平成19年第3回江別市議会会議録(第2号)平成19年9月12日 4ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(星 秀雄君)
高間議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
高間議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、予算編成についてのご質問でありますが、地方財政の状況が非常に厳しい中で、私にとりまして初めての予算編成となるわけでありますが、市民の皆さんと積極的に議論し、互いに知恵を出し合うことが、この厳しい環境を乗り越えていく原動力であると思っております。
その中で、私の基本方針としまして市民協働の推進、未来への投資、改革への挑戦、発信力の強化をテーマに掲げ、予算編成を行ってまいりたいと考えております。
そこで、予算編成に係る基本的な考えでありますが、第5次総計前期基本計画の最終年度でありますことから、これらを着実に推進していくことを基本に、行政改革大綱や集中改革プラン、さらには行政評価による事務事業の点検・評価を行う中で、事業の優先度・緊急度等に対応して、個別事業の精査を行いコストの縮減を図るとともに、第2工業団地への大規模物流施設の進出、さらには江別駅前へのコールセンター企業等の進出の芽を大切にする一方、歳入の確保については、税をはじめとする自主財源の収納強化を図るほか、国・道等の補助制度の検討や市債・基金の活用等により、予算を編成してまいりたいと考えております。
次に、財政指標としての実質公債費比率についてでありますが、先ごろ北海道から速報値として発表されましたが、江別市では平成18年度においては昨年度を0.2%下回る17.7%となり、今後、市債の償還が進むにつれまして段階的に低下していくものと考えておりますが、現在世代と将来世代との負担のバランス等も考慮しながら、一定程度の財政投資も必要であると認識しております。
次に、行政改革による歳出削減についてでありますが、厳しい地方財政にかんがみ、行政の効率化や透明性の向上を図るために、平成17年度に行政改革大綱を策定し、その具体的実施計画として行政改革推進計画を策定し、実行しているところでございます。
具体的には、平成17年度から平成21年度における行動計画を策定し、随時市民に公表しているところでありますが、平成20年度では遊休資産の売却、事務事業の見直しを継続するほか、新たな施設への指定管理者制度の導入や平成22年4月までに職員数を4.6%削減することなどを計画的に行い、歳出削減に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、以下の質問に対する答弁につきましては、総務部長ほかをもって答弁いたします。
総務部長(林 仁博君)
私からは、災害対策のうち地震対策についてお答えをいたします。
まず、地震ハザードマップ作成の対応について、平成18年3月に改正されました地震防災対策特別措置法において、想定される地震災害の周知の項におきまして、努力目標として位置付けされておりますが、現在、市の地震ハザードマップについては作成されていないものでございます。
このハザードマップで発生震源として第一次的に想定される地震については、平成22年度までの北海道地震防災緊急事業五箇年計画において、六つの地震となっております。現在、この想定地震につきましては、活断層の存在を含め、道のワークショップにおいて見直しが進められている状況にございます。
ハザードマップの作成に当たりましては、表層地質や地下構造など地勢的な現状把握を基に、建築物の分布などの要素を加味した危険度評価を盛り込むものでございます。当市における地震の最大震度などの履歴、平野部としての地質・地勢及び人口や住宅の構造・密集度など、各種要因についても被害影響度を測る上でハザードマップの項目として構成されるものであります。
いずれにいたしましても、ハザードマップの意図するところは、成果品を基にした市民への意識啓発を主とした、地域防災力の向上を目指すものでございまして、この観点から、現在、道内自治体で作成しております4市の状況調査や、あるいは研究機関であります北海道立北方建築総合研究所からの情報収集に当たりながら、当市の特性を念頭に踏まえ、検討をしてまいりたいと考えております。
次に、災害時要援護者名簿についてでございますが、国において平成19年3月に災害時要援護者対策の進め方についての中で、災害時要援護者名簿の作成が示されているところでございます。
国の検討会における議論の中にもありましたように、個人情報・プライバシーの保護と防災とのかかわりの中で、地域の実情に即した実効性のある枠組みを整備する必要がございます。
現在、市といたしましても、要援護対象者の定義、あるいは情報共有化に当たっての手法・留意点などの基本的な考え方を整理しながら、要援護対象者の把握や情報保護の手法など、具体的な対応につきまして、共通のテーブルで議論を重ねる必要がありますことから、今後、関係福祉団体や自治会など関係機関との協議を進めていく計画でございます。
なお、災害時要援護者名簿につきましては、まずは名簿作成が重要でありますことから、関係機関が保有する情報を束ねる作業を実施し、その活用に当たっては、地域との調整を行う中で、地域の実情や熟度に応じ、可能なところから着手をすることとしております。また、個々人の支援プランにつきましても、これら地域との調整を通じて、準備ができたところから策定をしていきたいと考えております。
災害につきましては、日常的な地域コミュニティの役割が、ご近所防災として有効に機能することが、これまでの事例から確かめられております。市といたしましては、身近な予防対策の参考として、既に全戸配布しております防災あんしんマップや地震をテーマとした地域防災力向上のための処方箋によって啓発に努めているところでございます。
今後とも、要援護者の方の対応を含め地域のご理解、ご協力を得ながら継続的に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。
建設部長(鈴木俊和君)
私から災害対策のうち治水対策につきましてご答弁を申し上げたいと思います。
まず、石狩川と千歳川合流点上流側で、渇水期に出現する中州についてでございますが、これまでも、市といたしましては、石狩川開発建設部と、河道内の中州の状態につきまして協議してきたところでございます。
石狩川開発建設部では、石狩川流域に甚大な洪水被害を及ぼした昭和56年洪水を踏まえ、石狩川下流部におきましてしゅんせつ工事を実施してきたところでございまして、現在、平成16年6月に策定いたしました石狩川水系河川整備基本方針に基づき、今後、おおむね30年にわたる石狩川下流の具体的な河川の整備や維持について定める石狩川水系石狩川(下流)河川整備計画を策定するための手続を進めているところと伺っております。
ご質問の石狩川と千歳川の合流点部の河道につきましては、渇水時に一時中州が出現する状態となっておりますが、石狩川水系石狩川(下流)河川整備計画(原案)で想定している河道への配分流量を安全に流すための河道断面が現状でほぼ確保されており、洪水の流下時には支障がないこと、また、河道状態の変化については必要に応じてたい積状況などの調査を実施していくと伺っております。市といたしましては、地域からの要望等を踏まえまして、引き続き協議をしてまいりたいと考えております。
次に、新たに整備をいたします岩見沢市北村地区の遊水地の効果についてでございますが、石狩川水系石狩川(下流)河川整備計画(原案)では、石狩川と旧美唄川に挟まれた低平地に洪水調節容量、おおむね4,000万立方メートルの遊水地を新たに整備することにしております。
石狩川の本支川の既存洪水調節施設及び支川の整備計画に位置付けられた新規洪水調節施設に加え、中流部に新たに遊水地を整備することにより、石狩大橋地点における目標流量、毎秒1万4,400立方メートルのうち、毎秒2,700立方メートルを調節して河道への配分流量を毎秒1万1,700立方メートルとして、下流域の洪水被害の軽減を図る計画と石狩川開発建設部から伺っているところでございます。
次に、江別市街堤防の整備計画についてでございますが、この堤防区間を含む石狩川水系石狩川(下流)河川整備計画が、現在、石狩川開発建設部におきまして、今年度中の策定をめどに作業が進められていると伺っているところでございます。
江別市街堤防は、安全で安心なまちづくりが行われるよう、これまでにも協議を進めてきておりますが、今後とも、石狩川開発建設部と連携を図りながら、早い時期に策定していただけるよう要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。
教育長(高橋 侃君)
教育行政についてご答弁申し上げます。
初めに、いじめられる側、いじめる側の双方の支援についてでございますが、現在、小中学校あるいは教育委員会で行っておりますいじめに関する調査結果や新聞報道等によるいじめの特徴といたしましては、1対1的な対応が集団心理の中では、1対集団的ないじめに簡単に発展しまして、また、この集団がささいなことで変化し変わり得ると言われております。
また、多数の傍観者と言われる子が周りにいながら、その子供たちは自分がいじめの対象とならないための自己防衛意識から、いじめをやめさせようとしたり、周りの大人に訴えることはしないことなどが、これまでの実態の中で指摘されているところです。
さらには、家庭、学校、地域社会のそれぞれでのきずなが薄れてきておりまして、いじめの実態がなかなか見えづらい状況があったり、また、子供自身がいじめられている自分を保護者に見せたくない、あるいはいじめのさらなる激化への不安もありますし、いわゆる傍観者と言われる子は、先ほども触れましたが、他人のことには口を出さないなど、身近な気付きの機会が減少してきていることなどが挙げられております。
また、これらいじめについては、いじめられる側、いじめる側には、本人たちが気付く、気付かないにかかわらず、必ずその理由が存在すると言われております。
したがいまして、まずは、いじめられる側の子を優先させて、同時にいじめる側の子に対しても良好な問題解決に向けてのきめ細かな指導を含め、双方の児童生徒の心に寄り添った支援が必要ではないのかなと考えているところであります。
私ども行政が考えております一番の課題は、陰湿ないじめが起こらない学校環境をどのようにしてつくっていったらよいのかということだと思っております。そのためには、今年度で3回目となりますスポーツ、文化を問わずいろんな分野から社会人が生の声で江別の子供たちに直接語り掛ける人間尊重教育推進事業を推し進めていくことも一つの方略だと思っております。
学校現場では、いじめが起きない、起こさないために、教科、道徳、特別活動、総合学習などの特質を生かした教育活動とか、人権教室、講演会の開催を行うなどの活動を通じて積極的な生徒指導を推し進めて、思いやりの心をはぐくむ指導が大変重要だと思っております。
いずれにいたしましても、いじめがなく、一人ひとりの子供が生き生きとした学校生活を送ることができるように、学校だけではなく、家庭や地域社会とも積極的に情報交換を行って、協力連携して支援に今後も取り組んでいくことが大切であると考えております。
次に、携帯電話、インターネット等に関する適切な使用教育とメディア・リテラシー教育についてでございますが、情報機器にかかわるいじめ問題への対応には、その使用方法の指導が重要であると考えております。
現在、携帯電話やインターネット等の使用につきましては、情報を発信する場合と情報を受信した場合の二つの側面におけるプライバシー保護や個人情報の扱いなどの情報モラルについて、学校では技術家庭科の授業で、情報とコンピュータの単元の中で行ってきておりますし、民間企業の協力を得ながら携帯電話講習会を開催して、指導に努めてきているところでございます。
また、道警と道教委において、教職員の指導用としてインターネットトラブル対応マニュアルが作成されておりまして、各学校において児童生徒の相談を受けた際に対応できるよう配布してきているところであります。
今日、社会全体では、児童生徒の健全育成の視点から、有害情報に対応するフィルタリングの標準装備とかサービス機能の自己規制などの仕組みづくりが緊要の課題となってきております。
そうした中で今後も、情報機器の発達に対応した指導を継続して行う必要があるだろうと考えているところであります。
一方、情報社会において発信されている大量の情報には、何らかの偏りが存在すると言われておりまして、この中から必要な情報を引き出して、その真偽を見抜き、活用する能力の育成は、議員ご指摘のとおり重要なことであると認めております。
高間議員ご指摘のメディア・リテラシー、いわゆる情報の評価・識別能力の育成につきましては、今の時代に対応した喫緊の課題の一つであると受け止めておりまして、その手法を含めて今後研究をしてまいりたいと存じますので、ご理解をいただきたいと存じます。
以上でございます。
高間専逸君
ご答弁ありがとうございます。
それでは要望も含めて二点、質問をさせていただきます。
災害時要援護者名簿、避難支援ガイドラインにつきましては、早期に整備をして名簿・支援計画等のシステムをつくり、しっかりと活用できる体制づくりをしていくということが、江別市においての防災力が問われる重要な課題ではないかと思います。江別市としても早急の取り組みをご要望申し上げます。
それでは一つ目の質問でありますが、テレビやゲームに関しては、家庭での使用ルールの取決めが必要ではないかとも言われています。
さいたま市では、子供の望ましい生活習慣の確立を図るためには、家庭での取り組みが特に重要であることから、さいたま市の提案で、8都県市が共同して毎月23日をノーテレビ・ノーゲームデーにしましょうという家庭への呼び掛けを実施しているようです。江別市では、今後このような取り組みを考えているかどうかお伺いをいたします。
二つ目として、現在全国の学校の教員と連携して行われている取り組みの中に、WYSHプロジェクトという子供たちの真の幸せを願うプロジェクトがあり、元々は青少年の性感染症、エイズ対策で厚生労働省が主催し、文部科学省の後援を受けて始まった事業でありますが、現在は、単に性感染症やエイズ対策のみならず、いじめや不登校も含んだ広く生きる教育、希望教育として、全国37都道府県にまで活動が広まっています。この研修会の主たる対象者は先生で、既に研修を受けた先生から7万人の中高生にこの教育が提供されています。今年度より文部科学省も後援から主催に変更になっています。
WYSH教育は、危機管理教育でメディアからの情報のゆがみ、IT使用の危険性を知ること。人間基礎教育で適切な人間関係を築くものであり、現在、都会・地方の区別なく子供たちはとても危ない状況にあり、このような状況をつくり出しているのは、我々大人社会であり、子供たちに適切な教育支援を提供するのも大人の責任であり、その取り組みには、科学的な裏付けと大人の本気のかかわりが必要であると言われています。
各地域、各学校の子供たちの状況に合わせた取り組みが必要であると言われていますが、江別市において今後このような取り組みについてのお考えをお持ちかお伺いをしたいと思います。
これで2回目の質問を終了いたします。
教育長(高橋 侃君)
第2回目の質問にお答えいたします。
ご質問は、大きく二つあると思いますが、相互に関連がありますため、一つにまとめてお答えしますので、お許しいただきたいと存じます。
私は、高間議員ご提言のWYSH、これは造語ですけれども、その中にソーシャル・ ハピネスという言葉がありますが、これが一番重要な部分で、根幹に当たると思っております。
そのソーシャル・ハピネスを私なりに別な言い方をいたしますと、社会でも家庭の中でも、まず大人も明るく仲良く、良好な人間関係があれば、その間に入る子供たちもいずれいじめもなく、不登校もなくなって子供にとってハッピーな人生が保証されるだろうと、そういう精神だろうと解釈しているところでございます。
WYSHプロジェクトにしても、さいたま市の事例にいたしましても、青少年の健全育成を目指した基本的には市民運動だと思っております。
江別市といたしましては、これら二つの例と比べまして、当然、地域性や市民意識が違うわけであります。それを前提にして、私は高間議員のご提言を受けて、江別市として市民運動へ盛り上げていく必要があるだろうと思っております。
その場合、行政主導ではなくて、あくまでも市民レベルの下からの盛り上がりがあってこそ、事は前へ進むだろうと思っているところでございます。
ただ、私ども行政としては、できることが限られておりまして、子供の健全育成に向けた市民運動推進母体となる枠組みをどうつくったらいいのか。その環境づくりには手をお貸しできるのかなと思っております。
推進母体のメンバーとして、例えばJAの青年部に入っていただいたり、JCのメンバーに参加してもらったり、あるいは女性団体協議会の支援を受けたり、そういう方々への要請も考えられると思っております。
その母体ができましたら、後はだれが知恵を出して、江別独自の市民運動を構想するとか、だれがそのタイミングを見て仕切り役になるとか、それを受けてだれが推進役を担うのか等々、多少時間が掛かると思います。議員のご指摘を受けて、今後、江別市としてどういう市民運動に持っていくか、研究に当たってまいりたいと思いますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
高間専逸君
最後に要望を一点でございますが、WYSH教育というのは、非常に全国でも認められている優れた教育でございます。こういったことを実践しているところが数多くありまして、今年度も文部科学省の補助事業の対象になって全国5か所でこういった事業をされております。たまたま北海道は手を挙げていないということでございますので、北海道ではできないということになっておりますけれども、そういったことも研究され、本当に子供たちの健全育成に頑張っていただければというふうに思いますので、一点、要望させていただきます。
以上でございます。
議長(星 秀雄君)
以上をもって、高間議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
森好勇議員の今後の財政計画についてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。
森好 勇君
発言通告に従い順次質問いたします。
本題に入る前に、国政選挙結果は地方政治にも深く影響しますので、参議院選挙結果について日本共産党の見解を若干述べておきます。
政治と金の問題をはじめ、その後の政局は自民党の混迷をより一層鮮明にしているのが明らかになりつつあります。自公大敗の選挙結果からは、自民党・公明党の枠組みでは日本の前途はないと判断しました。なぜ、こういう結果になったかは、消えた年金、政治と金、閣僚の暴言が原因とする見方も一部にあります。しかし、いわゆる逆風三点セットだけで自公政権の大敗を分析できない根本的問題によって、国民の審判を受けたと思います。
一つに、暮らしの問題では、小泉・安倍政権が進めた弱肉強食の構造改革路線、庶民への重税、社会保障の切捨て、働くルールの破壊で、貧困と格差の拡大。二つに、戦後体制からの脱却をスローガンにして、過去の侵略戦争を美化する靖国派の憲法を変える姿勢に、多くの国民の強いきぐと批判が選挙結果に表れたと思います。
日本共産党の議席数は後退しましたが、得票数は前回、前々回を上回り、論戦を通じて自公の議席大幅減に一定の役割を果たしたと確信するものです。自公政治に替わる新しい政治の中身と方向の探求が今始まった、その第一歩、プロセスだと思います。
今後、テロ対策特別措置法など野党で一致できる点は、積極的に力を合わせるとともに、選挙中に訴えた政策を前進させるために引き続き頑張っていきたいと思っております。
初めに、財政問題についてです。
2000年に施行された地方分権一括法によって、国と地方自治体の関係は、上下主従の関係から対等協力の関係になったと言われました。昨年成立した地方分権改革推進法は、地方自治体に対する国の関与の整理・合理化を義務付けています。
これからしても、国の地方自治体に対する関与は抑制的でなければならないはずです。しかし、実態はこれとは逆に、地方公共団体財政健全化法は、四つの健全化判断比率について政令で定めるとし、一つでも上回った場合には、早期健全化基準以上になった要因の分析など、八つの事項についての財政健全化計画の策定と大臣及び知事に対する計画の報告、さらには健全化計画の実施状況の報告が義務付けられています。
計画どおりに進んでいないと大臣や知事が判断すれば、勧告できる権限を国に与えています。日本共産党は財政の早期健全化策を否定するものではありませんが、その方法は、地方自治体自らが行うべきもので国の関与は控え、自治体の自主性にゆだねるべきだとの考えです。
この地方公共団体財政健全化法のかなめは、一つに、健全化判断比率として、これまでの実質赤字比率に加えて、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の三つを加えていること。二つに、財政健全化と財政再生の2段階での対応として、健全化判断比率のいずれかが早期健全化基準以上の場合には、財政健全化計画を定めなければならない。また、再生判断比率として、三つのいずれかが再生基準以上の場合には、財政再生計画を定めなければならないとし、一般の地方債発行を制限する。三つ目は、2008年度決算から適用するという内容になっています。基準内容は今後政令などで設定するとしていますが、経営困難な状況にある江別市立病院もあり、基準設定いかんによっては国からの圧力をきぐするものです。
私は地方分権、地方自治に逆行する地方公共団体財政健全化法ではないかと思いますが、市長の見解をお聞きします。
2番目に、江別市の今後の財政運営についてです。
平成20年度から平成24年度の5年間にわたる中期財政見通しの試算が出されています。税制改正による税源移譲で、市税は増加傾向になりますが、地方交付税、臨時財政対策債が大きく減少し、市税の増加分以上に減額することが予想されるとしています。
この試算は、第5次江別市総合計画の各施策を積み上げ、今後の歳出を想定したものと思われます。歳入不足を解消する手立てとしては、使用料・手数料の引上げ、市独自の福祉サービス後退、人件費削減のための指定管理者や民間委託、基金の取崩し、総合計画の優先度の見直しなどが考えられます。
1点目に、収支バランスをどのような手法で打開しようとしているのかお尋ねします。
2点目に、普通交付税削減についてですが、2007年度の普通交付税額が7月31日に決定しました。道内では約213億円、率にして約3%の削減です。江別市は、予算計上額より3,100万円下回る約86億8,000万円の交付決定額となっています。臨時財政対策債と交付税を合わせて前年度より約6億3,300万円減少し、地方税で約10億1,100万円増加しています。
普通交付税算定の基準となる需要額で生活保護費が前年度比約1億6,200万円の削減、率にして17.86%と道内での削減率はトップであります。生活保護の母子加算・老齢加算の削減をはるかに上回る削減であり、措置人員を減少することを前提とする需要額の内容ではないかと考えるものですが、需要額削減の算定についてお聞きします。
3点目に、頑張る地方応援プログラムについてです。
魅力ある地方を目指して取り組んだ施策、また、行政改革の実績を示す指標やごみ処理量などの成果指標の程度に応じて、基準財政需要額の割増し算定が行われています。地方交付税による支援措置は、特別交付税と普通交付税を合わせて今年度は2,700億円程度です。
特別交付税については市町村が策定し、総務省ホームページに公表されたプロジェクトに取り組む経費として、1市町村につき単年度3,000万円を3年間措置します。普通交付税は、頑張りの成果に応じて算定するというものです。
2007年度は2,200億円程度ですが、問題はその指標です。行政改革指標、転入者人口、農業産出額、小売業年間商品販売額、製造品出荷額、若年者就業率、事業所数、ごみ処理量、出生率の9項目となっています。
江別市は9項目中、行革指標として歳出削減に要する経費1,905万3,000円、徴収率514万9,000円、ごみ処理量443万4,000円、合計2,863万6,000円で9項目中2項目しか該当していません。道内35市の最下位です。
石狩管内では、千歳市1億5,561万5,000円、恵庭市6,111万6,000円、北広島市9,917万2,000円、石狩市8,779万6,000円、当別町は1億3,987万3,000円となっております。
江別市は、この指標では頑張っていないことになるわけで、疑問を持つものです。この指標設定についてどのように受け止めているかお聞きします。
4点目に、新型交付税の導入についてです。
人口と面積を基本とした簡素な算定方法を導入し、地方公共団体に支障が生じないように変動額を最小限にとどめるとして、交付税の算定面における改革であり、交付税の基本的な機能や交付税に直接影響を与えるものではないと説明していますが、江別市にとって影響がなかったのかお伺いします。
次に、江別市立病院についてです。
3月定例会でも取り上げている病院問題について、道の医療福祉分野に長く携わってきた新市長に改めて質問いたします。
昨年は、内科医全員退職という異常事態に対して、市民の命と健康を守るとりでが危機的状況であることから、新たな市長には、その関係に明るい経験のある人をとのことで三好市長が生まれたのではないかと思います。そういう点では住民の期待にこたえる病院再建が新市長の大きな仕事であり、市民が最も注目している重要課題であると思います。
1番目に、医師確保についてです。
1点目に、内科医師全員が退職した経緯を今後の医師確保の教訓にしなければならないと思いますが、過重労働だったのか、給与問題だったのか、やりがいのある職場環境や管理運営の問題だったのか、大学医局との人事問題だったのかといろいろ推測されますが、何が一番、退職の引き金になったと思われるか、医療分野に詳しい三好市長にお伺いします。
2点目に、現在内科は、常勤医5人、非常勤医7人体制と聞いておりますが、固定医を確保することを経営的にも急がなければなりません。公立総合病院のかなめを成す内科系医師は、他の科との関係でも重要な位置を占め、外科、整形外科などの手術にも影響する部署です。休止病棟を再開するためにも、内科固定医確保の今後の見通しについてお伺いします。
3点目に、2月に出された市立病院あり方検討委員会の答申にある女性医師の採用ですが、医学生の約4割が女性であり、産婦人科希望者のうちの73%が女性研修医であると言われています。この間、女性医師確保の環境づくりについてどのように取り組まれているかお尋ねします。
4点目に、医師の確保には著名な指導医が来てくれれば、医師確保も好転すると言われていますが、病院長、市長にはそのつてがあると思いますので、大学医局と折衝してはどうかということをお尋ねします。
2番目に、市立病院の経営健全化計画についてです。
1点目に、現状の経営状況は、当初計画、変更計画から見ても、予定した診療収益を下回り大変厳しい実態になっています。昨年10月以降、月の診療収益は3億円を超えることはなく、平成19年度もこのまま推移すれば32億円前後の診療収益になり、幾ら費用を節減しても相当の収支不足となることは否定できません。
平成18年度からの5か年の経営健全化計画は、数字的には白紙同然になりましたが、21項目の重点課題についての提言で、生かされている項目についてお聞きします。
2点目に、収益向上には医師確保が大前提ですが、専門外来の充実、消化器科、呼吸器科、循環器科や小児科、産婦人科で子育て支援、女性総合専門外来などの特徴ある診療科の新設も住民に信頼され、地域中核病院の役割として期待されるのではないでしょうか。
そのようなことが、長い目で見れば公的病院として市民と開業医から信頼され、ひいては経営的にもプラスに作用すると思いますが、いかがなものかお尋ねします。
3点目に、医療関係に詳しい市長だからといって、すぐにドクターが集まるという簡単な仕掛けではない状況であると思います。
中長期的に医師が働きやすい環境、公的病院としてのやりがいある職場環境を構築しながら、魅力ある江別市立病院に変革するには時間が掛かります。それまで、公的病院の使命を市民に理解してもらいつつ、一般会計からの財政支援で支えることが必要ではないでしょうか。一般会計繰入れ基準の見直しについて検討してはどうかということについてお伺いします。
4点目に、簡単ではないと思いますが、住民参加の市立病院運営も収益向上に必要と考えます。院内における経営健全化推進委員会や医療職を中心に自主的な病院健全化に向けての組織がありますが、それはそれで評価するものです。
利用者、一般市民、各団体、介護福祉関係者、開業医、学識経験者と市立病院関係者、行政などで構成した運営協議会のようなものを立ち上げて、広く住民の声を聞くとともに、病院が抱えている困難、悩み、情報を市民と共有し、解決や前進させる場をつくってはどうかと提案しますが、いかがなものかお聞きします。
次に、江別の顔づくり事業についてです。
連続立体交差事業も仮駅舎等の工事が行われています。それとともに土地区画整理事業の地権者説明会も実施され順調に進んでいるようですが、いろいろな問題点を内包しています。
1番目に財源の見通しについてです。
総事業費約376億円、江別市約113億円、国約157億円、道約98億円、JR北海道約8億円という事業費内訳です。江別市の今後の財政見通しは、地方交付税の減少、一方で少子高齢化対策や扶助費などが増すうすることは明らかです。
総合計画の諸施策を実施した場合、来年度以降約10億円以上の歳入不足としています。地方自治の本旨に基づく仕事をするには、民生費や防災関連の支出を手厚くすることが求められます。
財源不足の中で、投資的経費は、後回しにせざるを得ない江別の財政状況であると考えます。それとともに、北海道の財政事情が厳しい状況にあります。
2008年度開発予算の補助事業について、財政難で道負担分の財源を確保する見通しが立たないとして、金額を盛り込んだ公表を先送りしています。北海道の来年度予算で470億円の歳入不足が予想され、補助事業の負担ができるかどうかのめどが立たなくなったことが先送りの理由です。
このような北海道の財政状況の中で、江別の顔づくり事業に約100億円の道負担分は担保されるのか、疑念を持つものですが、負担割合の変更はないと信頼していいものかお聞きします。
2番目に連続立体交差事業についてですが、新潟県中越沖地震で新幹線が脱線した事故がありました。幸い死亡者は出ませんでしたが、一歩間違えば大事故につながりかねない脱線でした。江別は50万年前、海でしたが地殻変動で陸になったところが石狩支庁管内ですので、地質調査結果についてお聞きします。
3番目に、土地区画整理事業についてです。
これから仮換地指定に向けて個別に地権者と協議、話合いが行われる重要な時期を迎えます。換地先、土地評価、減歩率など生活環境、財産にかかわる当事者にとって今後の人生設計を大きく左右することになります。
仮換地は、建前ではあくまでも仮の換地として指定されるものです。仮というのは手続上のことであり、家屋の移転、道路の造成には相当の年月が掛かり、換地処分までは表向き仮の換地ということにしておくわけです。仮換地がそのまま最終的な換地になります。そういう点で考えるならば仮換地の指定こそ、土地区画整理事業の最も本質的な部分です。
江別市が施行者である土地区画整理事業は、公共性の高い事業として位置付けられています。仮換地は、場当たり的に指定するのではなく、その工区全域にわたる仮換地計画に基づいた設計図により地権者等と個別折衝するものと思います。
私は、市民と行政が協働した住民参加のまちづくりを進めるというのであれば、事前にすべてを公開することが大前提であると考えるものです。
地権者にとっては、減歩ということで土地を提供し、公共性の高いと言われる自治体施行の土地区画整理事業に参加するのですから、土地評価基準、換地基準、換地設計図等は個別協議以前に公開し、細かな点まで納得した上で事業着手することが、地方公共団体としての江別市の責務ではないかと思いますが、全面的公開についてお伺いします。
4番目に街路事業で行う8丁目通りの拡幅についてです。
21メートルに拡幅すれば商店街の活性化につながるかという問題ですが、地方都市の状況は、拡幅によって人通りが多くなり、にぎわう商業ゾーンになったかと言えば、その逆になっている駅周辺再開発も多く見受けられます。
全国的には一層の人口減少が続き、加えて高齢人口は増え続ける。江別市でも現在65歳以上の人口が2万2,400人を超え、15年後には3.5人に1人が65歳以上になります。
車社会から公共交通機関への転換とともに移動手段も変化することが予想されます。野幌まちづくり協議会提言報告書には、単に歩道を広げて奇麗にしたり、店舗の外装を統一したりという手法だけでは、商業面において、活性化の効果を期待することは非常に難しい。中心市街地活性化の取り組み事例でも、ハードウェア整備手法による成功例は少ないと指摘しています。
日本政策投資銀行の藻谷氏は、多様な機能が混在する状態を取り戻すことによって、市街地は徐々に活性化していくのではないかと話しています。住宅、医療、福祉施設など生活必要機能を寄せ集め、機能混在型で商業機能以外を多面的、総合的に考えていくことなどを提言しています。
道路幅員などハード中心の整備計画では、産業振興と住環境が調和したまちづくりにはならないと思います。ソフト面への全市民的論議が不十分であり、さきに21メートル道路ありきではなく、時間を掛けた住民との協働でハード事業を検討すべきだと思いますが、いかがなものかお伺いします。
また、市長はオンリーワンのまちづくりを目指すと言っていますが、どのようなことを指してオンリーワンと言うのか、その構想をお伺いします。
次に、医療福祉行政についてです。
1番目に、来年4月から始まる75歳以上の後期高齢者医療制度についてです。
これまで子供や配偶者の被扶養者として保険料を支払う必要がなかった75歳以上の高齢者が、新制度の下で新たに全国的に約200万人、江別では1,148人が保険料を支払うことになります。
厚生労働省の試算では、1人当たりの平均保険料は月額6,200円、年額約7万4,000円としていますが、北海道の示している平均的保険料は7,200円、2か月ごとに介護保険と合わせて2万円以上の保険料が、年金月額1万5,000円以上の対象者から天引きされます。
厚生労働省は、7月30日、後期高齢者医療制度の保険料負担について賦課限度額を50万円とする方針を決めています。今後のスケジュールは9月に北海道後期高齢者医療広域連合議会で保険料の試算、保険料率の設定作業、11月に条例制定、12月に被保険者ごとに保険料額を算出し、市町村では、特別徴収対象者情報により被保険者について介護保険との保険料合算額が年金受給額の2分の1を超えるか否かを判定し、特別徴収対象被保険者を特定する予定です。
この制度には問題点が多く、昨年の医療制度改革法でも、民主党、日本共産党、社会民主党が反対しているところであり、法案には21項目の付帯決議が付けられています。
後期高齢者医療制度については、広域連合議会で問題点等が論議されますが、現在の情報を基に数点にわたりお尋ねします。
1点目に、医療機関に保険から支払われるお金が定額にされるため、病名によって通院回数が制限されたり、入院も制限されたりはしないか。
2点目に、2008年度から保険者ごとの特定健診制度に変わりますが、後期高齢者は健診の対象にはなっていません。広域連合が各自治体に健診を委託しない限りできないことになりますが、75歳以上の健診の対応についての江別市の考えは。
3点目に、保険料ですが、北海道は全国一医療費が高いと言われているため、保険料も高く設定される可能性があります。11月の広域連合議会で決定される予定になっていますが、年金額180万円、200万円、220万円、240万円、300万円のそれぞれの介護保険料を含めて、年金から天引きされる額は幾らと試算されているか。
4点目に、この制度そのものがほとんど知られていないということです。
市内1万1,100人以上の75歳以上の方はもとより、家族も含めほとんど知られていません。75歳以上の高齢者ですので、きめ細かな直接の対話説明が必要ではないかと考えます。江別市としての周知徹底についてどのように対応しようとしているかお尋ねします。
5点目に、被保険者の軽減策について明らかになっていませんが、低年金者層については、何らかの軽減措置が必要だと思いますので、いかがなものかお伺いします。
2番目に、各種自己負担の軽減・減免の周知徹底についてです。
日本の福祉制度は、そのほとんどが申請主義と言われ、制度を知らなければ利用・活用できません。地方自治体は徴収業務には力を入れるが、各種軽減・減免についての広報活動には、余り熱心に取り組まないという姿勢ではないかと思う感があります。
そのことを強く感じたのは、国においては5,000万件にも上る消えた年金問題、新たに明らかになった1,430万件の不明納付記録は、苦労して納めた保険料が年金につながらないなど、お役所の仕事を信じている国民には、想像できなかった事態が起きました。
保険料徴収には熱心だが、請求しなければ年金を支給しないという年金制度の運用によって生じた問題です。
日本共産党議員団は、定例会ごとに日本共産党の民報を発行し、全戸配布しているところですが、議会報告とともにアンケート調査もしています。住民税に関するアンケートも先立って行いました。
負担が増える中、家計支出の中で何を節減しているのかとの問いに、医療費と回答している方が多数いることに、私は自公政権の悪政に怒りを感じました。
正に、健康・命も金次第、経済力による医療格差が明らかになっています。医療制度改革法等により、医療費、介護保険、障がい者自立支援などの保険料や利用料の負担には減免制度があります。多くの場合、住民税非課税かどうかが別れ目です。
障害者控除、寡婦控除など様々な控除があります。障害者控除は身体障害者手帳がなくても対象になり、税法上の障がい者は常時寝たきりの人、身体障がい者等に準ずると認められた65歳以上の介護認定を受けている人なども対象になります。
一般障がい者では、所得税控除額27万円、住民税控除額26万円、特別障がい者ではそれぞれ40万円、30万円と控除されます。
配偶者を亡くされた人は、一定の条件を満たすと控除の対象になります。以前は老年者控除と合算できませんでしたが、老年者控除の廃止によって、寡婦控除が使えるようになりました。
国民健康保険の保険料、医療費の減免、支払猶予、介護保険の保険料・利用料・食事代の軽減についても申請減免があり、それぞれ地方税法、国民健康保険法第44条に示されています。
市民税の減免に関する規則でも、前年に比較し所得が著しく減少した場合は減免するとしていますが、これら特別な事情による大幅な収入減による生活困窮者には、国民健康保険、介護保険、医療費等の減免・軽減についての広報・周知を徹底することが、今ほど求められていることはないと思います。いかがなものかその対応についてお伺いします。
以上で1回目の質問を終わります。
議長(星 秀雄君)
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
午後 0時20分 休憩
午後 1時20分 再開