平成23年第4回江別市議会会議録(第3号)平成23年12月15日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
裏君子君
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問をいたします。
初めに、フッ化物洗口についてお伺いいたします。
文部科学省の平成22年度学校保健統計調査によると、北海道の12歳児の平均虫歯本数は2.3本で、沖縄県の2.6本に次いで全国ワースト2となりました。
永久歯が生えそろう時期である12歳の虫歯本数は、子供の虫歯本数の指標として世界的に使用されますが、北海道は平成18年度が2.3本、平成20年度が2.2本、平成22年度が2.3本と横ばい傾向が続く一方、全国平均は平成18年度が1.7本、平成20年度が1.5本、平成22年度が1.3本と着実に減少しております。平成22年度の虫歯本数が0.8本と11年連続で全国トップとなった新潟県など上位の県は、学校単位で虫歯予防に効果があるフッ化物溶液で口をすすぐフッ化物洗口に力を入れています。佐賀県は、平成18年度は2.0本でしたが、平成22年度は1.0本と4年間で半減させることに成功し、全国順位も29位から9位になりました。佐賀県教育委員会によりますと、フッ化物洗口を行った同県内の児童は、平成16年度の約1万5,000人から平成20年度は約4万2,000人と全児童の8割に達したとのことです。
北海道は、平成21年に北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例を制定し、虫歯の削減に努めています。北海道では、平成22年度に27市町村が加わり、合わせて55市町村がフッ化物洗口を実施しております。実施に当たっては、北海道教育委員会と社団法人北海道歯科医師会、社団法人北海道歯科衛生士会が協力・作成したマニュアルがあり、保護者への啓発に当たって大変分かりやすく実践的なものとなっています。また、フッ化物洗口の目安時間である1分間の演奏曲が収められたCDを作成し、学校に配布されています。
フッ化物洗口については、小児期の歯は質的に未熟で大人よりも虫歯になりやすく、低濃度のフッ化物水溶液で口をすすぐと、歯を構成するミネラルが歯に戻る再石灰化を促す効果があります。また、学校内で定期的に行うことで、食生活や歯磨き習慣など個々の家庭環境に左右されずに虫歯削減の効果が期待できます。
虫歯は最も有病率が高く、しかも蓄積性の高い疾患です。修復処置を行っても予防対策を行わなければ、その後も虫歯の再発リスクが高いまま推移します。思春期に入ると虫歯が急増することはよく知られていますが、フッ化物洗口の効果は、実施後も20歳代、30歳代まで持続することが報告されています。そのため、学童期にフッ化物洗口により虫歯予防を進めることは、歯の一生を考えた上で最優先される歯科保健対策と言えます。
フッ化物の利用に反対する方や意見があることも踏まえて安全性について説明をさせていただきますと、虫歯予防のためのフッ化物利用については、専門家の間に学術的な賛否両論はありません。国内外の専門機関、団体が一致して安全性と効果を認め、積極的な利用を推奨しています。
そもそもフッ素元素は、土壌中に約200ppm、海水中に1.3ppmと自然界の元素の中でも十数番目に多く存在する元素です。私たちは、フッ化物イオンやフッ化物の形態で水や飲食物から日常的に摂取し、体内にも存在しているものです。このフッ素元素については、WHOや国際連合食糧農業機関(FAO)では必須栄養素として認められており、米国や英国では1日の食事摂取基準が体重1キログラム当たり0.05ミリグラムと決められています。
世の中には100%安全と言えるものはないと考えます。16世紀の医師で毒性学の父パラケルススは、その物質が毒性であるか否かは量によって決まると著しています。物質の安全性、危険性はその物質が使用されるときの量によるものと考えなければなりません。生命や健康に欠くことのできない一般的な物質である塩、ビタミン、酸素、水などもそうであるように、フッ化物もこの概念が適用されるべきと考えます。ある物質について安全か有害かを議論する際には、その使用条件である使用目的、使用量、使用方法などを明確にしておくことが最も重要と考えます。
また、フッ化物によりアレルギーや過敏症を起こしたり、悪化したりすることもありません。平成20年3月には、全国6,000以上の保育所、幼稚園、学校等で約67万人が集団フッ化物洗口を実施していますが、これまでフッ化ナトリウムそのものが原因でアレルギーが発生したという報告は皆無であり、国外でも同様であります。一般的に、アレルギーを引き起こす物質である抗原をアレルゲンと言いますが、アレルゲンのほとんどは、生体にとって異種のタンパク質であるのに対し、フッ化物は無機質であり理論的にもアレルギーの原因物質になる可能性は極めて低いと考えます。
具体的に、愛知県大府市におけるフッ化物洗口について紹介をさせていただきます。大府市は、本年4月現在の人口が約8万6,000人で、保育園、幼稚園から中学校まで全校でフッ化物洗口を実施しています。健康日本21あいち計画が策定された、平成13年より、モデル校の小学校二年生から毎年学年を増やし、平成18年には全保育園の年長児、平成21年には全小学校、平成22年には全中学校で実施し、その間、保育士、幼稚園教諭、養護教諭、小学校教諭に研修を実施したほか、普及啓発も行われました。その中で、年長児の保護者や幼稚園教諭からの、是非小学校に入っても続けられるようにしてほしいといった要望も現在の取り組みへの後押しになったようです。また、これに係る予算としては、保育園と幼稚園を合わせた18園分については健康推進課で約6万2,000円、小中学校12校分については学校教育課で約123万円を計上しているとのことです。
実施児童と未実施児童の虫歯経験者率の比較では、小学校一年生では実施児童が7.9%、未実施児童が8.1%と余り差はありませんが、その子供たちが小学校四年生になると、実施児童が17.2%、未実施児童が39.9%と2倍以上の虫歯経験率となり、フッ化物洗口による効果を示しています。
フッ化物洗口の実施に際しては、参加・不参加の自由な選択が妨げられないよう事前に保護者や学校などに十分な説明を行った上で希望調査を実施しています。実施したい児童にだけ家庭で行えばよいという意見もありますが、虫歯予防を家庭の問題にすると、社会経済的な要因から更に健康格差が広がっていく可能性があります。フッ化物洗口を学校で実施する意義の一つには、虫歯リスクの高い子供も低い子供も平等に虫歯予防の恩恵を受けられることが挙げられます。
これまでの経験から、家庭で実施する場合はかなり強い意思がなければ継続できないことが多いですが、園や学校で実施する場合は継続性が確保できるという利点があります。厚生労働省は、健康日本21の中でも、個人の多大なる努力によって健康を得ることは大変難しいが環境を整えることによって個人の小さな努力で大きな効果を得ることができるとしています。このヘルスプロモーションの考え方に基づき、また、歯は食べること、一生の健康の土台と考えることから、江別市におきましてもフッ化物洗口を実施すべきと考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。
次に、商店街の活性化についてお伺いいたします。
江別市では、これまでも経済政策の中で産学官連携組織である江別経済ネットワークの活動や、江別グレシャムアンテナショップ、元町アンビシャスプラザでの企業応援などの支援を関係者とともに推進してきたことは承知しているところですが、江別地区の皆様から、江別駅前の商店街をもっと活気あふれるものにできないか、江別駅に降り立って友人と会ってもなかなか楽しめる場所が少ないとの声が数多く寄せられます。私も、江別駅前を元気にしていきたい思いで質問をさせていただきます。
商店街の活性化への問題は、今始まったわけではありません。人がいないのであれば、どうすれば人に集まっていただけるのか、気楽に喜んで集えるような場所になるのか、商店街の方々と行政が一体となり協働して知恵を出し合い、諦めずに取り組んでいくべきと考えます。
国では、空き店舗の増加などに悩む商店街への支援を強化するため、平成21年に地域商店街活性化法が施行されました。同法は、商店街ならではの取り組みを支援し、地域住民の生活の利便性の向上や、住民間の交流など地域コミュニティの担い手としての役割を強めることが狙いです。具体的に、従来は、アーケード改修などのハード事業を中心に補助してまいりましたが、同法では、新たに新製品を試験的に販売するアンテナショップや、子育て支援施設の設置といったソフト事業を補助対象に追加し、補助率も2分の1から3分の2に引き上げられました。また、空き店舗対策の強化や人材育成の支援など総合的な商店街支援措置を講じるものとなっております。特に、商店街では担い手になる人材確保の重要性が高いことから、商店街での人材育成を国の責務と規定しており、商店主の実践的研修と質の高い商店街アドバイザーを派遣する全国商店街支援センターを全国商店街振興組合連合会など中小企業関係団体が設立することを支援する内容となっています。どの世界も人は宝です。日常の商売に追われがちな商店主や若い担い手などに支援していくことは、大変重要と思われます。
商店街の活性化について、公明党は、これまで各地の商店街を積極的に視察し、商店主らの声に耳を傾けるとともに商店街の衰退を食い止めるための政策を推進してまいりました。
地域活性化に取り組む商店街の事例としては、北海道岩内町の岩内名店街があります。同町では、空き店舗を活用し、いわない楽座を設置、地域の特産物を扱うアンテナショップやお年寄りや子育て世代の交流を促進するコミュニティスペースなどを設け、地域住民の利便向上に貢献しています。また、鳥取県境港市には水木しげるロードがあり、同市出身の水木しげる氏の人気アニメゲゲゲの鬼太郎の妖怪オブジェを四つの商店街に配置し、オブジェを利用したスタンプラリーの実施や、各店舗で鬼太郎グッズを販売することにより市内外からの訪問者が増加しています。
江別市も、地域商店街活性化法に基づく支援を積極的に活用し、商店街の活性化に向けた取り組みをしてはいかがでしょうか。特に江別地区の商店街は、シャッター通りと呼ばれて久しいと思います。是非江別地区の空き店舗を活用し、高齢者の元気づくり・生きがいづくりとなる店や、障がい者が作る店など地産地消の拠点となるようなところに江別らしい考え方を持って取り組むべきと考えます。
1点目として、江別駅前商店街の活性化についてどのようにお考えかお伺いします。
2点目として、地域商店街活性化法による支援を利用した取り組みができないかお伺いします。
次に、空き店舗活用事業についてですが、東京都は、平成22年度から東京産の農水産物や都内で加工した服飾雑貨などを販売する事業者向けの助成制度を始めました。この制度は、都内のものづくりや農水産関連の事業者の販路開拓を後押しするのが狙いでありますが、販売拠点には商店街の空き店舗を活用し、商店街のにぎわいづくりにもつなげたいとのことで、立川市のウドや江戸川区の小松菜、東京23区東部の皮革製品などの販売拠点を企画・運営する事業者に対し、店舗改装費など400万円を上限に助成しています。また、具体的な運営手法は、企業や特定非営利活動法人などの提案に委ねるとのことです。
江別市におきましても、商工業活性化補助金に商店街空き店舗整備活用事業がありますが、補助対象の事業内容は、住民が無料で入場して楽しめる施設として空き店舗を整備し活用する事業となっています。現在は、1店舗の利用と聞きました。
3点目として、商店街空き店舗整備活用事業をもう少し使い勝手のいいものにし、周知方法などについて検討すれば利用事業者が増えるのではないでしょうか。お伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
議長(尾田善靖君)
裏議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好昇君)
裏議員の一般質問にご答弁申し上げます。
私からは、商店街の活性化についてお答え申し上げます。
まず、江別駅前商店街の活性化についてでありますが、商店街も含め、江別駅周辺地区につきましては、就労の場の確保や集客増を図ることが大事であるという観点から、市では、これまで水道庁舎や中央公民館兼コミュニティセンターなどの公共施設の設置を行うとともに、平成14年にはハローワークの新庁舎を誘致し、さらに平成19年には、えべつみらいビルなどの建設に伴い企業誘致を行ってきたところであります。こうした施策を地域の経済活性化に結び付けていただくことを期待しているところでございます。
次に、地域商店街活性化法に基づく制度の活用についてでありますが、この制度は、商店街への来訪者を増加させ、中小商業・サービス業者の顧客増加や事業拡大を図るために、地域住民のニーズを踏まえ自ら事業計画を策定し、この事業計画が国に認定されると補助金の補助率が最大で3分の2に引き上げられるほか、土地の譲渡所得の特別控除が受けられるなどの支援措置がございます。
市では、平成21年の法施行に伴い、江別・野幌・大麻3地区の商店街関係者に制度と認定のための説明会を行ってきたところであり、その際には、北海道経済産業局、北海道、独立行政法人中小企業基盤整備機構、北海道商店街振興組合連合会などの協力をいただきながら、現在、野幌商店街振興組合では、年度内の事業計画策定に向け鋭意取り組まれているところであります。また、大麻銀座商店街振興組合では、事業計画の策定を目指し、勉強会を行っている状況であります。
市といたしましては、商店街を含め、江別駅前地区において具体的な行動がある場合には、さきの関係機関等のご協力をいただきながら積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に、商店街空き店舗整備活用事業についてでありますが、現状では、高齢者や地域住民が気軽に利用していただけるような地域コミュニティの場として空き店舗を活用していただくことを想定し、こうした活用をする場合には施設整備に係る工事費などの一部を補助しております。市といたしましても、引き続き江別市商店街振興組合連合会などと連携しながら、空き店舗の実態、所有者や商店街の意向、住民ニーズなどを情報収集する中で今後の空き店舗対策について検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、教育長からご答弁いたします。
教育長(月田健二君)
私からフッ化物洗口の必要性についてご答弁申し上げます。
虫歯などの歯科疾患は、その発病、進行により、結果として歯の喪失につながるため、食生活や社会生活等に支障を来し、ひいては全身の健康に影響を与えるものであります。また、歯及び口腔の健康を保つことは、単に食物をそしゃくするという点からだけではなく、食事や会話を楽しむなど豊かな人生を送るための基礎であり、生涯にわたって生活の質の向上につながるものであります。特に、学童期においては、虫歯を予防するための取り組みは大切であると認識しております。
フッ化物洗口につきましては、厚生労働省が平成15年にフッ化物洗口ガイドラインを示しており、その中で歯や口腔の健康づくりを推進する上での有効な手段として提示されております。また、北海道におきましても、北海道歯・口腔健康づくり8020推進条例において、幼児、児童及び生徒に係る歯・口腔の健康づくりの推進を図るため、学校等におけるフッ化物洗口の普及を図るとしているところであります。
北海道フッ化物洗口ガイドブックでは、保護者に対してフッ化物洗口の効果と安全性及び実施方法などについて十分な説明を行うとともに、実施に当たっては、保護者の同意を得ることとされております。
フッ化物洗口については、その使用するフッ素の安全性について、過去に議会においてご論議がありましたことから慎重に検討していかなければならないものと考えております。
なお、市における歯科保健対策といたしましては、本年第2回定例会において、裏議員から歯科衛生士による保健指導の実施についてのご質問がありましたことから、今年度、歯科医師会及び歯科衛生士会のご協力により、小学校1校で歯磨き指導を実施したところであります。実施した学校の児童、保護者及び教職員からは、児童の歯磨きに対する意識が変わり良かったという意見が多くあり、有効であったと考えておりますので、まずは、関係機関の協力を得ながらこの歯磨き指導の拡大により児童の虫歯予防に努めていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
議長(尾田善靖君)
以上をもって、裏議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
午前11時57分 休憩
午後1時00分 再開
副議長(清水直幸君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
吉本和子議員の国民健康保険制度の改善について外1件についての質問を許します。通告時間25分。