平成21年第3回江別市議会会議録(第2号)平成21年9月8日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
林かづき君
議長の許可をいただきましたので、順次質問をしてまいります。
初めに、乳幼児等医療費助成制度についてです。
先日、ある市民からこのような話をお聞きしました。その市民の方とお子さんを通じて知り合ったお母さん友達との話です。その方は、1歳になる子供がおり、現在は賃貸住宅に住んでいるそうです。子供も大きくなるので、そろそろ家の購入を検討しているようですが、江別市の乳幼児に対する医療費助成が3歳未満であるのに対し、札幌市は小学校就学前までという話を聞いたため、子供が3歳になる前に、札幌市に引っ越しをしようと思っている。江別市であれば一戸建てを検討しているが、札幌市であればマンションになるだろう。少なくとも、江別市も札幌市と同じように小学校就学前まで対象にならないのかという話をしていました。さらに、札幌市よりも手厚い助成があり、それをアピールできれば、現在分譲中のゆめみ野や新栄台などの宅地も売れ、人口増につながると思いますし、市内に住んでいる人も、医療費助成が増えることで、更に子供を生もうという気持ちになると思うというお話でした。
平成15年に制定された次世代育成支援対策推進法は、急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化にかんがみ、次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進し、次代の社会を担う子供が健やかに生まれ、かつ、育成される社会の形成がなされていくことを目的とした法律です。
第8条では、市町村行動計画を策定する旨が規定されており、江別市におきましても、現在、平成22年度から5年間を計画期間とする江別市次世代育成支援行動計画後期計画について審議されているところです。
市では、後期計画を策定するに当たって、平成21年2月に、子育て支援に関するアンケート調査を実施しており、就学前のお子さんを持つ世帯から様々な意見がありましたので幾つか紹介します。
医療費を掛からないようにしてほしい。所得制限をなくしてほしい。医療費が高く、つい症状が悪化するまで様子を見てしまうので、医療費が安くなることを切望する。子供は何かと医療費が掛かるので、もう少し負担を軽くしてくれたら助かる。生活が苦しいと病院へ行けなかったり、予防接種さえも受けられず大変苦しくつらいなどであります。
それでは、ここで一つ目の質問をいたします。
先ほど申し上げた江別市の乳幼児等医療費助成制度について確認いたします。
江別市では、ゼロ歳から3歳未満までの入院・通院に係る助成内容などはどのようになっていますか。また、3歳から小学校就学前のお子さんについてはいかがでしょうか。さらに、所得制限などの有無についてもお尋ねいたします。
8月29日の北海道新聞に、子供の入院・通院医療費の助成について全国的な状況が掲載されていました。入院・通院ともに、中学生まで助成を受けられる市区町村は、全国の自治体の約2割に当たる360市区町村であり、道内では、北斗市をはじめ20市町村です。これは、全国的にも全道的にも、子育て環境に格差があることを示しています。
少子化に歯止めを掛け、子供を持つ世帯の安定的な暮らしを支えるためには、国が医療費負担の標準化を図るための制度を創設することも考えられます。こういった意味では、今後の国の方向性に期待したいところですが、現在も、北海道の医療給付事業の基準に上乗せをし、市町村の自主財源を使って独自に少子化に歯止めを掛け、子育てしやすい環境整備のための施策を実践している自治体があることも否めません。
平成15年に内閣府が実施した子供がいる20歳から49歳の女性を対象とした少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査によると、少子化対策として重要と考えているものに関する問いでは、経済的支援措置という回答が69.9%で全体の約7割に上りました。具体的な回答としては、乳幼児の医療費無料化についてが45.8%を占め、乳幼児の医療費無料化が少子化対策に重要であると回答した割合は、比較的年齢の低い層で高いという結果も出ています。
江別市において、ゼロ歳から小学校就学前までの子供がいる世帯の課税・非課税の状況を見てみますと、課税世帯と非課税世帯の割合がほぼ10対1となっています。すなわち、江別市では、課税状況により自己負担が変わることや所得制限があると、大半の家庭では、かなりの医療費を負担しなければならないことになります。
それでは、ここで二点質問いたします。
参考までに、江別市の近隣自治体における乳幼児等医療費助成制度についてお尋ねします。札幌市、北広島市、恵庭市では、どのような助成制度になっているのでしょうか。
さらに、江別市で、現在の乳幼児等医療費助成制度の助成範囲を拡大させていくお考えはあるのでしょうか。あるとしましたら、どのような拡大を目指し、予算上では幾らくらい掛かると試算されているのでしょうか。
江別市でも、統計上だけの問題ではなく、人口減少が現実のものとして表れています。そこで、江別市はどのような施策に力を入れ、何に特化したまちづくりをしていくのかが重要になってきます。
私は、今まで以上に、江別市が子育てしやすいまちであるという方向性を示し、子育てのための様々な施策・制度を整備していくことが必要であると考えます。江別市に居を構えることで人が増え、税収も増え、日常的な消費生活が行われるなど、長期的な展望で江別市の未来をつくっていくためには、欠かせない環境整備ではないでしょうか。中でも、江別市に住んでいる子供を持つ父母が望んでいる大事な施策の一つとして、乳幼児等医療費助成制度の充実があると言えるのではないでしょうか。
先ほどお話しした市民アンケートの中に、江別市独自で、子育てに係る医療・福祉の支援をしていただきたい。子育てをしていく上で全国にアピールできるくらい満足できるような市になればと思いますという声がありました。私は、この方のおっしゃるとおりだと共感しております。これは、市への大きな期待と希望を表したメッセージであると受け止めています。このような江別市になれば素晴らしいと思います。様々な事業や制度を見直し、財源確保に力を尽くし、子育てしやすい環境づくりを積極的に行っていくべきだと考え、江別市の今後に期待しています。
続きまして、市有財産について幾つか素朴な質問をいたします。
市が保有する財産と言いましても、建物や土地、車両、機械及び器具など様々ありますが、今回は、市が保有する土地についてお伺いします。
市が保有している土地の所有形態はいろいろとあるようです。一般会計、土地開発基金、基本財産基金だけではなく、下水道事業会計・病院事業会計などの企業会計もあります。つまり、このように様々なお金の出どころがあり、言うなれば、複数の財布からお金を出して、市は土地を買っていると理解しています。
しかし、江別市の財政状況をめいりょうにするためには、財布の数を少なくし、財産を取得し保有する方が整理しやすく、分かりやすいのではないかと考えます。現状としましては、複数の財布を使って土地を取得していますので、それぞれの財布を持つ意味を私たち市民は知る必要があると思います。
また、江別市は、どれだけの土地を保有しているのか。その全ぼうがどのようになっているのか。市の実態について市民の方々からよく尋ねられますので、ここで確認のために質問いたします。
一般会計、土地開発基金、基本財産基金の三点についてお尋ねします。
1点目です。
それぞれの財布を使って、土地を取得する目的は何でしょうか。
2点目です。
それぞれの土地の合計面積はどのくらいあるのでしょうか。
3点目です。
現在の土地の評定価格は幾らでしょうか。
市が3月末に発行している市有財産表の大半のページを占め、掲載されている土地は、一般会計で取得した公有財産だと把握しています。この土地は、行政財産と普通財産に分かれていますが、この言葉の定義についてお尋ねします。
1点目です。
市民からすると、行政財産も普通財産も聞き慣れない言葉であり、理解しにくいため明らかにしたいのですが、この二つの区分の違いは何でしょうか。具体例を挙げながら、市民に分かりやすくご説明願います。
2点目です。
行政財産から普通財産へ区分が変更されることはありますか。それは、いつ、どのような場合でしょうか。市では、定期的に財産区分変更の見直しを行っていますか。
3点目です。
行政財産と普通財産における遊休未利用地は、それぞれどれくらいあるのでしょうか。
続きまして、冒頭に申し上げました土地を取得するための財布である二つの基金に話を移します。
基金という言葉を辞書で調べてみますと、自治体が特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するために設けた財産だと書かれています。簡単に言えば、何か目的を実現するための貯金であると理解しています。
江別市基金条例では、江別市には、目的別に17の基金があると書かれています。現在は、これらに加えて、介護従事者処遇改善臨時特例基金という平成24年3月末までの暫定的な基金を含め、18の基金があるととらえています。
これらの基金は、それぞれ積立てをしていたり、それ以外に有価証券や土地を取得している場合もあります。土地を取得しているのは、基金の中でも土地開発基金と基本財産基金ですが、とりわけ基本財産基金について、先ほどとは違った観点からお尋ねします。
基本財産基金では、土地を取得するほか、積立てや運用も行っているようですが、この運用という言葉は、市民からしますとリーマンショックなどを連想してしまいます。江別市の基本財産基金の運用とは、具体的にどのようなことを指しますか。有価証券の取得とどのように違うのでしょうか。
基金につきましても、市民の皆さんからお預かりしている財産であります。一般会計、特別会計、企業会計と同様に、それぞれの基金の収支状況を市民が理解しやすいように情報を開示し、市民に説明していくことを推し進めていくべきだと考えています。
これにて、1回目の質問を終了いたします。
副議長(尾田善靖君)
林議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好昇君)
林議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、乳幼児等医療費助成制度についてでありますが、当市の制度は、北海道の医療給付事業とタイアップしまして、道と市が2分の1ずつを折半する共同事業として取り組んでおり、対象範囲や助成額などは、道の医療給付事業補助要綱を基本として実施しているものでございます。
制度の概要につきましては、3歳未満の乳幼児が初診時一部負担金のみの負担、3歳から小学校就学前の市民税課税世帯が原則1割負担、市民税非課税世帯は3歳未満の乳幼児と同様の負担となっております。
さらに、小学生については、昨年10月から、新たに入院医療費を助成しておりますが、3歳から小学校就学前までの入院医療費の負担割合と同様となっております。
なお、所得制限につきましては、児童手当の特例給付の所得制限を準用しておりますが、所得制限を設けておりますのは、負担と給付のバランスの確保や限られた財源の中で制度の持続性を確保するためのものでございます。
次に、江別市における助成拡大の方向性と試算についてでありますが、乳幼児等医療費助成制度を近隣市の状況に合わせ、小学校就学前まで初診時一部負担金のみの負担とした場合、約6,300万円の予算が必要であると推計してございます。
当市におきましては、これまでにも、子育て支援策として、保育園の待機児童対策、幼稚園の就園奨励、出産対策、こんにちは赤ちゃん事業など、各種の施策を実施してまいりましたが、子育て支援策は、総合的に施策を展開しなければならないと考えておりますことから、乳幼児等に対する医療費助成の在り方につきましては、今後の国の施策を十分見極めた上で対応してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもって答弁いたします。
総務部長(北口彰君)
私から市有財産についてご答弁申し上げます。
初めに、一般会計、土地開発基金、基本財産基金など、それぞれの財布を使って土地を取得する目的は何かとのご質問でありますが、江別市には、平成20年度末現在で、一般会計等に属する基金が18ございます。この基金には、それぞれ条例にその目的が規定されております。
議員ご指摘の土地開発基金は、地価上昇に対する機動的な財産取得などを目的に、昭和44年度に設けられた基金であり、その目的を公用若しくは公共用に供する土地、又は公共の利益のために必要な土地の確保に資すると規定しております。
一方、基本財産基金は、昭和45年度に千歳市所在の江別市有林の処分金をもって設けられた基金であり、その目的を財産を活用し、これから生ずる利益によって本市財政に寄与すると規定しております。
従前より土地等の購入に当たっては、そういった基金の設置目的を踏まえ、取得の時期なども勘案しながら、予算に計上して一般会計で取得するほか、その目的によっては基金において取得する方法を取ってきたところであります。
次に、それぞれの土地の合計面積はどのくらいかとのご質問でありますが、平成20年度末現在で、一般会計で取得した土地は約639万3,000平方メートルでございます。その評定価格は約513億8,200万円であります。
また、土地開発基金に属する土地は約10万5,000平方メートルであり、その取得価格は約6億7,700万円、基本財産基金に属する土地は約13万6,000平方メートルであり、その取得価格は約15億9,400万円であります。
なお、基金に属する土地は、現時点で時価評価を行っておりませんが、地方公会計制度改革に合わせ、早期に時価評価を実施したいと考えております。
次に、行政財産、普通財産に関するご質問に関して、まず、行政財産、普通財産の定義についてでありますが、行政財産とは、公有財産のうち、例えば、市役所庁舎、小中学校、市営住宅、公園、社会教育施設用地など地方公共団体において現に公用又は公共用に供し、又は供することを決定した財産であります。
また、普通財産は行政財産以外の一切の公有財産で、直接特定の行政目的のために供されるものではなく、地方公共団体が一般私人と同等の立場で所有し、管理する財産であります。
次に、行政財産から普通財産への変更についてでありますが、例えば、平成20年度に中原通り拡幅工事の必要から、東野幌体育館用地を北海道に売却した際のように、行政財産を処分しようとする場合や公の施設などの行政財産として供しなくなった場合など、その必要に応じて普通財産に変更するものであります。
次に、遊休未利用地についてでありますが、行政財産につきましては、先ほどご説明申し上げましたように、現に公用又は公共用に供し、又は供することを決定した財産でありますので、随時、行政目的のなくなった場合には普通財産に変更していくものであります。
なお、普通財産につきましては、自治会館用地や私立幼稚園用地としてなど、その多くは貸付けしているところでありますが、現在、21件で約6万1,000平方メートルが未利用地となっているものであります。
次に、基金に属する現金の運用に関しましては、法により最も確実かつ有利な方法によることとされていることから、江別市においては、金融機関への定期預金のほか、国債、地方債、あるいは、歳計現金への繰替えによる運用等を行っております。
なお、ご質問の基本財産基金に属する現金の運用に当たっては、その目的等を勘案し、国債、地方債の買入れなど有価証券での運用に代えて、一般会計への繰入れという形で市の財政に寄与する運用を一部行っているところであります。
いずれにいたしましても、元本割れの可能性がなく、確実かつ最も有利と判断される運用を行っているところであります。
私からは以上でございます。
健康福祉部長(斎藤嘉孝君)
私から乳幼児等医療費助成制度に係る近隣他市の現状についてご答弁申し上げます。
札幌市と恵庭市は、小学校就学前までは、市民税の課税・非課税を問わず、初診時一部負担金のみの負担とし、北広島市は、自己負担額を徴収していないところであります。
また、小学生の入院に対する助成は、北広島市は江別市と同様ですが、札幌市は小学校一年生から小学校三年生までの市民税課税世帯の自己負担の月額上限額を3,000円としております。
なお、恵庭市は、小学生に対する助成は行っておりません。
以上でございます。
林かづき君
それでは、基本財産基金についてのみ再質問させていただきます。
基本財産基金は、言うまでもなく基金であります。私の認識としまして、基金というのは、例えば、市庁舎を整備するために積立てをしている庁舎整備基金など、明確な目的があり積立てをしているものだと理解しております。
先ほど、基本財産基金の目的の部分で、財産を活用し、これから生ずる利益によって本市財政に寄与するとの答弁でしたが、それでは、基本財産基金の目的が成就するのは、どのような状態であり、一体いつごろになるとお考えかお尋ねいたします。
総務部長(北口彰君)
基本財産基金についての再質問にご答弁申し上げます。
基本財産基金は、いつどのような状態になったときに目的が成就することになるかとのご質問でありますが、基金には、積立基金と定額運用基金があり、そのうち、基本財産基金は、定額運用基金に分類されるものであります。
積立基金には、社会福祉基金や教育基金などがございますが、これらは必要に応じて積み立てる一方、基金の一部あるいは全部を支消することで、目的を達成する基金であります。
また、定額運用基金に分類される基本財産基金は、常に基金残高を一定に保ちつつ、その活用によって長期にわたり基金の設立目的を達成しようとするものであります。
そういう意味から、いつ、どのような状態になったときに目的が成就するかを具体的にお示しすることは、難しいところでありますが、従前から、現金と土地を保有しつつ、それらを活用・運用する中で、市政の発展に寄与してきたものと考えております。
以上でございます。
林かづき君
最後の質問です。
基本財産基金についてですが、先ほど、従前から現金と土地を保有しつつ、それらを活用・運用する中で、市政の発展に寄与してきたものと考えているとの答弁がありました。
ご答弁では、従前までというお話でしたが、このような社会経済状況の中における今後の基本財産基金の在り方についてはどのようにお考えでしょうか。
総務部長(北口彰君)
今後の基本財産基金の在り方についての再々質問にご答弁申し上げます。
先ほどの答弁で申し上げましたように、定額運用基金である基本財産基金は、基金残高を一定に保ちつつ、その活用によって、本市財政に寄与するという目的を持っておりますので、今後とも、設置目的に沿いまして適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
副議長(尾田善靖君)
以上をもって、林議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
副議長(尾田善靖君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後2時06分 散会