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平成17年第3回江別市議会会議録(第1号)平成17年9月13日 4ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第の続き

陳情第7号及び陳情第8号

議長(岡村繁美君)

 日程第6及び第7 陳情第7号 精神障害者通院医療費公費負担による5%の医療付加給付金の支給の継続を求めることについて及び陳情第8号 だれもが安心して利用できる介護制度の実現を国に求めることについて、以上2件を一括議題といたします。
 厚生常任委員長の報告を求めます。

厚生常任委員長(植松直君)

ただいま上程されました陳情2件につきまして、審査の経過と結果を一括報告します。
 これらは、いずれもさきの第2回定例会において、関係する法案の審議、国の動向を見据えることから継続審査となったもので、委員会の開催日は、お手元に配付の審査結果報告に記載のとおりであります。
 まず初めに、陳情第7号 精神障害者通院医療費公費負担による5%の医療付加給付金の支給の継続を求めることについて報告します。
 当委員会としましては、引き続き審査を進める予定でありましたが、お手元に配付のとおり、平成17年8月16日付けで陳情者より議長あて、陳情を取り下げたい旨の書面の提出がありましたので、審査を中止したものでございます。
 次に、陳情第8号 だれもが安心して利用できる介護制度の実現を国に求めることについて報告します。
 委員会は、担当部局に介護保険制度の概要や介護保険法等の改正案の内容について、資料の提出を求めて質疑を行いました。また、6月22日には、国会において介護保険法等の一部改正法案が成立したことから、陳情項目に沿って改正内容を確認するなど審査を進めて、結審に至ったものであります。
 まず、担当部局との主な質疑について、その概要を申し上げます。
 少子高齢化社会が進む中で、介護保険制度を維持するため、サービスの提供と利用者負担のバランスを保つ必要があると考えるが、市の見解はどうかとの質疑に対しては、高齢者が増える中で、在宅介護を推進するなどして、保険料を抑えながら、適切なサービスを提供できるよう事業計画を考えていきたいとの答弁がありました。
 施設利用に係る居住費と食費が自己負担となる改正は、平成17年10月から施行される予定であり、期間が短いが、利用者と施設運営者は混乱しないかとの質疑に対しては、ケアマネジャーを通じて施設利用者に随時情報を流し、改正が確定した段階には正式に各施設に対して説明したいとの答弁がありました。
 次に、討論の概要を順次申し上げます。
 まず、採択すべき立場の委員からは、介護保険制度は、家族介護から社会的介護への流れを進めると同時に、高齢者介護に対する国の責任を社会に置き換え、国の責任を後退させるものとなっている。今回の改正は、制度の持続可能性が最大の課題で、国の財政支出の抑制のためサービスを制限し、国民負担を増やすものである。
 保険料の負担は、高齢者の生活実態からすれば限界を超えるものであり、支払能力に応じた負担とするため、全国共通の減免制度をつくるべきである。
 介護施設などの居住費と食費は全額自己負担となるが、低所得者がどこの事業所でも、どのサービスでも減免措置が受けられることが必要である。
 新予防給付の創設による軽度介護者に対する生活援助・家事サービスの制限はすべきではない。
 在宅及び施設のサービス基盤の整備を行えば保険料に跳ね返るという制度そのものの矛盾により、必要なサービスを確保できない実態にあるので、地域における高齢者と事業所の実態に基づいた基盤整備をしなければならない。
 介護労働者の労働条件は劣悪な処遇下にあり、このことがサービスの低下につながることから、国の責任において改善されなければならず、採択すべきと述べられております。
 次に、不採択とすべき立場の委員からは、介護保険制度は、5年後に実情に沿った改革をすることを前提に発足した制度であり、今回、抜本的な見直しがされた。
 陳情の内容は、市民の一人として心情的には理解できるが、介護保険給付は予測を大きく超え、保険料の負担増は避けられない状況である。
 このようなことから、基本的には必要なサービスを必要な人に提供すること、公平性の観点から利用者に応分の負担をお願いすることが今回の改正の要点となっている。
 改正は、制度の持続性と負担の公平性の確保を主眼にして行われたものであり、高齢化社会となる我が国としては、改正はやむを得ない措置であると総合的に判断するので、不採択とすべきと述べられております。
 以上の討論をもって、採決を行った結果、陳情第8号については、多数をもって不採択とすべきものと決しました。
 委員会の審査経過と結果は、以上のとおりであります。決定のほどよろしくお願いいたします。
 以上です。

議長(岡村繁美君)

 これより厚生常任委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で厚生常任委員長報告を終結いたします。
 お諮りいたします。
 陳情第7号につきましては、委員長報告にありましたように取下げの申出がありましたので、これを承認することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
 (「異議なし」の声あり)
 ご異議なしと認めます。
 よって、そのように決しました。
 次に、陳情第8号 だれもが安心して利用できる介護制度の実現を国に求めることについてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

森好勇君

 陳情第8号 だれもが安心して利用できる介護制度の実現を国に求めることについて、採択すべき立場で討論を行います。
 2000年(平成12年)4月にスタートした介護保険制度は、家族介護から社会的介護への流れを進めるものであり、同時に高齢者介護に対する国の責任を社会に置き換え、財政面を含め、国の責任を大幅に後退させるものとなりました。
 その結果、わずかな年金から天引きという、強制徴収される高すぎる保険料、利用者には重すぎる1割の利用料負担はますます深刻になっています。
 江別市の高齢者の実態調査でも、在宅で介護保険を利用している方の約3割が、利用料負担が過重と答えています。その結果、サービス利用は支給限度額に対し全国的には4割程度、江別市の一昨年、平成15年6月分の平均利用率も5割以下になっています。
 また、要介護認定を受けながらサービスを利用しない人が多くいます。江別市では、2003年、認定者数3,310人のうちサービス利用は2,535人、775人はサービスを利用していません。受給率は78%にとどまっています。全国で特養待機者34万人と、施設をはじめ基盤整備は実態に照らして大きく後退しています。
 江別市の調査でも、介護関連施設に特に力を入れるべきことと、入所サービスの要望にすぐこたえられる入所施設の確保が5割以上を占めています。
 さらに、多くの高齢者の生活が年金で賄われており、その額は非課税に相当する低いものであることも重大な問題です。江別市の調査でも、1号被保険者の7割が非課税者で占められています。
 このように、利用者の制度利用の実態は、理念からはほど遠いと言わざるを得ません。そんな状況の中で、5年目の見直しが行われました。制度の持続可能性が最大の課題とされ、理念の介護の社会化から、はっきりと給付抑制への転換を求めるものです。しかも、給付抑制の三つの柱として示された介護予防の推進、施設給付の見直し、新たなサービス体系について、余りにも高齢者の生活実態、介護現場の実態を無視した机上の皮算用であり、その根拠としたモデル事業結果や統計の数字が不確かであったことも明らかになりました。
 この10月から実施予定の介護3施設での食費・居住費を保険給付から外し全額自己負担とする。短期入所も同様の負担となり、さらにデイケアやデイサービスにも食費の自己負担を導入するという見直しが、今の利用者やその家族だけでなく、将来への大きな不安を与えるものとなります。
 介護3施設、特に特別養護老人ホームは、在宅の要介護者とその家族には最後の支えとなる場所であり、入居者にはついの住みかになる場所です。ますます介護保険制度への信頼を失いかねません。
 陳情に賛同する理由として、一つに、見直しでは保険料の現行第2段階のうち、公的年金の年額が80万円以下の場合は、第1段階と同じ基準額の0.5にするというものです。厚労省は、制度開始直後、全国的な制度として、第2段階を細分化することは困難と断言したことからして、この変更は重要な意味を持ちますが、年額80万円以下という、明らかに生活保護基準以下の収入しかない高齢者から保険料を天引きし、生活困窮に拍車を掛けるという、正に生存権侵害の事実に変わりはありません。
 さらに、2004年度以降の税制改革で、老年者控除の廃止や年金控除の縮小が行われ、収入は変わらないのに税、保険料など負担は増大しています。
 今回の見直しは、高齢者の怒りの声、自治体現場の声が生かされたと評価するものですが、部分的な手直しにとどまり、高齢者の生活実態からすれば、今以上の負担は限界を超えるものと言わざるを得ません。支払能力に応じた負担を目指し、当面は国において、全国共通の減免制度をつくることが必要です。
 二つ目に、介護3施設の居住費・食費が保険給付から外された全額自己負担、短期入所の居住費・食費も、デイサービスやデイケアの食費も自己負担となり、この10月から実施されます。
 施設利用者から徴収する居住費・食費の負担が重すぎるため、生活保護受給世帯や低所得者の負担軽減のために、国の補足的給付が導入されます。その結果、現行制度に比べて負担が軽くなる世帯もありますが、試算では、年収80万円をわずかに超える住民税非課税世帯でも月1万円を超えるなど、見直し後の新第3段階以上は負担増となり、年金では払い切れないという悲痛な声が上がっています。
 通所サービスは、利用料負担のために制限しているという実態があるにもかかわらず、さらに負担を増やすことは、正にサービス抑制、給付抑制のための見直しにほかなりません。
 訪問・通所系サービスに対する負担軽減策は、社会福祉法人の一部のサービスにとどまっていることから、国の責任において、低所得者がどこの事業所でも、どのサービスでも減免措置が受けられることこそが必要です。
 三つ目に、見直しでは、介護の必要度が比較的軽い高齢者の重度化を予防する予防重視型システムへの転換として、新予防給付を新たに創設します。新予防給付では、軽度介護者には家事代行型の訪問介護は、原則行わないものとするものです。国会の審議の中で、政府はヘルパーの家事代行は本人の自立を妨げる、サービス利用で状態は悪化している、軽度者へのサービスは維持・改善につながっていないとしてきました。その根拠は極めてあいまいで、実態にそぐわないことが明らかになり、生活援助を取ることは、歩いている人のつえを取ってしまうことと関係者から批判が上がりました。在宅生活を支えている重要な生活援助、家事サービスは、引き続き実施すべきです。
 四つ目に、在宅・施設を問わず、ハード面でもソフト面でも基盤整備を行えば保険料に跳ね返るという制度そのものの矛盾があり、そのために必要なサービスを確保できないという実態があります。見直しでは、施設・居住系サービス利用者を1割カットする介護施設整備計画も、特養ホーム待機者34万人という深刻な実態を見ないものです。机上で作られた数値目標に合わせるのではなく、地域における高齢者と事業所の実態に基づいたものとしなければなりません。
 さらに、従来の老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業、在宅介護支援センター運営事業を再編し、創設される地域支援事業については、介護給付費の3%を使って地域の高齢者人口の5%を対象に事業を推進するとされています。これらの事業は、どれを見ても保険制度になじまないものであり、財源も含め、公的責任を明確にして拡充を図るべきです。
 最後に、厚労省は2004年8月、訪問介護労働者の法定労働条件の確保についてという訪問介護者が適正な労働条件の下で就労されるよう、是正を促す趣旨の通知を出しました。
 しかし、現在でも訪問介護労働者の多くは劣悪な処遇下にあります。労働条件の悪化は、サービスの質の低下につながります。今回の見直しでは何の対応もありません。むしろ、見直しで施設や訪問系事業所は減収となり、労働条件の悪化がきぐされるものであり、国の責任において早急に改善されなければなりません。
 以上、ちょっと長くなりましたけれども、陳情第8号に対して採択すべき立場の討論といたします。
 以上です。

議長(岡村繁美君)

 ほかに討論ありませんか。

丸岡久信君

 陳情第8号を委員長報告のとおり、不採択の立場で討論いたします。
 本陳情は、介護保険の充実、改善について、江別市議会として意見書を国に提出することを求めたものであります。
 国は、今年6月22日、法制定時の予定どおり一部改正を行い、陳情項目にかかわる事項についても改正がなされています。今回の改正は、10月から施設利用にかかわる居住費と食費の自己負担制度や新たな予防事業、また保険料の負担区分の変更などであり、介護に見合ったサービスの提供の充実と、その内容に応じた介護報酬の改定、利用者の負担が過重にならないための配慮など、制度の持続性と負担の公平性確保が要点となっております。
 今回の改正ですべての問題が解決したとは言えませんが、事業を進めながら実情に沿った改正を行うことは当然であり、今回の改正を含め、制度の一層の安定と充実を期待するものであります。
 本陳情については、陳情事項の多くが既に見直しがなされたばかりであり、意見書を提出するタイミングとしては適当でないと判断し、不採択の討論といたします。
 以上です。

議長(岡村繁美君)

 ほかに討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 これをもって討論を終結いたします。
 これより陳情第8号を起立により採決いたします。
 陳情第8号は、委員長報告のとおり、不採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立多数であります。
 よって、不採択とすることに決しました。

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