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平成12年第1回江別市議会会議録(第3号)平成12年3月8日 4ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き 

一般質問の続き

副議長(川村恒宏君)

 以上をもって高橋議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 宮澤議員の教育行政についてほか1件についての質問を許します。通告時間30分。

宮澤義明君

 ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、質問通告に従い順次質問させていただきます。
 今年は、日本的にいえば平成12年1月1日でしたが、西暦では2000年1月1日となり、記念すべきミレニアムの年の幕開けでもあります。
2000年という区切りの年ですが、コンピュータにとってはY2K問題、誤作動を起こす可能性もあり、市長をはじめ職員、病院関係者の皆様には、大みそかから新年早朝まで警戒態勢についていただいたとのことであります。また、2月29日も心配されましたが、郵便局や気象庁でトラブルが発生しただけで、大きな事故には至らず、安心をいたしました。関係者の皆様に感謝を申し上げます。コンピュータ社会でもあり、今後もこうした問題が発生する可能性もあり、心していかねばなりません。
 さて、日本経済にも緩やかではありますが動きが見え始めた今日、江別市でも2000年度の一般会計を含む予算案が上程されました。今後、予算特別委員会で集中的に審議されますが、市内経済も依然厳しい状況が続いており、市民生活に一番密着した予算でもありますので、十分審議を尽くし、納得のいく予算案の決着を見たいものと期待しております。
 最初は、教育関係について質問をさせていただきます。市長の所信をお聞かせいただきたいと思います。
 私たちの国、日本は国土も狭く、人口の多い、資源の少ない国です。そんな日本でも、近代化を目指した明治初期から懸命に西洋技術・文化の習得に力を注ぎ、大変な時期を経て、当時の世界先進各国に迫るほど経済力をつけてきました。昭和10年代には、事情があったにせよ、第2次世界大戦という無謀な戦争を仕掛け、東南アジア全域の国と民衆に多大な被害を与え、自らも大きな痛手を被りました。その後は、日本人の勤勉さ、まじめさにより驚異的な復興を遂げ、経済大国として今日の地位を築くことができました。それは、明治期からの各界のリーダーが、資源のない我が国が世界の中で生き残るには人材を育てるしかない、教育に力を入れるしかないとの思いで、貧しい国ではありましたが、教育の充実に力を注いだからにほかなりません。
 しかし、近年、日本の成長の原動力であった教育と教育制度が急速に力を失いつつあるように見えます。時代的にも平穏、経済的にも裕福になり、食べるために、また食べさせるために一生懸命働き続けてきたこの国の庶民やリーダーたちが、利他という公や他人のための使命感を忘れ、自らのためにだけ心を用いる利己主義に陥ってしまったからではないかと思います。その結果、勉強することも知識も自分のためという一部の学力エリートをこの国は生み出しました。
 アリストテレスは、「国家の命運は、かかって青年の教育にある」とも述べ、青年を大きく成長させることができるかできないかで国の運命が変わるとも語っております。私たちはもう一度、何のための教育か、原点に戻って学ぶことをみんなで考えなくてはならないと思います。
 最近起きた犯罪で、教育、しつけがきっかけではないかと思わせる青少年の犯罪が報道されました。特徴は切れる、引きこもりだそうですが、学校や家庭での何かのきっかけで心の中にひずみが生じ、それが友達や親によって矯正されず成長していった結果、小学生を切り殺し、結果的には自らも自殺をしなければいけなかった青年の事件や、小学生を誘拐し、かわいかったから、そばに置いておきたかったといって、いたいけな少女を9年2か月も幽閉していた青年の問題などを引き起こしていったのではないか。個人の資質の問題にもよるところが多いかもしれませんが、基本的には家庭内での情操教育、しつけ、そして学校における教育に問題が あったように思います。少なくともこれから21世紀を目指しての教育は、知識が優先の学校教育ではなく、 個々の個性、資質が大切にされ、生かされるような、思いやりのある魅力的な人間を作る教育を目指すべきであります。
知識教育の反省からか、最近、幾つかの学校現場では、生徒の好みや進路に応じて、高齢者福祉の現場や商店など身近な地域社会を通し、実社会を体験させる体験学習が試みられています。ただ、今のところ2時間とか、長くても半日などの試行錯誤的な取り組みも多いのが実態ですが、それでも初めて高齢者の介護のお手伝いをして、介護することの大変さを知ったり、商店で接客の体験をするなど、家庭で体験できない経験をすることにより社会に対する見方が変わったと、おおむね生徒の皆さんには好評のようであります。
 兵庫県では、5年前の阪神大震災での経験と、少年による小学生連続殺傷事件が起きた反省から、お互いが地域のことを知ることが大切と、地域・家庭・学校を結ぶ交流体験を行うプログラムをスタートさせました。全中学校350校の2年生を対象に行うもので、1週間の職場体験を行うトライやるウイークという教育プログラムです。体験学習を実践することにより、大きな成果を出したと伺っています。
 実は、兵庫県が行った1週間程度職場体験をするというのが大変良いそうであります。最初の2日間は声が小さいとか遅刻するとか、商店の経営者からもクレームがついたそうですが、3日目、4日目になるといらっしゃいませという元気な声が出始めて接客が上手になり、そして5日目くらいからはなかなかいいじゃないかという評価に変わるというのであります。また、不登校気味の子供でも、1週間たつと職場になじみ、社会体験を積むことにより、その後は学校に復帰できるケースも多くあったと報告されています。
 しかし、運営で何が大変かといえば、学校の先生と地域の商店街の人が子供をどこに行かせようかと決めるのに、大変な労力と時間が必要になるそうであります。そのためには、こういう性格の子供はこういう職場に行かせようという地域をつなぐ仕切り屋、まとめ役のコーディネーターが必要であり、コーディネーターを集める組織を作ることが必要であります。その地域コーディネーターが諸行事を支援する学校ボランティアとして発展、波及していけば、この事業もスムーズに進むようであります。
 そこで、市長に質問ですが、12万市民の江別市長として、市民の子弟の教育に精魂を込めてリーダーシップを発揮していかなければいけないという立場にあります。市長が市民の子弟に対してどのような姿勢で学校教育に取り組まれようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。また、21世紀の社会に向けてどのようなメッセージを伝え、どのような教育方針で進めようと考えておられるのか、この機会に是非お示しをいただきたいと願います。
 また、全国一律の知識の詰め込み型教育から、地域、個性など自分の知恵をわかせる知恵創出型の教育に改革すべき時期に来ていることも前段でお示ししました。知識は普遍であっても、体験することによってしか磨かれない、また得ることができない知恵もあり、同時に、子供の時代でしか経験できないこともあります。まして、三つ子の魂百までもということわざもありますが、青少年の人間性、人格を形づくる期間は本当に短い期間しかないと考えます。そこで、江別でもトライやるウイーク的体験学習を実行すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、地域ぐるみで子供を育てていこうという意味で、長年教師を務めてきた経験豊かな先生たちや関係者の方を地域のまとめ役、コーディネーターとしてお集まりを願い、学校の支援ボランティアとして活躍願ったらいかがでしょうか。当然、体験学習を実行するときには、地域と学校と子供をつなぐまとめ役としてお力をお借りします。21世紀が私たちにとっても、また子供たちにとっても大変貴重な期間だったと言われるような世紀にしなくてはなりません。教育長のご答弁を求めます。
 また同時に、市民憲章にもうたわれた郷土江別の大自然の中でしか体験できない地域教育も、今こそ実現すべき時期ではないでしょうか。札幌市という大都会に隣接する石狩平野の真ん中を悠然と流れる石狩川と、うっそうとした野幌原始林、どこまでも果てしなく続く水田、このフィールドを生かした体験学習広場です。この施設では、夏は水田や畑での共同作業、冬はやきもの制作など、仲間と宿泊を通じて体験学習を行います。
 このように質問しますと、市長は「趣旨は大変よく理解できますが、それらに係る財源も計画もない」と言われますが、私たちの世代は子供たちに大きな借財を残しつつあります。私は先行投資、一部先払いの覚悟で子供たちに社会教育体験施設を整備すべきと考えます。市長にお答えを賜りたいと思います。
 次に、教育長にお尋ねします。教育現場を長く体験されたお立場から、現行教育の善しあしと、ここを改善すれば学校教育は改善されるという点があれば、お聞かせ願いたい。また、市長に答弁を求めた体験学習のための社会教育体験施設の整備と活用についてはいかがお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。子供の成長など大きな教育効果があると私は考えていますが、教育長のご答弁を求めます。
 関連でお聞きします。私たちが江別で努力している環境づくり、ニューフィールドなるものは、新情報産業先端都市の形成であります。RTN計画は私たちの先輩が、21世紀に江別が世界に向かって飛躍するためには絶対に必要な産業基盤であるとの決意で進められてきたものであります。その過程でも、現在であっても、無駄な投資だ、規模を縮小すれ、取りやめるべきだとの多くの批判もあり、計画の推進に反対の方もおられます。
 皆様もご存じのように、今、世界の成長産業、経済の中心は情報先端産業であります。コンピュータなし、インターネットなし、パソコンという道具・ツールなしでは世界と対等に競うことさえできない社会になりました。まさしくIT革命(インフォメーション・テクノロジー革命)と呼ばれ、まさしく先端産業が世界経済をリードしております。アメリカの好景気、株高も情報先端産業によってリードされており、ナスダックのけん引役は情報先端産業なしには考えられません。
 善しあし、好き嫌いは確かにあるかもしれませんが、今、江別はひたすらRTN計画を一日も早く軌道に乗せることができるように、条件、環境を整える努力が必要であります。しかし、これまでの努力は認めますが、しかし、私はこれだけでは足りないと思っております。今、世界の公用語は英語であり、瞬時に世界と交信することのできる手段はパソコン・インターネットです。現在の我々の知識水準、価値を判断材料にして十分やっているではないかと考えているかもしれませんが、これからの青少年は最低限英会話、パソコンを知らなくては、世界の第一線で活躍することは不可能なのです。
 私は先ほど来から、その地域でしかできないことを体験学習しましょうと話しました。また、今江別が目指している世界はニューフィールド、情報先端産業のまちづくりですとも確認させていただきました。今、江別が日本のどこの地域よりも、また学校よりも早く取り組まなければいけないことは、小中校生、高校生、大学生に対し社会教育体験施設、各学校など、どこの施設でも結構ですが、希望者に対して徹底した英会話の推進、パソコン・インターネットの学習を進めるべきではないかと考えます。そのために必要な人材については、臨時職員対応、行政機構の見直しで職員枠を削り出しての採用、不足分の指導者は地元の情報系大学の教員、学生、留学生にも協力をいただき、早急に教室を開設すべきであります。
 江別でRTN計画を成功させ、文字どおり世界最先端の情報産業都市を目指そうとするならば、まして世界で通用する青少年を育てようとするならば、国家でも企業でも世界でも欲しい人材を江別で育てなければなりません。そのための基礎となる人材の育成が今、急がれております。是非とも一定の予算を確保し、早急に計画を進めるべきと考えます。市長、教育長のご答弁を求めます。
 次に、通学区の問題についてお聞きします。
 豊幌小学校を卒業した子供たちは、地元に中学校がないため、現在、JR線と通学バスにより江陽中学校に通学を余儀なくされています。このような通学は江別市内ではただ1か所、豊幌だけです。
 前回の一般質問でもお尋ねしましたが、学校教育行政推進の重点項目の中に教育効果の向上のため、教育施設の整備充実を図るとありますが、豊幌以外では正しくそのとおり努力されていますが、豊幌地域だけは重点項目の内容は度外視、無視されています。
 ある教育関係者にこのお話をしたときに、地元だけでは中学生が少ないから、大勢中学生が通っている学校の方がいいのではないかとの話をされておりました。ある一面から見れば、言えなくもありません。しかし、できることならば、一部の中学生だけに余分な負担がかかる通学方式はとらない方がベターであります。
 市内のすべての中学生に教育の機会均等をが私たちの願いでもあります。そのため、新年度予算にはスクールバスの運行経費が計上され、現在より格段に改善されましたが、根本的な改善には至っておりません。財政が厳しい中での運行経費のねん出は大変つらいものがあり、まして今後何十年にもわたってねん出し続けなければならず、さらにひっ迫した財政時にも運行を維持しなければならないわけで、大変疑問であります。現在の目先の対策ではなく、根本的な対策、中学校の建設を目指した準備を今こそすべきではないかと私は考えます。市長の大局的見地に立ったご答弁を求めます。
 また、通学上の不便さをスクールバスの運行という解決手段を今回は採用したわけですが、豊幌の中学生、親に、他中学校など別の学校に通学する選択権を与えて解決する方法も取り得たのではないかと考えます。教育長のご答弁をお聞かせください。
 また、一般的には、教育機会の均等と、平等・公平に教育を受ける権利からすれば、学生、親の希望で進学する学校を選択する権利があってもよいのではないでしょうか。そのことにより学校間の特長が顕著に表れ、教育・学校現場の姿勢も問われ、先生方の取り組みにも大きく影響が出てくるようにも思われます。
 先日、東京都では学校進学の選択を自由化するとの報道がなされておりました。江別市でも調査を進め、学校進学の選択を自由化すべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長のご見解をお聞かせください。
 通学区域の変更について、もう1件お伺いいたします。
 従来、通学区域を決めるに当たっては、住区、地域の生い立ち、中学校区、通学上の支障物件など、例えば大きな道路、JR線、川などの諸条件をも検討して決めているとお伺いしております。
 第1番目に検討しなければいけないことは、子供にとって安全な通学環境であるかどうかということであります。大きな川を渡るとか、線路を越えなければいけないなどの条件は、当然チェックの対象になると考えます。そのような検討項目からすれば、東光町から江別小学校に通う子供たちについては大変危険で、通学区の変更も視野に入れなければいけません。
 また、中学校の通学区域からすれば、江別小の大多数の卒業生は江別第一中学校に通学することになりますが、東光町からの卒業生は江陽中学校に通学することになります。江陽中学校にあっては、江別小学校出身者は全中学生の10%前後です。地理的条件を考慮に入れるならば、通学区の変更も検討しなければいけない時期に来ているのではないかと考えます。東光町の通学区域の変更問題について、教育長のご見解を求めます。学校進学の自由選択権が得られれば、この問題は解決いたします。
 次に、学校統合の問題についてお伺いいたします。
 私の母校でもあります江別小学校は、市街地の発展とともに生徒数が増加し、大規模校となりましたが、市街地の人口減、高齢化とともに生徒数の減少が続き、市内でも生徒数の少ない学校順でいくと5番目の小学校となっております。学校の設立も明治25年と古く、数多くの人材を輩出した歴史ある学校でもあります。
しかし、現校舎は昭和28年、屋体は昭和35年の建設と寄る年波には勝てず、補修が必要となっており、その上、体育館は現在の規格に合わず、バレーボール大会など正式な試合が組むことができない体育館となっております。そのためには、今次予算に計上されているように、教育施設の近代化、大規模改造を行うべきと考えますが、現状の市街地の状態では生徒数の増加は見込めず、前段で質問した通学区の変更、見直しなどを行えば、さらに生徒数が激減することは明らかであります。
また、市街地に隣接する緑町も、社員住宅の減少や高齢化などで周辺住民が減っており、江別小学校同様、第三小学校についても生徒数の増加は見込めない状態です。校舎についても、江別小学校と同様に昭和26年の建築で相当傷んでおり、大規模な補修を必要としております。
歴史も伝統もある両校ですが、基盤となる住区の衰亡は覆うべくもなく、新たな展望を図る時期に来ております。幸い両校の通学区域も、分離新設校の誕生により通学範囲が狭くなり、仮に両校が統合したとしても、基準以上の通学距離にはならないと考えます。両校の生徒の教育環境の改善を図るため教育施設の近代化を検討すべきで、そのためには学校統合によるスケールメリットを生かして大規模改造を行うべきではないでしょうか。学校の統合について検討する時期に来ているのではないかと考えますが、教育長のご見解をお聞かせください。
今後、江別地域が明らかに発展する様相を見せ、児童数が増加することが明らかであれば、統合する必要はないと考えます。江別地域の再開発と今後の発展の予測及び通学区の変更の考え方、学校統合について、市長の総合的なご見解をお聞かせください。
次は、小中校生に対して、教育分野でのミレニアム事業を検討していただきたいということで質問します。
本年は20世紀の最後であり、西暦から見れば2000年の区切りの年でもあります。明年から始まる21世紀は、新1000年のスタートの年でもありますが、私を含めこの議場におられる方々は21世紀の前半で姿を隠す方々ばかりです。21世紀の主役ではもうあり得ません。21世紀の主役である小学生、中学生、高校生、専門学校生、大学生、それに海外からの留学生を加えた方々に、21世紀の未来を創造し、それぞれ得意な分野で研究発表、論文の提出、作曲、絵画などに託していただき、作品を提出していただいたらいかがでしょうか。記念大会、コンクールを企画し、21世紀のスタートを意義あるものにし、共に祝い合いたいと考えます。当然、作品を発表された優秀者には、作品の発表の機会と表彰の方法を検討し、努力にこたえたいと考えます。
 今年の予算には、2000年の記念事業として、多目的市民広場のオープン記念として市民スポーツフェスティバルと、21世紀の幕開けを記念して市民合唱団と札響が競演する新世紀記念・第九を唱う市民の会の予算が計上されております。是非成功していただきたいと念願しておりますが、21世紀の主役に対しても、ミレニアム事業を是非ともご検討いただきたいと考えます。教育長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次の質問は、過去の定例議会でお聞きしたPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)について再度質問させていただきます。
 PFIとは、皆様も既にご存じのことと思いますが、イギリスで生まれた民間主導による公共事業のことで、民間が資金面だけでなく、培ってきたノウハウを公共事業に提供し、公共施設の設計から建設、維持管理、運営までを民間が主導となって行う事業のことであります。
 この制度を考案したとき、イギリスは財政難に苦しみ、公共サービスの質の低下に悩んでいたときであります。80年代から公共事業、公共サービスの民営化を推し進め、その延長線上から1992年に公共事業の改善の手法の一つとしてPFIを考案しました。現在、既に公共事業の1割強を占め、財政支出の削減や民間の事業拡大に貢献しております。
 日本は、国債発行残高が今年度末で645兆円になるほど財政危機に陥っており、財政再建と公共事業の新たな手法として、PFIの導入に向けて検討が進められてきました。その結果、PFI促進法案(民間資金等の活用による公共施設等の整備の促進に関する法律案)は、議員提案で国会で可決を見たところであります。
 財政難とはいえ、少子高齢化社会の本格的到来を目前にした今日、安心して暮らすための社会構築は必要であり、未来型の社会資本整備が以前にも増して求められております。そのため、現政権は社会資本整備の継続と世代間負担を担える社会体制を目指し、全国的に出生率の向上を図るための子育て支援・少子化対策としての新エンゼルプランの策定、児童手当の拡充、育児・介護休業手当のアップを推進しています。
 また、高齢者に対する政策としては、公共交通機関が安心して使えるように、鉄道やバスなどのバリアフリー化、公営住宅にエレベーターの設置を進めてきたところでもあります。また同時に、地域的な市民要望の期待にこたえるためにも、効率的な整備手法を検討していく必要があります。
 現在、市民要望として期待されている施設は住区会館であり、野幌地区の介護保険の中核センターであり、市営住宅、福祉機器センター、これは福祉機器の補修並びに保管、貸出しなどを行う施設ですが、そのほかに地域再開発なども今後の検討対象と考えることができます。
 今までは、これらの事業はすべて行政が計画し、発注、財政負担を行っていましたが、今後はPFIも一つの手法として可能となります。PFIの手法としては、市の事業計画に対応して民間企業グループが設計、資金調達、建設、運営、管理まで行うシステムで、市は受益するサービスに対して利用料を払います。当然、民間経営のノウハウを生かすとともに、リスクに対しては、第三セクター方式のように形だけは民活としながらも、実態は行政が主導し、リスクも行政が持つような中途半端な方式とはせず、役割の範ちゅうでリスク負担を行うようにします。これらの事業計画は市の所有地も利用し、現在利用中の土地であっても、利用効率が高いと判断されれば、優先的に使用します。
 PFIについては、国においても手法を検討中ということで、いまだ具体的にはまだ明らかにされてはおりませんが、これからの公共事業の選択肢の一つになることは間違いなく、市民サービスと財政負担の軽減を図る方法として検討すべきであります。
 また、現在計画中の清掃工場については、明らかにPFIのテストケースに成り得ると考えます。公設・民営などを前提に計画を進め、民間管理を行いやすくするためのシステムをあらかじめ作り、その上で門戸を広げて入札を実施します。財政負担を軽減するために行う入札と新体制ですので、新規参入と競争を妨げるような条件は付けないことが前提となります。PFIという新システムについての導入の検討と、清掃工場がテストケースと成り得るのかどうかも含めご検討いただき、ご答弁願いたいと思います。
 また、今後の土地利用の課題として、市有地の再評価を行い、現在活用中の土地であっても、市の経費が節減でき、なおかつ現在の施設の利用が保証され、さらに大きな付加価値が生み出せそうなときには、果敢にその土地の利用をすべきと考えます。東京都では、都心過疎地区の再活性化をねらい、学校の廃校跡地に高層マンション、都営住宅を建設し、夜間人口の増大を図るため、土地利用計画を現在進めております。江別市でも今後活性化のために、すべての市有地に対して土地の利用計画書を作り、市有財産の有効活用を図るべきであります。土地の再利用を含め、土地の有効活用について、市長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 以上をもちまして第1回目の質問を終了させていただきます。市長の明快なるご答弁を求めます。

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