平成23年第4回江別市議会会議録(第2号)平成23年12月14日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
干場芳子君
早速、質問に入らせていただきます。
最初に、市民参加条例の制定についてです。
市民参加条例については、条例制定の時期も含め、これまで2回ほど一般質問をしました。
今年の第1回定例会の一般質問では、他自治体の先進事例や条例の要素となる具体的な内容などについて研究を進めており、その具体化に向けては、江別市自治基本条例を検証する中で市民の意見を伺いながら、方向性を明らかにしていきたいとの答弁がありました。
本市では、これまで様々な市民参加の仕組みづくりに取り組まれてきました。地域の独自性に根ざした自主的かつ総合的なまちづくりを進めていくことが今後の江別市にとって大変重要です。このような認識に基づき、行政活動への市民参加を推進していくために必要な事項を定めた上で、自治の主体である市民が持つ知識、経験、感性等をまちづくりに生かし、市民と市がより良いまちづくりを進めていかなければなりません。
条例には、市民参加の運用状況を評価する審議会の設置を盛り込むなどし、これまでの取り組みを整理して制定に向け進めていくべきと考えます。
そこで質問ですが、今後、市民参加条例を制定する方向性を持っておられるのか、また、制定に向けての作業にいつ取り掛かっていかれるのか、2期目を迎えられた三好市長に改めて見解を伺います。
次に、使用料・手数料の見直しについてです。
使用料・手数料については、現在、2012年度に向けた見直し作業が行われています。本年11月に開催された行政改革推進委員会では、使用料・手数料の見直しについてという協議事項を掲げ、財政課と各委員との間で意見交換がなされています。今後のスケジュールは、各種団体へ説明し、平成24年第1回定例会に提案し、広報での周知を経て10月から全部施行となる予定となっています。見直し案とともに改正素案も示され、既にホームページにも掲載されているところです。
江別市は、基本方針の中で、使用料・手数料の見直しに当たって、コストに見合った応分の負担をしていくためには、施設の管理運営などに要する経費を明らかにしていく必要があります。
このたびの使用料・手数料の見直しは、様々な行政サービスに対する市民相互の負担の公平性を確保し、算定方法を明確化することにより内容の透明性を高めることを基本方針として実施するとしています。また、その内容は、使用料収入の現状や受益者負担の考え方、行政コストの明確化、施設の性質的分類と受益者負担の設定、使用料の算定方法、対象施設、減免対象の整備、市外料金、手数料の改正など多岐にわたっています。見直しに当たっては、市民への分かりやすい丁寧な説明が必要であり、市民全体の理解と協力が得られるよう進めていくことが重要です。
1点目の質問ですが、見直しに当たっての市民への情報提供・情報共有について、市としてどのようにお考えか伺います。
2点目に、市民生活全体に影響のある今回の見直しについては、分かりやすい市民への説明会の開催と市民意見公募を実施する必要があると考えますが、いかがか伺います。
次に、インクルーシブ教育について伺います。
学校教育法の改正により、2007年4月から特別支援教育が始まり、特別支援教育コーディネーターや補助員、生活介助員、巡回相談員の配置、個別支援シートの作成等が整備されてきました。一方、全国的に、また、本市においても、特別支援学級に在籍する児童生徒数や特別支援学校に通う児童生徒数が増加しています。
発達障がいなどの子供たちへの支援について、早期発見、早期の療育が行われるようになったことは評価できます。しかし、これまで普通学級で一緒に学んでいた子供たちが特別支援学級へ移り、さらに、特別支援学校へ進むことにより、交流や共同学習が特別な時間だけとなり、文部科学省が目指す、障がいのある子供の自立と社会参加を促進するとともに社会を構成する様々な人々と共に助け合い支え合って生きていくことを学ぶ機会となり、ひいては共生社会の形成に役立つような交流が行われているとは考えにくいという声を耳にします。むしろ、分けることにより生まれる意識がそのまま現在の社会に反映され、様々な困難を持つ人々にとって生きにくい社会をつくっているのではないでしょうか。
文部科学省の諮問機関である中央教育審議会は、2010年7月から特別支援教育の在り方の再検討を始め、障害者権利条約を視野にインクルーシブ教育システムを構築することを目指すとしました。このような中、2011年8月5日に一部の条項を除き、改正障害者基本法が施行されました。同法の教育の条項には、可能な限り障がい者である児童及び生徒が障がい者でない児童及び生徒と共に教育を受けられるよう配慮するということが明記され、インクルーシブ教育推進の原動力ともなると考えます。
今後、改正に沿って障がい福祉計画が策定されるものと考えられます。障がいがあっても共に学ぶことができる環境の整備・充実を強く求めます。
そこで1点目の質問ですが、障害者基本法改正による、共に生き共に学ぶというインクルーシブ教育に対する江別市の認識と目指す教育の在り方について伺います。
2点目は、保護者や児童生徒へ障害者基本法の改正内容をどのように周知していかれるのか、また、法の改正によって改めて学校を選択できるようにしていくことが必要と考えますが、いかがか伺います。
続いて、特別支援教育についてです。
初めに、高等養護学校への入学実態についてです。
本年12月6日、2015年に北海道高等盲学校と統合して札幌市への移転が予定されている北海道札幌盲学校跡地に特別支援学校高等部(高等養護学校)を誘致する計画について、市として誘致に向けて本格的に取り組んでいくとの新聞報道がなされました。江別市外の高等養護学校に通う生徒は2010年で39人、2008年から2010年には4人が遠方の学校に寄宿しながら通学しているとのことでした。
近年、高等養護学校に進学する生徒が急増しています。従来であれば、入学することが可能だった生徒が不合格となり、就学困難な状況に置かれていることが問題となっています。受験する生徒は、特別支援学級に在籍若しくは近年では発達障がいなどの生徒の入学希望が増え、従来対象となっていた子供たちが入学できず、遠方の高等養護学校への入学を余儀なくされていると聞いています。近隣自治体の高等養護学校の在籍者は、普通学級からの入学が約4割近くとも言われています。しかし、年ごとに、様々な教育支援を必要とする生徒の高等養護学校への進学は、厳しい状況となりつつあります。
そこで質問ですが、江別市の生徒の高等養護学校への入学状況を市としてどのように把握しているのか、また、問題についてどのように認識しているのか伺います。
次に、学習障がいなどの理解についてですが、2006年6月に学校教育法が改正され、2007年4月から小中学校の普通学級に在籍する教育上特別な支援を必要とする児童生徒に対して、適切な教育を行うことが明確に位置付けられました。
本市においても、2008年度から特別支援教育補助員が必要な学校に配置され、現在、13校に14名が配置されています。通常、普通学級には、学習障がい(LD)、注意欠陥多動性障がい(ADHD)、高機能自閉症などの特別な支援を必要とする児童生徒がおよそ6%いると言われていますが、これらは身体障がいや知的障がいとは違い、なかなか目に見えにくいことから周囲の理解を得ることができないと言われています。
そこで、本市では、子供たちがそれぞれ抱えている問題等の実態をどのように把握しているのかお伺いいたします。また、読む、書く、計算することに困難を抱えている学習障がいの児童生徒の実態はどのように把握されているのかお伺いします。
次に、特別支援教育補助員の養成と研修体制についてです。
特別支援教育補助員は、障がいの特性はもちろん、指導方法など専門知識の習得や実践的な教育が必要と言われていますが、補助員の養成はどのように行っているのか伺います。また、発達障がいなど特別支援教育に関する教職員等の研修体制はどのようになっているのか伺います。
続いて、障がい者相談窓口の設置について伺います。
江別市は、2005年に障がい者福祉計画を策定しましたが、翌年の2006年4月には、障がい者の自立を阻害するなど多くの問題が指摘されながら障害者自立支援法が施行され、財政的な裏付けや明確なルールがない中で、法により地域生活への移行や障がい者の就労が前面に出されたことから、2009年に障がい者福祉計画及び障がい福祉計画を同時に見直し策定しました。
障がい福祉計画は、3年を1期として障がい福祉サービスの提供に関する具体的な体制づくりやサービスを確保するための方策を示す計画で、障がい者福祉計画の実施計画的な位置付けとしています。また、事業ごとに具体的な目標を掲げて施策の推進を図っており、現在、3期目に向けての作業が進められているところです。
計画策定時におけるアンケート調査では、地域での様々な相談、情報提供が多く、その必要性を示しており、さらなる支援が求められています。障がいを持つ方が地域で暮らすことや就労するという当たり前のことが、法によって明確になりましたが、過去における施設重視型の措置制度では、地域の中で生活するための整備がなされていません。日常生活を送るために必要な情報の提供や福祉サービスの利用など多様な支援の充実が大変重要です。
まず、1点目の質問ですが、相談支援事業の現状についてどのように認識しているのか、また、障がい福祉計画における相談支援事業の相談窓口設置目標の考え方についてお考えを伺います。
第1期障がい福祉計画の計画期間である2006年度から2008年度では、相談支援事業の実施箇所数の目標値を1か所とし、第2期計画の2009年度から2011年度においては2か所としています。第2期計画では、障がいのある方の年間相談延べ件数の目標値を2007年度よりも高く設定しているにもかかわらず、相談窓口設置の目標値は2か所のままです。人口規模や他自治体と比較しましても、本市の障がいのある方の相談窓口は少なく、様々な相談やサービスを利用するための適切な情報提供の場として、相談窓口の役割は大変重要です。
2点目として、障がいのある方の立場に立ち、利用しやすい場所の設定や土日も含めた相談窓口の拡充に努めるべきと考えますが、いかがか伺います。
最後に、ごみ減量化の取り組みについて伺います。
2004年にごみ有料化を開始してから7年が経過しました。有料化前の可燃ごみ排出量は3万4,857トンでしたが、その後、毎年減少し、2007年度に2万5,819トンまで減少したものの、ここ数年増加傾向にあり、2010年度においては2万9,623トンとなっています。また、総排出量においても同様の傾向が見受けられます。環境クリーンセンターの運営委託変動費も、排出量の増加とともに、ここ数年300万円ほど増加しています。さらに、2008年10月に、従来燃やせないごみとして分別していたプラスチック類のごみが燃やせるごみへ変更されたことにより、市民がごみを分別するというひと手間は不要となりました。しかし、それ以降、ごみの排出量は増加傾向となりました。ごみ減量への市民意識の低下が懸念されます。また、ごみ排出の元栓が閉められないほか、拡大生産者責任や2Rも遅々として進まないことも減量につながらない原因です。経済状況が厳しい中においても、増加しつつあるごみ排出量については、さらなる減量への意識啓発、早めの対応が必要です。
そこで質問ですが、増加傾向にあるごみ排出量の実態についてどのように把握しているのか、また、減量化に向けた対策についてどのようにお考えか伺います。
2010年11月時点におけるごみ組成分析結果では、厨芥類が一番多く約48%となっていますが、近年、紙類の割合が増加しており、2006年6月時点と比べて約2倍の21%となっていることについてはさらなる分析が必要です。また、燃やせるごみとして出すのではなく、リサイクル可能な資源ごみとして分別することへの働き掛けも必要です。様々な場面でごみを出さない仕組みや工夫が求められます。今後、ごみの排出量増加に歯止めを掛けるためには、達成目標等を掲げ、減量した結果、市にどのような効果をもたらすのかということを市民が具体的に実感できることが重要です。ごみを減量するための具体的な取り組みについて、今後どのように進められるのか伺います。
以上で1回目の質問を終わります。
副議長(清水直幸君)
干場議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好昇君)
干場議員の一般質問にお答え申し上げます。
市民自治に関連しまして、まず、市民参加条例の制定についてでありますが、これまでも、市民にまちづくりに積極的に参加していただくため、江別市自治基本条例の考え方や内容について、更に多くの市民に知っていただけるよう市民向けセミナーを毎年度開催し、条例啓発のパンフレットや散らしを配布するなど啓発活動を行ってきたところであります。また、市職員も条例の趣旨を十分理解し、業務に取り組めるよう電子掲示板を活用するなど定期的に条例の内容について周知を図ってきたところでもあります。
今年度は、これまで行ってまいりました啓発活動によって、江別市自治基本条例が市民や職員の間にどの程度定着しているか庁内的な検証を行う予定です。来年度には条例の見直しに向けた作業に入る予定でありますので、今後の検証を踏まえて、審議会などでの見直し作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、使用料・手数料の見直しに係る市民への情報提供や情報共有、説明会の開催などについてでありますが、市では、平成21年度に江別市パブリックコメント(意見公募)手続要綱を制定し、随時市民意見を公募してきたところでありますが、今回の使用料・手数料等の改定に関しましては、同要綱第3条において、意見公募対象から除外する旨、規定しております。これは、地方自治法第74条第1項の括弧書の市税や使用料・手数料等に関しては、直接請求の対象外とする規定と同様にしたものであり、この趣旨は、財政に与える影響について十分な検討がないまま、負担軽減を求める意見ばかりが多く提出されるおそれがあることから、対象外としたものであります。
しかしながら、市といたしましては、江別市自治基本条例を制定し、市民と協働で行政を進める立場から、今回の使用料・手数料の改定に当たっては、情報を広く共有して多くの市民の方々のご意見を伺うことを念頭に進めてまいりました。具体的には、まず、行政改革推進委員会において説明し、意見をいただいたほか、現在、市のホームページにおいて内容の全てを公開し、意見や質問を受け付けているところであります。加えて、施設ごとの対応として、公民館と体育館及びパークゴルフ場に関しては、ポスターを掲示し、改定資料を窓口で配布するほか、利用登録している560団体全てに改定内容が周知されるよう資料を配布、あるいは会議の席上で説明を行い、さらに、社会教育委員の会議やスポーツ振興審議会、自治会連絡協議会正副会長会議等において説明を行うなど幅広く改定の趣旨を説明しているところであります。
したがいまして、様々な手段で市民から意見や質問を受け付けているという現状から、実質的にパブリックコメントの募集と同様の取扱いをしているものと考えているところであります。
なお、市民説明会等の開催については、パブリックコメントと同様に様々な手段で様々な方から意見を受け付けていることから、開催は予定していないところであります。
私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、生活環境部長外をもって答弁いたします。
生活環境部長(柴垣文春君)
私からごみ減量化のための取り組みについてご答弁申し上げます。
初めに、増加傾向にあるごみ排出量の実態であります。平成16年度の家庭ごみ有料化以降、減少し続けてきたごみ排出量は、平成21年度と平成22年度は前年度と比較して増加したところでありますが、各年度の組成分析の結果では大きな変動は見られないことから、増加原因の特定には至っておりません。
今年度の11月末までのデータでは、ごみ総量は減少しておりますことから、今後も引き続き排出抑制に向けた取り組みを進めていきたいと考えております。
次に、減量化に向けた対策についてですが、江別市一般廃棄物処理基本計画において平成32年度に市民1人1日当たりのごみ排出量を910グラム以下にすることを目標として掲げ、今年度からスタートしたところであります。この目標値は、既に家庭ごみの有料化などの排出抑制策が進められた中では相当な努力が求められるものでありますが、リデュース、リユース、リサイクルの3Rの推進をはじめとする四つの基本方針の下にある34の施策のうち、大型ごみ収集区分の新設など6施策を既に先行して実施したほか、さらに、ごみの発生・排出抑制の啓発・支援等28の施策を積極的に展開するなど市民、事業者及び行政が意識を共有し、それぞれの立場で必要な役割に取り組むことで、達成に向けて努めてまいりたいと考えております。
次に、減量するための具体的な取り組みについてでありますが、これまでも、市民の皆さんには、マイバッグ持参運動、リサイクルバンクの活用などに取り組んでいただいており、マイバッグ持参率は91.1%に達し、リサイクルバンクでは年間約1,300点の品物が再利用されております。
また、自治会を中心とした集団資源回収と市民団体による拠点回収が実施されている古布の回収につきましては、今年度は拠点回収の定着とともに資源回収業者が回収品目を拡大したことなどで、上半期の回収量が約15トンと前年同期の約3倍に増加するなど年々回収量が増加しております。
こうした回収拠点や回収量の増加状況などの情報を含め積極的なPRに努めるとともに、新しく携帯電話など小型家電の回収につきまして、国においても制度を創設しようとする動きもありますことから、市においても事業者などへの働き掛けを行ってまいりたいと考えております。
また、家庭系ごみの約3割は生ごみとなっており、ごみの全体量を減らすためには、生ごみの減量が欠かせないものと考えております。生ごみの多くは水分であり、これからも市民に対して生ごみの水切りを啓発するほか、家庭内での堆肥化の支援を進めてまいります。
今後も、江別市一般廃棄物処理基本計画に基づき、出前講座をはじめ、一般市民向けの啓発や子供の頃からの意識啓発を図る買物ゲームなど環境教育の実施、事業所種別ごとの講座の開催による過剰包装の抑制や生ごみ減量の推進など排出抑制に関する施策を推進してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
健康福祉部長(山田宗親君)
私から障がい者の相談支援体制についてご答弁申し上げます。
現在、市内の相談支援事業所につきましては、北海道の指定を受けた民間の2施設が運営されておりますが、そのうち1か所につきましては、運営体制に課題があると聞いております。
障害者自立支援法の改正に伴い、平成24年度からは相談支援体制の強化が求められることから、現在策定中の第3期障がい福祉計画を踏まえ、今後、段階的な整備に努めていきたいと考えております。
相談窓口としては、市をはじめとして各福祉サービス事業所等が想定されますが、利便性を考慮し、より身近な場所で相談に応じられるような配慮が必要と考えますことから、各関係機関が参加・連携する自立支援協議会などを活用し、障がいを持つ方が利用しやすい窓口になるよう努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
教育長(月田健二君)
私から教育についてご答弁申し上げます。
まず、障害者基本法改正による江別市の認識と目指す教育の在り方についてでありますが、国においては、障害者権利条約の批准に向けた国内整備の一環として、今年8月に障害者基本法が改正され、現在、文部科学省中央教育審議会に特別支援教育の在り方に関する特別委員会を設けてインクルーシブ教育のシステム構築に向け、特別支援教育の方向性などについて検討が進められ、今年度中を目途に一定の考え方をまとめるものとしております。
江別市教育委員会といたしましては、特別支援教育に関する基本的な考え方として、障がいのある子供一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育支援が受けられるようにすることを掲げており、障がいの有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し合うような共生社会の基礎を培うため、適切な教育指導や支援体制を構築していくことが必要になると考えております。
今後とも、国の動向を踏まえつつ、特別支援教育の施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、保護者や児童生徒への法改正内容の周知と学校の選択についてでありますが、現在、国において、中央教育審議会の審議等を踏まえて速やかに制度改正等を行うべく検討中であり、本人や保護者の不安を取り除くためには、適宜、情報を提供していく必要があると考えております。制度改正の内容が明らかになり次第、教職員や保護者向けの研修会の開催、特別支援教育だよりなど様々な手法により、周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、学校の選択についてでありますが、就学先の決定に当たっては、平成19年度の学校教育法施行令の改正により、専門家の意見の外、保護者の意見聴取が義務付けられ、特別支援教育の在り方に関する特別委員会が平成22年12月にまとめた論点整理でも、就学基準に該当する障がいのある子供は、特別支援学校に原則就学するという従来の仕組みを改め、本人や保護者の意見を最大限尊重しつつ、障がいの状態や本人の教育的ニーズ、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当とされたところであります。
当市では、障がいのある児童生徒の就学先の決定に関しては、就学指導委員会において、障がいの程度等について専門的立場から調査・審議を行い、その結果に基づき、保護者と面接を行った上で決定しているところであります。
今後とも、障害者基本法改正後の政策動向を注視していく中で、児童生徒や保護者の意見を尊重するとともに、教育的ニーズや指導体制、設備などを含めた総合的な観点から、児童生徒にとって適切な就学先を決めていくことができるよう施策の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、特別支援教育についてご答弁申し上げます。
まず、特別支援学校高等部(高等養護学校)への入学の実態把握と問題についてでありますが、江別市の生徒の特別支援学校高等部への入学実態につきましては、毎年実施している学校基本調査により卒業後の進路を把握しているところであり、特別支援学級を卒業したほとんどの生徒が特別支援学校高等部へ進学しております。今年3月に市内の特別支援学級を卒業した生徒の10名につきましては、全員が特別支援学校高等部に進学しているほか、通常の学級からも特別支援学校高等部へ進学する生徒が増えており、同じく3月の卒業生では3名が進学しています。
このような中、道央圏、特に札幌圏においては、定員数不足により特別支援学校高等部への進学希望者の需要に応え切れない状況となっており、年度によっては、遠方の学校に進学しなければならない例もあり、できるだけ身近な地域において専門性の高い教育を受けさせたいという本人や保護者のニーズへの対応が求められています。
江別市においては、本年11月に江別市への道立高等養護学校誘致期成会が設置され、江別市への高等養護学校の誘致について、取り組みが始まったところであり、今後は、特別支援学校高等部の入学前から卒業後も含めた長期的な視点からの支援について、一層取り組みを強化していく必要があると認識しております。
このようなことから、特別支援学校の誘致活動に当たっては、教育はもとより、経済、福祉、地域の自治会など市内の各関係団体の協力を得て、全市一体となって活動を進めてまいりたいと考えております。
次に、子供たちの抱える問題等の実態把握について及び学習障がいの児童生徒の実態把握についてでありますが、江別市では、通常の学級において、特別な支援が必要とされる児童生徒を把握するため、実態調査を行っております。
この調査は、医学的な診断の有無にかかわらず、各学校において学習面や行動面、対人関係などの支援の必要性を把握するとともに、教員の気付きを促し、児童生徒の理解を深め、学校全体で支援に取り組むことを期待して実施しているものです。平成22年度の調査結果では、全児童生徒数に占める支援が必要な児童生徒の割合は2.9%であり、そのうち、学習面について支援が必要とされる児童生徒は1%で、約100名となっております。そこで把握した児童生徒に対しては、特別支援教育補助員の配置、大学教授や医師、特別支援学校教諭、子ども発達支援センター職員などで構成している特別支援教育専門家チームによる巡回相談などにより、個々のニーズに合わせ、具体的な支援に結び付けているところであります。
次に、学習障がいなどの児童生徒に対する特別支援教育補助員、特別支援に関わる教職員の研修体制についてでありますが、特別支援教育補助員の研修は、平成22年度には年間2回行っており、専門の講師を招いて指導方法や専門知識について学習し、各校の実践事例を発表し合うなど専門性と資質の向上に努めております。
また、特別支援教育補助員の配置については、地方交付税で措置されているところであり、人件費の外、研修の経費に充てております。
次に、教職員の研修体制につきましては、江別市教育委員会主催の研修を管理職向けと一般教諭向けにそれぞれ年1回、特別支援教育コーディネーター向けに年2回開催し、役割に応じたカリキュラムを設定して実施しております。
内容といたしましては、管理職研修では、個別の教育支援計画の作成とその活用を通した管理職としてのリーダーシップの発揮について、一般教諭向けの研修については、個別の教育支援計画・指導計画と障がいに応じた指導法について、特別支援教育コーディネーター研修については、コーディネーターの役割と検査結果の見方について実施したところであります。
障がいの程度や状態による個別の教育的ニーズは、ますます複雑多様化していくと想定されるため、特別支援教育に携わる教職員等の専門性の向上が必要であり、特別支援教育の推進に当たっては、管理職のリーダーシップの下、学校全体での取り組みが必要となります。
そこで、市が実施する研修内容の充実に努めるとともに、北海道や北海道立特別支援教育センターなどが主催する研修の情報提供も積極的に進め、特別支援教育補助員や教職員等の専門性と資質の向上に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
干場芳子君
2回目の質問を三点と要望を二点述べたいと思います。
まず、使用料・手数料の見直しについてです。
江別市パブリックコメント(意見公募)手続要綱では、今回の使用料・手数料等の改定に関して、意見公募対象から除外する旨が規定されているとのことでした。見直し案については、様々な機会をつくり、ホームページの活用、資料配布、会議での説明や団体等への説明を行っているとの答弁でした。
しかし、今、国においては、地方自治法の一部改正に向けて、議会の在り方をはじめとする住民自治の在り方など三点について、本年末に向けて改正案の答申を取りまとめることとしているようです。その中には、地方税をはじめとする地方公共団体の収入に関する事項について住民の意思が的確に反映されることは、住民自治の観点から極めて重要であり、地方税等に関する事項を条例制定・改廃請求の対象とすることを基本とすべきとされています。つまり、市民に身近な使用料・手数料について、直接請求の対象から除外されていることにより、受益と負担の関係について市民自らが議論する機会が失われている状態にあるのではないかということです。財政状況も踏まえ十分な検討が必要と考えますが、こういった流れからも、このたびの見直しについては、市民生活に深く関わることから広く市民に対しての説明が求められます。
答弁にありました審議会や団体等への説明は当然ですが、資料を配布することが十分な周知につながるとは言えず、様々な行政サービスに対する市民相互の負担の公平性を確保するのであれば、やはり利用する市民全てに対して必要な情報を提供し、分かりやすく説明する機会を持つことが大変重要です。
基本方針の中でも、施設の管理運営などに要する経費を明らかにしていく必要があると述べられていますが、施設の行政コスト、手数料についても同様に、サービスの提供コストを明確にした資料提供が不十分です。分かりやすい十分な情報提供とともに、市民からの意見を聴くことも必要であり、市民と行政のそうした双方向のやり取りの手応えが、更に市民の市政への意識を高めることにつながるのではないでしょうか。
今回の見直し方針案において新たに建設費がコスト計算の中に盛り込まれたことは、使用料を算定するに当たって重要な点です。施設を利用する人、しない人、また、利用者間における不公平が生じないよう十分説明し市民全体の理解と協力が得られるよう進めていくことが大切です。
このようなことから、やはり、市として、このたびの使用料・手数料の見直し方針案については、市民全体に対して説明会を開催し、市民の声や意見を聴くという姿勢が必要と考えますが、いかがか伺います。
2点目は、特別支援教育についてです。
特別支援学校高等部への入学状況についてですが、できるだけ地域の学校に通い、教育環境を整えることができるよう、まずは、特別支援学校高等部の誘致に向けた活動を進めていかれるとの答弁でした。
北海道は、ここ数年、札幌市及びその近郊に北海道星置養護学校の分教室や北海道小樽高等支援学校、北海道立札幌稲穂高等支援学校を増設してきました。しかし、寄宿ではなく自力での通学が条件となっていたり、産業科、環境・サポート科や木工科は増えていますが、生活科などの間口は狭い状況となっています。このようなことが生徒にとって入学しにくい要因ともなっています。特別支援学校高等部が増設されましても、進学を希望する生徒が地域及び近隣の学校に入学することは難しく、生徒や保護者は、多くの困難を抱えて遠方への通学や入学を余儀なくされている状況が見受けられます。
2011年度から北海道は、高等学校における発達障がい支援連携モデル事業を道内4か所において開始しましたが、やっと特別支援教育支援員の体制が整ったところであり、調査・研究はこれからとのことでした。しかし、生徒数の多い都市部で高等学校のモデル事業を実施することが、今後に向けての大きな課題と言えます。
一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育支援を受けるためには、特別支援学校高等部の在り方も含めた入試方法の改善や普通高校での教育環境の整備、都市部の高校でのモデル事業の取り組みなど必要な支援や対策を講じるよう、市として、今後、北海道に要請していくことも必要ではないかと考えますが、どのようにお考えか伺います。
3点目ですが、特別支援教育補助員や教職員の研修については、様々な取り組みをしているとのことで理解いたしました。児童生徒の多様な個別の教育的ニーズに対応していくためには、専門的な知識が必要であると考えます。2007年度から特別支援教育が全国的に開始され、普通学級に在籍する教育上特別な支援を必要とする児童生徒に対して適切な教育を行うということが明確に位置付けられました。
先日、私は、東京都港区の特別支援教育を担っている個別支援室の講座でお話を伺ってきました。個別支援室は港区と共同で事業を行っており、教育委員会とNPO、専門家が協働して専門的な知識を持つ学習支援員を養成して、区内の小中学校に派遣しています。学習支援員は、イギリスのLSAと言いまして、ラーニング・サポート・アシスタントという資格をモデルとしており、学校内の教員の補佐をしながら、対象児に積極的に関わって、一人ひとりの育ちを支援するという役割があります。
個別支援室では、LSAの養成講座を行っており、発達障がいの基礎知識、教科における支援の仕方、保護者や当事者の話、港区の取り組みについてなど14日間にわたってこれらを習得してもらい、この講座を受けた方が学習支援員として区内の学校に派遣されることになっています。派遣後も支援員のフォローアップセミナーなどの情報交換会を開催し、継続して勤務できるバック・アップ体制を取っています。このような取り組みにより、教員免許を持っていなくても、ニーズに合った支援をして効果が上がっているということが分かってきているそうです。これまでの教え方ではなかなか学習が進まない児童生徒に対する支援では、かえって教員の経験が邪魔をすることさえあると聞きました。
子供たちの多様化する困難に適切な支援をするためには、このような人材の養成や研修体制の充実が必要だと思いますが、この支援員の養成についてどのような見解をお持ちか、お伺いします。
最後に、要望です。
障がい者の相談体制についてですが、障がいのある方が利用しやすい窓口となるよう努めていかれるとの答弁でした。現在、市内にある相談支援事業所のうち1か所については運営体制に課題があるとのことですが、その1か所が機能していくとしましても、やはり市内に2か所というのは少ないと言いますか、不十分と考えますので、今後策定する第3期障がい福祉計画の中でさらなる整備に努めていただきたいと思います。
また、障害者自立支援法等の一部が改正され、2012年4月から相談支援の充実、障がい児支援の強化等が実施されることとなります。しかし、新法施行予定の2013年8月までわずか1年余りの短期間となっており、拙速なこの法律に障がいのある方々の生活や関係者が混乱することのないよう、実施に当たっては、当事者のニーズを十分に把握して慎重に行っていただきたいと思います。
最後に、ごみ減量化の取り組みについてです。市民の意識と努力によって、着実にごみの減量化が進んでいるものと理解しますが、排出の利便性は、ともすれば、資源化の可能なものまで燃やせるごみとなってしまうことが懸念されます。
今年の3月に策定した江別市一般廃棄物処理基本計画にも書かれていますが、混ぜればごみ、分ければ資源というようにリサイクルのさらなる推進が求められます。
江別市は、市民自らのひと手間によって、回収したペットボトルの買取り価格がとても高いと聞いています。さらに、集団資源回収率29.4%は、全国、全道よりもはるかに高い回収率です。このような市民意識の高さを生かすことが大切です。布類については、回収品目の拡大と回収拠点の定着などで上半期の回収量が前年同期の約3倍となりました。適切な情報提供とPRが市民の行動につながっていると思いますので、今後とも積極的に進めていただきたいと思います。
また、広報えべつ等を効果的に活用し、布類の回収・リサイクルについては、燃やせるごみから資源に回るようしっかりとした周知を今後も行うことが大切だと思いますので、よろしくお願いいたします。
さらに、1トン当たりに掛かる委託変動費についてですが、ごみの水分含有量によって、使用する石油量が相当違うと考えます。生ごみの水切りなどを呼び掛け、市民が行動したことによって、どのくらいの費用が軽減されたのか実感できるような工夫についても、今後、取り組んでいかれますことをお願い申し上げて、質問を終わります。
市長(三好昇君)
干場議員の再質問にお答えいたします。
私からは、使用料・手数料の見直しに関する再質問にお答え申し上げます。
地方自治法改正の流れ、さらには、江別市自治基本条例に基づく市民自治の流れから、多くの情報を多くの市民にお知らせすることは、極めて重要であると認識しております。
今回の使用料・手数料の見直しに当たりましても、その基本的な考え方の下、可能なもの全てで対応しているところでありまして、パブリックコメントの募集と同様の取扱いというのは、そのような趣旨で実施したところであります。
また、その他の質問をいただいた場合には、その都度、必要な事項の情報提供をさせていただきますが、現状では、新たに説明会を設けたり、別な観点での対応をするということは難しいと考えております。
いずれにしましても、できる限りの情報提供を今後も行ってまいりたいと考えておりますので、市民の皆様にはご理解を賜りたいと思っております。
私からは以上でございます。
教育長(月田健二君)
干場議員の再質問にお答えいたします。
まず、特別支援学校高等部への入試方法の改善や普通高校での教育環境の整備等を市として今後北海道に要請していくべきではないかとのことでありますが、特別支援教育は、乳幼児期から学校卒業まで長期的な視点に立ち、一貫して適切な支援を行うべきものと認識しており、中学校卒業後、ほとんどの生徒が高等学校等へ進学する実情にあることから、まずは、保護者の考えを十分把握した上で対応してまいりたいと考えております。
次に、東京都港区が実施している学習支援員の養成について市としてどういう見解を持っているかについてでありますが、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育支援を行うには、まず、教職員の専門性と資質の向上が重要と認識しており、今後とも、学習支援の充実に向け、東京都港区における学習支援員の取り組みも参考にさせていただきながら関係職員の能力向上に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
副議長(清水直幸君)
以上をもって、干場議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
副議長(清水直幸君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後2時34分 散会