平成16年第3回江別市議会会議録(第3号)平成16年9月16日 6ページ
6 議事次第の続き
一般質問の続き
議長(宮澤 義明 君)
齊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(小川 公人 君)
齊藤議員の一般質問にご答弁を申し上げます。
建設行政についてでありますが、千歳川治水対策につきましては、昨日の山本議員の一般質問にもお答えしたところでありますが、現在石狩川流域委員会において、千歳川河川整備計画案に対する審議等が進められており、平成16年度中には計画が策定され、平成17年度より事業着手の予定と伺っております。
そこで、石狩川合流点に係る締切水門についてのご質問でありますが、千歳川流域治水対策全体計画検討委員会では、洪水時における石狩川からの逆流防止のためにも締切水門の設置が必要と考え、提言されていたところであります。しかし、昨日も申し上げましたように、この提言を踏まえ、社会資本整備審議会において審議の結果、締切水門によらない方法を講ずることによる、千歳川の治水対策は可能であるという一定の結論が出されたところであります。そのことから石狩川と同程度の強度を有する堤防の築造、さらに流域内の適切な位置に遊水地を設置し、洪水調節を行うことのほか、排水機場の改修などの内水対策を行うことにより、昭和50年、56年規模の洪水においても対応が可能であると伺っております。さらに、いずれの洪水時においても千歳川の水が相当量石狩川へ流出していることが確認されており、この水を常に流下させなければならないため、締切水門を設けても閉鎖することができないとのことであります。
このようなことから、市といたしましては、特に締切水門設置にこだわることなく、一日も早く市民が安心・安全で暮らせる総合治水対策が実施されるよう、千歳川流域治水対策関係団体と連携を図りながら国に要望してまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
このほかについては教育長からご答弁申し上げます。
教育長(高橋 侃 君)
私から、教育行政につきまして、ご答弁申し上げます。
まず、小学校の英語教育についてでございますが、文部科学省では、平成15年3月に5か年計画で英語が使える日本人の育成のための行動計画を打ち出しております。その中には、小学校の英会話活動の実情把握及び分析や今後の小学校英語教育の在り方に関する研究を行ってきているところでございます。当市では、平成14年度に学力向上支援事業の一つとして、小学校19校中5校で小学校英語教育を実施し、外国人を非常勤講師として週1回学校に派遣しております。平成15年度は10校、16年度は13校と年々小学校英語教育に取り組む学校が増えてきているところであります。
昨年、英語教育の実施校10校の5学年と6学年の児童1,256名の子供たちを対象にしたアンケートでは、96%が英語の勉強は楽しくて頑張ったという回答が出ております。また、もっと覚えたいと思っている児童が94%となっております。このことから、江別の子供たちが21世紀の国際社会で活躍できる教育を目指して、やがては江別の教育の特色の一つとして根付くように期待しているところでございます。
今後におきましても、英語教育の充実を図るために英語が使える日本人の行動計画の研究成果や、来年度に予定されている小学校英語活動指導力向上事業の内容等を見極めながら取り組んでまいりたいと考えております。
その実施に際しましては、市内に在住する外国人の協力をはじめ、中学校に派遣されているALTや、江別市国際交流協会、英語にたんのうな大学生など、幅広く人材を募り、江別の小学校はどこでも英語教育が実施されているというような状況になるところまで今後努めてまいりたいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、土曜広場の在り方につきましてご答弁申し上げます。
この土曜広場事業につきましては、文部科学省の地域ぐるみ教育活動支援事業の一つとして、学校週5日制に伴う子供たちの週末対応策として打ち出されたものであります。当市ではそれを受けて事業の中身としては、先ほど議員のご発言のとおりでありまして、昨年度は14小学校で開催されて大変好評を得ております。この事業の推進に当たりましては、小学校区単位で、PTA、ボランティア、地域住民、学校職員による地区運営委員会を設置しておりまして、この運営委員会が主体となって指導者の配置とか、参加者の希望、学校・地区の実情に応じて子供の文化活動に関する教室・講座等を開設・運営しているところでございます。
なお、事業運営は江別市体験活動ボランティア活動支援センターと土曜広場推進委員会の下で指導、調整に当たり、事業実施に対しての側面的な支援を行っているところでございます。また、この事業の基本はボランティアでありまして、教材費や材料費は参加者負担を原則としておりますが、平成15年度から文化庁の子ども文化活動育成事業の補助を受け、講師の方々については、交通費程度でありますが、1回当たり700円をお支払いしているところでございます。このように、この事業につきましては地域ボランティアの力により支えられ運営されておりますが、教育委員会といたしましても、今後におきましては何とか長続きのする事業としていけるように努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
次に、いじめに対する対応についてでございますが、議員ご指摘のとおり、教育委員会におきましてもいじめを絶対に許さないとの認識の下で、いじめのない学校づくりを目指しております。各学校では職員会議等を通して教師の共通理解を図るとともに、児童・生徒会活動、学級活動あるいは全校集会や道徳の時間などにおいて、命の大切さ等の理解を求める指導を行ってきているところでございます。教育委員会では児童生徒や保護者・教師を対象に、臨床心理士による教育相談を実施したり、専任指導員による電話相談を行ってきているところでございます。また、児童生徒が悩み等を抱え込まずに、心にゆとりを持てるよう中学校にスクールカウンセラーを配置したり、教職経験者などの地域から人材を募ったりして、心の相談員として配置して相談に当たってきているところでございます。さらには、少年指導センターより各学校に専任指導員を訪問させております。
平成15年度における相談件数は教育相談が40件、専任指導員の電話相談は62件、スクールカウンセラーに 731件、心の相談員に1,510件の相談が寄せられておりまして、このうちいじめに対する相談は総体で79件でありました。
一方、いじめが学校以外の場所で発生するケースも散見いたしますことから、学校における生徒指導だけでなく、子供を取り巻く地域住民や保護司、警察、学識経験者などによる協議の場を設け、サポートをいただいているところでもございます。
いずれにいたしましても、いじめは早期発見・早期対応が必要でありますので、校長会がこれまでのアンケート、いわゆる実態調査に加えて、子供や親の声が本音で聞けるものにしていく方向で、現在その手法等を含めて検討に当たっているところでございます。今後もとかく学校だけが問題を抱え解決するような従来よく見られるような形から、一歩踏み込んで、家庭はもちろん、地域や関係機関との連携機能を高めていくようにその環境づくりに努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
齊藤 佐知子 君
2回目の質問をいたします。
教育行政についてです。
1点目の英語学習についてですが、中学校、高校、大学で10年間も勉強しているにもかかわらず、ほとんど英会話ができないのが現状です。江別の子供たちが将来バイリンガル社会の中で、ノンネイティブ同士のコミュニケーションを図ることのできる能力を身に付け、世界市民として世界を舞台に活躍する人材として成長することを願うものであります。そのためにも小学校段階から使える英語を身に付けることが大切であり、次年度予定されている国の小学校英語活動指導力向上事業の内容などを見極めながらご検討くださるとのことですが、是非、積極的に手を挙げ、前向きにご検討くださるよう要望といたします。
2点目の土曜広場ですが、今や子供たちの教育に地域の教育力が必要であり、えべつ土曜広場は正にその典型的な形であると考えます。毎月2回、土曜日の一定時間を利用して地域の方とのコミュニケーションを図る中で、子供たちも楽しく伝統文化などを学ぶことができ、指導してくださる方々に感謝の気持ちで一杯であります。また、人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けさせることのできる事業として胸を張って取り組んでいただきたい。国の補助があるからやるのではなく、江別市の事業として、今後も持続して進めることが必要と考え、これも要望といたします。
3点目のいじめ対策についてですが、子供たちはほとんどと言っていいほど、学校環境の中で人格形成がなされて、社会性、信頼性、秩序なども備わっていくものと考えます。そのような環境の中で、人権そのものが傷付けられるようないじめがあるとしたら、真剣に考えて臨まなければならないと考えます。先ほどもお話ししましたが、いじめをどのように知ったのかの調査の中で、保護者や子供の訴えでいじめの現状を把握することができる状況にあります。今回のことを踏まえ、意識を新たにし、しっかりと取り組んでいただきたいと考えます。また、学校教育の中でも、いじめがどれだけその人を傷つけ、つらく悲しい思いをさせているのか、実際にいじめを受けた人の体験を読み合い、どう感じたかなどを話し合うとか、またいじめを含めた人権教育などの予防教育の必要性があると考えますが、教育長のご見解をお伺いいたします。
これで、2回目の質問を終わります。
教育長(高橋 侃 君)
齊藤議員のご質問にお答えいたします。
あらかじめお断りしておきますが、私の答弁少し長くなることをお許しいただきたいと思います。
いじめ、子供の凶悪事件が依然として後を絶たないという事実、これは非常に私自身残念に思いますし、重く受け止めております。と申しますのは、これまでの例えば、道教委の抑止のためのマニュアルでは、もはや通用しなくなったということもできるのではないかと思うからであります。ならば、これからどうしていったらいいのかということでありますけれども、基本的に齊藤議員のご指摘こそ、これからのいじめ、不登校、命の教育、あるいは人権に向けた的確な示唆だというように私は受け止めて、以下述べたいと存じます。
ではどうすればいいのかということで、この場で即答は非常に難しい中身でありますけれども、私の可能な限り言わせていただきたいと思いますが、これからのいじめ、不登校、命の教育、あるいは人権、これをどのような方略を持って、どう考えていくかというのは私ども教育行政に携わる者の大きな課題であります。
その場合、例えば、具体的にどういうことが考えられるのかということになりますが、まず、1点目は、学校であります。学校においては、これまでどちらかと言うと、特に道徳ですけれども、言葉だけで子供に伝える授業では子供の心に響かないということを、私は日ごろから感じてきました。体験的な要素を絡ませたり、言葉を少し換えれば、子供の実生活と結び付けたその中で考えを子供たちに深めさせていく、そういう道徳に転換していったらどうかということは、後日校長方と私どもの方で考えを煮詰めていきたいと考えております。それが1点目であります。
次に、2点目は、文部科学省でも来年度からいじめ、命の尊さにかかわる実体験を子供に直接語って聞かせる授業を立ち上げるんだということが、今日、朝6時のNHKニュースで出ておりました。この授業を私どもも素早く江別市として手を挙げて、可能な限り文部科学省のそういう事業と江別市が連携しながら、具現化に向けていきたいと考えております。
また、3点目については、本当に小学校時代、中学校、あるいは高等学校時代、いじめに遭ったり、自殺まで考えたりした方、そのような体験を持った人の話を聞く場を何とか作れないのかということであります。先ほどの文部科学省の事業と直接関係あるわけでありますけれども、そのような直接子供の心に響くような方略をこれも考えていきたいと思います。
と言っても抽象的でありますので、具体的に申し上げますと、ではそういう人とは一体どんな人ということになりますが、例えば、大阪市助役の大平光代さんという方がいらっしゃいます。北星学園余市高等学校には義家先生がいらっしゃいます。特に大阪市助役の大平光代さんは兵庫県尼崎市の中学校時代にいじめに遭って、割腹自殺を図っております。回復した後もなおいじめが続いたものですから、結局彼女なりに居場所が欲しくて、結果として16歳で暴力団組長と結婚しているわけです。離婚後、父の友人に諭されて猛勉強して司法試験に合格して、その後少年事件を主として手掛けていって、結果的に今大阪市の助役になっているわけでありますけれども、先ほど齊藤議員がおっしゃっていた心の傷については、この方はかつて刻んだこの入れ墨はもう決して彼女の肌から消えてないわけです。と同時に、彼女の内面にかかわる心の傷も消えてない。結果として、彼女は自伝のだから、あなたも生きぬいてという本を書いているわけであります。そういう方の話を直に子供を取り巻く私ども大人、教職員、PTAの方々が聞いて、そしてそれが結果として子供の幸せにつながるのであれば、そういう事業というのは非常に大事な事業で、謝金が多少かかっても、これは市長にちょっとお願いしなければならないかもしれませんけれども、そういうところにはどんと金を使ってやっていかないと、従来の道教委のマニュアルでは問題解決しないと思っております。
最後、結論になりますけれども、子供たちに対し、単なる言葉だけの教育から、今や実体験を重視した江別市としてのいじめ、不登校、命の尊重、人権に向けた新たな提案をして実施していければいいなという、そういう程度の私の今の考えでございますので、どうぞご理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
議長(宮澤 義明 君)
以上をもって、齊藤議員の一般質問を終結いたします。
この際、当職よりお諮りいたします。
議事の都合により、明17日は休会といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
散会宣告
議長(宮澤 義明 君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午前11時40分 散会