平成19年第4回江別市議会会議録(第4号)平成19年12月14日 5ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
副議長(鈴木真由美君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
齊藤佐知子議員の教育行政についてほか1件についての質問を許します。通告時間20分。
齊藤佐知子君
議長より質問の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問してまいります。
最初に、教育行政について質問いたします。
文部科学省が11月15日に公表した平成18年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査で、学校現場で把握されたいじめが前年度の6.2倍に増え、12万4,898件に上り、前年度の約2万件から6倍以上に増えております。また、学校裏サイトの使用など初めてネットによるいじめの件数も報告されました。そして、いじめが原因の可能性がある自殺者も6人いました。
いじめによる自殺者が相次いだため、被害者の気持ちを重視し、いじめの定義を変更したことや、その意を受け、調査報告を変えたことが大きく、特に今まで教師に聞いていた調査を子供に聞くことによって、約6倍の数字になったことは大変に重要なことです。
問題行動調査は、毎年子供の暴力行為やいじめの実態について、教育委員会などからの報告を基に集計しています。2005年に滝川市で、小学校六年生の女児がいじめを訴える遺書を残して自殺をしましたが、教育委員会がいじめと認めずに放置していたことが昨年に発覚し、社会的問題となりました。
いじめ自殺を過去7年間連続ゼロとした調査の信頼性が揺らぎ、いじめの定義が見直されています。それまでは、自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものだったが、新たな定義では、従来の自分より弱い者や継続的に等の文言や、受けた側の苦痛の深刻さを示す表現をなくし、発生件数ではなく認知件数を集計しております。また、児童らへのアンケートや面接も併用し、国立と私立の小中高校を新たに対象としています。
いじめの件数は、小学校6万897件、中学校5万1,310件、高等学校1万2,307件で、学年別に見ると中学一年生の2万4,023件が最も多く、いじめがあると回答したのは2万2,159校で全体の55%です。具体的には冷やかし、からかいが最も多く、今回初めて調べたパソコンや携帯電話によるひぼう・中傷が、中高を中心に4,883件あったとのことです。
自殺者は、小中高で計171人。自殺当時の状況については、家庭不和、進路問題などから複数の選択肢で回答を求めたところ、中学校で5人、高等学校で1人がいじめを挙げています。今回の調査では、いじめの定義や調査方法を変えたことから件数が急増しておりますが、文部科学省は、今回の結果を受けて学校現場がいじめの発見に努めている証拠と評価をしているとのことです。
見て見ぬ振りをしていれば、件数は増えません。その結果、調査と実態は掛け離れたものとなり、重大な事態に対して効果的な対策を講じられるはずがありません。大人たちの一方的な姿勢の犠牲となり、苦しみ続けてきたのは子供たちであることを肝に銘じなければなりません。
いじめは、実際に身近にあります。しかし、発見しづらくなっており、さらにネット上での陰湿ないじめも増えています。児童生徒が学校や友人の話題を自由に書き込める非公式のインターネット掲示板に学校裏サイトがあります。2006年度のネットいじめは約5,000件にも上り、本人の知らない間に、悪口やデマが不特定多数に広がっている実態が浮き彫りになりました。
文部科学省では、刑事事件にまで発展するケースが相次いでいる学校裏サイトを含む携帯電話の利用状況について、学校裏サイトがいじめの温床になりかねないとして、来年1月から初の実態調査を行い、3月末までに調査結果をまとめて公表し、次年度から本格的な対策に乗り出す方針が出されました。
群馬大学大学院社会情報学研究科の下田教授は、約2年前から学校裏サイトの追跡調査を行ってきております。教授のお話によりますと、学校裏サイトと言うのは、学校の公式サイトとは別に、子供たちによって立ち上げられた学校内の情報交換を目的としたサイトですが、それだけではなく、かなりきついひぼう・中傷やデマが、実名を挙げて書き込まれている。ほかに多いのが、わいせつ画像だというのです。大人にとっては、にわかに信じ難いことがサイトの中で起きているとのことです。これまで有害と言うと、大人が有害情報の発信者で子供はその被害者という構図でとらえられてきましたが、今深刻な問題になっているのは、子供自身が有害情報の発信者になっていて、子供同士で有害情報のやり取りをしていることだと言われております。そして、一度、ひぼう・中傷やうわさが流れると、その情報が事実かどうかに関係なく、クラスメートや部活の仲間など多くの人の目にさらされるため、集団的ないじめに発展しやすいという問題があると言われています。
いじめられている子は、親にも教師にもそのことを言いません。しかし、靴がなくなった、休み時間にいつも一人、休みがちなどの予兆が必ずあります。そういった、日常のいじめのサインを早期に発見するために、教師をはじめとする学校関係者、保護者、あるいは地域の協力者等が点検運動を行うなど、情報を共有することが重要と考えます。
また、事務作業が忙しく、子供たちと触れ合う時間が持てないという教員の声もあります。教員が教育活動に専念できるように学校現場での人間同士の触れ合いによる人間形成ができる環境づくりも不可欠と考えます。
近年のいじめは、一つ目に陰湿化、二つ目に相手を選ばない、三つ目にネット上で一方的に行われるため対策が難しい、四つ目にゲーム感覚で快楽主義的などの傾向が指摘されています。
未然防止には、大人の取り組みとともに、子供の意識も重要になります。千葉県の市川市立南行徳中学校では、生徒のアイデアによりオレンジキャンペーンを実施しています。いじめ撲滅を目指してオレンジ色のいじめ反対のリボンを胸に付ける運動です。いじめに反対するとの誓約書を提出した人にオレンジリボンを配付するほか、意見箱を設置して被害者や目撃者などからの意見を吸い上げています。
また、茨城県の筑西市立下館中学校で取り組んでいる君を守り隊は、生徒の主体的な取り組みとしていじめや不登校、暴力行為などの問題行動の未然防止と解消のために、生徒同士による人間関係づくりや隊員への悩み事相談の呼び掛け、パトロール、声のポスト設置など生徒が主体的に問題解決に取り組んでいます。
明治大学文学部の諸富教授は、生徒自身の決断はとても重要であり、こうした決断をした子が半数を超えると学校は変わり、快楽主義的な雰囲気はなくなると述べております。
一方、不登校は主に小中学校で深刻化しており、2006年度の文部科学省の調査によれば、小学校では0.32%で317人に1人、中学校では2.75%で36人に1人、とりわけ中学校では1学級に1人の割合となっており、学年が上がるにつれて増加する傾向にあります。
不登校をつくらない安心サポート体制として、何でも話せるお兄さん、お姉さんの派遣を行う、メンタルフレンド制度があります。一緒に遊ぶ良き兄、姉の存在は子供たちに安心感を与えます。また、いじめに遭ったり、不登校傾向にある子供の良き話し相手や相談相手となることで、子供たちの人間関係を修復する役割も期待できます。そのために、教員志望の学生らを家庭や学校に派遣することがメンタルフレンド制度です。
また、教員OBを子供や親の悩みや不安を聞くための相談員として活用し、子供や親の相談体制を整えることも重要で、心理学や教育学系の学科に通う大学生などを学校や家庭に派遣し、子供や保護者を支援する取り組みが行われています。メンタルフレンド制度の活用により、子供の学習意欲や自信の回復を図ったり、コミュニケーションを取ることで子供の心理的負担を軽減することができるとのことです。
滋賀県では、2001年度からメンタルフレンド事業を3年間の試験事業として実施してきました。教師を目指す大学生らを県内の小学校、適応指導教室、家庭に派遣し、不登校児童と触れ合う活動を展開しています。初年度は、研修を受けた大学生25人を要請があった11市町に延べ1,027回派遣し、事業の最終年度の2003年度には、50人の学生を延べ1,500回派遣したとのこと。その結果、担当した104人の児童のうち欠席が減ったり、適応指導教室に行くようになったなど79人の児童の状況に好転が見られ、さらに教室に行けなかった児童69人のうち、実に半数以上の37人が教室登校をできるまでに改善されたとのことです。こうした成果に、県は2004年度から正式にスクーリング・ケアサポーター事業として立ち上げ、予算も大幅に増額されたとのことであります。2004年度は、77人の大学生を延べ2,500回派遣、2005年度と2006年度には、80人以上の大学生を延べ4,000回ずつ派遣してきたとのことです。その結果、昨年度はケアサポーターがかかわった311人の児童のうち、9割以上の286人の状況に好転が見られ、教室に行けなかった152人のうち4割近い58人が教室に行けるようになったとのことです。ケアを受けた児童からは、先生に言えないことでも、ケアサポーターになら気軽に話せるし、ケアサポーターがそばにいると教室に入れたり、遊んだりできる。また、相談に乗ってくれたり、勉強を見てもらうと自信が出てくるなどの声もあり、好意的な反響が寄せられているとのことです。
先ごろ、人権の世紀の実現に向けて、みんなではぐくむ人権文化と題した人権啓発フェスティバルの一環で、子どもたちとともにつくる輝く未来をテーマに、シンポジウムが開催され、第三のピークとも言われるいじめ問題について議論が交わされたことが、読売新聞に掲載されておりました。
いじめは人の尊厳も将来も奪ってしまいかねないとあり、テーマとなった子どもたちとともにつくる輝く未来の実現に向けて私たち大人が真剣に取り組んでいく必要があると考えます。
当市においても、いじめ対策として、全国に先駆けて取り組んでいる心のダイレクト・メール事業や人権尊重教育の一環での講演などを大変評価しているところです。以上述べて何点か質問いたします。
1点目に、当市における2006年度の問題行動調査結果のうち、特にいじめの実態についてお聞かせください。
2点目に、いじめサイン総点検で、早期発見、未然防止に向けた教育現場の取り組みについてお聞かせください。
3点目に、教員の事務作業の軽減により、子供と触れ合う時間を確保することについて、どのようにお考えかお聞かせください。
4点目に、11月の学校一斉公開日にある中学校を参観させていただいた折に、校内の至る所に、いじめに関する標語が張られており、大変に感動いたしました。このような意識がいじめの抑止効果につながると思います。先ほど紹介した事例も含め、いじめ撲滅に向けて、子供たちの自発的な取り組みが必要と考えますが、どのようにお考えかお聞かせください。
5点目に、群馬大学の下田教授は、一番の責任は有害性の高い情報の受発信が簡単にできるツールである携帯電話を安易に子供に与えた大人側にある。インターネット機能付きの携帯電話を子供に持たせているのは、世界中で日本だけと言われ、インターネット先進国と言われるアメリカの家庭でも子供に使わせているのはパソコンのみで、最初はフィルタリングソフトを使用し、ルールや判断能力を身に付けてから徐々にフィルタリングを外すようにしているとのことです。
本来、人と人がコミュニケーションを図る中で、人間関係が修復できるものと考えるところですが、常に携帯電話のメールやインターネットの掲示板という心のつながりのないところで相手と情報の受発信をしていることは、非常に危険だということを、私たち大人がしっかりと認識し、子供に伝えていくことが大切と考えます。いじめの温床になりかねない学校裏サイトの実態については、どのように把握し対応されるのか、ご見解をお聞かせください。
以上五点について、教育長のご見解をお聞かせください。
次に、家庭用廃食油の資源化についてお伺いいたします。
食用油は天ぷらや揚げ物に利用された後、廃食油として排出されます。廃食油の排出由来は、主に家庭からは一般廃棄物として、食品製造工場や飲食店などの事業者からは、産業廃棄物として排出されています。
家庭用廃食油の排出状況ですが、各家庭から出る廃食油は量が少なく、他のごみのように定期的に排出されるものではありません。大部分が紙に染み込ませたり、凝固剤を用いて可燃ごみとして排出されているのが現状です。しかし、廃食油の焼却や埋立て、下水放流といった従来の処理は、環境汚染の原因になるということからリサイクルする動きが見られます。
家庭用廃食油の性状は、使用頻度、用途、保管期間によって劣化の度合いが違うようですが、一般的には、食品工場などから排出される廃食油に比べ、劣化は少ないものが多いとされています。各家庭で使用方法や使用量も異なるため、均質化は難しいようですが、使用されている食用油は植物性のものが多く、食品製造業の廃食油と比較すると動物性由来の廃食油の混入率が低いと考えられています。
宮城県登米市では、地球温暖化防止活動の一環として、省エネルギーや新エネルギーの利用促進に取り組んでいます。新しいエネルギーとして注目されている廃食油を活用した燃料(BDF)で市民バスや公用車を走らせる事業を始めました。家庭でできる新たな取り組みとして、これまで捨てられていた廃食油を回収してリサイクルすることで、ディーゼル車の燃料として貴重な資源に生まれ変わります。廃食油100リットルから約90リットルの燃料ができます。バイオディーゼル燃料は、軽油と比較して黒煙の排出量が約3分の1で、アトピーの原因とも言われている硫黄酸化物はほとんど出ません。また、軽油と同等の燃費と走行性を持っており、同市では、平成18年度は10月と11月の2か月間、試験的に市民バス1台と公用車2台で使用しております。廃食油を回収し燃料化することで、一つに地球温暖化防止対策、二つにごみ減量化・リサイクル対策、三つに 水質汚濁防止対策として三つの環境問題を一度に対応できるとして、同市では、本年度より全市での回収を実施しております。
当市においても、地球環境を守る一環として重要な取り組みと考えますが、現状と今後の具体的な方向性について市長のご見解をお聞かせください。
以上で第1回目の質問を終わります。
副議長(鈴木真由美君)
齊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
齊藤議員の一般質問にお答え申し上げます。
家庭用廃食油の資源化についてでございますが、家庭用廃食油の資源化の取り組みにつきましては、今年6月の定例会でもお答え申し上げておりますが、市では官民で構成しているいしかりエコ燃料プロジェクトに参加しておりまして、回収拠点は1か所でございますけれども、これまでに約900リットルの油が回収されております。
回収拠点の拡充に当たりましては、回収箱を設置する店舗等の協力と運搬・処理ルートの確保が必要でありますことから、回収事業者などと協議を進めるとともに、現在、協力店を増やすための要請を行っているところでございます。
廃食油の資源化は、家庭で取り組める環境活動でもありますことから、環境やごみの減量に対する市民の関心を高めるとともに、今後とも関係団体と緊密な連携を図り、回収拠点の増設や地域内での回収など、参加しやすい仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
また、精製した燃料の利用につきましては、回収量を見ながら、清掃関係車両など公用車への使用を検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、教育長をもって答弁いたします。
教育長(高橋 侃君)
齊藤議員の一般質問にご答弁申し上げます。
まず、いじめの実態についてでございますが、議員ご指摘のとおり、暴力行為、いじめ、非行など、児童生徒にかかわる問題行動は、依然として憂慮すべき状況にございます。
市内小中学校におけるいじめの実態についてでございますが、平成18年度の調査では、ご案内のとおり、いじめの概念がこれまでの一方的、継続的に攻撃され深刻な苦痛を受けたケースでございましたが、その定義から、今回は原則的にいじめを受けたと子供が感じたケースに改正されてきているところでございます。その結果として、いじめの件数は、前年度の40件から249件の増加となったわけでございます。
いじめの態様は、冷やかし、からかいが57%で最も多く、仲間外れ、無視の19%がそれに続いております。また、初めて調査項目となりましたパソコンや携帯電話によるひぼう・中傷等は4件ございました。
これらのいじめを見付けるきっかけとしては、アンケートなどによる方法が最も多く、全体の40%を占めております。今後もいじめの対応につきましては、いじめはどこの学校でも起こり得るとの認識を再確認し、いじめを早期発見し、学校全体で対応する体制づくりや関係機関との連携などについて、引き続き改善に努めてまいりたいと考えております。
また、本年度で2回目となります心のダイレクト・メール事業を江別独自の事業として、今後も継続してまいりたいと考えております。
次に、いじめの早期発見、未然防止についての教育現場の取り組み及び子供と触れ合う時間の確保についてでございますが、いじめられている子供の多くは、親にも担任にも知られないように行動することが多いほかに、周りから見えないところでいじめが行われたり、遊びや悪ふざけをしているように偽装することもよく見られる行動であります。したがって、漫然と見ていても、いじめの兆候や実態がなかなか見えづらいことが多いと言われております。
このような状況の中で、いじめられている子供は、ときには無口で表情が暗くなったり、友人関係が変化したり、保健室への訪問回数が増加したり、腹痛など身体の不調を訴えたり、食事の量が減ったり、成績が下がったりするなど、何らかのサインを送っていると言われております。
これらの現象が見られたときは、いわゆるいじめのサインを送っているものと、私ども周りの大人、保護者、教師は受け止めるべきだと思っております。これらのサインを受けて、具体的な対策はいろいろありますけれども、親はできるだけ子供との話合いの場を多く持つこと、教師は日々の子供の観察を通して、教師同士の情報交換を進めること、あるいは、学校全体として、先ほど議員がご提言していましたように、スローガンを掲げたり、教師の子供に対する声掛け運動を展開することなどがありますが、これらの取り組みの中で、常に教師と保護者が子供を中心にしたきめ細かな対応が重要と考えます。
そうしたことで、真に、子供の側に寄り添った教育的営みを行うことによって、触れ合いの時間を確保することで、結果として、いじめの早期発見や未然防止につながるものと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
次に、いじめの撲滅に向けた子供たちの自発的な取り組みについてでございますが、各小中学校におきましては、児童会や生徒会活動を通じて、小規模校を除いてほとんどの学校で取り組んでおります。
具体的には、標語やポスターを作成して、学校内で掲示するなどの活動を行った学校が19校ございます。これが最も多いわけでありますけれども、そのほかに、異学年の交流活動を行っている学校が9校、いじめと命に関する全校集会やいじめ撲滅のための学級決議文作成を行った学校などもございました。
また、江別、野幌、大麻、それぞれの地域ごとで、例えば子供の発見・発表会をしている地域やふれあいフェスティバルなど、地域で子供を見守り育てる取り組みを年中行事として進めている地域の実態もございます。
今後のいじめ問題の大きな課題としては、これまでどちらかと言うと、学校、教師、大人主導でいじめ問題の解決に当たってきた経緯がございますが、これからは子供たちが自らの課題として受け止めて、自ら解決するという形が求められると思っております。
そのような視点で、私ども大人たちも問題解決の方向転換を図っていくことが、今、いじめ問題について求められている大きな課題だと受け止めておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。
次に、学校裏サイトについて触れたいと思います。
学校裏サイトの実態につきましては、ご案内のとおり、文部科学省が年明け早々に初めて実態調査に踏み切ります。平成20年度内に結果を公表して、本格的な対策に乗り出すと伺っております。
学校裏サイトは、非公式にインターネット上に作られた携帯電話の掲示板で、刑事事件にまで発展するケースが相次いでおりまして、匿名で書き込めるために、いじめの攻撃に使われているケースも報告されております。
有害サイトの閲覧を制限するフィルタリングソフトでも排除できないものもございます。また、パスワードがないと閲覧できないものもございまして、アドレスとパスワードで掲示板にたどり着いたときには、書き込みが削除された後である場合もあるために、だれが書き込んだのか特定できないなど、ほとんどその把握ができない状況にあるのも事実でございます。
これまで学校裏サイトの弊害につきましては、定例の校長会で、私の方からも情報を提示して、指示したり、生徒指導担当者会議においても、このことを大きな課題として受け止めて、目下、協議・検討してきている状況にございます。
以上でございます。
齊藤佐知子君
ご答弁ありがとうございます。2回目の質問をさせていただきます。
先ほどもお話ししましたが、フォーラムにパネリストとして参加しておりました長野県教育委員会人権教育派遣講師である宮岸さんという方は、ご自身の小中学校時代の痛烈ないじめに遭った体験を踏まえて、今もふるさとに帰ることができません。帰ったら自分をいじめた人間に会ってしまう。そんな恐ろしいことはとてもできない。そういう思いをさせているのがいじめだということを言われています。私たち大人や周りにいる人間に何ができるか。いじめられている子供たちが、苦しいよ、助けてというサインを出すことができ、打ち明けることができる環境をつくることや、悩んでいる子供が声を上げやすい環境づくりが、今何より求められているとお話をされておりました。
未来ある子供たちの大切なたった一つの命であります。そばにいる私たち大人が、今回の調査の289件という結果を踏まえて、いじめの定義が変更になったために数が増えたとの認識に終わることなく、今まで声を上げることができなかった子供の声と受け止めていただいて、子供の視点に立って、いじめは絶対に許さないとの強い意思の下で、真剣に考え取り組む必要があるというふうに考えますが、再度教育長のご見解をお伺いしたいと思います。
以上で第2回目の質問を終わります。
教育長(高橋 侃君)
齊藤議員の再質問にお答えいたします。
大きく二点ほど触れたいと思うのですけれども、今回のいじめの定義がいいのか悪いのか、これもかかわってくると思いますので触れることにします。やはり、前回までのいじめの定義は、一方的、継続的に攻撃され、深刻な苦痛を受けたケースでしたけれども、今回は、いじめを受けたと子供が感じたケースということになっています。量と質でよく見方が分かれるのですけれども、いじめを量で見るか質で見るかという点では、難しいのですが、私は質で見ると。やはりしっかりと周りの大人たちが、子供たちのことを理解して、そして具体的に行動することで、いじめを防止するという方向に行くのがいいのかなと思ってはおりますけれども、これは、私が勝手に判断するものではございませんので、ここで止めたいと思います。
もう一点は、以前にも触れましたけれども、子供の問題は子供同士で解決するというのが、本当の教育の終着点だと思うのです。そこで、江別の学校でもスローガンをつくったり、あるいは学級会で決議文を書いたり、全校集会を開いたりしているという動きは、やはり教育的には、本来の姿なのかなと思います。これが理想ですけれども、そういう環境をつくるのは、家庭では親であり、学校では教師であり、それから地域の方々に包まれて、そういう環境が醸成できるものと思っております。
そういう前提条件をなくして、子供が自ら解決するという方向には向かわないだろうと思いますので、今後、時間が掛かると思いますけれども、本当のいじめ解決はどういう方向でいったらいいのかという辺りを、私ども行政としても検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
副議長(鈴木真由美君)
以上をもって、齊藤議員の一般質問を終結いたします。
散会宣告
副議長(鈴木真由美君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時53分 散会