平成22年第3回江別市議会会議録(第3号)平成22年9月16日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
宮川正子君
ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問をいたします。
初めに、高齢者の孤立を防ぐ対策についてお伺いいたします。
全国で、100歳以上の高齢者の中で所在不明になっている方が多数いることが明らかになりました。また、大阪府大阪市では、幼い子供2人が母親の育児放棄が原因で亡くなるという痛ましい事件が起こりました。
現代社会では、他者との付き合いが希薄になり、近隣への無関心が増えたことで、社会的問題を生み出しています。無縁社会と言われるように、家庭や地域の力が低下していることが指摘されています。近代化の波が家族を少人数にし、お一人様、単身者が増え、社会との接点がなく、だれにもみとられずに死に至ったり、死後かなりの時間を経過してから発見されるケースが増えてきました。単身世帯の約6割が孤独死を身近に感じ、不安を覚えているとのことです。
NHKが全国の自治体を対象に行った調査によると、2008年の1年間で約3万2,000人が無縁死しているとのことですが、今後更に増大する状況にあるとのことです。このような状況を受け、今、地域において孤立した暮らしを解消するために、地域社会の中で、交流や見守り活動を展開することが求められています。
私が注目したのは、東京都目黒区の取り組みです。目黒区では、2010年1月から、二つの事業がスタートしています。一つは、見守りめぐねっとという愛称の目黒区高齢者見守りネットワークです。この事業は、見守る人や見守られる人を特定しない緩やかな見守りを推進するもので、区民や区内で活動する事業者が日常の中で、例えば、新聞が何日もたまっている、不自然な服装で歩いていたと気付いたときに、区内の地域包括支援センターに連絡してもらうというものです。これまでも、民生委員などからこのような連絡があり、内容そのものは目新しいものではありませんが、漠然としていた情報の流れを目に見える形で示し、名前を付けたことで、いざというときにだれもが行動できるようにする効果があるとのことです。また、事業を実施する上で、三つのカテゴリーを設け、参加を呼び掛けたとのことです。一つ目は、区内で公共的活動を行う団体、二つ目は、高齢者の支援に関係する公共機関、三つ目は、趣旨に賛同して登録していただける事業者で、余り関係を持っていなかった業種にも働き掛け、新聞配達、宅配便事業者、牛乳配達、郵便局など101事業者に登録していただいたとのことです。また、事業者には、地域包括支援センターの連絡先を書いた携帯用カードを配布し、異変に気付いたときに、その場で連絡してもらえるようにしているとのことです。
もう一つの事業は、見守りを希望する高齢者と見守りを希望するボランティアを募集し、高齢者には、訪問して声を掛けてほしい、戸外からそっと見守ってほしいなど希望する見守り方法を聞き、ボランティアの人には、自分ができる見守り方法を申し出てもらった上でマッチングを行い、実際の見守り活動につなげているというものです。2010年4月現在では、21世帯で22人が利用しているとのことです。
これらの目黒区の取り組みは、対象者を特定しない緩やかな見守りと希望者を個別的に見守り、何層にもセーフティ・ネットをかぶせ、高齢者が安心して地域で暮らしていけるようにするものです。
これらの取り組みのほかに、孤立を防ぐ方法として、交流の場としての高齢者サロンがあります。一人ぼっちでの自立した暮らしはあり得ないということで、それぞれの地域社会の中で豊かに生きるためには、良好な人間関係が必要です。
あるご婦人から、地域にいる一人暮らしの男性が奥様を亡くし、日に日に元気がなくなっているというお話を聞きました。また、地域に一人暮らしの方が増えており、地域に気軽に集まれるところがあれば、私も何かお手伝いしたいとお話をされていました。
このような話を聞き、何か良い方法はないかと思っていたところ、北広島市で、ミニデイサービス支援事業を実施していました。この事業では、高齢者が家に閉じこもることなく、周りの人と触れ合いながらゲームなど様々な活動を行っています。市では、地域でミニデイサービスやそれに準じたことを実施しているボランティア団体などを募集し、登録をしていただいた上で、助成金を交付しています。
また、以前、一人暮らしの高齢者とお話をしたときに、1週間だれとも話をしていなかったという話をお聞きし驚きました。身体的には健康なのに、精神的に不安感や孤独感、寂しさなどを抱えている高齢者が多く、社会科学や公衆衛生学では、対人的なネットワークの乏しさが死亡リスクを高める要因となり得ることが報告されています。このほか、家族との接触が心臓疾患のリスクを低下させることなども報告されています。
以上のことから、1点目として、江別市においても、目黒区のような対象者を特定しない見守りや見守りを希望する特定の高齢者とボランティアのマッチングによる見守りを実施してみてはいかがでしょうか。お伺いいたします。
2点目として、自治会によっては、サロン活動を積極的に行っているところもあり、地域の方が交流しています。サロン活動を行っている自治会の役員からは、大変好評で、自治会以外からも参加者が来ており、その方たちは、自分の地域にもこのような場所があればいいと言っているとお話しされていました。このようなことから、だれもが気軽に集えるように、小学校区くらいを単位として高齢者サロンをつくってはいかがでしょうか。そのためには、北広島市のようにボランティアを募集するなど、地域で見守る仕組みづくりが必要だと考えますがお考えをお伺いいたします。
続いて、うつ病対策についてお伺いいたします。
本年5月22日に、社団法人日本精神神経学会など精神医療4学会は、うつ病を国家的課題として啓発に取り組むべきだとする提言をまとめ、日本精神神経学会総会で共同宣言として採択されました。うつ病の問題について、精神医療にかかわる学会が公式見解を出すのは初めてとのことです。その提言では、うつ病などの精神疾患ががんや心臓疾患と並ぶ三大疾患として先進諸国で最優先課題となっているとし、国内でも早急な対策を講ずるべきとしています。
厚生労働省が昨年12月に発表した調査によると、うつ病やそううつ病などの気分障がいの患者は、100万人を超えたとのことで、うつ病の有病者数を約250万人、うつ病を含む気分障がいの有病者数を1,000万人以上と推計しています。一生のうちに、およそ5人に1人がこのような症状に陥ると言われており、多くの人がり患する身近な病気です。
2006年のこころの健康についての疫学調査によると、うつ病患者の受診率は18.6%と報告されています。未診断、未治療のうつ病は、その後、重症化・慢性化することが多く、労働力の低下や社会保障費の増大など膨大な社会経済的損失を生んでいるとのことです。
そのような中、うつ病対策としてすぐにできることとして、うつ病に対する正しい知識の普及が挙げられています。中でも、学校に通う児童生徒及び教職員のメンタル・ヘルス教育を行う必要があるとしています。12歳から14歳のうつ状態の時点有病率は4.9%で、14歳までのうつ状態の生涯有病率は8.8%、思春期以降の中学生、高校生、大学生などは18歳までにその15%から20%がうつ状態を経験すると言われているとのことです。
以上のことから、1点目として、市においても、うつ病に対する正しい知識の普及が必要と考えますが、その取り組みについてお伺いいたします。
2点目として、病院に行けずに悩んでいる人が早期に相談、治療できるような体制づくりについてお伺いいたします。
3点目として、児童生徒のメンタル・ヘルス教育をどのようにされているのかお伺いいたします。
また、新たなうつ病の治療法として、認知行動療法が注目を集めています。うつ病にかかる人は、一般的に、自己に否定的な思考を持つ傾向があり、物事のとらえ方や解釈が否定的になりやすいため、不快な感情を増幅させてしまうとのことです。認知行動療法とは、患者自身にそのゆがみを気付かせて修正していくことで、不快な感情を改善していく精神療法のことです。また、薬物療法と併用すると、効果が高いとされています。
2010年度の診療報酬改定で、本年4月から同療法の評価が新設され、健康保険の適用になりました。それには、うつ病のほか、不安障がいや統合失調症などの精神疾患に対する治療効果や再発予防効果を裏付けるデータが数多く報告されているとのことです。
公明党は、平成20年に、認知行動療法などを盛り込んだ総合うつ対策をまとめ、その実現に取り組んでまいりました。2005年8月から、うつ病デイケアという形で認知行動療法を取り入れている沖縄県立総合精神保健福祉センターでは、同療法の治療を受けた約9割の人の症状が改善したという結果が出ているとのことです。
市民の方から、友人の兄が仕事の悩みから40歳代でうつ病になり、もう何年も働けない状態で、高齢の両親が悩んでおり、どこの病院に行けばこの療法を受けられるのかと聞かれました。
東京都世田谷区では、このような悩みを抱えるうつ病患者の家族向けに懇談会を実施しています。また、うつ病患者本人に対するうつ病就労支援ウォーミングアップ実践講座も実施しています。2005年に区内の75事業所を対象に行った調査では、従業員の約7割が心の疲れを感じると回答し、約2割の事業所で過去3年間に心の不調が原因で休職している人がいたとのことです。
そこで、4点目として、うつ病に効果的な認知行動療法に対する見解と江別市立病院への導入についてお伺いいたします。
5点目として、東京都品川区のようなうつ病患者に対する職場復帰への支援や家族への支援が必要と考えますが、市における取り組みについてお伺いいたします。
続きまして、公共施設についてお伺いいたします。
初めに、公共施設利用料などについてお伺いいたします。
市民の方から、吹奏楽部の発表会などが近づくと、練習をするために江別市民会館などのホールを借りるそうですが、利用希望者が多く、借りられないことがあるという話をお伺いしました。それはなぜかと言うと、江別市の学校だけではなく、他市町村の学校から多く申込みがあり、抽選になるからとのことです。
江別市の施設を利用する際に、江別市民と市民以外の申込みに差がありません。他市町村では、市内と市外の方で利用料金や申込み方法に差があり、市民優遇制度を設けているところもあるため、江別市民が他市町村の施設を利用する際に、地元の人より不利になることがあるとのことです。
近隣市を調べてみると、北広島市では、市外と市内で明確に分けていました。施設の使用料は、市外の方が利用する際は割増しし、市民が利用する際には減免制度を設けているとのことです。また、受付開始日についても、市民は12か月前からで、市外の方は11か月前からとのことです。千歳市においても、市民以外は、料金設定を2倍にしています。
ほかにも、パークゴルフをされている方からも同様の要望を受けました。パークゴルフは、健康維持に効果があり、生涯にわたる健康づくりに有効なほか、高齢者の医療費や介護に係る経費の抑制にもつながります。税金を納めている市民と施設の利用料だけで済む市外の利用者との間に、料金差を設けてはどうかというものでした。
以上のことから、1点目として、市の公共施設における利用料は、どのような基準で算定されているのでしょうか。お伺いいたします。
2点目として、市の公共施設を利用する際に、申込み方法や料金設定に市民と市外の方で差別化を図り、江別市民を優遇する制度を設けてはいかがでしょうか。お考えをお伺いいたします。
次に、公共施設の利用制限の緩和及び利用時間の拡大についてお伺いいたします。
札幌市では、昨年10月から、区民センターなどを1時間単位で貸しています。以前の利用区分は、午前、午後、夜間、全日の4種類のみでしたが、使用日5日前の時点で空いている部屋は、1時間単位で借りられるようになりました。また、販売は除きますが、企業が行う商品説明や企業及び個人事業主による各種教室、学習塾など営利目的の利用についても利用が可能になったそうです。さらに、飲酒を含む宴会や遺体の搬入、火気の使用などの制限はありますが、故人をしのぶ会なども行えるようになりました。ほかにも、清掃や利用者の入替え時間のために利用できなかった正午から午後1時と午後5時から午後6時のうち、40分間は利用できるようになっています。使用例としては、料理教室の場合、午前9時から調理を開始し、正午に試食した後、片付けなどをして午後0時40分に終了するというものです。
市の担当者にお伺いしたところ、コミュニティ施設の利用率は、年間50%前後であったため、市として少しでも有効に利用していただき、より利用される施設を目指そうと検討を行った結果、実施したとのことでした。
そこで、3点目として、江別市においても、公共施設の効率的な活用を図るため、利用制限の緩和や利用時間単位の見直しなどが可能な施設を検討し、公共施設の利用促進を図っていただきたいと思いますがお考えをお伺いいたします。
次に、広告を活用した公共施設のトイレの整備についてお伺いいたします。
公共施設のトイレの整備については、市民から要望が多いものの一つです。それは、市民が多く利用するものであることや、高齢化が進んでいるほか、家庭のトイレは洋式化が進み、約70%にウォシュレット機能が備わるなどトイレが快適で清潔な空間となっている中で、公共施設の老朽化が進んでいるにもかかわらず、財政難などが理由でトイレの整備がなかなか進まないためだと思います。それでも、市民からは、江別市民会館や江別市民体育館のトイレが洋式化されたことは大変喜ばれています。
今後も、高齢化は進みます。以前の一般質問でも取り上げましたが、トイレの整備状況によって外出を控えたり、つらい思いをされている方がいらっしゃいます。古い集会場などでは、冬にトイレの便座に座ると、心臓が飛び出すくらい冷たくて大変だというお話も聞いております。ほかにも、だれが座ったのか分からない便座に座りたくないとか、今はどこに行っても設置してある便座クリーナーを設置してもらいたいという要望をお受けします。
今回の一般質問では、そのような市民の要望にこたえるために、トイレを広告媒体として活用し、その費用をねん出してはどうかということです。以前、羽田空港のトイレを利用した際に、デジタル広告が配信されていました。初めはびっくりしましたが、目の前に広告があるとつい見てしまいます。
栃木県では、県庁舎の男性用トイレの壁面に掲示する広告を16枠募集したところ、すべての枠に申込みがあったそうです。財政難の中、公共施設における広告の利用拡大については、以前から質問をさせていただいておりますが、今回は、特にトイレに関して質問をさせていただきます。ある高齢者の方は、外出したときに一番困ることがトイレだとお話しされていました。
以上のことから、4点目として、だれもが集う公共施設、集会場、公園などのトイレの洋式化、便座の暖房化、便座クリーナーの設置など、トイレの環境を整備するために、トイレを広告媒体として有効利用することで費用をねん出してはいかがでしょうか。お伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
議長(坂下博幸君)
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
午後0時00分 休憩
午後1時00分 再開
副議長(尾田善靖君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
宮川議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好昇君)
宮川議員の一般質問にお答え申し上げます。
公共施設利用料の市民優遇に関しまして、まず、公共施設の利用料の算定基準でありますが、江別市の公民館や市民会館、体育館など主に利用者が主体となって利用する施設にあっては、建設に係る費用を含めず、光熱水費などの維持管理経費のみを全額負担していただくこととし、料金を設定しているところでございます。また、葬斎場や廃棄物処理施設などその施設が行う特定サービスの利用料などにあっては、維持管理経費のほか、建設などに係る費用も負担していただくこととしております。
次に、申込み方法や料金の設定における市民優遇制度についてでありますが、江別市においては、火葬料を除き、基本的には、申込み方法や料金の設定に当たって、市民と市民以外の方を区別していないところであります。これは、例えば、公民館などは、他市町村との関係で、お互いに特色を持つ施設の広域的な利用の促進を図る観点から基本的に差を設けていないほか、受益者負担の考え方から、市民か否かを問わず利用者が維持管理費のすべてについて負担することを基本として、使用料を設定しているものであります。
しかしながら、時代とともに利用形態は変わりつつあり、地域サークルの活発化など公共施設に対する需要の高まりのほか、近年の近隣他都市の状況を踏まえますと、今後においては、市民と市民以外の方との間で、市の公共施設の利用に差を設けることなどについて研究が必要なものと考えております。
次に、利用制限や時間の拡大などにより、公共施設の効率的活用を図ることについて、公民館は、社会教育法により、社会教育施設としての性格があり、営利目的での活用はできないなど制限がございますが、住区会館などにおいては、従前より、学習塾などの利用も可能としているところでございます。
また、利用時間単位を3時間単位から1時間単位の貸出しにするなど利用時間の変更については、現状においても、条例に規定されている利用料の範囲の中で、指定管理者の創意工夫により、柔軟な設定を行うことが可能となっておりますが、利用料金制を採用している公民館などにおいては、例えば、時間設定の細分化に当たって、江別市教育委員会など関係機関との十分な協議が必要であると考えており、今後の課題としてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、市民と市民以外の方における使用料の設定などは、条例改正が必要となりますことから、今後の使用料見直しに合わせて検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもって答弁いたします。
総務部長(斎藤嘉孝君)
私から公共施設のトイレの整備についてご答弁申し上げます。
トイレを広告媒体として有効活用することについてでありますが、公共施設におけるトイレの洋式化や暖房化等は、要望が多く、計画的な整備を進める必要があるものと考えております。
近年は、国の経済対策を活用するほか、施設の大規模改修などに合わせ、学校や市民会館等のトイレの洋式化を随時進めてまいりましたが、現状では、暖房便座やクリーナー付き便座の導入は進んでいないところであります。今後におきましても、まずは、トイレの快適性の向上のために、洋式化を重点的に進めてまいりたいと考えております。
また、トイレの環境整備に当たってトイレを広告媒体として活用し、費用をねん出してはどうかとのご提案については、現状においても、広報えべつ、市のホームページ及び各種封筒などへの広告の掲載を行っておりますが、今後とも、トイレを含めたあらゆる媒体を積極的に検討する中で、広告の活用による自主財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
健康福祉部長(鈴木誠君)
私から高齢者の孤立を防ぐ対策ほかについてご答弁申し上げます。
まず、高齢者の見守りについてでありますが、一人暮らしの高齢者が増えている現状から、人間の尊厳にふさわしくない孤独死や孤立死という形で人生の最期を迎える事態をなくすために、地域の中で人々のつながりを深めていくことは、非常に重要なことと認識しております。
現在、市では、緊急通報システムを設置している方へのお元気コールをはじめ、社会福祉法人江別市社会福祉協議会や自治会など地域で様々な見守り活動が行われているほか、地域包括支援センターでは、それぞれの担当地域で、高齢者の見守りも含めた地域のネットワークづくりを進めているところであります。
市といたしましては、今後、支援が必要な高齢者の情報を地域包括支援センターが集約し、必要な支援へつなげていくことが重要であると考えておりますことから、地域包括支援センターの体制強化を図ってまいります。
次に、高齢者の交流サロンについてでありますが、歩いて通える範囲で自由に出入りができるサロンは、高齢者にとって地域の方々となじみの関係を築く上でも貴重な場であると認識しております。また、介護予防の視点からも、閉じこもりがちな高齢者は、介護を要する状態になりやすく、外出の機会を増やすことは、介護予防につながると言われております。
高齢者の交流の場としてのサロンの運営には、北広島市のような方法、自治会単位で行う方法、介護予防に視点を置いた方法などがあるほか、運営主体についても、市民ボランティアによるもの、NPO法人や事業所によるものなど様々な開設方法がございます。そこで、市といたしましては、各種学習活動や喫茶交流活動を行っている大麻地区の例や、愛のふれあい交流事業から発展し、高齢者を対象とした活動を行っている江別地区の例など、活発に活動されている例における効果なども含めて紹介し、それぞれの地域の実情に合った方法で高齢者の交流が図られるよう社会福祉法人江別市社会福祉協議会やボランティア団体などの関係機関とも協力してまいりたいと考えております。
次に、うつ病対策についてご答弁申し上げます。
まず、当市におけるうつ病の正しい知識の普及の取り組みについてです。
うつ病対策について、精神医療にかかわる関連4学会は、本年5月の共同宣言の中で、うつ病は、重大な社会的損失をもたらす病気であるが、その正しい知識が普及していないため、国民の多くが適切なうつ病治療を受けられず、発見・治療が遅れていると指摘しています。
国においても、うつ病を極めて重要な健康問題としてとらえ、厚生労働省内のプロジェクト・チームの報告を受け、今後、更にうつ病等への対策を推進しようとしております。中でも、普及・啓発は、対策の先頭に掲げられており、こうした国のうつ病対策の動向を注視するとともに、精神保健を所管する北海道の助言や指導を受けながら、市としての取り組みを進めるべきものと考えております。
江別市といたしましても、うつ病に関する正しい知識の普及・啓発が重要であると認識しており、昨年度から、北海道地域自殺対策緊急強化基金を活用し、うつ病をテーマとした市民向けの講演会を実施しております。また、この講演会のPRに合わせて、散らしにストレスへの適応を自己診断できる簡単なチェックリストを掲載し、市民が正しい情報を得られるような取り組みも行っております。今後も、医療を必要とする人が専門医を受診できる環境づくりのために、引き続き、うつ病の正しい知識の普及・啓発に努めてまいります。
次に、病院に行けずに悩んでいる人が早期に相談し、治療を受けられる体制づくりについてでありますが、身近な相談窓口となる市といたしましては、保健師や精神保健福祉士が随時相談に応じており、相談内容によっては、専門機関である北海道立精神保健福祉センターや北海道江別保健所など関係機関と連携して身近な相談窓口として対応してきたところでございます。
また、広報誌やホームページ等を通じ、様々な悩みに対応できる相談窓口を紹介しており、相談者の訴えに応じてそれぞれの窓口から専門医の医療を含めた適切な支援につなげることが市の役割として重要であると考えるところであります。今後も、精神保健対策に関して、多くの専門的活動の実績を持つ北海道江別保健所の助言や指導を受けながら、効果的な取り組みを進めてまいります。
次に、職場復帰への支援や家族への支援に係る取り組みについて、これまでも、うつ病に限らず、個別の相談への対応を中心としながら取り組んでいるところでありますが、就労を含めた様々な相談窓口として、江別市障がい者支援センターを設置しているほか、通所事業を行うNPO法人に相談事業を委託するなど、本人や家族に対して、江別保健所や医療機関など各機関と連携を図りながら、相談内容に応じた支援を行っているところです。また、その支援の中では、職場復帰に向け、本人の状況や希望に応じて作業所の活用を図ることや当事者グループへの参加を促し、ご家族には、学習会等への参加を促すなど個別の相談に応じた取り組みを行っているところでございます。なお、精神保健に関しては、北海道立精神保健福祉センターや北海道江別保健所が専門機関となりますので、これらの専門機関の助言や指導を受けながら、今後も取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
教育長(月田健二君)
私からメンタル・ヘルス教育についてご答弁申し上げます。
児童生徒のメンタル・ヘルス教育については、現在のところ、学習指導要領で具体的な定めがないことから、授業として取り組んでおりませんが、保健体育の授業におきまして、心の健康を保つための学習指導を行っております。児童生徒の心の問題への対応については、文部科学省が発行している教職員のための子どもの健康観察の方法と問題への対応に基づきまして、早期発見、早期対応を図るため、養護教諭や教員等が児童生徒の健康観察や保健指導等を行っております。また、児童生徒の悩み相談や専門的なカウンセリング等につきましては、小学校では心の相談員が、中学校ではスクールカウンセラーが対応しているところであります。
私からは以上でございます。
病院長(梶井直文君)
私から認知行動療法の認識と江別市立病院への導入についてご答弁申し上げます。
うつ病に対する治療につきましては、現在、江別市立病院の精神科におきまして、患者それぞれの病状に合わせ、適切な薬物・精神療法を行っているところであります。
認知行動療法は、うつ病治療に有効な精神療法の一つの技法として、当院においても既に一部取り入れておりますが、診療報酬に反映させるためには、医療従事者の研修などクリアすべき要件がありますことから、現在は、そうしたことへの対応を図っているところであります。
今後は、これらの療法を更に発展させ、デイケア等において、復職支援などを目的とした集団認知行動療法に関しても、導入を検討してまいりたいと考えております。
以上です。
宮川正子君
ご答弁ありがとうございました。
2回目の質問と要望をさせていただきます。
高齢者の孤立を防ぐ対策についてですが、高齢者の見守り活動と交流の場としてのサロンの設置については、関係機関と協議しながら進めてくださるという前向きな答弁として受け取らせていただきました。ただ、もう少し具体的にご答弁いただければと思いますので、再度質問をさせていただきます。
近年は、単身高齢者が増えておりますし、今後も更に増えると思います。だれにもみとられずに亡くなる孤独死は、見過ごせない問題となっており、今後、高齢者の見守りと交流は、更に必要になると思います。
まず、交流の場としてのサロンについてですが、人口が約8万人の京都府福知山市では、ふれあいいきいきサロンを市内145か所で実施しています。担当者にお話を伺ったところ、この取り組みは、平成8年度からスタートしたとのことですが、認知症予防や悪質業者から一人暮らしの高齢者を守ったり、日中若い人がいなくなり家に一人でいる方の引きこもりを予防することなどを目的に実施しているとのことです。昔は、縁側でおしゃべりをしていたけれども、今は、住宅の構造が変化し、おしゃべりをするところがなくなってきているということで、歩いて行ける又は手押し車を押しながら行ける距離を目指して取り組んだとのことでした。
孤独死した高齢者には、それまでは元気に暮らし、介護保険制度を利用していなかった人も少なくないと聞いています。介護保険制度など公的サービスでカバーできない部分を補うために、どのように制度を構築していくのかが重要だと思います。今後、このようなものが構築されているかどうかが、地域の魅力を左右する大事な要素になると思います。
そこで、まず、高齢者の見守りについて、地域包括支援センターでは、それぞれ担当地域で高齢者の見守りも含めた地域のネットワークづくりを進めているとのことですが、どのように進められているのでしょうか。また、今後どのように取り組まれるのか、具体的にご説明いただきたいと思います。
次に、交流の場についてですが、是非、高齢者が歩いて集える距離のサロンづくりをよろしくお願いいたします。これは、要望といたします。
以上で2回目の質問を終わります。
健康福祉部長(鈴木誠君)
私から高齢者の見守りについての再質問にご答弁申し上げます。
江別市では、社会福祉法人江別市社会福祉協議会が愛のふれあい交流事業を実施しており、平成21年度で全自治会の約半数に当たる81自治会が愛のふれあい活動や地域交流の集い活動等を通じて、独居高齢者などの安否確認や声掛けのほか、年に数回、地域交流会を開催しています。
また、地域包括支援センターでは、担当地域内の民生委員、児童委員、自治会関係者、介護保険事業所などの関係機関と会議を開催し、気になる高齢者の情報を集約するためのネットワークづくりを行っています。さらに、江別保健所が実施している徘徊高齢者SOSネットワークシステムなど現在ある制度を活用し、異変に気付いた方からの情報が地域包括支援センターへ入るように各関係機関とも十分協議してまいります。
副議長(尾田善靖君)
以上をもって、宮川議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
齊藤佐知子議員の親子すこやか発達教室についてほか2件についての質問を許します。通告時間30分。