ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 江別市議会会議録 > 本 会 議 会 議 録 の 閲 覧 > 平成22年分の目次 > 平成22年第1回江別市議会会議録(第3号)平成22年3月11日 5ページ

平成22年第1回江別市議会会議録(第3号)平成22年3月11日 5ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

一般質問の続き 

宮澤義明君

 ただいま議長から発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問してまいります。
 昨年8月30日に行われた第45回衆議院議員総選挙で、民主党は308議席を獲得し圧勝しました。国民の期待を担って9月16日に誕生した鳩山新政権は、初めは支持率が72%と高く好調でありましたが、言わば母親からの子ども手当とも言える資金提供など政治と金の問題で国民の政治不信を招き、支持率が急落しています。
 鳩山首相は、2002年から7年間で総額12億6,000万円、1日当たりで約50万円、月々でも約1,500万円という金額を母親からもらっておきながら知らなかったと発言されています。多くの方々は、母親からの巨額の資金提供が政治資金の虚偽記載事件で公になっていなければ、税金を納めていなかったのではないかと疑いを持って見ています。2月と3月は、全国で確定申告を受け付けておりますが、多くの納税者は、厳しいデフレ経済の中でも必死に働き税金を納めています。
 また、民主党の小沢幹事長の資金管理団体である陸山会が政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたことが発覚し、鳩山首相を上回る20億円とも30億円とも言われる巨額の政治資金で、都内のマンションや不動産を購入しています。また、3人の秘書が逮捕、起訴されたにもかかわらず、記者会見では、政治資金収支報告書の形式的な記載ミスであると述べるなど、国民は驚くとともにあきれています。
 信なくば立たずという言葉がありますが、民主党の2トップである鳩山首相と小沢幹事長は、日本を代表する政治家であり、その言動は、国民の幸、不幸に影響します。速やかに国民に対し政治資金がどのように集められ、どのように使われたのか、丁寧に説明し責任を明らかにすることが大切と考えます。
 それでは、質問に入ります。
 まず、子ども手当及び高校の授業料無償化の是非について質問させていただきます。
 昨日、衆議院の厚生労働委員会で、公明党の古屋議員が子ども手当法案について鳩山首相に質問いたしました。子ども手当は、現行の児童手当の枠組みに上乗せして支給されることから、実態は、児童手当の拡充ではないのかとの質問に対し、鳩山首相は、公明党が努力してきた児童手当拡充の歴史を基礎に、新たな子ども手当制度を構築したと答弁されました。
 今後、法案の修正協議が行われるようですが、法案が成立すると江別市でも支給されることになります。現時点において、この法案に不足すると考えられる何点かについて質問させていただきます。
 子ども手当法案は、財源の関係から来年度だけの単年度の法案となります。所得制限が設けられていないため、高額所得者の子弟にも支給されることになり、未来の納税者となる庶民に負担が回ります。その上、子育て世代を支援してきた特定扶養控除の削減や、16歳以下の住民税の扶養控除33万円も廃止されます。子ども手当は、無駄を省いて支給すると公言していた政策であります。
 高校授業料の無償化についても同様です。公明党は、進学を目指して努力している子供たちが親の経済力で左右されないことが大切であると考えており、そうした支援には賛成であります。低所得世帯の高校生には、これまでも不十分ではあるものの、各都道府県や市町村が奨学金制度などを設けて支援してきました。また、高校生全体の約3割が私立高校に通っていますが、経済が厳しい中、高校生を持つ親の負担が重いことから、負担を減らすために、文部科学省は地方交付税の増額を要望していました。しかし、結果的に財源不足から約5分の1に予算が減額されたほか、低所得世帯に入学金などの支度金や教科書代等を援助する給付型奨学金120億円も全額カットされました。所得制限を設定しなかったため、低所得世帯や公私間格差解消に回す財源が確保できなかったのであります。政府が直ちにやらなければならないことは、本当に手当を必要とする低所得世帯に集中的に支援できる制度設計なのではないでしょうか。
 そこで、質問の1点目です。
 問題になっている高額所得者に対する子ども手当及び高校授業料の無償化については、国債を大量に発行してまで直ちに行う事業ではないと考えます。地方交付税措置や奨学金制度を拡充することで、当面の間、要望にこたえ、財源を確保した上で実行すべき課題であり、これまで自治体が進めてきた就学に関する制度が無視されていると考えます。自治体の長として、今回の制度改正をどのように見ておられるのか、ご見解をお聞かせください。
 2点目です。
 今、急がなければならないことは、前政権でも実現を目指した社会保障番号制度の導入です。
 公正性を担保するほか、所得を把握し、支援を必要とする人に対し集中的に社会保障を充実させることが喫緊の課題であり、この制度の導入こそが今急がなければならないことと考えます。市長のご見解を求めます。
 3点目です。
 江別市の長として、国民目線で、国に対し社会保障番号制度の導入を強く要請していただきたいと考えます。同時に、北海道市長会に対しても、公正・公平性の観点から推進を図っていただきたいと考えます。市長のご見解をお聞かせください。
 過去に、自公連立政権も社会保障番号制度の導入を目指しましたが、個人情報の管理を嫌った方々が反対し実現しませんでした。現在は、国民の約6割が賛意を示しています。社会保障制度として子ども手当や高校授業料の無償化を進めた場合、公正・公平性の観点から必要なことでもありますし、国の施策ではありますが、喫緊の課題であり江別市にも大きく関係するためお伺いいたしました。市長のご答弁をよろしくお願いいたします。
 次は、子ども手当の支給で減額される幼稚園就園奨励費について質問させていただきます。
 質問の1点目です。
 今年度予算でも、私立幼稚園児を対象に、階層区分を設け就園奨励費を支給しています。文部科学省は、新年度予算において子ども手当が一律に支給されることを踏まえ、補助基準を見直し低所得層に手厚くした代わりに、北海道では、全世帯の約7割を占める年収680万円以下の世帯について、1万8,600円減の4万3,600円の補助金と、子ども手当の1か月分以上が減額されることになりそうです。通知は6月ころになると見ていますが、園児の保護者は、幼稚園の入園手続後に初めてこの内容を聞かされています。教育委員会のホームページを見ても、従前と同様の内容が掲載されており、減額されるとは記されていません。これから毎月1万3,000円をいただけると喜んでいた保護者にとっては、これはだまし討ちであります。
 そこで、江別市における減額対象世帯は何世帯となるのでしょうか。また、それは交付世帯の何割に当たるのでしょうか。さらに、対象園児は何人と見込まれているのかお示しいただきたいと思います。
 質問の2点目です。
 新政権が子ども手当制度を創設した理由は、子供を生み育てやすい環境整備の一環と考えています。北海道では、所得層の約7割を占める受給層をターゲットに幼稚園就園奨励費の削減を行うとのことです。幼稚園就園奨励費と子ども手当制度は違う制度であると理解しています。市長は、国の政策には従わざるを得ませんが、私は、公約違反と考えていますので市長のご見解をお聞かせください。
 質問の3点目です。
 江別市では、収入680万円以下の世帯が多く、これらの方々から納税していただいていておりますが、幼稚園児が多い世帯層でもあります。子供を生み育てやすい環境を守り支援するためにも、減額される世帯に対し、現行の補助基準を江別市は維持すべきと考えますがいかがでしょうか。前向きなご答弁を求めます。
 次の質問は、現政権の目玉政策でもある米農家への戸別所得補償制度についてお伺いいたします。
 国の政策に沿って転作にご協力いただき、営農努力をしてこられた農家への影響についてお伺いいたします。
 日本の食料自給率は、先進国の中でも最低と言われています。米については、現在の生産量でも消費の落ち込みから余剰米が出ており、生産過剰のため価格割れにならないよう生産調整が行われています。
 北海道は、耕作面積が他の都府県に比べて広く、全国の生産地の中でも突出して高い転作率を求められたことから、国の農業政策にも意欲的に協力してきました。国は、北海道が他の都府県より農業政策に協力してきたことを考慮せず、食料自給率を上げるという名目で、生産に掛かる費用が販売価格を上回る米に関して、農家の所得を補償するモデル事業を行おうとしています。一方で、転作に協力し、転作作物の栽培技術の確立に汗を流してきた農家や地域への転作補助金を削減するというのです。
 江別市も転作に協力して転作作物の栽培面積を増やしており、ブロッコリー生産や春まき小麦のハルユタカの栽培では全国でもトップクラスとなりました。転作作物への補助金が減額されると、農家の経営が圧迫され、厳しい局面に追い込まれかねません。
 そこで、質問の1点目です。
 昨年の耕作面積を基にすると、市内の転作農家全体で戸別所得補償制度の導入により補助金が幾ら減額されると試算されているのでしょうか。農家の規模も様々なので一概には言えないでしょうが、減収額は平均で幾らくらいになると試算されているのかお示しいただきたいと思います。
 2点目です。
 野菜農家に対しては補助金制度そのものがなくなるとも聞いていますが、この点についてはいかがでしょうか。江別市は、ブロッコリーの生産では、組合法人として国内でもトップクラスの生産量を誇っていますが、収入面で大きな打撃を受けることが懸念されるほか、営農意欲を失うなど今後の農家経営が心配です。今後、どのような影響が及ぶと予測しているのか、分かる範囲で結構ですのでご説明ください。
 江別市と同様に、米からそば栽培に転作し、特色ある地域づくりにご努力されてきたそば生産量日本一の幌加内町では、転作率が9割とも言われており、補助金が減額されれば農家の経営は成り立たなくなることから、幌加内町自体が崩壊すると町長自らも危機感をあらわにしております。
 そこで、3点目です。
 戸別所得補償制度が続けば、江別市の野菜農家や小麦農家では、経営が成り立たなくなるところが出てくるのではないかときぐしております。行政は、自助努力で今後も経営が可能と見ているのでしょうか。産地崩壊については考えたくもありませんが、今後の江別市の農業の方向性について、どのような耕作指導を考えているのかご見解をお聞かせください。
 4点目です。
 猫の目農政とやゆされる農業政策ですが、江別市や北海道の現状と制度の整合性が取れないのであれば、国に対し、江別市単独でも戸別所得補償制度の改革を求めるべきと考えます。また、北海道市長会へも早急に制度の改善を求めるべきと考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。
 また、道内では、民主党の国会議員が小選挙区だけでも10名おられます。戸別所得補償制度は、転作が進んだ北海道で有効と考えているのかどうか見解を求め、政策に反映させるべきと考えます。民主党は、戸別所得補償制度があるため、FTA交渉を進めたとしても、農業や農家は守られると言っていたと記憶していますが、本当にそうなのでしょうか。FTAとの整合性について見解をお伺いすべきではないでしょうか。北海道の農業はもとより、道民の経済と暮らし懸かっています。市長のご見解をお聞かせください。
 次の質問は、新年度において、江別駅こせん人道橋に関連する予算が計上されておりますので、より一層スピード感を持って進めていただくためにお伺いいたします。
 江別駅こせん人道橋は、昭和49年に建築されてから老朽化が進み、特に冬期間は、ロードヒーティングの効果が思わしくないことから、階段が凍結し歩行に支障を来すことが度々でした。そのため、JR函館本線の南側に住む方々や通勤で江別駅こせん人道橋を利用する方々からは、早期に改築するよう以前から要望が出されておりました。
 特に、地域の公明党員及び地域自治会から早期改築を求める強い要請があり、地域自治会にご協力をいただきながら、1月後半から署名運動が始まりました。2月末時点で7,513名の市民から署名をいただき、先週になりますが、代表者と共に早期改築を願い、三好市長へお渡しいたしました。
 また、江別駅周辺や条丁目地区の活性化を願い、江別市が長年にわたり計画を進めてきたえべつみらいビルは、現在450名もの方々が働く一大雇用拠点施設となっております。入居している会社の業務拡大に伴い、えべつみらいビルの増床計画もあると伺っております。今後も、江別地区で働く人々が大幅に増加すると期待しているところです。
 江別駅周辺のバリアフリー化が進み、南北のアクセスが今以上に便利になれば、この地域の活性化にも好影響を及ぼすと考えます。新年度予算では、江別駅こせん人道橋の予備設計及び地質調査費用が計上されていますが、引き続きご努力をいただき、予算を獲得するとともに、一年でも早く本設計や改築が可能となるように進めていただきたいと思います。これは、地域住民や市民の願いでありますので、市長の前向きなご答弁を求めます。
 次の質問は、高齢化と人口減少が続く大麻団地のまちづくりについてお伺いいたします。
 新年度予算にも、大麻地区住環境活性化事業として予算が計上されましたが、この団地は、昭和38年に公布された新住宅市街地開発法に基づく北海道初のニュータウンとして北海道が施行者となり開発された団地です。
 宅地の分譲が完了した昭和55年には、人口が最大で2万416人、世帯数が6,385世帯となりましたが、現在では、ピーク時人口の約60%に当たる1万2,660人、平成17年度の世帯数は、ピーク時の約90%に当たる5,796世帯となっています。
 開発から47年が経過しようとしている現在、大麻団地は、老朽化した住宅や空き家、空き地、空き店舗などが目立っており、市内でも高齢者が多い地域になりました。住環境の悪化を防ぎ、だれもが住みたいまちとするために有志の方々が立ち上がり、江別市大麻団地住環境活性化調査研究会が平成19年10月に発足し、昨年の10月には、大麻団地まちづくり指針が策定され、江別市にご提言いただいたところであります。今後、同指針をたたき台にし、具体的な大麻団地のまちづくりを進めていかなければなりません。
 この指針でも指摘されていますが、大麻団地の問題点は、都市機能の問題、集合住宅及び個人住宅の問題、公共施設及び都市景観の問題、高齢者が地域的に見て多いため災害等の安全・安心及び避難の問題など多岐にわたり、同指針で示された住民主体の組織が機能しなければ、市単独では財政的な面から考えてもできることではないと理解するところであります。
 大麻団地まちづくり指針が提言されたばかりではありますが、江別市における今後の取り組みが見えておりません。新年度予算に、大麻地区住環境活性化事業の内容として、(仮称)大麻団地まちづくり推進会議支援とあるだけでは大麻のまちづくりは進展しません。
 そこで、1点目の質問です。
 江別市といたしましては、地域活性化の観点からも、大麻団地のまちづくりを何としてでも推進しなければなりません。この機会に、大麻団地まちづくり指針と第5次江別市総合計画及び江別市都市計画マスタープランの整合性を図り、早期に都市計画の工程表を(仮称)大麻団地まちづくり推進会議に示す必要があるのではないかと考えますがいかがでしょうか。お答えいただきたいと思います。
 2点目は、大麻団地のまちづくりを具体的に進めるために検討すべき重要項目についてです。
 大麻団地のまちづくりを進めるためには、若い世代、特に子育て世代に住んでいただく必要があることから、団地内での高齢者の住み替えが一定程度進まなければならないと考えます。また、高齢者に住み替えを検討していただくためには、利便性を考慮し、駅に近く交通の便が良いことや、買物に歩いて行けるなど日常生活が送りやすい場所を選ぶことが重要であります。また、その条件を満たし、現在利用していない大麻駅付近の市有地があれば最適です。高齢者にとって、利便性の高い土地がまちづくりのために活用できるのであれば、民間資本を活用するPFI方式による市営住宅や共同住宅の建設もより実現可能となるのではないでしょうか。
 具体例で申し上げれば、大麻駅横の市有地である鉄道林の活用も視野に入れるべきではないでしょうか。そのほか、江別市土地開発公社が所有している利便性の高い空き地も事業の進展のために活用すべきです。江別市が大麻地区住民の要望を踏まえ積極的に動かなければ、大麻地区のまちづくりは進展しないと考えます。ご検討いただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 3点目です。
 市有地である鉄道林や空き地の検討が進み、利用が可能となれば、民間資本による共同住宅建設のコンペを行い、建物だけではなく、ケア付き住宅など総合サービスが可能な施設整備を検討してもよいのではないかと考えますがお答えいただきたいと思います。その上で、大麻地区に自宅を所有し、住み替えを望む高齢者と自宅の賃貸契約を結ぶなどリノベーションを進め、若い世代の住み替えを実現していくというのも一つの手法であります。
 4点目は、大麻のまちづくりにおいて、行政が行わなければできない事業として、具体的にはクルドサックの解消です。
 私は、すべてのクルドサックには必要ないと思いますが、行き止まりの袋小路を通り抜け可能にする工事が必要と考えます。クルドサックがある行き止まりの袋小路付近では、道路幅が狭く、出口には除雪時に大量の雪が残されます。近くに住む高齢世帯は、除雪に苦労されており、除雪ができない世帯は大麻地区が好きでも出て行かざるを得ません。
 この行き止まり道路を通り抜け可能にするだけで利便性が高くなり、雪を表通りに押し出すことも可能となります。地域の利便性を高め、除雪がしやすくなる改修工事を進めるべきと考えます。
 地域の要望を具体的にお聞きして計画を練った上で(仮称)大麻団地まちづくり推進会議にお諮りいただき、年次計画を策定し早々に改修工事に入るべきと考えます。有言実行が求められており、江別市の真剣度が問われています。ご答弁いただきたいと思います。
 以上をもちまして、1回目の質問とさせていただきます。

副議長(尾田善靖君)

 宮澤議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好昇君)

 宮澤議員の一般質問にお答え申し上げます。
 国の子育て施策について、まず、子ども手当及び高校の授業料無償化についてでありますが、国では、制度化の検討に当たって、既存制度との整合性や所得制限の是非が大きな議論になったところであります。
 このうち、子ども手当については、扶養控除の廃止に伴う公平性の確保の観点から、所得制限は設けないこととされたところでありますが、地方においても、所得制限を設けることにより新たな事務的負担が増えることへの批判があり、これらの点に配慮して所得制限を設けなかったものと考えております。
 また、子育てや少子化への対策は、国を挙げて行うべき重要なものでありますが、子ども手当や高校の授業料無償化のような全国一律の給付は、地方の負担を求めることなく、国の責任で財源措置を行うよう北海道市長会の重点要望事項として強く要望してきたところでございます。当面は、暫定措置としてスタートしますが、予定されている子ども手当については、今後、地方との十分な論議を重ねた上で、真に子育て施策に有効な制度になるよう期待しているところであります。
 次に、社会保障番号制度の導入についてでありますが、社会保障番号制度は、年金、医療、介護、雇用など各分野における資格や給付に関する情報管理を一元化しようとするもので、各制度の公平・公正な運用に有効な基盤づくりになるものと認識しております。そのためには、適用範囲、事務処理方法の異なる制度間の連携や、データ管理方法の統一化を図る等の必要性のほか、個人情報を一元的に集約する仕組みとなることから想定されるプライバシーの保護等の問題もありますので、国民的な論議を十分に踏まえた上で対応すべきではないかと考えております。
 いずれにいたしましても、その導入には、十分な準備期間が必要と考えられますので、国の研究動向を注視しながら、市として必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
 次に、幼稚園就園奨励費補助金に関連して、就園奨励費の削減についてであります。
 今般の補助基準の見直しに当たりましては、ポイントが二点ございまして、1点目は、低所得者への給付の重点化、2点目は、第2子の保護者負担の軽減であります。
 子ども手当の創設に当たっては、低所得者への給付の重点化を図る観点から、就園奨励費の補助単価の在り方が見直されておりますが、就園奨励費は、暫定措置としてスタートする予定の子ども手当とは制度そのものが異なり、同一レベルで議論することはできないものと考えております。したがいまして、今後、子育て中の親の立場に立った施策となるように動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、戸別所得補償制度についてでありますが、戸別所得補償制度につきましては、現政権が農業再生の柱としている農業政策であり、平成22年度は、米に対するモデル事業として米戸別所得補償モデル事業が実施され、平成23年度には、米の本格実施と麦や大豆など畑作物へ導入するほか、酪農や畜産などへの導入も予定されております。
 平成22年度における米戸別所得補償モデル事業は、生産に要する費用が販売価格を上回る米に対して、所得補償を直接支払うことにより実施するものであります。これと同時に、従来の転作に係る産地確立交付金が廃止され、新たに水田利活用自給力向上事業として、米の転作作物である麦、大豆、米粉用米、飼料用米などの戦略作物の生産を行う販売農家に対し、主食用米並みの所得を確保し得る水準を直接支払により交付する制度が創設されているところでございます。
 新たな制度におきましては、助成体系が全国統一の単価設定となり、従前の対象と異なることから、地域においては、大幅な減収が見込まれるなど大変きぐしているところであります。
 江別市における減収額は、転作分といたしまして約4億7,000万円で、そのうち江別市の振興作物であります春まき小麦のハルユタカの作付け分といたしましては約4,700万円の減収が見込まれております。また、農家全体で見ると、1戸当たりの減収額は、農家ごとの作付面積が異なることから単純には計算できませんが、約120万円の減収になるものと考えております。
 次に、今後の影響と指導についてでありますが、国においては、このたびのモデル事業の実施に当たりまして、激変緩和措置として減収分を補てんする地域調整枠で約260億円の予算が確保され、道内には、最大で約133億円が配分される予定となっております。
 当市においては、転作作物、とりわけブロッコリーなど野菜への影響が大変心配されているところであり、激変緩和措置により一定程度緩和されるとされておりますが、現在、国と北海道が調整中で詳細が明らかになっていないことから、推移を注視していきたいと考えております。
 また、激変緩和措置が単年度限りであることから、平成23年度から始まる米、麦、大豆などの畑作物での本格実施や、野菜や果樹等に対して国で検討している新たな支援策に向けて、農家の生産体制が引き続き維持されるよう生産者団体や関係機関と十分に連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
 最後に、国等への戸別所得補償制度に関する要請についてでありますが、同制度が江別市の農業の実態に合ったものとなるように北海道市長会などを通じまして国や北海道に要請を行うほか、FTAとの整合性につきましても、江別市の農業に影響が出ないよう引き続き要請してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問に対しましては、企画政策部長ほかをもって答弁申し上げます。

企画政策部長(安田俊明君)

 私から大麻団地のまちづくりについてご答弁申し上げます。
 初めに、大麻団地まちづくり指針と第5次江別市総合計画の整合性などについてでありますが、同指針は、大麻団地が昭和39年から開発・整備されて以来40年を超え、現在では、老朽化した住宅や空き家、空き地、空き店舗なども目立ち始め、高齢者等にとっては住みにくいまちとなってきております。そのため、住環境を活性化し、だれにとっても住みやすいまちとするための手法などについて、地域の方を中心に産学官民が連携する江別市大麻団地住環境活性化調査研究会を立ち上げ、約2年にわたる調査・研究及び議論を重ねた結果、昨年10月に大麻団地まちづくり指針として取りまとめ、今後の大麻のまちづくりを進める上で同指針を道しるべとして活用してほしい旨の提言を受けたところであります。
 同指針には、地域が目指す方向性を実現するための数多くの取り組みが位置付けられておりますが、これらの実現に当たっては、市民、事業者、まちづくり活動組織、行政などのまちづくり関係主体が相互に協力・連携し、特定の人や団体・組織に任せることなく自ら行動し早急に取り組むものと、中長期的に進めるべきものを見極めながら、段階的に進めていくことが重要であると考えております。
 これら数多くの取り組みの中で、アダプト制度による公園の維持管理や防災・防犯ワークショップなど、既に実施している取り組みも多くありますが、現在、これらの取り組みについて、第5次江別市総合計画後期基本計画や江別市都市計画マスタープランなどとの整合性を図りながら、市としてどのような取り組みやかかわり方ができるのか整理している段階であります。
 市としては、その整理結果を踏まえながら、今後、地域が中心となって組織され、主体的に活動していく予定の(仮称)大麻団地まちづくり推進会議と連携を図るとともに、まちづくり関係主体の一員として協力しながら大麻地区のまちづくりを進めていきたいと考えております。
 次に、高齢者の住み替えと市所有地の活用等についてでありますが、急速に進む少子高齢化社会への対応として、同指針においても、高齢者向け公的賃貸住宅など共同住宅の展開が必要であるとの提言がありますことから、前向きに検討する必要があると考えております。市といたしましては、このような考えの一環として、現在、北海道に対して道有地の有効活用について要望しているところであります。
 ご提言のありました江別市土地開発公社が所有している大麻駅前の土地は、平成10年に公園用地として取得した経緯があるほか、同エリアは、北海道自然環境等保全条例による環境緑地保護地区に指定されておりますことから、土地利用の在り方については、取得目的に沿った対応をしていかなければならないものと考えております。
 次に、クルドサックの改修についてでありますが、大麻団地住民意識調査では、団地内道路の除排雪について約57%の方が不満と感じており、クルドサックについては約43%の方が満足しているものの、約51%の方が不満と感じるなど賛否が分かれているところであります。また、大麻地区には、54か所のクルドサックがありますが、その大部分が公園や緑地に隣接する形となっています。
 同指針には、クルドサックの再整備の検討が掲げられておりますが、今後、市としても、クルドサックの改修に当たっては、都市公園や団地内の交通網等にも影響が生じることから、都市公園法など関連法令や計画などに照らし、それぞれの実態や地域住民の意向を十分踏まえながら慎重に検討していかなければならないと考えております。
 以上でございます。

建設部長(久田康由喜君) 

 私から江別駅こせん人道橋の改築につきましてご答弁申し上げます。
 当該施設は、JR函館本線をまたぎ江別駅南側と江別駅を連絡する重要な人道橋と認識しております。これまで、地域との対話集会などにおきまして、建設から35年を経過し老朽化した人道橋の改築について、毎年、強い要望が出されてきたところであります。
 したがいまして、当該人道橋を地域の重要な生活基盤として市道に位置付けた上で、バリアフリー化や冬期対策など、利用者が安全で快適に通行できるよう整備に着手しようとするものでございます。
 平成22年度には、地質調査と予備設計を実施し、JR北海道や北海道との事前協議を行うなど、地域の皆様のご協力とご理解をいただく中で、できるだけ早い時期に整備してまいりたいと考えております。
 以上であります。

教育長(月田健二君)

 私から幼稚園就園奨励費に関連しまして二点ご答弁申し上げます。
 まず初めに、幼稚園就園奨励費の減額対象となる世帯数等についてでありますが、国の新年度予算案で就園奨励費の補助基準が改定され減額対象となる世帯は、市民税所得割課税額が3万4,501円以上で18万3,000円未満の世帯であります。市における2月17日現在の平成21年度補助金交付状況を基に見てみますと、交付対象総世帯数の1,378世帯、1,483人に対し、減額対象はその47.9%に当たる660世帯、718人となっております。
 次に、就園奨励費の減額対象世帯に対する現行の補助基準の維持についてでありますが、減額対象世帯に対する補助基準を維持するための必要経費は、平成21年度の補助対象者の数値を基に算出しますと、おおむね1,242万円となります。当該費用を支給する場合、全額が市の負担となりますことから、現行の基準を維持することは難しいものと考えております。
 私からは以上でございます。

宮澤義明君

 質問が二点と要望を一点させていただきます。
 子ども手当制度が創設されることにより、16歳から22歳までが対象となっていた特定扶養控除が廃止となることから、その財源で高校生は授業料が無償となりますが、大学生がいる世帯は増税されるだけです。
 また、扶養控除が減額され、子ども手当が支給されると課税基準額が変わります。所得を根拠に支払額などが決まるものもありますので、保育料が上がる方や市営住宅の家賃が変わる方が出てくるほか、各種の減免制度を受けられなくなるケースもあるのではないかと考えます。
 子供を社会全体で育てていこうという考え方は、私たち公明党が進めてきた児童手当制度からも大いに賛成ですが、民主党がマニフェストで打ち出した公約を急ぐ余り、制度の矛盾が表面化し、負担が増える世帯も出てきます。
 高校の授業料無償化については、現在、奨学金又は就学援助を受けている世帯や高校生がいる世帯にとっては、お金が1円も増えません。一方、高額所得者で奨学金などの支援を受けていない高校生がいる世帯にとっては、授業料を支払う必要がなくなりますので間違いなく可処分所得が増えます。3年後をめどに法案の修正が行われると報道されていますが、現時点の状況から申し上げますと、結果的には、低所得層や高校生への支援に名を借りた高額所得層への経済支援になるのではないかと思っています。
 今回の法案が可決した場合、保育料などの階層区分が変わるために支払が増え、過重な負担となる世帯が出ないようにすることがこれから行政に求められることではないかと思っております。そういう面では、各部署の担当職員に市民から相談があった場合、しっかりと応じられる体制をつくっていただきたいと思います。
 今まで階層区分が変わるぎりぎりのラインにいた方が、所得額が変わることにより保育料がそれまでの倍近くに上がる等の例が実際に起こる可能性があるわけです。
 市長におかれましては、担当課の職員の話をよく聞き、実態に合った体制をつくるほか、職員から市民の方にきちんと説明し、お支払をいただけるような窓口の相談体制について指導をお願いしたいと思っております。このことについてご答弁いただきたいと思います。
 米の戸別所得補償制度については、市長から北海道市長会を通じて国や北海道に要請いただけると聞いて、少しだけ安心しております。これからの北海道は、農業が一番の成長産業になると考えています。先ほど、付加価値のある食品や農産品の加工を通して事業の拡大を目指していきたいというご答弁もございましたが、食を生かした産業をしっかりと育てることにより、高校生や大学生などが職を求めて本州に行くのではなく、地元で就職できるような環境を是非つくっていただきたいと思っております。市長には、企業誘致を進める中で産業の育成についてもご努力いただきたいと思っておりますので、要望とさせていただきます。
 次に、大麻団地のまちづくりについてです。
 このことについては、先ほども申し上げましたように、大麻地区は人口に占める65歳以上の割合が25%を超えるなど、江別市内でも高齢化率が高い地域であり、このまちを活性化させるためには、子育て世代など若い世代に住んでいただかなければなりません。
 岡議員の一般質問にもありましたが、我が党では、ここ七、八年、子供を最優先する社会をつくっていくため、社会全体で子育てをしていこうというチャイルドファーストの考え方を主張し続けております。今、高齢者が多い大麻地区を変えていくためには、やはり若い世代に住んでいただかなければならないと思います。
 また、様々な研究機関や調査機関の調査結果を見てみますと、今後20年で、北海道全体で100万人近く人口が減るのではないかと言われております。北海道全体の人口がある程度減るとはいえ、札幌圏には人口が集中してくると思いますので、どこのまちに住むのかという都市間競争がますます激しくなるのではないかと私たちは考えております。
 先ほど、様々なことを検討しながら、大麻地区のまちづくりに関する施策を進めていきたいというご答弁をいただいたわけでありますが、この5年ないし10年が都市間競争の大変重要な時期になるのではないかと私たちは考えております。そういう面からいたしますと、子育てしやすい環境を整備しながら、高齢者の住み替えを進め、若い方が住めるような施策を一定期間においてスピード感を持って進めていかなければ、計画ができたころには北海道の人口が大幅に減って、結果的にまちが再生されないということもあり得るのではないかと考えております。
 とにかく、都市間競争の中で勝ち抜くためのまちづくりを進めるためには、一定期間においてスピード感を持って各種の施策を進めていかなければならないと考えております。そのことに対して、市長のご答弁をいただければ有り難いと思っております。
 以上で2回目の質問を終わります。

市長(三好昇君)

 宮澤議員の再質問にお答え申し上げます。
 まず、国の制度改正に係る相談窓口体制の充実ということでございますが、これまでも各種制度が創設された際には、市全体でどのような体制を取ればスムーズに事業が進められるのか、あるいは支障を来すことなく進めることができるのかということを十分検討した上で実施してきているところでございます。したがいまして、仮に子ども手当等が実施される場合も、これまでと同様に、万全な体制で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、大麻団地のまちづくりについて、大麻団地まちづくり指針に関連し、スピード感を持って対応していただきたいということでございますが、高齢者の方々の切実なご意見を踏まえて、みんなで検討しようということで、江別市大麻団地住環境活性化調査研究会を発足し進めてきたものであり、同指針は、2年間にわたる調査・研究の結果報告でございます。
 市といたしましては、当然、高齢者の方たちのご意見に対し、スピード感を持って対応することが原則であると思ってございます。そういう意味からいたしますと、先ほど申し上げましたとおり、地域が中心となって組織され、今後主体的に活動していく(仮称)大麻団地まちづくり推進会議に対し、十分にスピード感を持って対応するよう私どもといたしましても要望してまいりたいと考えております。
 以上であります。

副議長(尾田善靖君)

 以上をもって、宮澤議員の一般質問を終結いたします。

散会宣告

副議長(尾田善靖君)

 本日の議事日程は全部終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
 午後2時16分 散会

前ページ