月末で5,225校になったとのことであります。朝の読書は、始業前の10分間、教師も生徒もみんなそろって自分の好きな本を読むという、実に簡単な活動であります。だれでも、どこでも、いつでもできる実践です。みんなでやる、毎日やる、好きな本で良い、ただ読むだけ、この活動をきちんとやることで、読書離れを救うことにもなるというのです。
 実施されている生徒の声をご紹介いたしますと、あんなに嫌いだった本が好きになったとか友達との話題も増え、友達から借りたり貸したりと友情が深まったように思うとか、家ではゲームをほとんどやっていたが、本を読む時間が生まれた、また漢字が読めるようになった、1冊の本を読み終えると、一つのことを成し遂げた充実感が生まれ、自信が持てるようになったなどの声があり、その中でも人の悲しみや痛みが分かるようになった気がするとか他の人の生き方が分かり、自分はどう生きれば良いのか考えるようになったなど、様々な声が出ているとのことです。
 このように、実施されている学校、生徒にとっても、大きな成果が生まれつつあります。中には、朝の10分間の読書を生徒全員が行うのは強制ではないかと言われる方もおりますが、先生も生徒もそれぞれ自分が一番読みたい本を朝の一時、心静かに読むことは素晴らしいことで、決して強制に当たることはないと考えます。
 子供たちが、朝学校に着いて、授業の始まる前の10分間は貴重な時間であります。ところが、現在の状況を聞いてみますと、ほとんどの小学校、中学校では漢字のテストや計算問題などの小テストをしているとのことです。授業時間割が決まっている中で、この朝の10分間だけは勉強だけではなく、もっと心豊かな価値ある時間にしていくべきではないかと思うのです。例えば、朝のこの時間帯を読書の時間として取り組んでみてはいかがでしょうか。
 第43回読書調査によりますと、本を読まない理由の中に、小学生の場合は、漫画や雑誌の方が面白いと答えた子が59%も占めており、テレビやゲームの方が面白いと答えた子が47.5%、不断いつも読まないと答えた子が44.6%と、非常に高い割合で子供たちの本離れが増えているのであります。
 今、なぜ読書なのかといえば、ある識者は「第一に、読書経験がある意味で人生経路の縮図を成している。第二の意義として、蓄えられた読書経験は、ちまたにあふれ返るバーチャル・リアリティのもたらす悪影響から魂を保護するバリアとなる。バーチャル・リアリティは、その刺激性の強さゆえに、リアリティの世界にのみはぐくまれる他者の痛みや苦しみへの共感性、想像力を覆い隠してしまいかねない。さらに、作られたイメージを受動的に受け取る環境ばかりに身を置いていると、能動的な諸能力、考える力、判断する力、愛し共感する力、悪に立ち向かう力、信ずる力など、内発的な精神性が衰弱してしまう。第三の意義として、読書は青少年のみならず、大人たちにとっても日常性に埋没せず、人生の来し方行く末を熟考する良いチャンスとなる。何といっても大切なのは、読書経験を通して子供たちの問い掛けを大切にはぐくみながら、時間を掛けて自分を見詰め直し、自分の力で答えを探し出す力をはぐくんでいくことだ」と言われております。
 今まで、本の大切さ、本のすばらしさ、本の必要性を家庭内でも学校でも十分に教え切れなかったことは、私たち大人の責任でもあると思うのです。この朝の10分間の活用は、子供たちの情操教育の一環でもあり、心の豊かさをはぐくむためには是非とも必要で大切な時間と考えます。たった10分の取り組みではありますが、持続することで、生徒が自らの力で問題解決できる一つの方法だとしたら、素晴らしい成果ではないかと思うのであります。教育長の見解をお伺いいたします。
 4点目に、学校環境の充実についてお伺いいたします。
 トイレの環境改善についてでありますが、学校のトイレは、暗い、汚い、臭いといった3Kのイメージがあり、子供たちが気持ち良く使える場所ではないようです。私もPTAの一員として学校にはよく行かせていただきますが、そのようなイメージも否定できないというのが実感であります。
 神戸市教育委員会では、子供たちがトイレに行きやすい環境づくりの基礎資料として、3K対策やトイレの使用状況の実態調査を実施したとのことであります。アンケートでは、トイレの概要、校内の3K対策、維持管理方法、子供の使用状況、洋式トイレへの変更の要望、トイレに対する指導状況の6項目と自由意見を調査したとのことです。
 子供たちは1日の3分の1は学校での生活です。江別市においても順次計画を立てて進めていることも承知しているところではありますが、今は家庭での生活環境がほとんど洋式化している状況の中で、学校に行って初めて和式のトイレに戸惑う子もいて、施設整備が遅れていることは、学校でトイレに行くのを我慢するなど、健康面に影響を及ぼすことになるとの指摘もあります。
 平成13年度の国の予算の中にトイレ改造の補助制度が組まれ、3分の1の補助率で改修できるということですが、江別市の学校のトイレの改善状況はどのようになっているのでしょうか。和式、洋式の配分も含め、将来計画をお聞かせください。
 もう1点、現状のトイレ清掃は子供たちが担当しているようですが、トイレ清掃の指導の在り方の一考が必要かと考えます。それは、余りにも公共のトイレとしての清掃が行き届いていない現状があるからであります。その対応も含め、教育長の見解をお伺いいたします。
 以上で、第1回の質問を終わらせていただきます。

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