平成21年第1回江別市議会会議録(第1号)平成21年3月4日 5ページ
6 議事次第の続き
議案第16号ないし議案第23号の続き
議長(星 秀雄君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
議事を続行いたします。
議案第24号ないし議案第32号
議長(星 秀雄君)
日程第20ないし第28 議案第24号 平成21年度江別市一般会計予算、議案第25号 平成21年度江別市国民健康保険特別会計予算、議案第26号 平成21年度江別市老人保健特別会計予算、議案第27号 平成21年度江別市後期高齢者医療特別会計予算、議案第28号 平成21年度江別市介護保険特別会計予算、議案第29号 平成21年度江別市基本財産基金運用特別会計予算、議案第30号 平成21年度江別市水道事業会計予算、議案第31号 平成21年度江別市下水道事業会計予算及び議案第32号 平成21年度江別市病院事業会計予算、以上9件を一括議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
市長(三好 昇君)
ただいま上程されました平成21年度予算案及びこれに関連する諸案件をご審議願うに当たり、私の市政に対する基本的な考えと予算の大綱についてご説明申し上げます。
私は、明日の江別を確かなものにを掲げ、市民の皆様の負託により市長に就任し2年になろうとしておりますが、これまで市政執行に当たっては、市民の皆様や議員各位と論議をしながら、取り組んできたところであります。
今後とも、江別の魅力や可能性を更に高め、揺るぎない経済基盤を築くためにはどのような方向にかじを切るべきかを考え、市政を執行してまいりたいと考えております。
さて、江別市を取り巻く環境は厳しさを増すばかりであります。
昨年来の米国の金融危機に端を発し、今、世界経済はかつて経験したことのない危機に直面していると言えます。
先日発表された国内総生産は、35年ぶりに年率換算で12.7%のマイナスとなるなど、経済情勢は極めて厳しく、日本の基幹産業である輸出産業も急速な経営悪化が見られ、結果として雇用不安などの実体経済に深刻な影を落としております。
一方、道内経済においても、企業の業況判断指数は過去最悪を記録し、また、比較的安定していた道央圏においても大手企業の経営危機が表面化するなど、同様の厳しさが見られます。
江別市においては、製造業の割合が他市と比べ低いことから急速な悪化は見られないものの、今後の企業業績や雇用に関しては予断を許さない状況にあります。
私は、このような厳しい環境であればこそ、住民に最も身近な存在である地方自治体は、住民福祉を向上させ、だれもが幸せで心豊かな生活を過ごせるよう行政活動を行う責任の下に、市内企業や商工関係団体等と連絡を密にし、大学の知的資源を活用するなど産学官連携の強化を進め、また、将来への投資もしっかり行っていく必要があると考えております。
そして、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現のためには、しっかりとした目標と安定した行財政基盤を持つことで、初めて持続可能な発展を成し遂げることができるものと考えております。
平成21年度は、第5次江別市総合計画後期基本計画の初年度となりますが、基本構想に掲げる人が輝く共生のまちを江別市が目指す目標とし、計画に盛り込まれた政策と施策の方向性をしっかりと見据え、目標の達成に向けて行政運営を進めていく必要があります。
私は、以下に述べる三つの基本認識と五つのまちづくりを基本として、市政運営を進めてまいりたいと考えております。
まず最初は、市民と共に歩む市民協働の推進であります。
江別市には、人材をはじめ素晴らしい地域資源があります。
一つは多様な知識や経験、意欲をお持ちの市民の皆様です。
市民と行政が対話しつつ、市民の方々が主体的に進める協働事業が今や20事業を超えております。今後とも多くの市民の皆様の力を借りて、市民協働の取り組みを拡大してまいりたいと考えております。
また、もう一つの資源は市内の四つの大学です。
大学の持つ人的、知的、物的な資源をまちづくりに生かしていくため、このたび市内4大学と商工会議所と市で、包括連携・協力に関する協定を締結いたしました。
これからも、これらの貴重な地域資源を生かし、大学との個別具体的な連携を進めることなどにより、協働のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
第2には、持続可能な都市の基礎を固める未来への投資であります。
経済の厳しいときだからこそ将来の方向を示すこと、その環境変化をタイムリーにとらえ、そして未来に向かっての対応を論議し、お示しすることで、人々が住んでみたい、そして企業の方々が魅力を感じ投資したいと思ってもらえるまちになることが必要です。
そのためには、まず相互理解が必要であり、私は企業の方々との思いを共有するため、引き続き市内で活動する企業や関係団体との対話を進めてまいります。
そうすることで市内企業と連携できる企業の誘致が可能となり、結果として市内経済の基盤が強化されるものと考えます。
また、江別の顔づくり事業など将来に向けての基盤整備もしっかりと進め、持続可能な都市の基礎を固める未来への投資を着実に進めてまいります。
さらに、市民の皆様の雇用不安に対応するため、国の施策を活用し、市としての雇用対策をしっかり進めてまいります。
第3には、市民の目線で進める改革の推進であります。
行政改革は立ち止まることが許されません。また、その改革は市民から見て納得できるものでなくてはなりません。私たちには持続可能な財政基盤と、これからの分権社会にふさわしい組織の確立が求められております。
今後は、遊休資産の積極的活用や必要に応じた売却、施設の統廃合など市有財産の再評価を進め、過去のしがらみにとらわれない必要な改革への挑戦をするとともに、行政改革大綱を基本とし、その個別計画である行政改革推進計画に沿って改革を進めてまいります。
次に、私が就任当初から掲げている五つのまちづくりと、平成21年度予算の重点項目を申し上げます。
第1は、みんなが元気でやさしい街です。
急速な少子高齢化の進行による人口減少社会となる中で、住み慣れた地域において安心して暮らすことができる社会が求められています。
このようなことから、継続して大麻地区住環境関連の調査研究を進めるほか、関係団体の協力を得て、地域内で連帯し助け合いが行われるよう、地域交流に関する事業の活発化に努めてまいります。
また、北海道洞爺湖サミットを契機に多くの市民が環境を身近な問題として意識することが多くなったこと、さらには、環境講座や経営環境セミナーの開催などに積極的に取り組んだ結果、市民環境講座の参加者なども大きく増えてきたところであります。
今後とも環境に関連する各種事業の充実を図ってまいります。
一方、市立病院の経営再建は、多くの方々のご協力によりやっと出発点に立つことができました。今後とも医師をはじめとした診療体制の充実を図ることにより、市民の皆様が安心して受診できる医療体制が整うものと考えております。
私は、地域内交流の促進と安心できる医療の確保を重点項目に、みんなが元気でやさしい街づくりを進めてまいります。
第2は、子どもたちの未来を育む教育・文化の街です。
子供たちの笑顔が輝き、安心して子育てができること、子供がその個性と可能性を大きく伸ばしながら、楽しく学ぶことができること、これらは市民共通の願いです。
子供たちはそれぞれに多様な個性を持ち、無限の可能性にあふれています。私たちには、未来を担う子供たちの可能性を伸ばすために、豊かな人間性を培い、その個性を存分に発揮できる環境を整える義務があります。
昨年は子供たちのために、企業の方々からは社会貢献事業として、個人の方からはふるさと納税として、多くの寄附金をいただきました。
今後ともこれらの寄附金を活用して、ファミリーサポート事業やこんにちは赤ちゃん事業、親と子の絵本事業などの事業を展開し、保護者の方々や子供たちへ皆様の善意を届けたいと考えております。
また、情報図書館や学校図書館において、ボランティアによる読み聞かせ活動を、より一層活発化させるための支援を行うなど、読書環境の充実を図ってまいります。
私は、子育てと教育の強化を重点項目に、子供たちの未来をはぐくむ教育・文化のまちづくりを進めてまいります。
第3は、多彩な産業活動を生み出す活力あふれる街であります。
江別市は依然として購買力の多くが札幌市に流れるなど、経済的な基盤を札幌市に依存しております。しかし、地産地消や物流コストを考慮に入れたフードマイレージという考え方が進みつつある今、域内の資源を活用し消費することが、地域の自立につながることになります。
また、近年の食への関心の高まりから、生産者の顔が見える農業や、都市と農村との交流を深めるグリーン・ツーリズムなどの事業展開が注目されております。
江別市ではこれまでに、産学官が連携し江別経済ネットワークや江別大豆プロジェクト協議会の立ち上げ、エフズフェスタの開催など、地域資源を生かした農商工の6次産業化の取り組みを進めてまいりましたが、これからも豊かな農地を生かした、安全・安心で付加価値の高い農産物の生産を支援し、江別市が目指す都市型農業への取り組みを進めてまいります。
一方で、都市基盤の整備も必要であります。
今後とも江別の顔づくり事業の推進により、都市基盤を盤石なものとし、さらにRTNパークに新たな企業誘致を進めるなど工業用地の活性化を図り、企業誘致を強力に推進してまいります。
私は、産業の活性化と都市基盤の整備を重点項目に、多彩な産業活動を生み出す活力あふれるまちづくりを進めてまいります。
第4は、市民とともに歩む街であります。
これまで日本経済の発展を支えてきた、いわゆる団塊の世代の方々が定年退職を迎える今、ときを同じくして江別市の人口も減少しつつあるなど、社会構造の変化は急激に進むものと考えられております。こういった社会情勢の中では、行政がすべての事業を実施することは難しく、市民と行政が共に考える市民自治が基本となります。
第5次総合計画の柱である市民協働のまちづくりや開かれた行政づくりなど、既に市民自治の考え方の下に進められているまちづくりの理念と仕組みを体系化した自治基本条例については、これまでの熱心な市民議論を踏まえ、さらなる普及とその啓発に努めてまいります。
また、高齢化社会における防災、防犯など地域の安全を確保するためには、身近な問題を支え合う仕組みづくりと、生活支援等多様なサービスの担い手を確保することが極めて重要であり、今後も市民参加によるコミュニティづくりを進める必要があります。
私は、市民の目線で進める市民主体の行政を重点項目に、市民と共に歩むまちづくりを進めてまいります。
第5は、確かな明日に向かってしっかり歩きだす街であります。
平成21年度は、第5次総合計画後期基本計画の初年度であります。基本構想で示された都市像と政策の方向性をしっかり見据え、未来への責任ある行政運営を進めなくてはなりません。
そのためには、今後とも市民と情報を共有化するための手段である行政評価システムの適切な運用を行うなど、行政の情報や活動を公表し、効果的な事務事業の展開を図ってまいります。
また、近隣市町村との広域的な連携や機能分担など、横断的な取り組みを進めてまいります。
私は、行政情報の共有化と計画の推進を重点項目に、確かな明日に向かってしっかり歩き出すまちづくりを進めてまいります。
以上、市政執行に当たっての基本姿勢と私のまちづくりに対する考え方などについて申し上げました。
次に、平成21年度の市の予算でありますが、国においては経済財政運営と構造改革に関する基本方針等での考え方を基本に、企業の経営環境や雇用情勢の急激な悪化を受けた現下の経済情勢への緊急対応としての第1次・第2次補正予算と合わせ、当初予算と連動して対策を図ることとされました。
また、地方財政計画においては、新たに地域雇用創造推進費等が措置されたほか、地方の税収不足等に対応して臨時財政対策債の増加が図られるなど、地方の一般財源確保への対応が行われた結果、当市においても一定の財源確保ができたところであります。
本年度は、第5次総合計画後期基本計画がスタートする年であり、ここに掲げられた政策について、昨年来の経済動向等も踏まえ、市内の経済状況に配慮するとともに、国の補正予算への対応や民間の活力・資源の活用を含め、各種施策の緊急度・優先度等を考慮し予算編成を行ったものであります。
その結果、平成21年度の各会計予算規模は、前年度当初予算と対比してみますと、一般会計383億2,000万円で0.7%の減、特別会計194億9,020万円で4.9%の減、企業会計147億3,499万3,000円で0.6%の減、合計725億4,519万3,000円で1.8%の減となるものであります。
以下、平成21年度の予算案の概要について申し上げます。
第1に、環境と調和する都市の構築について申し上げます。
まず、環境への負荷を減らす循環型社会の形成は、私たちが日々の生活を通して着実に取り組んでいかなければならない大きなテーマであると言えます。
しかし、人々の生活様式や価値観は時代とともに変化し、ともすれば忘れがちな身近な自然環境や生活環境の中に、この環境問題への課題が潜んでおります。これらの課題については、市民の皆様や企業などとも連携しながら協働の取り組みの下に解決していかなければならないものと考えております。
そのため、市民団体や小売店、スーパーなどからなるごみゼロ推進連絡協議会等と連携を図りながら、マイバッグ運動等の推進や家庭用廃食油の資源化について啓発するほか、ごみの適正な分別収集を進め、資源の有効活用を図るため、市民の自主的な集団資源回収活動に対して引き続き助成するとともに、新たな一般廃棄物処理基本計画の策定に向けたアンケート調査等を実施してまいります。
次に、人と地球にやさしい環境の創出につきましては、市民の環境や省エネに対する意識の啓発を図るため、市民環境講座や環境広場の開催を継続するとともに、特に子供のころから環境問題に関心が持てるように、市内企業などの協力を得ながら小学生を対象に環境学校の取り組みを進めてまいります。
また、水とみどりの保全と創出活用では、引き続き、工業団地協同組合との協働により世田豊平川河川敷での市民植樹を行うとともに、自治会などにおける花のある街並みづくりに対して助成してまいります。
第2に、明日につながる産業の振興について申し上げます。
先ごろ発表されたGDPでは、年率換算で12(・).7(・)%(・)の(・)マ(・)イ(・)ナ(・)ス(・)となるなど、昨年来の経済環境の悪化により市内経済への影響も懸念されることから、平成20年度の一般会計補正予算による市内消費の拡大や公共事業の追加等を行い、市内の雇用の維持と経済の活性化を図ってまいりました。
また、新年度予算においても、中小企業対策を行うほか、積極的な企業誘致と立地企業への支援を行ってまいります。
さらに、都市型農業の推進や競争力のある産業の育成、振興を図ることで、個人や企業の経営基盤を強化し、地域における雇用の創出や維持につなげてまいります。
まず、商工業の振興につきましては、最近の経済状況の悪化を受けて、市内の中小企業者等への資金繰り対策として、運転資金の新規融資枠の拡大を図ったほか、定額給付金等が市内で消費循環されるよう、商工会議所や市商連などとも連携し、域内消費について市民にPRしてまいります。
また、江別駅前地区活性化のため誘致を進めていたコールセンター企業などの立地も決まり、駅前地区の活性化が期待されるところでありますが、さらに地域のにぎわいや活力の創出のために、やきもの市や北海鳴子まつりなどのイベントに対して、引き続き助成してまいります。
次に、就業環境の整備では、厳しさを増す雇用環境の中で、就職を希望する高校生に対してビジネスマナーの習得支援や個別カウンセリングなどを実施するとともに、市内経済団体等との連携による若手経営塾の開催を通じて、企業後継者の育成を支援してまいります。
また、平成19年度から実施している厚生労働省から委託された地域雇用創造推進事業に加え、新たにモデル事業の指定を受けた地域雇用創造実現事業と合わせて、市内での雇用環境の創出や維持に向けて努力してまいります。
次に、産学官連携推進のため、引き続き経済ネットワークなどによる人的交流、新事業の創出や新製品開発を目指す活動を支援するとともに、立地した企業に対して、雇用創出などに対する助成制度に基づき支援をしてまいります。
また、RTNパーク地区での食品製造業などの誘致や、地元企業と市内大学との連携強化に向けて取り組むほか、誘致対象企業の選定や設備計画・事業計画などの動向に関するデータの収集や、地元企業者との情報交流等を行い積極的な企業誘致活動を進めてまいります。
次に、都市型農業の推進につきましては、えぞ但馬牛の優良繁殖牛導入について引き続き支援するとともに、新たに優良肥育素牛の買入れに対して無利子貸付けを行うほか、新規就農希望を含めた農業の担い手育成研修の事業を充実してまいります。
また、グリーンツーリズム計画に基づき具体化に向けた講習会を開催するほか、貸し農園やサタデー&サンデーマーケット等を通じて農家と市民との交流を進め、農村地域の活性化を図ってまいります。
第3に、安心を感じる保健・医療・福祉の充実について申し上げます。
保健・医療・福祉の充実では、各分野において目標年次等を定めた個別計画に基づき、各施策間の連携を図りながら、障がい者の自立支援への対応や地域で支え合う取り組みを支援してまいります。
また、本年度は地域福祉計画や次世代育成支援行動計画の見直し、第4期介護保険事業計画や第2期障がい福祉計画の初年度に当たることから、これらを第5次総合計画後期基本計画と連動させながら推進してまいります。
健康づくり推進事業においては、引き続き健康管理指導や健康づくり活動などに取り組むとともに、妊産婦健康診査では健診助成回数を5回から14回に拡大し、安心して子供を生み育てられる環境の整備を図り、市民の生涯を通じた健康の維持・増進について支援してまいります。
次に、子育て環境の充実についてでありますが、子育て支援センターすくすくでの日曜日開館の試行や親子にこにこ広場を新たに大麻地区で開催するとともに、企業からの協賛によりこんにちは赤ちゃん事業や親と子の絵本事業を引き続き実施してまいります。
また、幼児教育では、私立幼稚園での特別支援教育、未就園児の保育や一時預かり等の取り組みに対して新たに支援してまいります。
さらに、障がい者福祉の充実では、障害者自立支援法に基づき、精神障がい者の地域における支援のためのケアマネジメントや、自立に向けた日常生活の支援として、新たにタクシー利用料金助成の対象に加えるなど支援体制を整備してまいります。
次に、高齢者福祉の充実では、江別・野幌・大麻と日常の生活エリアごとに地域包括支援センターを配置し、これを中心にして介護予防や相談業務等を実施するほか、市内事業者による高齢者筋力向上トレーニングなどの介護支援事業等について引き続き実施してまいります。
また、社会保障の充実では、昨今の経済情勢の悪化を受けて生活保護の相談や申請等が増加する中で、生活に困窮する世帯への生活保障の適正な実施、さらには自立に向けて就労支援員による支援の充実を図るとともに、住宅困窮者等に対する市営住宅の環境改善を引き続き実施してまいります。
次に、本年9月に当市で開催される全国健康福祉祭(ねんりんピック)の将棋大会に出場される選手や関係者の皆様に良い思い出となるよう支援してまいります。
また、国民健康保険事業につきましては、医療費の適正化に向け特定健診の受診率を高めていくための組織体制の強化を図るとともに、被保険者証をカード方式に改めサービス向上に努めるなど、引き続き医療費の適正化と国民健康保険事業の健全化に努めてまいります。
次に、介護保険事業につきましては、第4期介護保険事業計画の初年度となりますが、介護従事者報酬の引上げや高齢者人口の増加により介護給付費の増嵩が見込まれることから、基金の取崩しのほか、所得段階を7段階制とすることにより保険料の引上げを抑制し、各種介護予防事業や地域支援事業の実施に努めてまいります。
さらに、市が直接行っていた地域包括支援センター業務を民間に移行し、より地域に密着した包括支援体制を構築するとともに、高齢者福祉サービスを活用した独居老人等の見守りや安否確認等も含め引き続き実施してまいります。
また、厳しい経営状況にある病院事業につきましては、平成19年度に発生した不良債務については、公立病院改革プランに基づき公立病院特例債を発行し解消するとともに、懸案となっていた産科医療の再開のめどが立ったことから、休止していた病棟の再開を進め、病院経営の健全化に向けて努力するほか、救急医療や産科医療確保等に対して一般会計からの繰入れ支援を実施してまいります。
第4に、安全で快適な都市生活の充実について申し上げます。
快適で住みやすく、市民の皆様が住み続けたいと思える都市づくりを目指すためには、都市基盤の整備・充実を図り、事故や災害から市民の生命・財産を守ることが大切であります。
まず、交通環境の充実につきましては、兵村4丁目通りの拡幅整備を完成させるとともに、大麻東駅通りについて駅周辺のバリアフリー化の視点から引き続き道路事業を進めてまいります。
また、道路の維持管理では、路面凍上改修や道路再整備事業を実施し、市民生活の基盤となる生活道路の整備に努めるとともに、引き続き市内バス路線確保のための助成を行ってまいります。
次に、雪国としての冬の市民生活を支えるために、雪対策基本計画に基づき市民との協働の下に除排雪事業や自治会排雪支援事業等を継続して実施し、快適な生活が確保できるよう努めてまいります。
次に、危機管理の強化・充実を図るため、地域の防災力向上に向けた市民防災講座の開催や災害時の要援護者支援について関係機関との連携・強化を図るほか、洪水対策として排水機場の整備や河川のしゅんせつ工事等を進めるとともに、災害時の避難場所となる小中学校の耐震化について積極的に進めてまいります。
また、既存建築物などの耐震化を促進する江別市耐震改修促進計画を策定してまいります。
市街地整備の充実では、コンパクトなまちづくりを基本に、中心市街地の活性化を目指す江別の顔づくり事業において、北海道が実施する連続立体交差事業の本格化に合わせ、市が実施する土地区画整理事業について駅前広場の実施設計を行うほか、物件移転等を進めてまいります。
また、市民と行政による協働の取り組みとして、引き続き地元自治会などの団体と市が共に協力しながら公園の適正管理を行うアダプト制度や市民参加による公園づくり事業を実施するとともに、自治会等による街路灯の設置や維持費に対して助成するほか、消費に対する安全・安心が問われている今、消費者が抱えている問題の解決や苦情・相談に適切に対応できるよう消費生活相談体制の充実を図ってまいります。
次に、上水道の整備につきましては、石狩東部広域水道企業団の構成団体の一員として、引き続き事業に参画するとともに、安全で良質な水道水の安定的な供給に努めてまいります。
また、下水道につきましても、災害に強い安全で快適な生活を実感できる地域づくりを推進するため、引き続き大麻地区等の雨水幹線整備や浄化センターの整備を実施するとともに、新たに浄化センター等の維持管理業務について委託を進めてまいります。
次に、電子情報化の推進につきましては、アウトソーシングを基本とした住民情報システムや国と地方を結ぶ総合行政ネットワークシステムの運用を図ってまいります。
次に、消防・救急の充実につきましては、高度化する救急業務に対し、引き続き救急救命士への研修を実施するほか、高規格救急自動車の更新整備を行い、安全で安心な救急業務体制の充実に努めてまいります。
また、老朽化している通信指令システムの更新に係る実施設計を行うほか、無線のデジタル化については、平成25年度の運用開始を目指し、札幌市を含む石狩管内の各消防と共同で取り組むとともに、引き続き住宅用火災警報器の設置普及に努めてまいります。
第5に、豊かさと創造性を育む生涯学習環境の充実について申し上げます。
自ら考え、自ら主体的に行動することができる人間性豊かな子供たちを育成していくために、学校教育の諸施策を展開するとともに、生涯学習の場づくりや参加・育成型のスポーツ・文化活動、さらには、良好な地域コミュニティの形成を支援してまいります。
また、学校の適正配置については学校適正配置基本計画に基づき、地域の皆様の意見をいただきながら取り組んでまいります。
まず、子供の可能性を伸ばす教育の充実につきましては、引き続き小学生の英会話教育の充実に努めるとともに、小学校五、六年生への英語必修化に向けた対応を図るほか、地域の社会人による授業を行ってまいります。
また、子供の確かな学力の向上を目指し、新たにチーム・ティーチングとして退職教員等による小中学校授業サポート事業を開始するなど、小中学校の学習支援活動に取り組んでまいります。
次に、特別支援教育の推進では、発達障がい等の児童生徒に対する学生ボランティアによる学習支援や、各学校に配置する特(・)別(・)支(・)援(・)教(・)育(・)補(・)助(・)員(・)を増員するなど、必要な支援に努めてまいります。
また、小中学校における読書環境整備のため、学校図書館に引き続き司書を派遣するとともに、新たに情報図書館に学校支援指導司書を配置してまいります。
さらに、学校図書館の蔵書率向上につきましては、企業などからの寄附を活用するほか、図書整備予算の増額を図るとともに、中学生の職業観を育てるため、職場体験を基本にしたキャリア教育推進事業を継続して実施してまいります。
また、小中学校は、災害時の避難場所ともなりますことから、平成23年7月からの地上デジタルテレビ放送の本格実施に向けた対応を図ることとしております。
学校施設の整備では、大規模改修事業として江陽中学校のトイレ改修工事を実施するほか、北光小学校のボイラー更新、江別第三中学校の屋上防水改修工事、さらには大麻東小学校及び江別第二中学校の耐震改修実施設計のほか、江別第三小学校、大麻小学校、東野幌小学校の耐震診断を行ってまいります。
次に、青少年の健全育成につきましては、いじめや不登校などへの対策として、家庭や地域との連携並びに学校全体での取り組みを推進するため、引き続きスクールカウンセラー及び心の教室相談員を配置するほか、心のダイレクト・メール事業を実施してまいります。
また、平成20年度に初めて取り組んだえべつ中学生サミットについては、人間尊重教育の推進事業として豊かな心をはぐくんでいくことを啓発するために、引き続き開催について必要な支援を行ってまいります。
さらに、ふるさと意識の醸成と地域文化の創造では、ふるさと江別を大切に思い、次代に引き継いでいくため(仮称)江別の遺跡を発行するほか、全国巡回展小森忍日本陶芸の幕開けを通して、やきもののまち江別としての陶芸文化や地域の貴重な歴史・文化などについて振興を図ってまいります。
また、市民スポーツ活動の充実につきましては、社会人のスポーツ活動に対して学校施設の開放事業を実施するほか、指定管理者による体育館、青年センター等の管理運営を通じた施設サービスの向上を図ってまいります。
第6に、市民協働によるまちづくりについて申し上げます。
まちづくりの基本は、市民や自治会、大学・企業などが共に主役として主体的にまちづくりに参加し、そして行政の担い手・パートナーとして、その役割に応じ、協働しながら事業を展開していくことであると考えております。
このため、地域での自治活動に積極的に取り組んでいる自治会に対して支援を行うほか、市民活動団体やボランティアなどが活動する場として、NPOが自主的に運営する市民活動センターに対して支援するとともに、協働のまちづくりを実践している各種団体等に対して助成してまいります。
次に、男女共同参画社会の形成につきましては、家庭や地域さらには職場での意識啓発を行うために講演会を開催するとともに、引き続き日本女性会議への参加を支援する中で、積極的に男女共同参画社会についての啓発活動を進めてまいります。
また、国内・国際交流の推進につきましては、友好都市土佐市や姉妹都市グレシャム市との相互交流により、異なる風土や文化への理解を醸成するとともに、引き続き江別市国際交流推進協議会への助成を行ってまいります。
第7に、計画実現に向けてこれまでの六つの政策を支える施策について申し上げます。
急激な経済情勢の悪化や限られた行財政資源の中で、市民の意識と時代の変化を的確にとらえながら、行政改革を計画的に進め、未来への投資を含めた事業の重点化を図り、将来に向けた持続可能な都市形成をどのように進めていくかが大きな課題になっております。
そのため、第5次総合計画後期基本計画の着実な推進や事務事業評価、施策別予算編成並びに人事考課制度等の取り組みなどを通じて、市民サービスの維持・向上と効率的な行財政運営に向けた取り組みを進めていく必要があります。
以上が予算編成方針に基づき措置いたしました歳出予算の概要であります。
次に、歳入の見通しの主なものにつきまして、ご説明申し上げます。
まず、市税につきましては、特に法人市民税では経済状況の悪化を受けた企業の景気動向などから減少見込みとなるほか、固定資産税では土地、家屋の評価替えの年に当たることから、地価の下落等の影響を受けて減少が見込まれるなど、市税全体では124億2,600万円、前年度当初に比べ2%減を見込んでおります。また、市税全般を通じて、公平負担の原則から、税源の的確な把握と収納率の向上に引き続き努力してまいります。
次に、地方譲与税では、決算見込みや地方財政計画等から前年度当初に比べ10.3%の減、一方、地方交付税につきましては、地方財政計画の中で投資的経費などの削減があるものの、新たに地域雇用創出推進費等が措置されたことから96億3,500万円、決算見込みに比べ2.2%増と見込んだものであります。
市債の発行につきましては、抑制基調を前提に財政運営を行ってきた結果、その残高も毎年度20億円前後で減少しておりますが、実質的な地方交付税である臨時財政対策債の発行が13億1,400万円と前年度を32.5%上回るほか、道路整備や学校の改修事業等の財源を市債で確保するなど、総額では21億460万円で前年度当初に比べ18.2%の増となったものであります。
市債につきましては、将来世代と現役世代との負担のバランスを十分に考慮し、市債残高や償還額の推移を考慮しながら、投資的事業の重点化・平準化などにより、計画的な発行を図っていかなければならないものと考えております。
以上、平成21年度予算の大綱について申し上げました。
終わりに、急速に悪化した日本経済の中で、市内企業の活性化や雇用の確保・維持について行政として支援の手を差し伸べていくことは喫緊の課題であり、地元大学等との連携による地域産業の創生や域内での消費の循環による地域経済の活性化、さらには過去にとらわれない新たな戦略など、次代を担う子供たちのために将来につながるまちづくりを進めることこそが、今、行政に求められているものと考えております。
厳しさが増す地方財政にあっては、ときの変化に柔軟に対応しながら行財政の効率化や財政の健全化を進めていかなければなりません。
だれもが生き生きと生活し、お互いが優しさや豊かさを実感でき、みんなが元気で活力あふれるまちを目指し、市民の皆様、自治会やNPOなどの市民活動団体、大学・企業などオール江別でそれぞれが持つ力を出し合って、確かな明日に向けて着実に歩んでいきたいと考えております。
市民の皆様並びに議員各位の特段のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成21年度の市政執行方針並びに各会計予算案の説明とさせていただきます。
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以上です。
議長(星 秀雄君)
これより議案第24号ないし議案第32号に対する一括質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
ただいま上程中の議案第24号ほか8件については、11名をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
ただいま設置されました予算特別委員の選任については、委員会条例第6条第1項の規定により、赤坂伸一議員、岡村繁美議員、齊藤佐知子議員、坂下博幸議員、諏訪部容子議員、高橋典子議員、高間専逸議員、林かづき議員、三角芳明議員、宮本忠明議員、山本由美子議員、以上11名を指名いたします。
ただいま設置されました予算特別委員会の正副委員長互選のため暫時休憩いたします。
午後 1時40分 休憩
午後 1時52分 再開
議長(星 秀雄君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、報告いたします。
先ほど設置されました予算特別委員会の委員長に宮本忠明議員、副委員長に諏訪部容子議員が互選された旨の報告がありました。
議案第7号及び議案第8号
議長(星 秀雄君)
日程第29及び第30 議案第7号 江別市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第8号 江別市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について、以上2件を一括議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
総務部長(北口 彰君)
ただいま上程になりました議案第7号 江別市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第8号 江別市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例の制定について、一括して提案理由をご説明いたします。
まず、議案第7号の江別市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、平成20年8月の人事院勧告を受けて、国家公務員においては、1週間当たりの勤務時間が38時間45分に改定されます。
それに併せて、昨年12月に地方公務員の育児休業等に関する法律が一部改正され、育児のために短時間勤務をする職員の1週間当たりの勤務時間数について、5分を最小の単位とし、これに満たない端数は切り上げることとされました。
この改正の趣旨を踏まえまして、本市における育児短時間勤務を定める条例の一部を改正しようとするものであります。
改正する条例の内容につきましては、第12条第1号及び第2号に規定する1週間当たりの勤務時間数を、法律との整合性を図るために、19時間25分から24時間35分の範囲内とするものです。
また、附則におきまして、施行日を本年4月1日からと定めるものであります。
続きまして、議案第8号の江別市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、 先ほど議案第7号でもご説明申し上げましたが、国家公務員においては、1週間当たりの勤務時間が38時間45分に改定されます。
これに伴って、本市職員の勤務時間を変更する必要は生じませんが、勤務条件等は、これまで国に準拠した取扱いを行っておりますことから、国が廃止している休息時間制度について、今回、廃止すべく条例の一部改正を行おうとするものです。
改正する条例の内容につきましては、休息時間について規定しております第7条を削除するものであります。
また、施行期日は、市民への周知期間などを考慮し、附則において、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日からと定めるものであります。
以上、議案2件につきまして、一括提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご 審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより議案第7号及び議案第8号に対する一括質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第7号ほか1件は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第33号
議長(星 秀雄君)
日程第31 議案第33号 江別市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
総務部長(北口 彰君)
ただいま上程になりました議案第33号 江別市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由をご説明申し上げます。
市立病院の産科医療につきましては、全国的な産科医の減少に伴い、地域ごとに医師の集約化が図られたことなどによる影響から、平成19年度以降、常勤医師が不在となり、産婦人科病棟を閉鎖せざるを得ない状況となっておりました。
この産科医の減少は、少子化の著しい進行に伴う出産件数の減少に加え、深夜早朝にまで及ぶ長時間労働など過酷な勤務条件のほか、出産に伴う訴訟リスクの高さが大きな原因と言われております。
南空知地域を含め約16万人の医療人口を抱える江別地域は、現在、出産を扱う民間医院が1院しか存在せず、地域医療の安全・安心を守るという観点から、市といたしましては、身近なところで安心して出産のできる病院をという市民の切実な願いを具現化するため、道内の大学医学部に医師の派遣を要請しながら、多方面に働き掛けを行い、産科医の確保に努めてまいりました。
こうしたことを踏まえて、今回、新たな産婦人科医師の招へいに合わせて、医師の勤務の特殊性を踏まえた待遇改善と定着化を図るために、特殊勤務手当の一部を改正しようとするものであります。
それでは、条例の改正内容について申し上げます。
特殊勤務手当の種類等が規定されております別表第6項医療業務手当中に、母体と胎児双方の命を同時に預かる安全管理業務の特殊性・困難性に着目し、分べん業務に従事した医師に支給する手当を新設し、1件につき6万円以内を支給するものであります。
さらに、常時、分べん行為に対応できる待機態勢を整備するため、緊急診療業務に従事するために命令を受けて自宅等で待機した職員へ支給する手当の上限額を2万円以内から4万円以内に引き上げるものです。
また、今回の改正に合わせて、第2条第3項の引用条項の整備を行うものです。
なお、附則におきまして、施行日を本年4月1日からと定めるものであります。
以上、議案第33号について、その提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第33号は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第10号
議長(星 秀雄君)
日程第32 議案第10号 江別市介護保険条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
健康福祉部長(斎藤嘉孝君)
ただいま上程になりました議案第10号 江別市介護保険条例の一部を改正する条例の制定について、その提案理由をご説明申し上げます。
改正の理由でありますが、介護保険事業は、介護保険法第117条第1項により、3年を単位とする事業運営期間ごとに計画を見直すこととなっており、当市においても平成21年度を初年度とする第4期江別市介護保険事業計画及び第5期江別市高齢者保健福祉計画を策定するに当たり、18名の委員で構成する江別市介護保険事業計画策定等委員会を設置し、市民アンケート調査や江別市高齢者総合計画策定ワーキンググループの意見を踏まえ、計画の策定を進めてきたところであります。
これにより、平成21年度から平成23年度までの65歳以上の第1号被保険者の保険料率は、高齢者人口や要介護認定者数の増加、介護サービス給付費の伸び、介護サービスの充実などに対応するため改定が必要となっておりますことから、江別市介護保険条例について、所要の改正を行おうとするものであります。
改正の内容でありますが、条例第4条は、保険料率の適用年度について平成18年度から平成20年度を平成21年度から平成23年度に改め、各号に定める年額保険料額は、国からの指導により、介護報酬引上げに対する国庫補助金である介護従事者処遇改善臨時特例交付金交付前の本来額を規定しております。
また、保険料の所得段階を、これまでの6段階制から7段階制に改め、さらに、第5段階においては、一定の所得水準以下の者に対し、これまでと同水準の軽減措置を設けるものであります。
各号に規定する年額保険料額は、第1号は2万3,160円を2万4,180円に、第2号は2万3,160円を2万4,180円に、第3号は3万4,740円を3万6,240円に、第4号は4万6,320円を4万8,360円に、第5号は合計所得金額が125万1円未満の者を5万4,120円に、第6号は合計所得金額が200万円未満の者を6万480円に、第7号は合計所得金額が350万円未満の者を7万2,540円に、第8号は合計所得金額が350万円以上の者を8万4,600円とし、新たに設定するものであります。
このほか、第5号から第7号までには、要保護者が本来適用されるべき保険料額に変えて、当該各号の保険料額を適用することにより、生活保護の必要がなくなる境界層該当者の適用についても規定しているところであります。
次に、第6条第4項は、所得段階が6段階から7段階となったことにより、保険料の月割り算定や境界層該当者の範囲について引用条項の整備を行ったものであります。
続きまして、附則についてでありますが、第1条は、この条例の施行期日を平成21年4月1日とすることを、第2条は、改正後の条例第4条の規定についての経過措置を、第3条は、第4段階で課税年金収入額と合計所得金額が80万円以下の軽減措置者の臨時特例交付金交付前の本来額と境界層該当者の月割り算定方法を、第4条は、平成21年度から平成23年度までの間に、実際に第1号被保険者が支払う年額保険料額については、新条例第4条及び附則第3条の規定にかかわらず、次の各号に定める額とすることを規定し、第1号は所得段階が第1段階に該当する者を2万3,880円とし、第2号は所得段階が第2段階に該当する者を2万3,880円とし、第3号は所得段階が第3段階に該当する者を3万5,820円とし、第4号は所得段階が第4段階に該当する者を4万7,760円とし、第5号は所得段階が第5段階で合計所得金額が125万1円未満の者を5万3,520円とし、第6号は所得段階が第5段階に該当する者を5万9,700円とし、第7号は所得段階が第6段階に該当する者を7万1,640円とし、第8号は所得段階が第7段階に該当する者を8万3,580円とし、第9号は所得段階が第4段階で、課税年金収入額と合計所得金額が80万円以下の者を4万1,520円とするものであります。
以上、提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第10号は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第11号
議長(星 秀雄君)
日程第33 議案第11号 江別市道路占用料条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
建設部長(鈴木俊和君)
ただいま上程になりました議案第11号 江別市道路占用料条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由をご説明申し上げます。
改正の理由につきましては、道路の使用の対価として徴収しております現行の占用料は、平成9年4月に改定され、現在に至っておりますが、その間の地価水準の下落などの社会情勢の変化に対応するため、平成20年4月に国及び北海道が改定をしておりますことから、これらに準拠した改正を行い、市内の国道及び道道との均衡と適正化を図るものであります。
改正の内容は、国及び北海道の改正に準拠し、第5条の減免対象に非常災害時に被災者を収容するための応急仮設建築物を加え、別表にあるすべての占用物件について、減額改定と物件区分の細分化をしようとするものでございます。
なお、附則についてでありますが、条例の施行期日を平成21年4月1日からとするものであります。
以上、提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第11号は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第12号及び議案第13号
議長(星 秀雄君)
日程第34及び第35 議案第12号 江別市普通河川管理条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第13号 江別市準用河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について、以上2件を一括議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
建設部長(鈴木俊和君)
ただいま上程になりました議案第12号 江別市普通河川管理条例の一部を改正する条例の制定について及び議案第13号 江別市準用河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例の制定について、一括して提案理由をご説明申し上げます。
改正の理由につきましては、江別市が管理する普通河川及び準用河川の土地占用料は、北海道の河川法施行条例に準拠して定めておりますが、同条例が平成20年4月に改正されましたことから、本市におきましても、これに準拠して所要の改正を行おうとするものであります。
次に、改正の内容といたしましては、議案第12号及び議案第13号の別表に定める土地占用料の年額単価等を同じ内容で改正しようとするものであります。
まず、第3項の工作物の伴わない敷地、第4項の農耕用敷地、第5項の採草及び放牧用敷地につきましては算定率の改正、また、第7項は、管の埋設に係る区分を改正するとともに、年額単価を引き下げ、第8項の電柱等、第9項の共架電線等、第10項の鉄塔についても、それぞれ年額単価を引き下げるものであります。
なお、附則についてでありますが、この条例は平成21年4月1日から施行しようとするものであります。また、経過措置といたしまして、増額となる敷地占用料については、平成21年度に限り軽減措置を講じようとするものであります。
以上、議案2件につきまして、一括して提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより議案第12号及び議案第13号に対する一括質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第12号ほか1件は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第14号
議長(星 秀雄君)
日程第36 議案第14号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
病院事務長(藤田政典君)
ただいま上程になりました議案第14号 江別市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由をご説明申し上げます。
平成21年1月1日から、分べんに係る医療事故により脳性まひとなった子及びその家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、事故原因の分析を行い、将来の同種事故の防止に資する情報を提供することにより、紛争の防止、早期解決及び産科医療の質の向上を図るため、産科医療補償制度が創設されました。
当院も、本年4月以降、この制度に加入することから、江別市立病院使用料及び手数料条例で定める助産料及びその他の関連事項を改正しようとするものであります。
改正の内容につきましては、別表に定める助産料のうち、在胎週数22週以降の分べんについて、産科医療補償制度の掛金相当額の3万円を加算するほか、従来は実費扱いとして個々に精算していた新生児の介補料は、看護処置や産着代、おむつ交換など標準的な経費を事前に算定することが可能なので、1日につき6,000円を定額とする新生児管理料を新設するものであります。
また、妊婦健康診査については、平成21年4月から公費負担が拡充されることに伴い、受診時期に応じて検査内容が異なることから、従来の定額方式を改め、診療報酬点数に単価10円を乗じて得た額とするものであります。
そのほか、入院患者の利用実態に応じた項目の整理と文言整理を行うものであります。
最後に附則についてでありますが、この条例の施行期日を平成21年4月1日からとするものであります。
以上、提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第14号は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第15号
議長(星 秀雄君)
日程第37 議案第15号 江別市自治基本条例の制定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
市長(三好 昇君)
ただいま上程になりました議案第15号 江別市自治基本条例の制定について、提案理由をご説明申し上げます。
本条例は、平成12年の地方分権一括法の施行を契機とした地方分権の進展や、個人の価値観やニーズの多様化、市民の自治意識の高まりなどを背景といたしまして、個性的で魅力ある市民主体のまちづくりを行っていくため、江別市における自治の基本的な理念と原則などを明確化するため制定しようとするものであります。
本条例の策定に当たりましては、平成17年6月より、市民主体の江別市自治基本条例(仮称)市民懇話会や、学識経験者等による江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会等で議論や検討を重ねるとともに、その過程におきましては、市民との意見交換会などを通じ、多くの市民の意見を反映してきたところであります。
その結果、平成20年12月25日に江別市自治基本条例(仮称)制定審査委員会より最終報告書が提出され、本条例は、この最終報告を基に定めようとするものであります。
この条例は、前文と、11章29条及び附則で構成されており、その内容についてご説明いたします。
前文では、この条例の制定に当たっての背景、目的、基本理念、基本原則など、この条例の趣旨を明らかにするとともに、自治の主役として市民の立場を明確にし、まちづくりを行っていくことを規定しております。
次に、本文でございますが、第1章総則では、第1条から第5条で条例の目的、用語の定義、市民自治の基本理念と基本原則、江別市の自治の基本を定める最高規範としての位置付けを、第2章市民では、第6条から第8条で市民の権利と責務、事業者の責務を、第3章議会及び議員では、第9条及び第10条で議会の役割と責務、議員の責務を、第4章市長及び職員では、第11条及び第12条で市長の役割と責務、職員の役割と責務を、第5章行政運営では、第13条から第20条で行政運営における総合計画、財政運営、行政評価などの基本的事項を、第6章情報共有の推進では、第21条から第23条で市と市民との情報共有、情報公開、個人情報の保護を、第7章市民参加・協働の推進では、第24条及び第25条で市民参加の推進、市民協働の推進を、第8章住民投票では、第26条で市政の重要事項において住民の意思を確認するための住民投票を、第9章他の自治体等との連携及び協力では、第27条で課題解決や政策実現のための他の自治体や国、関係機関との連携・協力を、第10章市民自治によるまちづくりに関する施策等の評価では、第28条で市民自治による施策や制度の評価、及び必要な見直しに向けた制度の整備を、第11章条例の見直しでは、第29条で条例施行後の定期的な検討と見直しを規定しております。
最後に、附則でございますが、この条例の施行期日を公布の日からとするものであります。
以上、提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の議案第15号は、自治基本条例特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
議案第9号
議長(星 秀雄君)
日程第38 議案第9号 江別市男女共同参画を推進するための条例の制定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
市長(三好 昇君)
ただいま上程になりました議案第9号 江別市男女共同参画を推進するための条例の制定について、提案理由をご説明申し上げます。
男女共同参画社会の実現を目指し、平成11年に男女共同参画社会基本法が施行されたことから、江別市では平成14年に男女共同参画推進基本条例等の検討を盛り込んだ男女共同参画基本計画を策定し、施策を推進してまいりました。
この基本計画に基づき、公募による市民と市職員による江別市男女共同参画推進基本条例(仮称)市民懇話会を設置し、条例に盛り込むべき内容をまとめた提言書が提出され、この提言書に基づく条例原案を検討するため江別市男女共同参画のための条例及び基本計画検討委員会を設置し、平成20年11月に条例原案が提出されました。
本条例はこの原案を基に市、市民、事業者等の責務を明らかにし、基本理念や市の施策の基本となる事項を定めようとするものであります。
この条例は、前文と4章21条及び附則で構成しており、その内容についてご説明いたします。
まず初めに、条例制定の背景や条例の趣旨を明らかにするとともに、目指すべき方向性を示すため前文を設けております。
次に、第1章総則では、第1条から第3条で目的、用語の定義、基本理念を、第4条から第7条までは市、市民、事業者等及び学校の責務について、第8条では性別による権利侵害の禁止について定めております。
次に、第2章基本的施策では、第9条から第13条で基本計画の策定と見直し、施策の実施状況の報告と公表、推進体制の整備と財政措置、調査と研究、各種審議会等における委員の構成についてを、また、第14条から第18条までは広報及び啓発、表彰など市民や事業者等の理解を深めるための事項を、第19条は苦情又は意見及び相談の申出について定めております。
次に、第3章審議会として第20条に審議会の設置について必要な事項を、第4章雑則として第21条に委任規定をそれぞれ定めております。
最後に附則でございますが、この条例の施行期日を平成21年4月1日からとするものであります。
以上、提案理由をご説明申し上げましたので、よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(星 秀雄君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
上程中の議案第9号は、総務文教常任委員会に付託いたします。
陳情第1号
議長(星 秀雄君)
日程第39 陳情第1号 障害者自立支援法施行前の国民健康保険での精神科通院医療費に対する医療付加給付金制度の再導入を求めることについてを議題といたします。
お諮りいたします。
上程中の陳情第1号は、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
陳情第2号
議長(星 秀雄君)
日程第40 陳情第2号 物価上昇に見合う年金引き上げを求めることについてを議題といたします。
お諮りいたします。
本件については、あらかじめ議会運営委員会と諮りました結果、委員会付託を省略いたしたいと思います。
これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより陳情第2号 物価上昇に見合う年金引き上げを求めることについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
吉本和子君
陳情第2号 物価上昇に見合う年金引き上げを求めることについて、採択すべき立場から討論を行います。
総務省の調査によると、2008年中の消費者物価指数は、対前年比2%弱の上昇と推定されるとしています。しかし、この数字は、テレビ・カメラ・パソコンなどの大幅な価格下落を含むものであり、生活必需品を中心に見れば、2%は少な過ぎるとの指摘もあり、また、生活必需品に限定すれば、概算で3%以上の実質的な上昇率になるとも言われています。
このように、生活必需品を中心とした物価の高騰が、多くの国民の生活を根底から脅かしています。特に、高齢者の生活については、このままでは生活できない、貯金も底をついたといった悲痛な声が上がっているという実態が、昨年秋に実施された全日本年金者組合の調査でも明らかにされています。
年金は本来の物価上昇に見合うよう引き上げるのは世界の常識であり、基本的には日本も物価スライド方式です。しかし、政府は2004年に、いわゆる100年安心の年金改革によって、マクロ経済スライドを導入したばかりでなく、賃金が下がれば物価スライドを適用しないこと、さらに、過去の引下げ凍結分も適用して物価が上がっても年金を引き上げない仕組みが二重、三重につくられてきました。その結果、2000年度以降の年金給付額は、引下げ、引下げなし、据置きとされ、2007年度は物価が上昇しているにもかかわらず賃金は上昇していないとして据置きとなるなど、物価上昇に見合う年金改定にならない仕組みがめいりょうに示されています。その下で、今日の激しい物価高騰にもかかわらず、来年度もまた、年金額は据え置かれる見通しだということです。
国民所得の10%を超える年金を目減りさせず高齢者の生活を保障することは、現在の年金受給者だけではなく、現役世代も含めた国民の将来不安を取り除くことにつながります。
また、先行き不安から冷え込んだ消費者心理を暖め、内需拡大によって深刻化する不況から立ち上がる支えにもなるものです。そのためには、陳情にあるように、高齢者の生活を守る緊急措置として、物価上昇に見合う年金引上げが早急に求められます。
以上申し上げ、陳情第2号 物価上昇に見合う年金引き上げを求めることについて、採択すべきであることを申し上げ、討論といたします。
以上です。
議長(星 秀雄君)
ほかに討論ありませんか。
赤坂伸一君
陳情第2号 物価上昇に見合う年金引き上げを求めることについて、不採択とすべき立場で討論いたします。
まず、陳情事項の1は2009年4月から年金を3%引き上げるとの内容であります。
平成16年の年金制度改正により、年金額の改定は物価変動のほか、被保険者数の減少、平均寿命の延びを反映するマクロ経済スライドが導入されたところです。
具体的には、賃金水準や物価の上昇に連動して、毎年の年金額を見直す際に用いられる改定率に、一つは被保険者数の減少分と平均寿命の延びを勘案して、スライド調整率マイナス0.9%が組み込まれたものです。
賃金や物価の上昇が2%あったとしても、年金額は0.9%を差し引いた1.1%の伸びになり、半面、賃金や物価がマイナスになったときに0.9%は適用されず、さらに賃金や物価の上昇が0.9%に満たない場合は、マイナスにならない範囲での調整が行われるものであります。
被保険者数の減少や平均寿命の延びなどのマイナス分を算入するマクロ経済スライドそのものに、疑問の余地がないとは言えません。年金収支は厚生年金だけを見ても2005年度で約37兆6,000億円の支出に対し、保険料収入が約21兆円、国庫負担等が約4兆6,000億円、運用収益が約10兆円で黒字になりましたが、平成19年度は運用益がマイナス5兆6,000億円余りと大きな変動幅があります。保険料収入は微増であるものの、団塊の世代の受給権者増や平均寿命の延びによる給付額の増加、積立金の簿価の減少やサブプライムローン等の影響による運用益の減少や流動性が高いこと。さらに、年金加入者約7,000万人のうち、免除・猶予・未納者は約1,000万人にも及ぶことから、長期間持続可能な制度を維持するための財源をどのように確保するかなど総合的に検討されるべきであり、年金制度に対する信頼を構築することもしょうびの課題であります。
また、平成17年を100とした平成20年の消費者物価指数を例に取ると、12月における前月比は101.3で、平成20年平均の前年比は1.4%の上昇で3%に満たないものとなっており、マクロ経済を勘案するまでもない数字であります。さらに、国の予算は4月からスタートすることから、4月から引き上げるのは無理な話であります。
次に、陳情事項の2は、年金月額が8万円に満たない無年金者、低年金者に、当面生活支援金として8万円に達する額を上乗せして支給するとの内容です。
この陳情は、さきに裁決されました平成20年陳情第14号の陳情事項1と重なる部分があり、審査のさなかに同じ陳情者から類似の陳情が出されたことは、果たして吟味して提出されたのか、割り切れないものを感じます。
既に審査してまいりましたが、1月22日開催の生活福祉常任委員会資料として提出された各政党のマニフェストやホームページにも、年金制度の一元化、基礎年金国庫負担を平成21年度から2分の1にすること、最低保障年金、基礎的暮らし年金、基礎年金などの名称で、5万円から8万円までの額が示されており、財源も全額国庫負担、税による企業負担、消費税の振替あるいは全額税方式のほか、各新聞には社会保険方式を維持することなどが示されているところであります。
国会の付帯決議に基づき平成21年度からようやく基礎年金の国庫負担が2分の1となり、約7兆6,000億円から約10兆円へと約2兆4,000億円増加するが、財源は財政投融資特別会計からの特例繰入れであり、2年後の財源は不明であります。
以上のことから、基本的には平成20年11月27日の社会保障審議会年金部会の中間的な整理として示されたものをベースに早期に国民的議論を深め、結論を出すべきと考えます。
よって、毎回大変勉強させられるわけですが、木だけを見て森を見ようとしない陳情第2号は意に沿えないことを申し上げ、不採択とすべき立場での討論といたします。
議長(星 秀雄君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより陳情第2号を起立により採決いたします。
陳情第2号は、採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立少数であります。
よって、不採択とすることに決しました。
散会宣告
議長(星 秀雄君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時37分 散会