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平成16年第2回江別市議会会議録(第2号)平成16年6月10日 2ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

6 議事次第

開議宣告

議長(宮澤義明君)

 これより平成16年第2回江別市議会定例会第9日目の会議を開きます。
 ただいまの出席議員は27名で定足数に達しております。

議事日程

議長(宮澤義明君)

 本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

諸般の報告

議長(宮澤義明君)

 次に、諸般の報告を事務局長に報告させます。

事務局長(浦島忠勝君)

 ご報告申し上げます。
 本日の会議に星議員、森好議員が欠席する旨の通告がございました。
 以上でございます。

会議録署名議員の指名  

議長(宮澤義明君)

 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
 会議規則第111条の規定により、高橋議員、堀内議員を指名いたします。

一般質問

議長(宮澤義明君)

 日程第2 一般質問を順次行います。
 植松議員の大麻地区の環境改善についてほか1件についての質問を許します。通告時間30分。

植松直君

 議長より発言の許可をいただきましたので質問を始めます。
 今回は大麻に住む議員として質問させていただきます。一番バッターは初めての経験であります。少年野球の監督をしていましたので、一番バッターの役目については十分承知しているつもりであります。まずは確実に塁に出ることです。そして、次につなぐことが肝心であります。
 少年野球では変化球は禁止です。ストライクゾーン一杯使って、直球勝負をしなければなりません。今回は変化球やデッドボールを投げないでいただきたい。私も目をつぶっても外野に向かってヒットを打たなければなりません。私の純粋な気持ちをまずお伝えし、是非しんしな内容でお答えをいただくようお願いいたします。
 今会議中に病魔に伏した森好議員が一日も早く回復し、元気になってこの議場で厳しい討論を繰り返す姿を心より願いながら質問をいたします。
 まず初めに、ここ数年、市政懇談会で必ず出される項目があります。大麻に道立の盲学校があり、駅から学校まで点字ブロックを敷いた歩道があります。大麻東駅通りと呼ばれています。この歩道が1メートル60センチメートルと幅が狭く、歩行者が擦れ違う際にはお互いに半身になって譲り合わなければなりません。このような歩道に住宅の塀から1メートル20センチメートルの位置に直径30センチメートルの電柱が立っています。これまで白杖、白いつえを持った歩行者を目にすることはありませんでしたが、そのような人を見掛けると、もっと安全な道を教えることになるでしょう。健常者でも歩きにくい歩道の改善を求めます。この歩道は歩行者の安全を守るためにも、電線の埋設を考えてはいかがでしょうか。関係会社に是非提言していただき、早期に何らかの解決をお願いいたします。
 次は、これも以前に取り上げた課題であります。
 駅前の三差路の信号機であります。前回の答弁では、駅前の再開発事業の中で対処したいと言われましたが、約束を実行する状況にないことも承知しています。唯一実行されたのは、駅とえぽあホール間の歩道のロードヒーティングのみです。今回もまずできるところから手を着けることで、市民との約束の履行につながるのではないでしょうか。これまで大きな事故が発生しなかったからといって、手を着けないことが良いわけではありません。三差路なりの赤・青を独立すれば解決することで、難しいことではない。関係者と協議をして早急に良い返事をいただきたい。
 次も大麻の議員はこれまで触れてきた課題であります。
 ダイエーの進出を阻止するため、さらには埋蔵文化財などの可能性があるといったことなどから、国鉄に大金を払って市が鉄道林を購入し、駅を中心にした開発構想を提示してきました。しかし、情勢が激変し、一向に手を着けることがなく、業を煮やした大麻まちづくり協議会の環境部会が、自分たちでできることから手を着けようといって、去年からアジサイロードと銘打って植栽を始めています。この取り組みに共感した市民からアジサイの提供を受け、先日、今年度の植栽を終えた次第です。これを契機にして、鉄道林の中に入って行こうと言っています。遊歩道を整備し、あずまやを造り、高齢者に優しいまちづくりの一環に位置付けたいと考えています。行政と市民が一緒になって手作りの開発を願っています。大麻西公園も去年、同じ認識で取り組んでいます。一日も早くテーブルを作っていただきたい。この鉄道林の中に憩いの広場や公園を造ることで、駅前のショッピングセンターは大型店の進出に備えた戦略を立てることができるのです。
 以上、3点について前向きなお答えを期待しています。
 今定例会の初日に星総務文教常任委員長から元野幌に大型店の進出について趣旨採択になった旨の経過報告があり、本会議での採決の結果も趣旨採択が多数を占めました。陳情者の願意は十分理解するということですので、進出を阻止するといった最終の結論ではないと私は理解をしております。むしろ諸問題解決の始まりになると確信しております。
 今年に入ってから、大型店の誘致については機会のあるたびに市民に対し説明をし、その必要性についても一市民の一人として意見を述べてきていますが、今日は市の進出反対の判断は、市民感覚といかに掛け離れているかを述べることになりました。適切で核心に触れたお答えをいただきたいと、まずは申入れをしておきます。
 新しい総合計画の基本構想である土地利用計画に、インター線の開発について次のように述べられています。
 地理的な優位さがあり、多地区からのアクセスの良さを活用することが、江別市の産業振興の拠点として位置付けをし、土地の高度利用に寄与するとの基本的な押さえから、東及び西の高速道のインター付近を再開発地区の指定をし、戦略的な活用を図り優先的に扱うとしてきました。しかしながら、バブルが崩壊する中で、次第に市街地開発に対する要望も消えうせ、これまで継続的に行ってきたRTN開発や工業団地の拡張も断念せざるを得なくなり、インターは自然消滅をねらうように一切口の端にも上らなくなってしまいました。江別の東にもインターを設けるようにと、政策的に動いた先人の功績を無にするごとく、西も東も開発行為から遠ざけられてきました。
 このような中にも、4年ほど前に今回と同じ会社が進出を企画し、東・西・大麻と江別市内の適切な広大な土地探しをしたと、今になって教えられました。ちょうど1年前にイオンモールが全国展開の一地区に江別と決定をして、本格的な土地探しを始め、結果として西地区と定め、地権者と話をする中で、地目変更のお願いを許認可権を持つ役所に打診してきました。
 これまでもこの地区と役所の関係はぎすぎすしてきています。地目変更をし、すぐにも開発行為をすると地元に約束し、10丁目を含めた道路の新設と宅地として認可とするとまで言ってきたが、突然ナシのつぶてになり、詰問すると次には公園化の話が浮上し、これも棚上げとなり、地域住民は右往左往の大混乱を起こしてきたのがこれまでの経過であります。
 今回の大型店進出は、行政主導でないということで、実現の信ぴょう性が高いと判断し、地権者が先頭に立って動き出しましたが、地目変更でまたもや行政の壁にぶつかり一喜一憂を繰り返しています。
 総務文教常任委員会での答弁を聞くと、流通関係は可であるが、大型店は不可ということでありました。しかし、そのような勝手な選択は可能なのか大いに疑問と言えます。企業誘致は将来の江別の位置付けをどうとらえるのかの視点で決めなければならないのでないでしょうか。
 近未来社会を概括すると、総人口は2年後の2006年をピークに逓減します。江別市は新総計でこれからの10年で微増し、13万2,000人までになると予想しています。明確な人口増加政策を採用することで達成される目標数字の積み上げではなく、言ってみれば人任せの大都市札幌の衛星都市との位置付けに依存した、単なる地の利を利用した予測にすぎないのではないでしょうか。
 それに高齢化が進むし、子供の数も増えない。これは何を意味をしているのかは自明の理であります。医療・保健福祉の義務的経費が年ごとといった時系列ではなく、月ごとに増えて、4月に執行しても12月には足りなくなって補正をということが予想されます。さらに、あと3年もすると団塊の世代が一線から退き、彼らが市の収入に貢献する時期は終わります。このような客観的な状況を見ても、北海道をはじめ市町村自治体は成り行かなくなります。
 そこで生き残りをかけて合併に取り組まなければならない、あるいは特区構想を構築し、差別化を図ることに知恵と汗を流しているのです。新しい価値観を持って事に当たってほしいと市長は大麻のある会合で話をしていましたが、その前にブレイクスルーができる度胸が必要なのです。それこそ清水の舞台から飛び降りるような気構えがなければなりません。行動が伴わなければブレイクスルーとは言えないのです。
そこに市民・NPO・企業との協働が必要になってくるのです。行政が経費削減と言いながら、サービス低下をやむなしとして、自らの努力を棚に上げて、市民に協働を呼び掛けても後ろを見ると、だれも付いて来ないということにならないか心配であります。協働には情報の共有が大切であり、今回の大型店進出についても、行政が善悪を判断するのでなく、市民が自らの住むまちについて意見を出し、決定するシステムが次第に熟成しつつある中で、広く市民に情報を流布し、協働のまちづくりのテーマに据えるべきだったと思います。
 今、行政評価は成果主義をとることになっているが、大型店の進出は600余店の商店に致命的な影響を与え、行政が進めている顔づくり事業との整合性がないとマイナス評価しかしていないが、このような一面から見た評価しかできないとすれば、行政の成果主義は何とも頼りないもので、市民の厳しい評価に耐えられるか誠に心もとないものとなります。
 行政が公共事業を多発して、景気浮揚要因を作り出す元気は既にありません。これに伴って企業も体力消耗し切っている。ここ1、2年で、これまで以上に倒産や廃業せざるを得ない企業が出てくると予想されています。これは市内の小売店600店問題どころではありません。購買力の低下どころか、失業者が増えて社会保障費の増大を招き、同時に新規の雇用も生まれなくなり、これまでと同じように若者の流出から高齢化率は更に上がり、親としては職を得て江別にとどまってほしいと思っています。しかしながら、私の近くに住む大学卒業生が就職口がなく、アルバイトで食堂のちゅう房で働いていると嘆いていますが、まじめに勉強しても現実はこうなのです。小売店の皆さんの言い分についても理解をしていますが、借金を抱えぬうちに商売に見切りを付けた札幌の旅館泉屋別館の記事が載っていましたが、先行きは暗くなるばかりで廃業は迷わなかったと語っています。
 北海道中小企業団体中央会が廃業の理由について調査をした結果が載っていますが、最も多いのが販売不振と受注の落ち込みで60%であった。これは当然の結果であって、全国でもワースト3に入る失業率や高卒者の有効求人倍率の低さや、公共事業に依存する体質から見て、今の北海道を象徴しています。
 今、大きな国民の関心事でもある年金についても、国民年金も厚生年金の保険料が上がり、厚生年金の給付は下がる。国庫負担は2分の1まで上がる。今の制度は成り行かなくなったことから、それこそ抜本的に見直しをした結果であります。物価はデフレ傾向が止まらず、喜ぶ人がいるにしても、税金・年金・医療・福祉の全般にわたり、応分の負担をと言いながら、次第に手元の可処分所得が減っています。景気低迷が大きな要因になっていることが店舗数の減少につながっているのです。
 中央会の分析で、次に挙げられた理由は後継者難であります。先行きの暗さは若い世代の後を継ごうという意欲をそぎ落とすばかりと言っています。このような現象は、店舗と住居が一緒の個人商店の廃業が目立ち、商店街が住宅街に変わった地区もあるということを北海道経済産業局が述べています。中央会は、さらに同業他社との競争激化が30%と言っています。数字としては意外に少ないと感じました。
 大麻駅前にラルズがあります。営業時間を延長しました。夜、駅から出てくる人は大丸の袋を下げて通り過ぎていた。とりあえず10時まで延長して様子を見よう。夜の来店者は、晩御飯を求めてくると予想して総菜を豊富にそろえたが、予想に反してこの種が売れずに、なま物が売れ筋となった。生鮮三品です。晩御飯に調理をするのでなく、翌日のおかず用に買っていく。このように消費者の動向を分析し品ぞろえをする、これが商人としての普通な感覚でしょう。イオンのような大型店が出てきても、生き残る策を考える、恐れてはいないと自信を持って話をしています。
 個人商店については、一部の人たちと話をしましたが、当然、反対も賛成もあります。
 高齢化が他地区よりも進んでいる大麻は、手取り年金が減り、応分の負担が繰り返されると食費の割合が増えて、当然ながらおしゃれにお金を使う余裕が減ります。年とともによそ行きの場が減り、昔買った服はまだ使えるとなれば、新たに衣服等の身の回り品とは縁遠くなります。
 国のシステムが生活に直接影響を与えることになると、晩酌も減らそうということになるし、既にお酒の安売り店は至る所にあります。最初は食べるものに支出し、し好品は最後になる。これは当然なお金の使い方であります。店舗の減少は、残念ながら、ただ数字を並べれば理解されるというものではありません。
 イオンの進出が市内外のスーパー戦争の引き金になり、それが地域社会の破壊につながると述べられていますが、このような論理を見ると、総文でるる述べられてきた行政の分析と酷似していると感じました。
 スーパー同士の戦争ということであれば、これまでもしれつに行われてきたし、これからも生き残りをかけて一層激しく行われるでしょう。自由社会では、戦争ということではなく、消費者の要望に合わせた企業展開をしていると表現すべきで、市民生協もイオンとの競合の中から、仕入れの合理化に向けた新しいシステムを採用したと言われているし、コンビニのセイコーマートも大型店が増え続けていても、独自の戦略で新店舗の開設を行ってきています。
 ただ、成り行きに任せて、最後のよりどころとして、往年の力がなくなっている役所に助けを求めても、打開の道はないというのが現実でないでしょうか。大型店の進出にかかわらず、これからは組合、商工会の皆さんが一つになって、知恵と汗を出さなければなりません。地域差があるが、全国どこも不景気が覆いかぶさっている中で、大型店と争うのではなく、融合や共存の在り方についてどのような方法や手段があるのか探るのが賢明と言えるでしょう。
 平成12年からイオンの話が出ていたと報告されているが、この間、経済部は市内小売店との摩擦解消の秘策を練ってきたと思うが、もし検討していたとすれば、どのような内容であったかお知らせ願いたい。
 特に、大麻は中心になる商店街があるようでないところで、もともと住宅が主で、いわゆる消費者の住むまちと言えます。イオンが出てきても地域社会が破壊されるという感覚は持っていません。かつては札幌に職を持っていて、電車、車で通っていた人たちです。今は時間を持て余している人もいて、家族と車で銭函の魚屋さんや苗穂や平岡のイオンに出掛けています。近くでは厚別の西友や新札幌に買物に出掛けているようです。大型店に違和感を持っていないのが実情であります。特にイオンと聞けば、近くに是非といった声が出てきました。
 そこで、これまでイオンが進出を打診してきて、市としても候補地として挙げてきた場所はどこだったのか教えていただきたい。東西インターのほかに適切な地区として調査をし、推薦したりしたところはどこでしょうか。西インターは商業地への変換が手続上、困難と言ってきたが、もっと簡単にできるところはなかったのか。江別市の担当者も当初は大いに乗り気であったのだから、具体的に開発可能な場所を選定して、相手に打診を試みたと思われるが、もちろん推薦しても企業は自らの戦略と合致しなければ受けることができないでしょう。
 次に、法律的にクリアしなければならない事柄が多くできませんということであるが、根源にある気持ちと言葉は、やらないということであることは確かと考えられます。
 大規模な開発行為については、道・国も市から上がってきたときは迅速に処理をするということになっていたが、残念ながら関係者の配慮にもかかわらず、御破算にしてしまったことは、これからの市政運営に大きな汚点を残すことになるのでないかと思われます。商売は生き物であるから、いつでも出店は可能であるとは言えないでしょう。昔ほど権限はないといっても、許認可権は自治体が持っている、官が又は官民共同で生き残りをかけて事業をするときに、超法規的に執行し、開発行為を行うことに国は大いに奨励をしています。三位一体改革の中で補助金・交付税や交付金の削減に寄与する自治体を一つでも多くつくることが急務だからです。自治体の合併もその一つととらえることができます。
 たとえ1億5,000万円の税収があっても、市内の同業他社がもしもとなったときを考慮して、交付税の削減もあり、実収増として7,000万円ほどになると報告されています。この論理もイオンが出てきてもこの程度ですよと、やらない理由付けをしているにすぎません。7,000万円あれば良しとしなければなりません。交付税こそいつまでももらえる安定した財源にならないのは自明なのです。これをもらわなくても自主自立できる自治体をつくることが目標でないでしょうか。同業他社を思いやる優しい気持ちを、なぜ市民に向けて発揮しないのですか。今、市長に7,000万円の収入が見込める事業があれば提示していただきたい。
 さらには、交付税がこれからもコンスタントに入ってくる政策もお示しいただきたい。
 市民は市長の力強い言葉を待っています。市内の640店の皆さんに、市の財政についても期待をしていいのですね。経済部長からも、この点につき確認をしておきたいと思いますので、お答えをいただきます。
 交通弱者の高齢者は、郊外型の大型店に行ってはいけないと、心優しい忠告をいただきましたが、車で行くところは駄目で、駅を利用してJRタワーに行くのはいいですよと言っているのでしょうか。それを決めるのは消費者なのです。高齢化率の高い大麻は、お年寄りに優しいまちづくり構想を作っています。お年寄りはみんな弱者になるのでしょうか。元気な人が圧倒的に多いのです。そのお年寄りのパワーをどのように活用するのかが構想の原点にあるのです。その人たちに駅から2.7キロメートルも離れているから、近くで買物をしなさいと言えるでしょうか。お年寄り扱いをするなとおしかりを受けます。若い人やご近所の人たちとの互助の精神が自然に発揮される町を今から目指すべきでないでしょうか。
 生協は共同購入といって班長さんの家に配達をしています。このようなシステムを十分に利用することです。交通弱者と言うのであれば、その弱いところをカバーするのが市民の力でないでしょうか。今回はあえて顔づくり事業に触れないでおこうと思っていますが、中心商店街の雪対策は万全に行われるのでしょうか。買い物袋をぶら下げて転んでけがをしたでは、かえって高いものにつきます。大型店と中心商店街とどちらが安心して買物ができるのでしょうか。
 そこで、顔づくり事業を進める地域から2.7キロメートルしか離れていないことで、顔が二つになることは好ましくないと再三述べられてきましたが、何キロメートル離れていれば市は許可するのかお答えください。
 次は、イオンの経済効果で雇用についても触れられています。
 1,500人の80%で1,200人と計算しています。同種店では、現在550人が働いて、もしもということであっても600人の雇用があることになります。廃業の大きな要因が景気低迷や後継者難とすると、この先どこかの時点で中心商店街も歯が抜けるように数を減らすことになるのです。今でも新たな雇用が商店街から生まれるとは思われません。
 建設業界もさらなる人員整理が加速されこそすれ、雇用促進に寄与する状況にはありません。企業は生き残り策として、社会保険料の会社負担が重荷になってきたことから、契約社員制をとり、国民年金に個人加入させています。若い人の就職はますます厳しさを増しています。
 このような現実から、江別市はこれからも人口が増え続けるといった環境にはなく、若者を引き止める手立てはなくなってきており、イオンが出てくることで、新卒者の就職も可能になり定着するであろうと思います。
 イオンの商圏は50万人の消費者を見込んでいます。当然、隣接する札幌をターゲットにしているのです。アクセスは大麻を経由して訪れることから、大麻・野幌の環境について知ることになり、若い人は教育・雇用等から、高齢者は大麻のまちづくりに期待をしながら移り住んでくることも考えられます。イオンを核にした高齢者に優しいまちの実現に取り組むことが可能になると私は思います。
 インターの戦略的開発というのは、まちの発展にこの地区を利用することを意味し、今の江別市には戦術もなく、ただ将来に向けての指定解除などと言っても、そのときは人口減少の現実から進出する企業は現れないでしょう。これはまちというものも生き物なのです。同じ姿をいつまでも保つことは不可能なのです。
 江別市も例外ではありません。歴史的に見ても、川から鉄道や国道に交通の要衝は取って代わられてきました。少子高齢化社会のこれからのまちづくりを考える中では、国道や鉄道は大きなバリアになってきます。このような空間と地域と施設が多くの市民を引き付けるものになっているかが判断の基準になるのです。
 今回の課題ではないので、これ以上は述べませんが、連動性・整合性がないということであるならば、民活だ協働だと言いながら、何よりも官の事業が優先するといった発想は時代遅れで、シビルサーバントとしてこの程度の発想しかないとすると、将来に何かしらの不安を感じざるを得ません。江別市に若者を引き付けるような事業があれば、端的にお答えをいただきたい。
 企業は、これまでも不採算部門という部署を切ってきています。日産のゴーンはそれを大胆に行ってきた一人と言えるでしょう。右肩上がりのときは、不採算部門は何とかなると言って金をつぎ込んできましたが、それも限界になり、海外に移転するとかで経営の合理化を図っているのです。衰退する部門を維持し支えようとするには、膨大な資金とエネルギーを必要とします。これはまちづくりにも同じことが言えるのです。民間企業も行政の運営も同じで、トップもスタッフもそれ相応の覚悟は必要になります。
 最後になりますが、イオンの進出が論議されているときに、大型店の話がいろんなところで話題になっていました。近くでは三笠の市議会が3月にイオンの進出の決議をしたり、苫小牧市も決定し、旭川市は4月下旬にオープンし、石狩湾新港のウォルマートが国内最大規模の商業施設の進出を計画したりと、急に似たような情報が入るようになってきました。
 消費動向や市場調査をした結果と言えるでしょうが、一方的に資本だけが活発に動いているのではありません。地方の自治体が他との差別化をしなければ、都市間競争に勝ち残れないといった行政の自立が危ぶまれる状況に追いやられていることが、市町村の首長の決断になって表れてきているのです。江別市ができない理由を述べて、早く手を下ろすのを隣の自治体は待っているのです。首長自ら頭を下げて懇請しているといった情報が流れてきます。
 さて、この計画が隣接する市に流れていったときは、江別市はどうなるのでしょうか。近隣市にイオンモールが開店すると、江別市の中心商店街は影響を受けないで済むと言えるのでしょうか。市長としての率直な見解を伺いたい。
 将来は市が進めるまちづくりが成功し、人口も張り付き、商店からの税収も確保でき、雇用についても心配ないと自信を持って担保できるのであれば、この際ですので市政執行方針以上に明確な方針をご提示ください。
 先ほど申し上げましたブレイクスルーという言葉は、雲間から日がさすことを意味します。イオンの進出は閉そく感の漂う、暗雲立ち込める、正に今日の江別の空から明るい、温かい光が市民の頭上に降り注ぐことを祈りながら1回目の質問とさせていただきます。

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