平成25年第1回江別市議会会議録(第2号)平成25年3月7日 6ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
吉本和子君
通告に従い、順次質問をさせていただきます。
初めに、国の生活保護基準引下げ案に対する市長の基本姿勢についてお伺いいたします。
東日本大震災から2年目を迎えようとしています。地震・津波被害に加え、原発事故により大放出された放射線によって、生活基盤全体に深刻な汚染が拡大し、残留放射線による被ばくあるいは内部被ばくによる長い年月にわたる被害の発生が懸念されています。このような震災被害の広がりの中で、国民の生活を支える社会保障制度、特に最後のセーフティ・ネットと言われる生活保護制度が本当に機能しているのかということが今改めて問われています。
1点目に、今、示されている生活保護基準引下げ案について、どのような認識をお持ちかお伺いいたします。
厚生労働省は社会保障と税の一体改革の一環として、2011年4月、社会保障審議会生活保護基準部会を設置し生活保護基準引下げの検討を行い、2013年1月、2013年度から3年間で食費や水光熱費、被服費など最低限生きるための生活費に当たる生活扶助1・2類の基準額を670億円削減する方針を明らかにしています。
しかし、引下げの根拠としている一つは、同部会報告書の生活扶助費について、全世帯のうち収入が低い方から10%の世帯である、いわゆる一般低所得世帯の生活費を上回っているケースがあるという試算結果と言われています。このケースは子供2人を含む4人世帯で受給世帯数の1%弱に過ぎず、単身高齢者、高齢夫婦世帯では生活扶助費が下回っており、扶助費全体の引下げ根拠とすることにはなり得ません。
そもそも、比較対象となった一般低所得世帯には、生活保護基準を下回るか、ぎりぎりの生活であるにもかかわらず保護を受給していない、あるいは受給できていない世帯も含まれています。その低所得世帯と比べて高いケースがあったとして生活扶助費を引き下げることは、際限のない切下げの連鎖につながり、国民生活全体を悪化させることになってしまいます。
言うまでもなく、生活保護制度は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を国民に保障する責任を国に課している憲法第25条に基づくものであり、生活保護基準は国が国民に保障すべき最低生活ラインです。
平成24年第3回定例会の高橋議員の一般質問で、生活保護制度改正については、現時点では国からの通知はない、動向を注視していきたいとお答えになっておられますが、改めてお考えをお聞かせください。
2点目に、生活扶助基準引下げによる影響が広範多岐に、しかも深刻な影響を与えることが国の資料からも明らかですが、当市の市民生活に及ぼす影響についてはどのような認識をお持ちかお伺いいたします。
生活扶助を中心とした保護基準の引下げは保護受給世帯だけの問題にとどまらないことは、国も認めるところであり、マスコミの報道をはじめ影響を懸念する世論に押されて、厚生労働省は生活扶助基準見直しに伴い他制度に生じる影響について対応方針を示しています。
例えば、生活扶助基準を基にしている個人住民税の非課税限度額を参照している制度については、平成26年度以降の税制改正を踏まえて対応する、その他生活扶助基準の見直しに直接影響を受ける国の制度については、できる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的考えとするなどとしています。
当市における市民生活に及ぼす影響をどのように捉えておられるか、お考えをお聞かせください。
3点目に、生活扶助基準引下げ案から市民生活を守る具体的な施策の必要性について、どのように認識されておられるのかお伺いいたします。
生活扶助基準の見直しに伴い他制度に生じる影響について、この対応方針には、3番目に地方単独事業について示されています。
例として、準要保護者に対する就学援助を挙げ、国の取り組みを説明の上、その趣旨を理解した上で各自治体において判断していただくよう依頼としています。この就学援助制度をはじめ、子育て世帯になくてはならない乳幼児医療費や、重度障害者医療費への助成制度をはじめ各種軽減制度、福祉除雪や福祉灯油制度など厳しい冬の暮らしを支えるこれら制度など多岐にわたり、市民生活に影響が生じると考えられます。
市民の健康で文化的な最低限度の生活基準を引き下げ、さらに生活を支える助成制度から排除するような生活扶助基準引下げは、住民の福祉の向上を本旨とする自治体の立場から認められるものではないと考えますがいかがでしょう。自治体の本旨に沿って、市民生活を守る具体的施策を講じることについて、お考えをお聞かせください。
2番目に、障がい者の就労支援の在り方についてお伺いいたします。
1点目に、4年近く実施してきた小規模作業所等製品PR及び障がい者社会参加活動の支援事業に対する評価と課題について、改めてお伺いいたします。
障がい者支援・えべつプラン21の基本理念は、障がいのある方の自立を地域で支える共生社会の形成であり、平成24年度から平成26年度の障がい福祉計画の基本目標の一つに雇用・就労施策の充実と就労能力の向上支援が引き続き掲げられています。
この間、一般質問で障がいのある方々の就労支援についてお伺いをしてきましたが、平成21年10月から始まった小規模作業所等製品販売促進事業として市内市外近郊の作業所製品を販売する江別ときめいくのオープンは、障がい者の働く場をつくり、働く姿を市民の前に示してきたことで、作業所や障がいに対する市民の方々の理解を深める役割を果たしてきたものと評価をしております。
その一方、就労という立場で見れば、この江別ときめいくでの経験や実績からは一般就労に結び付かないことから、今後の在り方として就労訓練の場として検討するといったお考えが、既に定例会の一般質問の中で示されています。
平成24年度からの江別ときめいくの1年間は市内民間法人が中心となって事務局を担い活動を続け、通算すると4年近くの事業となりますが、この間、お2人の障がい者の方が市内のスーパーで働いているともお聞きしております。就労訓練の場から一般就労へとステップアップの場、実地訓練の場として活用されてきたと評価することができるのではないでしょうか。改めてどのようにお考えかをお聞かせください。
2点目に、福祉的就労から一般就労への支援策の充実強化についてお伺いいたします。
平成24年度から平成26年度までの3か年の障がい福祉計画には、障がい者の就労支援では、教育機関、福祉関係機関、労働関係機関等との連携の仕組みづくり、企業の理解の促進、就労移行支援事業の活用などで一般就労への移行を進めるとしています。
しかし、当市においては、一般就労に近い形での就労訓練を提供する事業所がないことをはじめ、近隣市に比べ障がい福祉サービスを提供する事業所自体が少ないとの指摘も聞いています。また、就労の場を確保するためには、市内企業に対して障がい者の特性について理解を深めてもらうための取り組みも求められます。
この立場から、江別ときめいくの活動を更に発展充実させる方向での検討こそ求められるのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
3点目に、障がい者の法定雇用率引上げに呼応した対応についてお伺いいたします。
平成25年度4月からは障がい者の法定雇用率が引上げになり、民間企業では現行1.8%から2.0%に、同時に事業主の範囲も従業員56人以上から50人以上に変更になることが広報されています。
一般企業が障がい者を雇用する場合、障がい者の雇用の促進と継続を図るために必要な施設・設備の設置や整備が求めらていますが、かつて市が行った市内企業に対するアンケート調査では、これら施設・設備が未整備という回答が寄せられ、就労へのハードルが高い状況であることがうかがえるというものでした。
障がい者の法定雇用率引上げに呼応し障がい者の就労が促進されるよう、企業への広報をはじめ、この間明らかになっている市内企業の受け入れ態勢への課題解決とともに、新たな問題点の把握など、市としての対応が必要と考えますがいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
3番目に安心・安全な市民生活に関わる道路・生活道路の整備の在り方についてお伺いいたします。
1点目に、側溝のある生活道路の整備の状況についてお伺いいたします。
この問題については、何度となく一般質問で取り上げられてきておりますが、それだけ市民生活に大きな影響を及ぼすものであると言えます。特に、両側にU字型側溝のある生活道路ではその分歩道部分が狭くなり、落ちそうになったとか、脱輪したとか、大事に至らない事故は日常見聞きするところです。
このような側溝は昭和40年代後半に造成された住宅地に多く見られますが、自治会等の要望書も勘案して計画的に整備されているとお聞きしております。その現状についてお聞かせください。
2点目に、通学路や公園周囲、高齢者の居住割合などの地域特性をも考慮した長期的な視点に立った計画的な道路整備についてお考えをお伺いいたします。
生活道路の改修は、平成10年度から側溝を含めた路面凍上改修工事を行っていると、説明をお聞きしております。改修道路の決定において、地元自治会等からの要望をも参酌し、実施計画を立てることを否定するものではありません。
しかしその一方で、このやり方では、それぞれの自治会単位・部分的効果としては期待できますが、側溝のある生活道路という同じ課題を抱える地域全体、江別市全体の問題という立場から見れば、現状では整備水準の地域間格差が生じてしまう結果となっているように思われます。
改めて申し上げるまでもなく、生活道路は地域住民の日常生活を支える上で安心・安全な居住空間を構成するために欠くことのできないものであり、特に地域住民の通行の安全性を重視したものとされなければなりません。
この間、学校周辺の側溝整備は優先的に実施されてきておりますが、大きな社会問題となっている通学路については、安全な通行スペースが確保されているのかなど検証が必要です。また、幼い子供や地域住民が利用する公園についても、周囲全体に深い側溝を設置しているところがあります。さらに、高齢者の割合が高い居住区の中で通行の安全を確保するためには、第一義的に道路側溝の整備が求められます。
平成10年以降、側溝を埋めて道路用地の全てを改良舗装する工法が進められたことで、その分歩行専用部分が広がり、より安全に通行できるようになっていますが、その改修ペースは決して現状の困難さに対応できるものとは言えません。
平成25年4月1日施行となる、移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例は公園や道路に関する基準を定め、いずれも排水溝を設ける場合は蓋を設けることとしていますが、これらのことも含め、安心・安全な生活道路の改修は、ピッチを上げて計画的に進められるべきと考えますがいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
3点目に、通学路における道路側溝への緊急対応についてお伺いいたします。
先ほども触れましたように、通学路の安全対策は喫緊の課題であることは、誰もが認識するところとなっています。
そもそも通学路は、生活道路の一部であり、生活道路の安全性が高まらなければ通学路の安全も保障されないこととなります。子供にとって安全な道路環境は、高齢者や障がい者の方々をはじめ、他の歩行者にとっても安全を保障されるものと言えます。
この間、全市的に実施された通学路の安全点検の結果について関係機関と検証し、例えば側溝の整備をすることで通学路の安全が確保、あるいは改善されるなどの場合、早急に検討実施すべきと考えます。お考えをお聞かせください。
4番目に、今後の公共交通の在り方について、どのような認識をお持ちかお伺いいたします。
1点目に、昨年の7月に設置された江別市公共交通検討会議における市内の公共交通の現状と課題について、現時点でどのような認識を示されているのかお伺いをいたします。
当市における公共交通・市内バス事業については、公共とは言うものの、行政からの支援は限定的で、財政的には交通事業者の独立採算制となっていることは言うまでもありません。一般的に公共交通が独立採算で成り立つ例は極めて少数と言われ、当市においても市内バス事業の多くで、赤字、運賃値上げ、利用者離れ、赤字の拡大、運賃再値上げといった悪循環が繰り返され、その結果、赤字路線の廃止という事態が繰り返されてきました。
バス路線に関する一般質問も何度となく行われてきましたが、利用者の立場からも、事業者の立場からも、そして行政の立場からも、改善の方向を見いだせないまま今日に至っていると言えるのではないでしょうか。
その背景には、平成12年以降各種運送法の改正で規制緩和が行われたこと、一方、平成19年以降はそれまでの規制緩和等でずたずたになった地域公共交通の活性化や再生、維持改善事業などが全国的に進められてきています。
江別市民にとって市内公共交通、特にバス交通の必要性については、誰もが認めるところであるにもかかわらず利用者は減少するといった実態から、これからの公共交通の在り方について、交通事業者や行政だけはでなく市民レベルでも広く議論し、次期総合計画に向けて、いよいよその方向性を見いだしていかなければならない時期に来ているものと考えます。
その立場から、江別市公共交通検討会議に大いに期待を持つものですが、現時点でどのような認識が示されているのか、お聞かせください。
2点目に、今回実施される公共交通に関する市民アンケート、いわゆる交通調査について、その手法と結果の活用についてお伺いいたします。
今回の調査は、これからの江別市の公共交通・バス交通の在り方を示す重要なご意見となるものと考えます。一般的に市が行う多くのアンケート調査では、回収率の低さなど課題があったと思いますが、どのような手法で実施されるのか、また、設問結果についての分析、具体的な活用についてはどのようにお考えか、今後のスケジュールも併せてお聞かせください。
3点目に、将来を見越した市内交通機関・各バス事業者と連携した公共交通体系の具体化についてお考えをお伺いいたします。
江別市公共交通検討会議の委員の任期は2年とされ、この交通会議も2年を想定されておられるものと推察いたします。しかし、今回の交通会議は、次期総合計画の中に、公共交通政策としての要となる検討までなされるべきと考えます。
例えば、北広島市では平成19年に北広島市地域交通システム検討委員会を設置し、市内の公共交通の現状や先進地調査、市民アンケート調査などを行い、平成20年3月に北広島市に望ましい交通システムの概要を北広島市地域交通システムの在り方としてまとめ、報告しています。その後、この報告書を踏まえ、北広島市全域を対象として、これからの少子高齢化を見据えた交通手段を公共交通事業者や関係機関による地域連携によって、持続性のある公共交通体系を目指すとして、北広島市地域公共交通総合連携計画が平成23年に策定されています。
このような先進事例に学び、当市においても、公共交通の現状と課題の精査、市民アンケートなどから、将来を見据えた望ましい公共交通体系の在り方を継続的に検討する委員会など専門機関を設置するべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終わります。
副議長(清水直幸君)
吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
吉本議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、私の基本姿勢に関連しまして、国の生活保護基準引下げ案に対する認識についてでありますが、生活保護は、日本国憲法第25条に規定する生存権を実現するため、国の責任において最低生活を保障するという基本原理に基づき、生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な支援を行う制度であり、その基準は、要保護者の事情を考慮した最低限度の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものとされております。生活保護の水準につきましては、国民の消費実態との関係で相対的に決まるものとの認識に立ち、5年ごとに実施される全国消費実態調査に基づき、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか検証を行うものとされております。
このため、平成23年2月、国の審議会であります社会保障審議会に生活保護基準部会が設置され、本年1月に検証結果の報告書が公表されたところでございます。報告書では、地域や世帯構成によって、生活保護基準が低所得世帯の消費実態を上回るとの結果が出され、これを受けて、現在、国では基準の見直し作業が進められているものと承知しております。
生活保護基準部会は、学識経験者による専門的かつ客観的な検証を行うための審議会であり、生活扶助基準の具体的な見直しに当たっては、被保護世帯はもとより、一般低所得世帯への影響にも配慮する必要があるとの意見が出されておりますことから、こうした影響に対する十分な検討を経て、国民的な理解が得られるような生活保護基準の見直しとなることを期待しているところでございます。
次に、国の生活保護基準引下げ案の市民生活に及ぼす影響についてでありますが、生活保護基準は、個人住民税の非課税限度額の設定をはじめ、様々な他の制度の運用にも関わっておりますことから、生活保護基準部会の報告書におきまして、見直しに当たっては、他の制度への影響に配慮が必要との意見が示されております。
このことを受けまして国では、生活扶助基準の見直しに伴う他の制度につきましては、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分考慮しながら、できる限りその影響が及ばないことを基本に検討が進められるものと承知しております。
なお、今後におきましては、市民生活へどのような影響が出るのか、国の検討経過を注視してまいりたいと考えております。
次に、国の生活保護基準引下げ案から市民生活を守る施策の必要性についてでありますが、国は、生活保護基準を準用する地方単独事業への影響に関連しましては、国の取り組みを示した上で、その趣旨に基づく対応として、地方自治体に理解を求めることとしておりますが、市といたしましては、国の取り組みを踏まえまして、市制度の個々の影響の把握に努め、個別に対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、今後の公共交通の在り方に関連しまして、公共交通検討会議における市内交通の現状認識と課題についてでありますが、この会議は昨年7月に設置されまして、これまで3回開催されたところでございます。
この会議の中では、利用者からは交通アクセスについての意見が一番多く出されまして、乗換えに時間が掛かることや目的地に行きにくい、本数が少ないなどといった意見、また、バス事業者からは、採算性の確保が課題との意見が出ているところであります。
この他、利用者側からの利用促進に関する意見では、時間の正確性の確保やバスマップの表示の工夫、買物ポイントへのバスの利用といったアイデアの外、地域に合った小型のバスの導入による交通不便地域の解消といった意見が出ているところでございます。また、公共交通の維持という観点では、マイカー通勤者の意識改革を求める意見などが出ているところでもあります。
次に、今後の検討についてでありますが、市といたしましては、市民の足として公共交通の果たす役割は大きく、中でもバス交通の維持は重要なものと認識しておりまして、公共交通の在り方などを検討する意義は大きいものと考えております。このことから、今後の検討の在り方におきましては、公共交通検討会議の意見を聴いた上で対応してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、他の質問につきましては、企画政策部長外をもってお答え申し上げます。
企画政策部長(鈴木 誠君)
私から、今後の公共交通の在り方についてのうち、交通調査の手法と活用についてご答弁申し上げます。
今回の交通調査につきましては、現在、市民5,000人を対象により良い公共交通の実現に向けてアンケート調査を実施しているところでございます。この調査では、バス利用の現状や課題、市内交通に関する意見などを募集するため、市民4,500人に対して調査票を郵送するほか、バス利用者500人に対し調査票をバス停などで直接配布する方法で実施しております。
この結果につきましては、地域別、年代別などの回答を分析した上で、今月末開催を予定しております検討会議で報告し、具体的な取り組みなどを検討することとしております。
私からは以上でございます。
健康福祉部長(山田宗親君)
私からは、障がい者の就労支援の在り方についてご答弁申し上げます。
まず、小規模作業所等製品のPR及び障がい者社会参加活動の支援事業に対する評価と課題についてでありますが、当該事業は平成21年10月に障がい者を雇用し、作業所製品を販売するときめいくをオープンしたものであります。ここでは、30か所以上の作業所の製品を取り扱い、障がい者の働く場を見える形で設置したことにより、作業所の取り組みや障がい者に対する理解を深めることができたものと考えております。
その結果、製品のPRと参加事業所や売上げの一定の拡大にはつながったものの、雇用された障がい者が固定化してしまったことにより、多くの方の就労訓練の場とならなかったことなど課題もあったことから、今後は、障がい者の就労訓練の場としての役割が果たせるよう指導してまいりたいと考えております。
次に、福祉的就労から一般就労への支援策の充実強化についてでありますが、障がい者の一般就労移行のための支援策につきましては、特別支援学校の卒業生の受皿づくりの面からも、前向きに取り組まなければならない課題と認識しております。そのため、江別市地域自立支援協議会の中で、企業やハローワークなどとも協議し、江別市の特性に合った具体策をはじめ、障がい者の一般就労につながる支援策について十分検討してまいりたいと考えております。
次に、平成25年度からの法定雇用率引上げに対する対応についてでありますが、障害者の雇用の促進等に関する法律では、事業主が身体障がい者などを雇用する際の法定雇用率が0.2%引き上げられるところであります。
そこで、江別市といたしましては、相談支援事業所や障害福祉サービス事業者などの協力の下、江別市地域自立支援協議会を設立し、企業向けに障がい者雇用のメリットなどを紹介する広報誌を発行するほか、就職情報の交換等を行っております。
今後、市内企業が障がい者雇用を増やすためには、施設、設備における課題もあることから、それらの解決のためハローワークの助成制度の周知などを行うほか、就労を希望している障がい者への広報強化のため、作業所や施設、大学などを通じた求人情報の提供なども検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
建設部長(西村晃一君)
私から、安心・安全な市民生活に関わる道路整備の在り方についてご答弁申し上げます。
まず、側溝がある生活道路の整備に当たっては、これまでも人に優しい生活道路を確保する上から、路線の優先度に基づき、側溝の解消などの整備を進めてきているところであります。
現在、側溝が残っている市道のうち、U字側溝がある生活道路は、主に朝日町・あけぼの町地区、野幌若葉町地区、文京台地区の417路線、延長約70キロメートルとなっております。
次に、地域特性を考慮した計画的な整備についてでありますが、市道の整備に当たっては、道路の破損状況や沿道の土地利用状況、さらには地域要望などを勘案し、路線の優先度を踏まえて計画的に整備を進めてきたところであり、平成25年度におきましても、年次計画を基に側溝の解消など生活道路の整備を行ってまいります。
また、通学路や公園周囲などのU字側溝については、地域の皆様と協議しながら安全対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、通学路の側溝への緊急対応についてでありますが、通学する児童・生徒の安全対策は最優先すべきものと考えておりますので、今後とも学校や関係機関との連携を図りながら、より一層の安全確保に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
吉本和子君
ご答弁ありがとうございました。
続きまして、2回目の質問をさせていただきます。
まず初めに、生活保護の関連で1件目の3項目目です。
国が示している生活保護基準引下げ案から江別市民生活を守る施策の必要性についてというところで、改めてもう一回お聞きしたいと思います。
ご答弁では、市の制度の様々な影響の把握に努める、個別に検討しますということでしたが、国が示した事業だけでも、これはまだ正式なものではなく対応方針という形で厚生労働省が示しておりますけれども、その事業の数は国の事業だけでも30を超えています。
江別市においても多くの制度、事業が影響を受けることは当然懸念されるわけですが、今回の引下げ案については既に報道もされておりますし、厚生労働省のホームページにもはっきりと示されておりますので、そのことを前提にしても、既に江別にどういう影響があるのかということを想定されていろいろな準備をすることは必要ではないかというふうに思いますけれども、その点についてはいかがなのか。決して、国の法定の制度の生活保護制度ですので、国がどういうふうな取り組みをするのかということをはっきりと見なければ分からないというお返事のようにお伺いしたのですが、少なくとも市民に大きな影響があることは間違いはありませんので、そのためには、今からいろいろな混乱が起きないように、市民生活を守るという立場でできる準備を進めていくということが必要だというふうに考えますが、その点についていかがか、もう一度お伺いいたします。
市長(三好 昇君)
それでは私から、吉本議員の再質問にお答え申し上げたいと思います。
先ほどもお答えしましたとおり、今回の制度の改正・見直しにおける市町村事業に対する市の影響ということでございますけれども、その準備を進めてはということでございますが、先ほど申し上げましたとおり国が今現在準備を進めています。
どの程度影響が出るのかということにつきましても、まだ具体的には国は示しておりませんが、様々な意見が出ております。かなりのところで影響が出るだろうということも言われておりますので、示されてから準備するだけでは準備不足ということもあり得ますので、想定されるところで可能な限り準備を進めていきたいと考えております。十分な対応かどうか、いろいろご意見もあるかもしれませんが、可能な限りの準備を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
吉本和子君
可能な限り準備を進めていただきたいと思っておりましたので、是非よろしくお願いしたいと思います。
本当に市民の皆さん、今、保護を受給されている皆さんもそうですけれども、それ以外の、特に就学援助に関わるのではないかということで、たくさんの市民の方々が不安に思っていらっしゃいますので、是非そのようによろしくお願いしたいというふうに、要望しておきたいと思います。
次に、障がい者の就労支援の関係で、1項目目、ときめいくの事業のこの間の評価についてもう一度お伺いをしたいと思います。
ご答弁の中では、雇用された障がい者が固定化して、就労訓練の場とならなかったというご答弁がありました。その言葉のとおりに私は理解させていただいて、ちょっと残念な評価だなというふうに思いました。
私の知る限りですが、最初の3年間、その後の1年後、ときめいくで販売の仕事をしてきた障がい者の方々を私はずっと見てまいりましたけども、接客の際の声掛けの仕方やタイミングとか、あるいは商品の説明の仕方が分かりやすいかどうかなどをすごく配慮して、細かな学習と訓練の積み重ねをしていらっしゃるなと。当時は5人いらっしゃいましたが、本当に励まし合って働いている様子が私からもよく分かりました。
ですから先ほど申し上げたように、あそこでああいう事業を行ったことが、市民的にも本来の目的から派生して、障がいの理解とか障がい者が社会の中に受け入れられているということを実感するというような、副次的な効果もすごくあったのではないかなというふうに思っております。
ただ、その方たちだけが働いたということで固定化という表現をされているのだと思いますが、そういう意味では固定化は事実だとは思いますけれども、就労はもちろん社会参加などの経験の少ない方々、経験の乏しい方々にとっては、時間が掛かるのは当たり前のことだと思います。ですから、固定化ということではなく、就労支援の場合、あるいは訓練としてもそれだけの期間を見込む必要があるのではないかというふうに私は思います。
今後、就労訓練の場としての役割を果たせるように指導していくと、ときめいくの今後の在り方についてはそのようなお話をされましたけれども、では、具体的にときめいくをどのように活用されていくとお考えなのか、その点について改めてお伺いいたします。
健康福祉部長(山田宗親君)
吉本議員の再質問にご答弁申し上げます。
今後、ときめいくをどのように活用していくのかというご質問かと思いますが、障がい者の就労訓練には一定の期間は必要であると考えられますが、ときめいくについては、より多くの方が訓練する場として活用し、ここでの経験が次の就労につながっていくことが重要であることから、必要に応じ期間を限った利用も考えられるところであります。
具体的には、事業を委託している法人と製品を製造している作業所からなる協力会により運営を行い、障がい者が就労支援員と共に商品販売に関する作業を通じて、一般の方との挨拶やコミュニケーションといった社会訓練などができる場として活用していけるように考えているところでございます。
私からは以上でございます。
吉本和子君
この点については要望とさせていただきたいと思いますけれども、より多くの人が利用できるような訓練ということで、若干前回とこの間やってきたこととはその辺が少し違うのかなというふうに今理解をいたしました。
もう一つ就労支援ということで考えてみれば、より多くの人たちが利用できる訓練の場ということになりますと、当然、指導する方たちの目配りということも必要になってくると思いますが、そういう就労支援におけるマンパワーの充足とか必要性というのを、たくさんの方が利用できるようになってくると、より必要になってくるだろうと思います。
先ほど、ご説明のあった自立支援協議会のお話もそうでしたけれども、これから障がい者の方に関しては、法律も変わってきて新しい事業がどんどん入ってくるような状況もありますので、就労支援という立場からだけではなくて、福祉関係のところのマンパワーの充足という辺りも、是非検討していただきたいと思っております。人と接して、初めて障がい者の方たちは安心して次のことができる、次のステップアップができるということを、私はときめいくの方たちを見ていて本当に実感いたしましたので、是非、マンパワーの充足ということについてもご検討いただきたいなというふうに要望しておきたいと思います。
続いて、生活道路の関係ですが、3件目の3項目目、特に通学路の道路側溝への緊急対応についてということでお伺いいたします。
今回ご答弁いただきましたが、側溝のある生活道路がまだ70キロメートルぐらい残っていると。昔々私がお聞きしたときには100キロメートルあるとおっしゃっていましたので、それから見ると30キロメートル減ったんだなと思いましたけれども、計画的に年次計画を立ててやっていますということで理解いたしました。
ただ、子供の通学路ということに関して見ると、なかなか緊急性が高いだろうなと思っております。子供たちの通学路も含めて生活道路ですので、現行のようなピッチだと、なかなか通学路の安全性が保てないのではないかなと。
もう少し通学路は、先ほどは優先してというふうなこともあったかと思いますが、改めて通学路については通常の凍上改修事業の中に組み込むのではなくて、通学路として優先的に整備をするということで計画実施されるのかということを、改めて確認させていただきたいと思います。
建設部長(西村晃一君)
通学路の整備についての再質問にご答弁申し上げます。
これまでも市道の整備に当たりましては、学校周辺の通学路を優先的に整備してきたところであります。
今年度は路面凍上改修の外、地域や教育委員会などの要請を受けて、通学路2路線、延長約900メートルの歩道再整備工事を実施したところであります。
今後におきましても、通学路の状況を総合的に勘案しながら地域や教育委員会と連携する中で、より一層の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
吉本和子君
最後に、公共交通の関係で3項目目です。
将来を見据えたという形になりますけれども、公共交通体系の考え方について、もう一度お伺いしたいと思います。
現在進められている公共交通検討会議の先ほどの議論の状況もお伺いをいたしました。例に出していただいたご意見などは、本当にそうだなと私も思って聞いておりましたけども、本当にこれからの検討会議の議論に大いに期待したいと思っております。
そこで、もう一度確認させていただきたいのですけれど、現在の公共交通検討会議が終了した後、任期がどうなるのかというのは設置要綱を見てもはっきりとは分かりませんでしたけれども、その結果を踏まえて、市として長期的なスパンで公共交通政策をどうするのかということをそろそろ考える時期が迫っているのではないかと思います。
平成16年にも交通調査を行っていまして、そのときにも提言というのがありましたが、そのときにも長期的な政策をという意味合いの文章があったと記憶しているのですけれども、今の時期、やはりもうそういう時期かなと思っております。
そういうことで、公共交通検討会議からこれから提出されてくるであろうご意見を、次には市としての政策として形にしていくこと、これが市の役割ではないかと思いますが、その点について現時点ではどのようなご見解をお持ちなのかもう一度お聞かせいただきたいと思います。
市長(三好 昇君)
それでは、公共交通検討に関連した意見の今後の取扱いについて、お答え申し上げたいと思います。
先ほどもご答弁申し上げましたとおり、公共交通検討会議は今後の交通政策に反映することを目的に設置した検討会議でございます。ここの会議からいただいた提言は、今後、現在検討中の新しい総合計画にまず反映させていきたいと考えております。併せまして、その具体的な取り組みにつきましても、今後の総合計画の中で検討されていくものと考えておりまして、これからいただける検討会議からの提言を有効に活用していきたいと言いましょうか、参照した上で、交通体系の政策に反映するように努力してまいりたいと考えております。
副議長(清水直幸君)
以上をもって、吉本議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
副議長(清水直幸君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後3時08分 散会