令和3年第3回江別市議会定例会会議録(第2号)令和3年9月9日
1 出席議員
25名
議長 | 宮本 忠明 君 | 副議長 | 島田 泰美 君 |
議員 | 高橋 典子 君 | 議員 | 佐藤 美佐子 君 |
議員 | 吉本 和子 君 | 議員 | 角田 一 君 |
議員 | 芳賀 理己 君 | 議員 | 本間 憲一 君 |
議員 | 鈴木 誠 君 | 議員 | 猪股 美香 君 |
議員 | 岡 英彦 君 | 議員 | 石田 武史 君 |
議員 | 高間 専逸 君 | 議員 | 三角 芳明 君 |
議員 | 清水 直幸 君 | 議員 | 干場 芳子 君 |
議員 | 諏訪部 容子 君 | 議員 | 佐々木 聖子 君 |
議員 | 稲守 耕司 君 | 議員 | 内山 祥弘 君 |
議員 | 齊藤 佐知子 君 | 議員 | 徳田 哲 君 |
議員 | 奥野 妙子 君 | 議員 | 相馬 芳佳 君 |
議員 | 裏 君子 君 |
2 欠席議員
0名
3 説明のため出席した者の職氏名
市長 | 三好 昇 君 | 副市長 | 後藤 好人 君 |
水道事業管理者 | 佐藤 哲司 君 | 総務部長 | 萬 直樹 君 |
企画政策部長 | 川上 誠一 君 | 生活環境部長 | 金子 武史 君 |
健康福祉部長 | 白崎 敬浩 君 | 病院事務長 | 白石 陽一郎 君 |
病院経営推進監 | 渡部 丈司 君 | 総務部次長 | 野口 貴行 君 |
教育委員会教育長 | 黒川 淳司 君 | 教育部長 | 西田 昌平 君 |
4 事務に従事した事務局員
事務局長 | 三上 真一郎 君 | 次長 | 宮沼 直之 君 |
庶務係長 | 竹下 靖子 君 | 議事係長 | 坪松 隆 君 |
主査 | 小川 和幸 君 | 主任 | 岡村 英治 君 |
主任 | 川上 静 君 | 主任 | 渡辺 輝 君 |
事務補助員 | 猪部 みゆき 君 |
5 議事日程
日程第 1 | 会議録署名議員の指名 |
日程第 2 | 一般質問 |
発言者及び発言趣旨
芳賀 理己 君 (総括質問総括答弁方式)
- 夫婦の別居・離婚後における児童の権利について
(1)親子の面会交流について
(2)単独親権制度と養育について
(3)連れ去りの実態把握について
(4)児童の権利を守るための支援について
稲守 耕司 君 (総括質問総括答弁方式)
- 新型コロナウイルス感染症対策について
(1)家庭内での感染者に対する対応について
(2)学校に行けない期間の対応について
(3)最悪の事態の想定について
(4)仮設病床の設置について - 外国人技能実習生のワクチン接種について
(1)ワクチン接種の体制と現状について
(2)今後の取組について - ワクチン接種の予約受付体制について
(1)インターネット予約ができない場合の対応について
(2)現在把握している苦情について
(3)今後の対応について
吉本 和子君 (一問一答方式)
- 学校における生理の貧困への対応について
(1)社会問題化している生理の貧困に対する認識について
(2)児童生徒間での生理の貧困に関する課題について
(3)学校のトイレに生理用品を常備することについて - 子供の人権の視点で校則を見直すことについて
(1)全国的に校則の見直しが進められていることに対する認識について
(2)市内公立小・中学校における校則の課題について
(3)市内公立小・中学校の校則を見直すことについて - コロナ禍における大学生等への支援について
(1)大学生等の生活困窮に対する認識について
(2)大学等と協力して生活実態調査を実施することについて
(3)民間団体等が実施している食料支援事業への公的支援について
鈴木 誠 君 (一問一答方式)
- 江別市立病院経営再建計画について
(1)市民説明会の評価と今後の開催について
(2)新型コロナウイルス感染症に係る医業収益について
(3)資金不足比率について - アイヌ施策推進地域計画の策定について
(1)検討状況及び策定の見通しについて
(2)アイヌ協会及び樺太アイヌ協会との協議・検討内容について
(3)強制移住による苦難の歴史を共有することについて
6 議事次第
◎ 開議宣告
議長(宮本忠明君)
これより令和3年第3回江別市議会定例会第9日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。
◎ 議事日程
議長(宮本忠明君)
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
◎ 会議録署名議員の指名
議長(宮本忠明君)
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
奥野議員
高橋議員
を指名いたします。
◎ 一般質問
議長(宮本忠明君)
日程第2 一般質問を順次行います。
芳賀理己議員の夫婦の別居・離婚後における児童の権利についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間20分。
芳賀理己君
ただいま議長の許可を頂きましたので、通告に従いまして質問させていただきます。
本日は緊急事態宣言下での一般質問ということもありますので、できるだけ簡潔に述べさせていただきます。
私からの質問は、夫婦の別居・離婚後における児童の権利についてです。厚生労働省の人口動態調査による昭和25年以降の離婚件数の年次推移をみると、昭和42年までは約6万9,000組から約8万4,000組までで推移していましたが、昭和59年から昭和63年に減少し、平成14年の約29万組まで増加傾向となっています。平成15年以降は減少に転じ、平成20年は約25万1,000組となっています。そのうち未成年の子供がいる離婚は約14万4,000組で全体の約6割となっております。児童福祉法等では出生時から18歳未満を児童と表しているため、以下、児童と致します。日本においては、離婚後の父母のどちらかが親権者となる単独親権制度を採用しており、近年は母性優先、子供の養育環境の継続性という理由から、離婚後の親権は9割近くが母親という状況にあります。子供の福祉の観点から、虐待や暴力などの理由がある場合でない限り、子供の養育は夫婦が離婚し別居したとしても、双方が関わって行うべきものと考えます。平成28年度の全国ひとり親世帯等調査では、回答のあった独り親世帯で、継続して離婚相手と子供の面会交流を行っている世帯は全体の3割でした。面会交流の取決めをしている母子家庭24.1%、父子家庭27.3%。うち取決めの文書ありは、母子家庭96.8%、父子家庭72.6%と平成23年度の統計より大きく伸びている傾向にあります。また、面会交流の取決めをしていない理由として、母子家庭では、相手と関わり合いたくないが25%、取決めをしなくても交流できるが18.9%、相手が面会交流を希望しないが13.6%、子供が会いたがらないが7.3%となっており、父子家庭では、取決めをしなくても交流できているが29.1%、相手と関わり合いたくないが18.4%、子供が会いたがらないが10.2%、相手が面会交流を希望しないが7.3%となっております。実際に、母子家庭の子供が父親に会えている割合は49%、父子家庭の子供が母親と会えている割合は61.6%であります。親の都合で関わり合いたくない、一方が希望していなくてももう一方は希望している場合もあるため、約半数は面会希望であっても会えていない可能性があります。また、同統計では、養育費の支払い状況についての調査が行われています。養育費の取決めをしている家庭は、母子家庭で約43%、父子家庭で約21%でした。また、養育費の支払率で養育費の取決めをしない最大の原因は、相手と関わりたくないが約31%となっております。子供の面会交流をサポートする他市事例として、兵庫県明石市では、別居・離婚を経験した親子のために、面会交流をサポートしますという事業が行われています。多くの児童は、父親にも母親にも愛されたいと願っています。面会交流は、その願いに応えるチャンスですとうたい、専門のスタッフがお手伝いをしています。また、静岡県藤枝市では、保育園や小・中学校での面会交流を支援しているという事例がありました。日本の民法では、父母の婚姻中親権は父母が共同して行う(民法第818条第3項)と定めており、婚姻中の共同親権を規定しています。しかし、離婚する場合は、協議上の離婚の際に、その一方を親権者と定めなければならない(民法第819条第1項)と定められており、単独親権が規定されていますが、児童を連れて家を出てしまう子の連れ去り問題など、親権をめぐるトラブルが頻発しています。特に問題視されている事案として、隠れた誘拐大国日本と言われ、近年夫婦が別離した際など、片方の親が子供を連れ去り、もう片親が会えないという問題がメディアなどでも取り上げられるようになっています。実際、配偶者と別れることを考えている相談者から、子供の親権を確実に取るにはどうしたらよいかと聞かれたら、日本では子供を連れて家を出るのが一番だとアドバイスせざるを得ないとある弁護士は明かしているほどです。日本の伝統的家族観は母親が子供の面倒を見て、父親が働いてお金を持ってくるというものです。そのため、日本には両親の別離後も両親が子供を共同で監護するという発想がなく、日本の警察や司法は片方の親による子供の連れ去りを事実上容認している状態にあります。片方の親が子供を連れ去った場合、裁判所や警察は介入しません。しかし、連れ去られた側が子供を取り戻した場合、介入が起こります。このシステムでは、子供を最初に連れ去った親が有利となり、連れ去った期間が長ければ長いほど、連れ去られた側の立場は弱くなります。こうした連れ去りでは、多くの場合、別居を通じ、子供を連れ去られた親は子供へのアクセスを失ってしまいます。連れ去った親は事実上、残された親への訪問をどの程度許可するか、あるいは訪問を認めないかなども決めることができます。連れ去った親が面会を拒否した場合、残された親が面会権を得られたとしても、1か月に二、三時間、場合によっては連れ去った親の監視下でしか面会できないなど、とんでもなく厳しい条件下での面会となる場合があります。親権や面会をめぐって係争中の場合は、面会はさらに制限的にしか認められないことが多いようです。このような現状を踏まえますと、果たして児童の権利が守られているかどうか疑問が生じます。児童は養護が必要とされていることから弱者です。もし、我慢を強いられたり、事実と異なった情報を与えられたりしているために、離れて暮らす親に会えないとしたらどうでしょう。恐らくこのようなケースは少なくなく、暴力・虐待がない限り、児童が親に会いたいときに会う、また逆の権利も認めていく必要があるのではないでしょうか。児童の同意なく連れ去ることは心理的な虐待につながることも分かっていただきたいことの一つであります。ただ、今の共同親権の論争については、本質的な児童の視点からずれてしまっていることも否めません。心からお子さんを愛して育ててきたのに、突然子供を奪われた親御さんの心情を思うと、心からいたたまれない気持ちになります。また、児童にとっては思いもよらずある日突然、生活環境が変わってしまい、選択の権利がないということも往々にして存在します。親権制度に係る法整備が国において進められることを期待するものですが、各自治体においても、夫婦が離婚したときに最も影響を受ける児童が、双方の親から愛情と養育を受けるために、両親との交流が促進され、充分な養育費を受けることができる共同養育の考え方も重要となってくるのではないでしょうか。近年では、国際カップルの離婚後の子の連れ去り問題が取り沙汰されており、日本でも共同親権の導入が検討されています。離婚後共同親権の制度取り入れが議論されている背景には、以下のような意見があるためです。離婚後に元妻が子供に会わせてくれない、親権がないため、子供の教育に口を出せない、離婚後に子供と関わることを制限された、このような問題をなくすために、共同親権の取り入れが検討されています。最近では2020年7月に欧州連合の欧州議会本会議にて、日本の親が日本国内で子供を連れ去る事例についてハーグ条約を履行する措置を講ずるように日本政府に要請したのがきっかけです。これを受けて、法務大臣が共同親権の導入について検討していることを明かしました。
離婚後の共同親権を導入するメリットとして、離婚後も育児を平等に分担できる、シングルマザーの貧困化の問題解消にもつながりやすい、親権争いの激化を防げる、両親のもめごとが減ることは子供にとってもメリットがある、子供の自己肯定感が高まり親和不全が低下する、親子の関わりを失わずに済む、一緒に住まずとも面会の権利の実効性は高まる、子供も親との関わりを続けられる、養育費の支払いが今より実行力を持つ、父親の親権獲得が難しいという問題を解消できる、ジェンダー的役割解消のきっかけになる可能性もある。一方、離婚後の共同親権を導入するデメリットとしては、子供はどこに自分の居場所があるのか把握できなくなってしまう、両親双方の住居を行き来することで子供の生活に負担がかかる可能性がある、教育方針で裁判沙汰になってしまうことがある、ということも実際に起こっている事例として挙げられています。
しかし、視点を児童に向けて考えることは、最も重要であることに間違いありません。夫婦の別居・離婚には様々な事情があると思いますが、忘れてはならないこととして、児童の視点に立ち、児童が健やかに育まれることです。
令和3年3月、法務省の未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書では、父母の離婚を経験した20歳から39歳、1,000人を対象にアンケート調査が行われております。この結果の中で、自身の経験を踏まえて今後父母の離婚または別居を経験する子供たちについて、どのような支援や配慮をしていくことが望ましいと思いますかの問いに比較的多数が回答したのは、離婚または別居の前後に子供の精神面・健康面に問題が生じていないかをチェックする制度44.3%、子供のための身近な相談窓口の設置42.9%、子供の権利を尊重する法律の整備37.4%、父母の離婚または別居時には子供の権利を尊重しなければならないことについての広報・啓蒙活動30.9%、子供の気持ちを父母や裁判所に伝える制度26.7%という報告がなされています。
江別市でも、子どもの権利条約として4つの権利を唱えております。一つ、生きる権利、全ての子供の命が守られること。一つ、育つ権利、持って生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう医療や教育、生活への支援などを受け、友達と遊んだりすること。一つ、守られる権利、暴力や搾取、有害な労働から守られること。一つ、参加する権利、自由に意見したり団体を作ったりできることとされ、子育て世代サポートえべつとして支援しておりますが、これらの権利を一層具現化していくことが望まれます。
以上のことを踏まえて、1項目め、親子の面会交流については、一方の親に会えない児童の面会交流の支援に対する市のお考えをお聞かせください。
2項目め、単独親権制度と養育については、現在の日本では単独親権制度となっていますが、そのデメリットを踏まえ、対象児童が健全に養育されるような支援方法について、江別市としてのお考えをお聞かせください。
3項目め、連れ去りの実態把握については、現在江別市で、このような連れ去り案件での児童に関する相談事例の有無と相談内容及び対処方法について、事例があればお聞かせください。
4項目め、児童の権利を守るための支援については、弱者である児童を擁護する義務がある中で、市としてどのように支援していく体制であるのかお聞かせください。
以上で、1回目の質問とさせていただきます。
議長(宮本忠明君)
芳賀議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
芳賀議員の一般質問にお答え申し上げます。
夫婦の別居・離婚後における児童の権利に関しまして、まず親子の面会交流についてでございますが、国におきましては面会交流について、別居や離婚によって子供と離れて暮らしている父母の一方が、子供と定期的・継続的に会って話をしたり、電話や手紙などの方法で交流することと定義をされております。
また、一般的には親が別居や離婚をしても、両親から愛されていると感じることにより、子供の安心感や自尊心が育まれることから、国は面会交流について子供にとって大切なものであるとの考えを示しており、市と致しても同様と考えております。
こうした考え方の下、別居や離婚をされる方から子供への影響や養育について、母子・父子福祉相談などで面会交流についての相談を受けた際には、相談者の心情に寄り添いながら、適切な助言や法律相談につなげるなどの支援、各種情報提供を行っているところでございます。
今後におきましても、市と致しましては、子供の利益が守られるよう面会交流の支援について、各自治体の事例を研究してまいりたいと考えております。
次に、単独親権制度と養育についてでございますが、一般論としまして単独親権制度は同居親が子供を別居親に会わせようとしないことがあること、養育費を支払う意欲が希薄になりがちであることなどが挙げられておりまして、特に母子家庭においては、経済的に困窮する場合が多いと言われております。
国は子供の利益を擁護する観点から、平成24年に民法を改正しまして、父母が協議離婚するときには、面会交流や養育費について協議で定めることとしまして、その取決めに当たりましては、子供の利益を最も優先して考慮しなければならないとしたところでございます。
市では、児童が健全に養育されるよう離婚届の様式を配布する際には、離婚届に伴う関連手続の案内のほか、養育費と面会交流の取決め方をお知らせする法務省発行の冊子も一緒に配布するなどの工夫をしているところでございます。
さらに市では、独り親世帯向けの事業としまして、児童扶養手当の支給や医療費の助成、経済的に自立するための資格取得を支援する事業などを行っているほか、独り親家庭の児童の修学資金などにつきまして、北海道の母子・父子・寡婦福祉資金貸付の申請を受け付けております。
いずれに致しましても、市と致しましては、国が研究を進めております共同親権制度に関する動向を注視しつつ、独り親世帯の児童が健全に養育されるよう、各種事業を通じまして直接的・間接的に支援をしてまいりたいと考えております。
次に、児童の権利を守るための支援についてでございますが、平成元年の国連総会におきまして採択されました子どもの権利条約を日本は平成6年に批准しておりまして、その中には議員お示しの4つの権利が定められております。
市では、これまでも条約の理念を施策に反映し、公園造りや中学生サミット、スマートフォンの利用に関するルールづくりなどに、子供たちの意見を取り入れてきたところでございます。
また、児童福祉法に基づき、児童を虐待から守るため、児童相談所や学校、保育所、警察、医療機関など様々な関係機関とネットワークを構築しまして、日頃から連携する体制を整えております。
令和2年3月に策定しましたえべつ・安心子育てプラン第2期江別市子ども・子育て支援事業計画におきましても、基本施策の一つに子どもの育ちの保障を掲げ、子どもの権利条約の普及や子供の意見が社会に反映される環境づくりを促進することとしたところでございます。
いずれにしましても、市と致しましては、児童に係るあらゆる事業を推進していくことが、児童の権利の具現化につながるものと考えておりまして、今後とも条約の理念を施策に反映させるよう、より一層進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長からお答え申し上げます。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
私から、夫婦の別居・離婚後における児童の権利についてのうち、連れ去りの実態把握について御答弁申し上げます。
一般的に連れ去りとは、配偶者のどちらかが相手の合意なく、子供を連れて勝手に別居してしまうことを指します。当市におきまして、連れ去りの当事者となった児童に関する相談事例はございませんが、そのような相談があった際には、児童の利益を最優先とする考えの下、子供家庭支援員やスクールソーシャルワーカーが児童や保護者と面談し、個々の事例に応じて関係機関との連携を図るほか、よりよい解決策について助言できる体制を整えております。
以上でございます。
議長(宮本忠明君)
以上をもって、芳賀議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
稲守耕司議員の新型コロナウイルス感染症対策についてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
稲守耕司君
議長より発言の許可を頂きましたので、質問させていただきます。
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に、まずはお悔やみを申し上げますと同時に、現在も新型コロナウイルス感染症と闘っている方々の一日でも早い回復をお祈りいたします。また、最前線で対応している医療関係者に感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
それでは質問に入らせていただきます。
2019年12月に世界で初めて新型コロナウイルス感染症が確認されてから、今月で1年9か月が過ぎようとしています。
昨年2月に新型コロナウイルス感染症の第1波が確認されてから現在では第5波を数えるまでになり、第6波の懸念まで出ている状況にあります。現在3回目となる緊急事態宣言が北海道でも発令され、江別市は特定措置区域に指定され、終息の見えない状況が続いています。
報道では東京都での感染者が増加の一途をたどり、入院の受入れが難しく、自宅での待機が続いており、適切な医療を受けることができない状況になっています。これまでの新型コロナウイルス感染症に対する対策は初期の段階から現在まで、残念ながら感染を抑える対策が取られてきたとは言えない状況となっています。
しかし、未知の感染症に対する対策であり手探りの中での対策となったことは、酌量の余地があると言えなくもありません。
しかし、先ほども言いましたが、既に発生から1年9か月が過ぎようとしている中で、終息に向かうどころか感染が爆発的に拡大しているこの状況は、この1年9か月の間に一体どのような対策を行ってきたのか、その対応が誤りであったと言わざるを得ない状況が続いています。
2020年の感染が拡大している中での東京2020オリンピック競技大会の延期は当然の対応でありましたが、今年になり昨年よりも感染がさらに拡大している中にありながら開催に踏み切ったことは、それまで自粛が強制ではないにもかかわらず、感染を抑えるためにと我慢をしていた人々にも自粛を緩めるきっかけになり、感染拡大につながったと考えることは妥当だと言えます。
北海道でも8月21日の時点での報道によりますと、札幌市においては自宅療養者に限ると1,195人となっており、なお増加の傾向にあるとのことですが、江別市においての自宅療養者の数においては、個人情報を守ることが前提となっているため現状を知ることができない状況であります。
今回の質問では、新型コロナウイルス感染症対策を中心とした内容となっています。現状では、市内の医療機関が切迫する状況や病院でのクラスターなど、そういったものは発生しておらず、東京都のような状況になっていないことは、今の段階において市としての対策を独自に進める時間的な余裕があるのではないかと考え、新型コロナウイルス感染症対策についての質問をさせていただいています。
新型コロナウイルス感染症対策について、最新の状況では9月5日の報道によると北海道内での感染者は218人となっていますが、昨年の同じ9月頃の状況によりますと、その当時は10人程度であり、1回目の緊急事態宣言の2020年4月5日の頃よりも悪化していることは明らかです。今後、感染がどのように変化していくのかは不明ですが、前段でも述べたように第6波が懸念されて、考えられている状況にあり、デルタ株などで知られるように感染力の強い株の発生や重症化が多くなる変異株が発生することなども視野に入れた対応が必要なのではないでしょうか。
日々刻々と新型コロナウイルス感染症に関する内容が変化しており、私が質問した内容が遅れていることも考えられますが、感染は収まる気配がなく、しばらくの間は同じような状況が続くと言えます。
1番目、家庭内での感染者に対する対応についてですが、東京都の例を参考にしますと、自宅療養が前提になっている中で、親子間の感染が問題と感じています。
家庭内での感染が確認された状態になった場合に自宅療養を行うことは、さらに感染を促すことにつながりますが、例えば親が感染し育児が困難な状況になった際の対応や介護が必要な家庭内での感染などは、速やかにPCR検査などの実施により陰性と陽性の判断を早めると同時に必要な支援につなげる必要があると考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、学校に行けない期間の対応についてですが、前述の例に出していましたが、家庭内でお子さんが感染した場合または家族内に感染した方が出た場合には長期にわたる欠席になりますが、その間の勉強の遅れが出ないような対応について、何か考えがあるのかお聞かせください。
3番目、続いて最悪の事態の想定についてですが、現状は第5波が起こっており、第6波の懸念も聞かされています。9月1日の報道では日本国内でミュー株が初確認されるなど、先行きが不透明な状況が予想されます。現在も感染拡大を抑えるため、行政としても努力されているのは理解していますが、今後の感染拡大がどのようになるのか、東京都のような状況になることは人口の規模から考えても同じような状況にならないとは考えます。変異株の状況などによっては、現在よりも重症化のリスクが大きくなるなどの事態も想定できると考えますが、現状で市として考えている最悪の想定についてお聞かせいただきたいと思います。
4番目、仮設病床の設置についてですが、最悪の事態の想定に関して、田村厚生労働大臣によると病院で病床を増やすとほかの一般医療にかなり影響が出るので、臨時医療施設などで病床を増やすことが重要との発言がありました。市として臨時で医療施設の病床を確保できる想定を行っておくことは、万が一の状況になった際にも迅速に対応ができることになると同時に、市民に対しても安心できる支援につながると考えますが、仮設病床の設置についての考えをお聞かせください。
次に、2件目の質問で、外国人技能実習生のワクチン接種についてですが、新型コロナウイルス感染症の影響により外国人が北海道を訪れることは少なくなりましたが、新型コロナウイルス感染症が発生する前から外国人技能実習生や特定技能の方々が江別市内でも働いています。
現在、江別市でも外国人技能実習生を含む外国人を雇用する企業の方に向けて、市のホームページで新型コロナウイルス感染症についての情報提供がされておりますが、1番目の外国人技能実習生のワクチン接種の体制と現状について、技能実習生や特定技能者の方々に対するワクチン接種の体制は江別市として、具体的にどのような対応を行っているのかお聞かせください。
続きまして、今後の取組について、技能実習生や特定技能者の方々の不利益にならないような対応を行っていただきたいと考えますが、今後の取組についてお聞かせいただきたいと思います。
次に、ワクチン接種の予約受付体制についてですけれども、2回目の接種を終えられた方が全体では48.6%、65歳以上では85.5%と接種が進んでおり、当初の混乱も落ち着いてきていると思いますが、先日、市民の方から問合せがあり、インターネットが苦手なため電話でワクチン接種の予約を取れないかとワクチン接種券に記載されているコールセンターに連絡したところ市の方に電話をしてほしいと言われ市に電話したところ、市のほうではコールセンターにと案内されたため、煩わしさを感じワクチン接種を断念したとのことでした。
そこで、1番目のインターネット予約ができない場合の対応についてですが、インターネットが苦手などの理由により電話で予約を行いたい際の対応について、現状ではどのようになっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
次に、現在把握している苦情についてですが、今後もワクチン接種はブースターなどと言われ抗体が減少した際に3度目のワクチン接種を行うことで効果が上がるなどの報道もあり、接種事業は継続する可能性もあると考えますが、健康福祉部新型コロナウルス感染症対策室では苦情に対して集計や対策などを行っているのかお聞かせいただきたいと思います。
次に、今後の対応についてですが、インターネットが苦手な方はもちろんですが、市民の不利益にならないように健康福祉部新型コロナウルス感染症対策室ではどのような対応を行っていくのかをお聞かせいただきたいと思います。
以上で、1回目の質問を終わります。
議長(宮本忠明君)
稲守議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
稲守議員の一般質問にお答え申し上げます。
新型コロナウイルス感染症対策に関しまして、まず家庭内での感染者に対する対応についてでございますが、陽性になった方への対応は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づきまして、都道府県及び保健所設置市が所管することとされております。
北海道によりますと、令和3年8月以降、札幌市を含めた北海道内におきまして、職場や人と人との集まりでの感染者が特に増加しているとされておりますことから、市では市民や関係団体に対しまして、感染対策の徹底と家庭内にウイルスを持ち込ませないことの重要性について、市ホームページやSNS、タウン誌へのチラシの折り込み、広報車によります呼びかけなどによりまして、繰り返し呼びかけをしてまいりました。
御質問の親が感染し育児が困難な状況になった場合などにおきましては、感染者の個々の生活実態に応じまして、保健所と連携し、市としてパルスオキシメーターの貸出しや食料の確保、子供の養育環境の整備などの支援を行ったところでございます。
今後におきましても、市と致しましては、保健所と連携を取りながら感染防止対策を進めるとともに、様々な事情に応じまして、感染者やその家族の支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、最悪の事態の想定についてでございますが、このたびのいわゆる第5波においては、変異株であるデルタ株の影響によりまして、全国的に感染が急速に拡大しております。国によりますと、特に首都圏では感染者数の急速な増加に伴いまして、重症患者も急激に増加し、新規の入院受入れや調整が困難な事例が生じるなど、災害時の状況に近い局面となっていると言われております。
北海道におきましても、札幌市を中心に若い世代で感染者数が増加している一方、本年5月の第4波と比較しまして高齢者の割合が減少しておりまして、江別市におきましても同様の傾向と推測しているところでございます。
これは、市民の皆様や関係団体におけます感染対策の徹底とともに、新型コロナワクチンの接種が進んだことが大きく影響しているものと考えております。
御質問の市として考えている最悪の想定につきましては、変異株いわゆるデルタ株によります影響や自粛疲れによります感染対策への意識の低下などによりまして、感染者が急増することが考えられますが、令和3年5月5日の札幌市長や北海道知事など9団体の長が連名で行いました札幌市医療非常事態宣言では、入院ができず自宅等で待機する患者の方が数多く発生し、入院を待つ間に亡くなる最悪の事態の発生が危惧されるとされておりまして、市と致しましては同様の考えに基づきまして、その状況が最悪の状態であると認識しているところでございます。
次に、仮設病床の設置についてでございますが、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制の確保は、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の関係法令に基づきまして、都道府県が担うこととされております。先ほど御答弁申し上げましたとおり、感染者及び重症患者の急激な増加によりまして医療供給体制の逼迫は、市民の生命や生活に大きな影響を及ぼすものでありまして、非常に重要な課題であると認識しておりますことから、市ではこれまで北海道の要請に応じまして、市立病院での帰国者・接触者外来や発熱外来の設置、陽性患者の受入れに必要な病床整備、またPCR検査センターの運営など、札幌圏の医療供給体制の確保に協力してまいりました。
今後におきましても、市と致しましては、医療供給体制の十分な確保や新型コロナワクチンの安定供給について北海道に要望するとともに、仮設病床の設置等の要請があった場合には、可能な限り協力してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育長ほかをもってお答え申し上げます。
教育長(黒川淳司君)
私から、新型コロナウイルス感染症対策についての御質問のうち、学校に行けない期間の対応について御答弁申し上げます。
児童生徒が新型コロナウイルスに感染した場合は、学校保健安全法等に基づき、治癒するまでの期間、出席停止となります。また、家族の感染等により児童生徒が濃厚接触者となった場合は、保健所の指導により2週間程度の出席停止となることから、このような期間の児童生徒の対応につきましては、各学校において出席停止により学習に遅れが生じないよう、課題プリントの配付や電話による指導などを行っております。また、本年6月からは、GIGAスクール構想の本格運用に併せ、必要な環境が整った家庭から、今後の拡充を視野に入れて、先行的にタブレット端末を活用した健康観察や学習支援の取組を進めているところであります。
いずれに致しましても、新型コロナウイルス感染症の影響があっても、学びを止めないことが重要と考えておりますことから、引き続きプリントの配付やICTを効果的に活用し、児童生徒の学びの保障に努めてまいります。
以上であります。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
私から、外国人技能実習生のワクチン接種についてほか1件の御質問に、御答弁申し上げます。
初めに、外国人技能実習生のワクチン接種に関しまして、ワクチン接種の体制と現状についてでありますが、現在、市内企業では外国人技能実習制度などにより、ベトナムや中国、ミャンマーなどから技能実習生や特定技能者などの外国人を受け入れております。技能実習生など、3か月以上の在留資格が認められる方は、市の住民基本台帳に登録されるため、市民と同じく新型コロナワクチンの接種対象者となります。また、接種に必要なクーポン券につきましては、本年8月3日に外国人技能実習生などを含む全ての接種対象者への送付を完了しております。
御質問の技能実習生などへの接種につきましては、市民と同様に送付した接種クーポン券を使用して、市内医療機関や集団接種会場などでワクチン接種を受けることができるほか、江別工業団地協同組合が江別商工会議所と連携して設置をした職域接種会場でも、技能実習生などを含む会員企業の従業員等がワクチン接種をしていると報告を受けているところでございます。
こうしたことから市と致しましては、職域接種によって希望する技能実習生などのワクチン接種が進んでいるものと考えております。
次に、今後の取組についてでありますが、外国人技能実習生などのワクチン接種につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、市では全ての対象者に接種クーポン券を送付しており、医療機関や集団接種会場などのほか、江別工業団地協同組合が江別商工会議所と連携して設置をしている職域接種会場において、接種機会が確保されております。
なお、ワクチン接種に当たりましては、コミュニケーションなどの不安を解消するため、企業の担当者などが接種会場に同行するなどのサポートが行われていると伺っております。
市と致しましては、今後におきましても江別工業団地協同組合や江別商工会議所等と連携しながら、ワクチンや接種機会を確保し、希望する技能実習生などを含む全ての対象者にワクチン接種を進めてまいりたいと考えております。
次に、ワクチン接種の予約受付体制に関しまして、まずインターネット予約ができない場合の対応についてでありますが、市では本年4月26日に65歳以上の高齢者を対象として、インターネットと電話による予約受付を開始いたしました。
しかしながら、予約電話がつながらない、予約が終了したとの情報が伝わらない、インターネットが利用できないなど、多くの苦情や御意見を頂きました。こうした経過を踏まえ、6月7日からの第二弾の予約におきましては、集団接種会場に青年センターを増設したほか、市内6病院における予約枠の追加、市内クリニックにおける接種開始により接種機会を確保した上で、コールセンターの電話回線を増設し、5歳ごとの年齢区分による予約受付を行ったことによりまして、4月における申込みの混乱は解消できたと認識しております。なお、インターネットに不慣れな高齢者から相談があった場合には、現在、健康福祉部新型コロナウイルス感染症対策室で代行入力による予約受付を行っております。
次に、現在把握している苦情についてでありますが、ワクチン接種に関する苦情につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、4月の予約開始時点では、予約電話がつながらない、予約が終了したとの情報が伝わらない、インターネットが利用できないなど、数多くの苦情や御意見を頂きました。
現在は、副反応や職域接種、大学生や中高生の接種に関する問合せを受けるなど、相談の内容が変わってきていると認識しております。
これらの電話に対し、これまでも個別に状況を聞き取り、改善が必要な事例については、その都度見直しを行い、市民のワクチン接種が円滑に行われるよう努めてきたところでございます。
今後におきましても引き続き、頂いたお問合せや苦情、要望につきまして項目ごとに集約し、各部で共有してまいりたいと考えております。
次に、今後の対応についてでありますが、これまでもインターネットが苦手な方からのお問合せには、相談された方のお話を伺った上、状況に応じた予約方法を説明するほか、市において代行入力による予約対応が可能であることを説明し、希望された場合には代行入力により予約対応してきたところでございます。
今後につきましても、高齢者にとって電話予約は欠かせないものと認識しておりますことから、この考えに沿って電話とインターネットによる予約を継続し、予約でお困りの方から相談を受けた際には、丁寧な聞き取りと説明に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
稲守耕司君
再質問はございませんけれども、要望を述べさせていただきたいと思います。
まず、新型コロナウイルス感染症対策について、1番目、家庭内での感染者に対する対応について要望ですけれども、家庭内で新型コロナウイルスに感染しても近隣に親類がいても看病をお願いすることが難しいというのが、この新型コロナウイルス感染症の症状ですので、今後も、引き続き感染者や家族に対する支援を行っていただきますよう、お願いいたしたいと思います。
学校に行けない期間の対応についてですけれども、学校に行けない期間の対応としてのICTの効果的な活用とありますが、新型コロナウイルス感染症の影響は今後も先の見えない状況にあり、答弁内容にあるようにタブレット端末を活用した健康観察や授業の配信を進めることは学びの保障につながり、大変有意義なことだと言えます。ICTに関しましては新型コロナウイルス感染症に限らず、今後も生かせる場が増えていくと考えますけれども、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、長期の自宅待機が必要な状況になる可能性が起こらないとも限りませんので、学びの不利益を生まないよう対応を要望いたします。
3番目、最悪の事態の想定についてですけれども、札幌市医療非常事態宣言で危惧される内容を市としても同様の認識を持っているとのことでありますが、市内で危惧されるような事態が起きてから対応を行っては遅いと考えますので、他市の事例などを参考にしながら市内での対策に力を入れていただくことを要望させていただきます。
次に、仮設病床につきましても、協力体制の下、医療提供体制の十分な確保などに努めていただき、市民の安心と安全に努めていただきたいと思います。いずれにおきましても、先の見通せない状況の中ではありますが、答弁の中にもありましたように自粛疲れによる気の緩みなどに見られるように、国民全体が疲弊している中でありますので、十分な対策を取っていただけるよう要望させていただきたいと思います。
次に、外国人技能実習生のワクチン接種についてですけれども、外国から仕事で海外にいることだけでも大変な苦労がある中で、新型コロナウイルス感染症は世界的に影響があり、出身国の御家族など遠く離れていることでさらに心配されることが多いことと考えます。市内企業でも江別工業団地協同組合が江別商工会議所と連携して設置した職域接種会場でも、技能実習生などを含む会員企業の従業員等が新型コロナワクチンを接種していると報告を受けていることやワクチン接種に当たっては、コミュニケーションなどの不安を解消するため、企業の担当者などが接種会場に同行するなどのサポートが行われており、ワクチン接種に支障がない対応を取られていることが分かりました。
今後につきましても、技能実習生のワクチン接種について相談があった場合は、受入れ企業と協力しながら、きめ細やかな対応を引き続き、よろしくお願いいたしたいと思います。
最後に、ワクチン接種の予約受付体制に対してですけれども、初期のワクチン接種における混乱も落ち着きを取り戻していることが確認できました。
また、相談の内容が副反応や職域接種、大学生や中高生の接種に関する問合せを受けるなど、相談の内容が変わってきているとのことでした。1回目の質問でも話しましたが、ワクチン接種はブースターなどと言われ、抗体が減少した3度目のワクチンを接種することで抗体が上がると言われていることから、3回目の接種が行われることも考えられますので、現在のワクチン接種からの教訓を生かしていただきたいと思います。インターネットの利用に関してですが、答弁にありましたように相談者のお話を伺った上で、状況に応じた予約方法を説明するとありますので、引き続き進めていただきたいと思います。
ただ、答弁の中で全体を通してですけれども、インターネットに不慣れな方の対象が高齢者に限定されている印象がありましたので、年齢に関係なくインターネットに不慣れな方はいますので、相談を受ける側でもインターネットに不慣れなのは高齢者と固定概念で相談を受けてしまうと同じような苦情が出ることも考えられますので年齢に関係なく、まずは相談内容を聞いていただくことで、質問にあったような苦情を減らすことができると考えます。
今後も丁寧な聞き取りと説明に取り組んでいただきますよう要望をお願いして、一般質問を終わりたいと思います。
議長(宮本忠明君)
以上をもって、稲守議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、換気のため暫時休憩いたします。
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午前10時57分 休憩
午前11時02分 再開
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議長(宮本忠明君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
吉本和子議員の学校における生理の貧困への対応についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
吉本和子君
議長から発言の許可を頂きましたので、通告に従って順次質問をさせていただきます。
初めに、件名1、学校における生理の貧困への対応について、項目1、社会問題化している生理の貧困に対する認識についてお伺いいたします。
貧困と格差の拡大にコロナ禍が加わって、経済的な理由で女性が生理用品を十分買えない問題が表面化し、全国的な社会問題となっています。毎月の生活必需品である生理用品を購入することができずに、交換の回数を控える、トイレットペーパーを代用するなどの実態が報告されています。
同時に、この問題はジェンダー平等の観点からも見なければならないと言われます。生理用品がなければ学校にも行けない、仕事もできない、日常生活ですらまともに営むことができません。女性の生理は人類が子孫を残すための必要不可欠な生理現象にもかかわらず、日本社会にはいまだに、生理は恥ずかしいことという誤った認識が定着しているように思われます。
ジェンダー平等はSDGsの目標5に掲げられていますが、このジェンダー平等を実現するために、女性の生理現象におけるあらゆる負担をみんなで共有し、理解し合い、ともに考えることが必要と考えます。また、生理用品が購入できないということは生活全体が困窮し、困難を抱えているということと受け止め、支援が求められます。今、社会問題化している生理の貧困に対する認識について、お伺いを致します。
次に、件名1の項目2、児童生徒間での生理の貧困に対する課題について、どのようにお考えか、お伺いいたします。
コロナ禍における失業、収入の減少、また保護者による養育の放棄、配偶者等からのDVなどの事情から生理用品の購入が困難になるといった状況が広がり、そのことが子供の間にも生理の貧困として広がっています。
生理用品は健康な生活を送るための必需品であるにもかかわらず、不衛生な状態に置かれ、経血で服や椅子を汚すことが心配で登校できなくなる児童生徒がいると言われています。児童生徒が安心して通学でき、健康で衛生的な学校生活を送れるように、学校においても必要なとき、必要な分の生理用品を使えることが求められます。
ほとんどの学校は保健室に生理用品を置き、必要になった児童生徒がそこで返却することを前提に借りて使用する、あるいは返却不要で使用するということが一般的とのことですが、当市の場合はいかがでしょうか。保健室で借りるということが、毎月だと行きづらくなる、保健室にほかの生徒がいれば恥ずかしくて言えない、返しに行く惨めさがあるなど子供の自尊心を傷つけることになるのでは、また、家庭の状況を知られることの拒否感などから、むしろ足を遠のかせるという指摘もあります。このように子供たちは生理用品が足りないという非常にデリケートなことを抱え、悩んでいることが分かります。
学校における児童生徒間での生理の貧困に対する課題についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
次に件名1、項目3、学校のトイレに生理用品を常備することについて、お考えをお伺いいたします。
学校において、必要な生理用品を入手することは児童生徒一人一人の尊厳を保ち、教育機会を保障するために重要な課題と言えます。学校のトイレに生理用品を無償設置することで、生理用品を入手することが困難な児童生徒も手に入れることができますし、生理がある人のプライバシーを確保することにもつながります。また、経血が漏れたり急な生理への対処が必要になったとき、トイレに生理用品があることですぐに手当てができ、安心して学校生活を送れます。トイレにトイレットペーパーがあるように生理用品も無償設置を、の運動が今、全国的にも広がっていると言われています。
江別市内の小・中学校のトイレに生理用品を常備することについて、どのようにお考えか、お伺いいたします。
次に件名2、子供の人権の視点で校則を見直すことについて、項目1、全国的に校則の見直しが進められていることに対する認識についてお伺いを致します。
2017年9月、大阪府立高校で頭髪の黒染めを強要され深刻な被害にあった女子高校生が裁判を起こしたということが社会に大きな波紋を広げ、その後いわゆるブラック校則とやゆされるような実態が報道機関によって次々取り上げられました。そもそも校則とは、学校が教育目標を達成するために必要なものであり、合理的な範囲において定められるものとされ、一方ブラック校則と呼ばれる不適切な校則の多くは合理的な説明ができないであろうルールで定められているものと言えます。その後、民間団体によるブラック校則なくそうプロジェクトが立ち上がり、ツイッター上で地毛が茶色いのに黒染めの強要をされた、あるいは下着の色を白と決められチェックされるなど、校則への訴えが増え、大阪府立高校の事件は氷山の一角であり、水面下では中高生の不満が蓄積していたということが分かると言われてきました。
このように、頭髪や下着の色の規制などプライバシーや人権に関わる不合理な校則が問題化する中、文部科学省は社会の常識、時代の進展などに応じて絶えず校則の見直しをするよう求める通知をし、各地の改善事例なども併せて紹介しています。
全国的に校則見直しが進められていることに対し、どのような認識をお持ちかお伺いいたします。
件名2、項目の2市内公立小・中学校における校則の課題について、どのようにお考えかお伺いいたします。
2020年3月、日本共産党都議会議員が東京都議会で髪型のツーブロック禁止校則を取り上げ、禁止の理由を質問した動画の再生回数が650万回を越えたとのこと。この動画を見た市内の中学生の保護者の方から、うちの中学校もツーブロック禁止だけど理由はやっぱり事故に巻き込まれないためなのかとメールを頂きました。650万回の再生回数は、全国の中高生や保護者等の強い共感があったのだろうと想像できますし、江別市の中学生の保護者の共感も呼んだと思われます。校則は教育活動の一つでありながら、子供の人権問題に直結していると言われます。例えば、子供の髪型や服装などのライフスタイルを規制する場合、ライフスタイルはその人の基本的人権なので人権に抵触することになります。その人のライフスタイルはその人のもので、本来は自由の領域。それなのに頭髪や服装など細かく決められ、そのとおりにしているかどうかを点検される。ライフスタイルへの執拗な点検はその人を人間としておとしめ傷つける、このような指摘もされています。
そして今、全国的に実際に多くの子供たちの髪型や服装の校則に対する切実な訴えが聞かれています。子供の人権を守るという見地でこの問題を考えることが必要と考えます。このような中で、市内の公立小・中学校における校則の課題については、どのようにお考えかお伺いを致します。
件名の2、項目の3、市内公立小・中学校の校則を見直すことについて、どのようにお考えかお伺いを致します。
校則問題を考える上で重要な点は、校則の内容が日本国憲法や子どもの権利条約からみてどうかという点だと言われています。日本国憲法第13条(個人の尊厳、幸福追求権)には頭髪や服装、身じまいなどのライフスタイルを自ら決めていく自己決定権が含まれ、当然子供たちにも適用されているとのこと。また、子どもの権利条約は第13条の表現の自由、第14条は思想、良心、宗教の自由、第15条は結社、集会の自由、そして第16条は私生活の自由など大人が享受している自由と同じ自由を子供の権利として規定しています。こうしたことから、子供の頭髪や服装の自由は日本国憲法や子どもの権利条約によって保護されている子供の基本的人権に属すると言われます。一方、校則は教育活動であることから、その見直しには児童生徒、保護者、教職員、地域住民等による丁寧な議論と、そして納得と合意形成が必要だと言われています。
社会全体に多様な個性を尊重する流れが今、増している中で校則の見直しをすることについてどのようにお考えかお伺いを致します。
次に件名3、コロナ禍における大学生等への支援について、項目1、大学生等の生活困窮に対する認識についてお伺いを致します。
長期化するコロナ危機の中で、営業自粛による中小業者の経営危機や労働者の解雇などが広がり、専門家からは戦後最悪の不況だとの指摘も聞かれます。収入が減ったことから1日1食に切り詰めるなど、食べたくても食べられない人たちが増え続けていると報道され、命が守られない深刻な事態が各地で起きていると感じます。
今、全国で取り組まれている食料支援の取組であるフードバンクでは、そんな方々に食料を配布し、とても喜ばれているということです。この取組は、江別市内では大学生等に対し、若者中心の団体も含む複数の市民の団体が実施をし、食料品といった物資等の調達や提供依頼、収集から配布のほか、生活の困り事などの相談を受けているとのことです。
少なくない大学生等は、アルバイトで家賃や生活費を賄っていると言われ、もともと厳しい経済状況にアルバイトがなくなることで、初めに食費を削らざるを得なくなるといいます。コロナ禍はマスクや消毒液の購入費用といった特別の負担を負わせた上、学業と生活両方に深刻な影響を与えることから、この間、国は学生支援緊急給付金の支給や授業料等の減免などを実施しています。同じく江別市も市独自の給付金の上乗せ支給なども実施していますが、一時的な対策で終わってしまっています。
昨年8月に、江別市での若者中心の団体が行った食料支援、フードバンクでの新型コロナ青年実態調査では、アルバイトができなくなり、親からの仕送りもないので二、三日飯抜きも普通だったという声があったと聞いておりましたが、今年行ったフードバンクでも1日2食しか食事が取れないという声があったとのこと。いまだに少なくない大学生等が日々の食事もままならない状況にあるのではと危惧するものです。
コロナ禍の下、大学生等の生活困窮についてどのような認識をお持ちかお伺いを致します。
件名3、項目2、大学等と協力して生活実態調査を実施することについて、お考えをお伺いいたします。
食料支援を知り、その場に食料を受け取りに来る大学生等は全体からみれば、ごく一部といえ、その場でのアンケートなどの声も全体を反映しているとは言えません。コロナ禍の下で、少なくない大学生等はアルバイトが減る、なくなる、親の収入が減り仕送りが減る、なくなるなどの経済的な困難、オンライン授業が大変、学業の日程が中止になる、あるいは延期になるなど、学業への困難、マスクや感染対策がつらい、友達ができない、就職が決まらないなど社会的、精神的な困難を抱えていると指摘されています。
これらの困難を軽減させ、大学生等が学業に専念できる環境を整えることは、自治体の役割の一つと考えます。当市において、大学生等にコロナ禍がどのような困難を与えているのか、この間の国や市の公的支援制度の活用状況も含め、生活実態を把握することが必要と考えます。大学等と協力し、広く大学生の生活実態調査を実施することについて、お考えをお伺いいたします。
件名3、項目3、民間団体等が実施している食料支援事業への公的支援についてお考えをお伺いいたします。全国的に行われている大学生等への食料支援であるフードバンクの主催者からは、コロナ禍が長期化し事業の回数を重ねるごとに学生からの声が深刻化していると聞きました。先ほど申し上げましたように、少なくない大学生は食事の回数を減らさざるを得ない状況にあると言えます。二、三日に1回の食事から1日1食、1日2食になったとしても、1日3食の食事が取れないという深刻な状況にあることには変わりありません。当市で若者中心に行われている若者中心の団体が行っている食料支援であるフードバンク事業の財源は全てカンパで賄われているとのこと。カンパや物資提供を呼びかけるビラを地域に配布し、様々な民間団体等へも協力を求めているとのことですが、徐々に、食料等の確保が厳しくなってきていると聞いております。
そもそも、食料支援であるフードバンク事業は、食品企業や小売業、農家や市民からの寄附に頼っている活動ですが、アメリカ合衆国やフランスと違い、公的支援がないのは日本だけだということです。例えば、アメリカ合衆国は昨年、余剰になった農畜産物を買い上げて、生活困窮者への食料支援に提供し、今年も食料配布補助など支援政策を強化していると聞いています。日本では、農林水産省が食育の範囲で政府備蓄米を子供食堂に無償提供しているとのことですが、微々たる量に限られ、コロナ禍で苦しむ多くの人々を救済することにはなっていないということです。
本来、国の責任で行き場を失った米をはじめ、農産物を困窮する国民に提供する食料支援政策を実施することを国に対して強く求めるべきです。国が実施するまでの間、実施団体に市としての様々な公的支援を行い、困窮する大学生等への食料支援事業を支えることが必要と考えますが、いかがかお考えをお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
議長(宮本忠明君)
吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
吉本議員の一般質問にお答え申し上げます。
学校におけます生理の貧困の対応に関しまして、まず社会問題化している生理の貧困に対する認識についてでございますが、生理の貧困とは、経済的な理由などで、生理用品を十分に購入できない状況を指しまして、コロナ禍が長引きまして、経済的に困窮する女性が増えたことにより、顕在化した問題でございます。6月に国が示しました女性活躍・男女共同参画の重点方針2021では、女性に向けたコロナ対策の一つとしまして生理の貧困への支援を掲げております。
また、経済的な側面以外にも、体調不良で仕事ができない、ネグレクトにより生理用品を手にすることができず子供が学校に行けないなど、ジェンダー平等の視点からも女性が活躍する上で、様々な支障を来していることから、市と致しましても、江別市男女共同参画を推進する条例の前文に掲げる、性別による不平等をなくし自分の能力を発揮し、自分らしく生きることのできる社会の実現を目指す上で解決しなければならない課題であると認識をしております。
次に、コロナ禍におけます大学生等への支援に関しまして、まず大学生等の生活困窮に対する認識についてでございますが、昨年2月に北海道における新型コロナウイルス緊急事態宣言が発出されてから、人々は今までに経験をしたことのない生活を強いられ、大学生においても家庭から自立してアルバイト等で学費を賄っている学生などは、就学継続が難しい状況に陥ったものと認識をしております。
このような状況を受けまして、国では授業料の減免や給付型奨学金の支給範囲を拡充し、大学におきましては、授業料減免、延納、分納やオンライン授業に必要な通信用設備に要する費用を支給するなど、大学生が就学を継続できるための支援が行われてきたところでございます。市におきましては、独自の施策としまして、困窮学生に対しまして5万円を支給する江別市学生臨時特別給付金や大学生のアルバイト雇用の場を広げるために学生アルバイトを雇用した事業所や農業者に給付金を支給する江別市大学生アルバイト新規雇用事業者給付金や江別市学生アルバイト雇用農業者給付金などの事業を行い、大学生への支援を行ったところでございます。その後も市におきましては緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が発出され、大学からは今年度においても、国における給付型奨学金や授業料等減免の制度を利用する学生が2割弱いると伺っており、一部の学生においては依然、厳しい学生生活を強いられているものと考えております。
次に、民間団体等が実施している食料支援事業への公的支援についてでございますが、現在、市内においては、民間団体や一部の大学が、大学構内や大麻地区に所在する施設を活用し、大学生等に対して食料等の支援を行っているところでございます。
生活困窮している大学生に対しまして、食料の支援を行うことは、就学継続を支援するための一つの方策として有効であると考えておりますが、大学生からは食料支援を必要とする一方で必要としない方、いずれの意見があるとも大学側から伺っているところでございます。
市におきましては、これまで協力要請があった際には食料支援事業に賛同する企業の紹介や、防災備蓄用食料の提供を行ったこともありまして、今後も学生の生活実態につきまして把握した上で、必要に応じ、その対応について、大学側と相談をしてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育長ほかをもってお答え申し上げます。
教育長(黒川淳司君)
私から、学校における生理の貧困への対応についての御質問に関しまして、2点御答弁申し上げます。
初めに、児童生徒間での生理の貧困に関する課題についてでありますが、市内の小・中学校では、養護教諭が児童生徒との面談を通じて、心身の健康状態や家庭環境などの課題を把握することが極めて重要と考えておりますことから、保健室に生理用品を常備し、必要とする児童生徒に直接渡し、併せて個々の状況に応じ、保健教育や健康相談を行っております。また、多くの学校において渡した生理用品については、返却を要しないこととしております。教育委員会と致しましては、このような対応を行う中で、児童生徒が相談しやすい環境づくりに努めるとともに、学校が養護教諭や学級担任による聞き取り等で、保健室に来ることができない児童生徒の状況についても把握する必要があると考えております。
次に、学校のトイレに生理用品を常備することについてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、児童生徒への保健教育や健康相談の機会を確保するためには、保健室に生理用品を常備し、養護教諭から直接渡すことが有効であると考えております。御質問の学校のトイレに生理用品を常備することにつきましては、児童生徒が必要なときに利用することができる一方、養護教諭が児童生徒との面談を通じて、心身の健康状態や家庭環境などの課題を把握する機会を失うことも懸念されます。このため、教育委員会と致しましては、児童生徒が相談しやすい環境づくりに努め、生理用品は保健室に常備して、引き続き養護教諭から直接渡してまいりたいと考えております。
次に、子供の人権の視点で校則を見直すことについて御答弁申し上げます。
初めに、全国的に校則の見直しが進められていることに対する認識についてでありますが、校則は集団生活の場である学校において、児童生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針となるほか、社会規範の遵守について適切な指導を行うことによる教育的意義を有するものであり、必要かつ合理的な範囲内において校長が定めるものとされております。
本年6月、文部科学省は校則の見直し等に関する取組事例についての通知の中で、校則の内容は児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければならないとしたところであります。
教育委員会と致しましては、児童生徒に対して社会規範の指導等を行うことは極めて重要なことであり、特に中学校においては、校則が持つ教育的意義は大きいものと考えておりますことから、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に合わせて、校則の見直しを行うことは必要であるものと認識しております。
次に、市内公立小・中学校における校則の課題についてでありますが、市内小・中学校においては、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内において、校則を運用しており、また、その内容や必要性については、児童生徒や保護者と共通理解を持つことができるよう努めております。
文部科学省の通知を受け、改めて確認をしたところ、下着や頭髪の色まで細かく定めるような内容はなかったことから、教育委員会と致しましては、各小・中学校の校則は学校の実情に応じて、おおむね適切に運用されているものと認識しております。
今後におきましても、校則が地域の状況や社会常識、時代の進展などを踏まえたものになるよう、必要に応じて見直しを行っていくことが課題であると考えております。
次に、市内公立小・中学校の校則を見直すことについてでありますが、校則は学校教育において社会規範の遵守に関する指導を行うための極めて重要な意義を有しているものであると考えております。これまで、市内の小・中学校においては、国や北海道教育委員会からの通知を受けて、各校を取り巻く環境の変化に応じた見直しを行ってきているところであります。また、見直しに当たっては北海道教育委員会の通知において、児童生徒が話し合う機会を設けたり、保護者から意見を聴取したりするなど児童生徒や保護者が参加した上で決定することが望ましいとされており、市内においてもアンケートを実施する学校も出てきております。近年、様々な場面において多様な個性の尊重が求められる中、教育委員会と致しましては、北海道教育委員会の通知を参考にするとともに、児童生徒の人権に配慮しながら、継続的に校則の見直しを行うことが必要であると考えております。
以上であります。
企画政策部長(川上誠一君)
私から、コロナ禍における大学生等への支援についてのうち、大学等と協力して生活実態調査を実施することについて御答弁申し上げます。
各大学におきましては、国や大学が実施する経済支援制度等の紹介や募集を行う中で、個別に学生の実態を把握しているところであります。
また、学生に対する個別の相談窓口を設けたり、学内ポータル等を活用することで、積極的に情報配信を行い、さらに学生からの意見も容易に入手可能となったことから、経済的な面だけではなく、学生生活の多方面にわたり個人の状況に寄り添った対応を取っております。市におきましては、各大学と連絡を取り合う中で学生の生活実態について報告を受けているところであり、その中では健康面や精神面に関することのほか、制約のある現在の対面授業、実習、クラブ活動、サークル活動に関することなどに多くの意見が寄せられていると伺っております。
今後におきましても、各大学との情報連携を密に図り、学生の生活実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
吉本和子君
2回目の質問と併せて要望もさせていただきます。
件名ごとに質問をさせていただきます。
件名1、学校における生理の貧困への対応についてですけれども、項目2の児童生徒間での生理の貧困に関する課題についてでは、要望として申し上げさせていただきたいと思います。御答弁では、保健室に生理用品を常備して、必要とする児童生徒に直接渡して、健康相談や保健教育を行う機会にしているとお伺いを致しました。生理用品が有償か無償か気になっているところでしたけれども、ほぼ無償であるということで、この点についても確認をさせていただきました。さらに御答弁では、保健室に来ることができない児童生徒の状況把握についても御答弁の中で触れておられましたので、潜在化している生理の貧困という問題についても課題として捉えていらっしゃって対応を検討されておられるのだと理解を致しました。保健室で生理用品を渡すという養護教諭の方々が本当に大変な努力をされて色々な実態把握をされたり、御相談に乗っているということは、かねてから伺っておりますけれども、御答弁にあったように来られない子供たちも実際にはいるという辺りでは、そういう子供たちへの対応をこれからも進めていただきたいと要望として申し上げさせていただきます。
同じく生理の貧困に関してですけれども、項目3、学校のトイレに生理用品を常備することについては、2回目の質問をさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げましたように、保健室に置いておくことの効果というのは十分に理解を致します。そういう機会をつくることは非常に大事であるということもよく分かりますけれども、来られない子供もいるということから考えますと、そういう子供たちがどういうふうにしたら、必要な生理用品を手に入れることができるのか、学校のどこに置けば、入手することができるのかを考えますと、保健室に来られないということであれば、やはりトイレに常備することが一番有効な手だてではないのかと考えますけれども、再度お考えをお伺いしたいと思います。
教育長(黒川淳司君)
吉本議員の再質問に御答弁を申し上げます。
学校のトイレに生理用品を常備することについてでありますが、市内の小・中学校では、児童生徒への保健教育や健康相談の機会を確保するため、生理用品は保健室に常備し、養護教諭から直接渡すことが重要と考えております。養護教諭が児童生徒と面談を行う際には、心身の健康状態や家庭環境などの課題を把握し、安心して学校生活を送ることができるよう生理用品に限らず、様々な悩みの解消に向けた支援につなげてまいりたいと考えております。
以上であります。
吉本和子君
その点については、十分理解するところです。全国的な調査でも、保健室に置いている割合が高いという調査結果も聞いております。ただ、私はトイレに生理用品を置くことは、貧困対策だけではなくジェンダーフリーや子供たちの人権を守るという視点からも、意味のあることではないのかと思っております。トイレに生理用品を常備するということの目的や効果、それを含めて御検討していただければと要望しておきたいと思います。
続いて、件名2で要望を1件申し上げさせていただきたいと思います。校則の関係です。項目3の市立公立小・中学校の校則を見直すことについてですけれども、御答弁では、かなり子供たちの意見を集めたり、保護者の御意見のほか、聞くところによると地域住民の御意見を伺っている学校もあるように聞いておりますし、既に生徒会などで校則について話し合ったりして、学校と交渉したというところも子供たちから聞いたこともありますので、実態は北海道教育委員会や国からの通知を受けてということもあるのでしょうけれども、早くに手だてを取っているとお聞きを致しました。多様な個性が尊重されるというふうに、先ほど社会規範を守るということがありましたけれども、社会規範も時代の流れで随分と変わっていくということもありますので、その点も含めて校則の見直しをしていただきたいと思っておりますので、要望とさせていただきます。
続きまして、件名3、コロナ禍における大学生等への支援について、2件の再質問をさせていただきたいと思います。
最初は、項目2、大学等と協力して生活実態調査を実施することについて、もう一度お伺いさせていただきたいと思います。大学が多くの学生へ必要な情報配信など、本当に努力されていらっしゃることは、委員会等でもお聞きしておりますので、十分に理解をしていることを前提にもう一度お聞きしたいと思います。コロナ禍が続く中で、国や大学の学生への支援、江別市の支援などというのも、一時的なところで終わっているのではないのかという気が致しますし、仮にそれがあったとしても、フードバンクでの声を間接的に伺うところでは、やはり厳しい生活が続いているという実態ではないかと理解を致しましたので、今回このような質問をさせていただいておりますけれども、こういうような制度を使ってもなお、学生の生活がどのような状況なのかという辺りは、もう一度生活実態調査というのが必要ではないのかと考えるのですけれども、その点いかがか再度お伺いしたいと思います。
企画政策部長(川上誠一君)
学生の生活実態調査の必要性についての再質問に御答弁申し上げます。
これまでも、学生の生活実態につきましては、各大学と情報連携を密に図る中で、経済面に限らず広く学生生活全般について、情報を得ているところであります。大学におきましては、コロナ禍に対応するため専用の学生相談窓口を開設したほか、既存の相談窓口において専任スタッフの増員やオンラインでの対応も可能とするなど、学生へのケアも行いながら、個別の意見も伺っております。
市におきましても、約1,000人の大学生に対して江別市学生臨時特別給付金を支給した際、支給前後の学生の実態について、実際に申請のあった学生から話を伺ったほか、大学から報告も受けていたところであります。
いずれに致しましても、市と大学が連携していくことは重要であると考えていることから、その連携の中で、実施された支援制度の成果や活用実績等も含め、学生の生活実態の把握に努めてまいります。
以上であります。
吉本和子君
市としての引き続きの実態調査をしてまいりたいということでしたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。それでは続いて、同じく大学生等への支援について、項目3です。民間団体等が実施している食料支援事業への公的支援について、もう一度お伺いをさせていただきたいと思います。
御答弁でも触れておられましたけれども、食料支援事業は就学継続を支援するために重要な方策だとお考えになっていらっしゃるとお聞きを致しました。本当にそうだと思います。本来の学業を継続できるということが大学生にとっては本当に大事なことだと思っております。国の食料支援の考え方を批判させていただきましたけれども、江別市としてはどう考えるかということがやはり問われると思います。具体的に企業への紹介や防災備蓄の食料の提供といった具体的なことをお伺いいたしましたけれども、このような支援というのは、今、実際に市内で食料支援事業を実施している民間の団体ですけれども、そういうような団体も含めて広く対応していくというお考えなのかどうか、その辺について少し伺っておきたいと思います。
市長(三好 昇君)
民間団体等が実施している食料支援事業への市の支援についての再質問でございますが、賛同企業の紹介と防災備蓄用品の提供のうち賛同企業の紹介につきましては、企業の現況等もございますので全てが紹介できるわけではないと思いますが、可能な限り協力をしてまいりたいと考えております。
もう一方の、市の防災備蓄用の食料につきましては、防災訓練等を通じまして提供しているところでございまして、対応可能なものにつきましては、適宜、協力してまいりたいと考えております。
いずれに致しましても、市におきましては学生の生活実態、大学の方から様々な形で報告を受けておりますので、その実態を把握した上で、必要に応じ、対応について引き続き検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
吉本和子君
この件に関して、食料支援事業への公的支援について、最後は要望とさせていただきたいと思います。御答弁とてもうれしく受け止めました。公的支援の一つだと受け止めております。もう一つは、学生の生活実態の把握についてですが、大学等でかなり詳細な実態把握をされていることは、よく理解を致しました。ただ、実際に食料支援事業などを行っているフードバンクや食料支援を行っている会場での学生の生の声というのも生活実態を把握している重要なことかと思いますので、ぜひこのようなことを実施している民間団体とも連携して実態把握の一助とすることができればと思っておりますので、ぜひこの点について要望させていただきたいと思います。
以上で終わります。
議長(宮本忠明君)
以上をもって、吉本議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午前11時49分 休憩
午後 1時00分 再開
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副議長(島田泰美君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
鈴木誠議員の江別市立病院経営再建計画についてほか1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
鈴木 誠君
ただいま議長の許可を頂きましたので、通告に基づき順次質問してまいります。
第1点目と致しまして、江別市立病院経営再建計画についてであります。
1項目め、市民説明会の評価と今後の開催についてであります。去る7月20日市民会館大ホールにおいて開催されました市民説明会は、37名の市民の方の参加により開催され、市長、病院長、江別市立病院経営評価委員会委員長の3名が江別市立病院経営再建計画の説明と意見交換がされたところであります。私も参加いたしましたが、感想としまして市民からの質問に対して明確な答弁がなく、消化不良に終始したと思うところであります。
質問の第1点目、江別市立病院経営評価委員会委員長が進行役、座長を務めておられました。経営再建に係る質疑にも江別市立病院経営評価委員会委員長、自らが答弁することは本来の役割と違和感を持つものであります。江別市立病院経営評価委員会委員長は、江別市立病院経営評価委員会を統括することが役割であり、市民との意見交換に答弁することは無理があるのでないかと思うところです。一体どのような役割分担で市民説明会を運営したのか、お答えをお願いします。
質問の第2点目、本来市長が答弁するところまで江別市立病院経営評価委員会委員長が答弁したことに対して、会場からも異論が出ておりました。経営責任者である市長自らが答弁することにより市民の理解をより深めることができるのではと思うところです。今回開催されました市民説明会をどのように評価されているのかを答弁願いたいと思います。
質問の第3点目、今後とも継続して市民説明会を開催し、市民との意見交換を継続すべきと考えますが、市民説明会の開催について、答弁をお願いいたします。
次に、第2項目め、新型コロナウイルス感染症に係る医業収益についてであります。令和2年度決算概要では、診療収入実績額44億6,208万円、月平均では約3億7,000万円となります。このうち、新型コロナウイルス感染症に係る国及び北海道からの補助金、交付金として、収益的収入で約2億1,800万円、資本的収入として約1億500万円、計3億2,000万円程度となります。収入額からの比較で見ますと7.2%ぐらいの収入となっております。簡単に言うと、1か月程度の診療収入に匹敵する額となっているところであります。
質問の第1点目であります。新型コロナウイルス感染症関係に係る国及び北海道からの補助金、交付金の内訳について答弁願います。新型コロナウイルス感染拡大による診療抑制、収入減となるのか、別な角度から見ると新型コロナウイルス感染症に係る補助金交付金により収入不足の補塡がされたことになると思うが、どのように評価されているのか伺います。
質問の第2点目、令和3年度では新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関、協力医療機関として、PCR検査の受託、ベッド8床の確保を含めて種々の医療体制を整備しておりますが、収入見込額は幾らになるのかお答え願います。
質問の第3点目め、令和3年度も新型コロナウイルス感染症による影響により収支不足が発生した場合には、特別減収対策企業債が適用されるのかを御答弁願います。
次に、第3項目、資金不足比率についてであります。令和2年度決算では、資金不足比率なしとされております。監査委員による審査を経て今定例会初日に報告されたところであります。内容を見ると特別減収対策企業債である6億750万円を借りることにより、なしとのことであります。特別減収対策企業債6億750万円がなかった場合は7.5%となるとのことであります。
質問の第1点目、令和2年度資金不足比率なしは、実際は特別減収対策企業債6億750万円により、なしとの結果であり、資金不足ではないとの報告でありますが、その実態を丁寧に説明する必要があるのではないかと思いますが、御見解を答弁願います。
質問第2点目、特別減収対策企業債6億750万円がなければ、資金不足比率は7.5%となり経営健全化基準の20%を下回っているものの健全財政とは言い難い状態であります。令和元年度は13億円の一般会計貸付金が入り、資金不足比率0.6%であり、これがなければ本来27.5%の資金不足比率となります。一層収支は厳しい状況と思うところでございますが、これに対してどのような見解をお持ちかお答え願います。
質問の第3点目、特別減収対策企業債6億750万円は、あくまで新たな借金であり、今後の資金収支に大きく影響されることとなります。一般会計長期貸付金を含めた償還計画はどのようになっているのか、さらにその償還の実現性について答弁をお願いします。
第2点目として、アイヌ施策推進地域計画の策定についてであります。
アイヌ施策推進地域計画については、令和元年9月定例会そして令和2年3月定例会において一般質問いたしました。2年を経過して検討状況について再度質問いたします。令和3年6月19日に対雁墓苑にて第42回樺太移住殉難者墓前祭が開催されました。対雁墓苑内の対雁の碑前において、約15名の皆さんが参加されました。この中で樺太アイヌ協会会長が強制移住の歴史、坊主山遺跡、旧対雁墓苑周辺から発掘された遺骨返還の問題、苦難の歴史、この地に立札なりができて、こうした歴史を多くの人に知ってもらいたいとの思いを話されておりました。
今年度はコロナ禍であることから参加者は少ない状況でしたが、42回に渡り樺太移住殉難者墓前祭が開催され江別市も会場設営などに御尽力いただき、市長からのお言葉を健康福祉部長が代読されております。関係者の皆さんは江別市の対応に大変感謝されているところでございます。
質問の第1点目として、江別市におけるアイヌ施策推進地域計画策定の検討状況について、この2年間どのように検討してきたのか。現在、副読本の作成、奨学金制度などを実施していると思いますが、策定の見通しについて答弁を求めたいと思います。
質問の第2点目、過去の一般質問ではアイヌ協会・樺太アイヌ協会との協議を進めるとの答弁でしたが、この間どのような検討協議をされてきたのか、お答えをお願いいたします。
質問の第3点目、令和3年度樺太移住殉難者墓前祭は、新型コロナウイルス感染症防止の観点から関係者のみの参加となり挙行されましたが、来年度以降市長自らが出席いただき、アイヌ施策推進地域計画策定の決意を表明することを含めて苦難の歴史を市民と共有することはできないのか、市長の思いを明確にお答えをお願いしたいと思います。
以上で、1回目の質問を終わりたいと思います。
副議長(島田泰美君)
鈴木議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
鈴木議員の一般質問にお答え申し上げます。
江別市立病院経営再建計画に関しまして、市民説明会の評価と今後の開催についてのうち、市民説明会におけます役割分担についてでございますが、市民説明会につきましては当初、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申の内容を説明する場としまして、令和2年10月に開催する予定でありましたが、出席を予定していた委員の日程調整がつかず、やむを得ず、延期していたところでございます。
その後、本年3月には、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申や市民からのパブリックコメントなどを基に江別市立病院経営再建計画を策定しましたが、新型コロナウイルス感染症が拡大する状況が続いたため、市民説明会の開催を見合わせていたところでございます。そのようなところ、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の委員長でもありました江別市立病院経営評価委員会の委員長からは、市民に対して、経営再建の方向性や進捗状況などについて、丁寧に説明する場を設けたいとの申出を頂いたところでございます。市と致しましても、市立病院が、地域医療の中核を担う医療機関として、地域医療を守りつつ、経営再建をどのように進めていくかを市民と共有する場を設けたいとの考え方の下、7月20日に市民説明会の開催に至ったものでございます。
御質問の市民説明会の意見交換におけます役割分担につきましては、江別市立病院経営評価委員会の委員長から座長としての役割を担いたいとの申出を頂きまして、江別市立病院経営評価委員会としての考え方は座長が、経営再建についての御意見、御質問につきましては、市長もしくは病院長がお答えする予定でございました。市民説明会では冒頭、経営再建の方向性についての説明の後、意見交換をさせていただきましたが、質疑が幅広い内容にわたったため、座長であります江別市立病院経営評価委員会の委員長が、市立病院の未来に向けた実りある論議にしたいとの思いから、開催趣旨の説明に時間を長く費やす結果となったものと理解をしております。
また、座長からは、市立病院の経営再建に向けた熱い思いが述べられた場面も数多くあったものと考えております。
市立病院と致しましては、経営再建の方向性を市民とともに共有することを目的としまして、市民説明会を開催したところでございますが、開催の趣旨と異なる方向で論議が進んだため、参加していただいた市民の皆様と経営再建の方向性を十分に論議することができなかったことは、結果としまして大変残念でございまして、座長を務めていただいた江別市立病院経営評価委員会の委員長の経営再建に対する思いも、限られた時間では、参加者全員に十分に伝わらなかったのではないかと考えているところでございます。
次に、市民説明会の評価についてでございますが、市民説明会につきましては、江別市立病院経営評価委員会の委員長の思いも含めまして、市民との対話を通じて、経営再建の方向性を共有することを目的としまして開催したものでございます。いわゆる3密を避け、ソーシャルディスタンスを確保するなど、新型コロナウイルス感染症対策を行う中での開催となりまして、多くの市民の方々に参加いただくことが難しい状況であったものの、参加していただいた市民の皆様からは、短い時間ではありましたが、たくさんの貴重な御意見や、厳しい御指摘を頂いたものと考えております。
しかしながら、未来に向かって経営再建の方向性を共有するという市民説明会の本来の趣旨に基づきましては、コロナ禍において十分な時間が確保できなかったこともあり、多くの参加者の御理解を頂いた上での説明会とならなかったことは、誠に申し訳なく思っております。
市と致しましては、今回の市民説明会の結果を踏まえまして今後、経営再建の方向性をテーマとした市民説明の場を設ける際には、多くの市民の皆様が論議に参加できるよう、あらかじめ開催の意義や目的を十分にお伝えする手法などにつきまして、江別市立病院経営評価委員会や市立病院とも相談をしながら、十分に検討してまいりたいと考えております。
次に、今後の市民説明会の開催についてでございますが、市内におきましては、新型コロナウイルス感染症が蔓延する状況が続いておりますことから、新たな形での意見交換の手法を検討する必要があるものと考えております。市立病院としましては、必要な情報を継続的に提供し、市民の理解と協力を得ていくことが必要であると考えておりますことから、こうした状況の下においては、対面型によらない形での市の広報誌やホームページといった様々な手法を用いまして、定期的に経営再建の進捗状況をお知らせするなど、これまで以上に分かりやすく丁寧な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
また、新たな取組としまして、経営再建に関する御意見を頂くための専用の窓口を新設し、頂いた御意見に対して個別に回答するとともに、頂いた提言は、江別市立病院経営健全化評価委員会に報告し、速やかに経営再建に反映させるなど、その取組を随時、公表してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質疑につきましては、病院事務長ほかをもってお答え申し上げます。
病院事務長(白石陽一郎君)
私からは、江別市立病院経営再建計画についての御質問うち、新型コロナウイルス感染症に係る医業収益についてほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、新型コロナウイルス感染症に係る医業収益についてでありますが、新型コロナウイルス感染症関係に係る補助金の内訳につきましては、令和2年度は厚生労働省の補助金3事業と北海道の補助金6事業で約2億1,000万円、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金による一般会計からの繰入金として約1億2,000万円を計上しております。これら補助金等につきましては、その目的により様々なメニューが用意されており、具体的には感染防止対策に係る資機材や医療機器の購入、設備改修、患者対応に係る人件費など、目的に応じて申請し交付を受けたところであります。補助金等の趣旨としては、未知の感染症の蔓延という緊急事態の下でも、必要な医療提供体制を維持できるよう交付されるものであり、市立病院と致しましては、補助金等の活用により帰国者・接触者外来の設置や陽性患者受入れに必要な病床整備などに速やかに対応することで、地域の公立病院としての役割を果たすことができたものと考えております。
次に、令和3年度の新型コロナウイルス感染症に関連する補助金、交付金の額についてでありますが、市立病院は令和3年4月から重点医療機関としての指定を受けたところであり、陽性患者の病床数を拡大したほか、新たな検査機器を整備するなど、機能強化を図るため本年度も国及び北海道の補助事業を活用することとしており、その額は10億円程度になるものと想定しております。市立病院と致しましては、こうした補助金を活用しながらコロナ禍においても、市立病院に対する市民の期待や信頼に応えられるよう努力してまいります。
次に、令和3年度の特別減収対策企業債の適用についてでありますが、特別減収対策企業債は令和2年度に創設された国の制度であり、新型コロナウイルス感染症の影響により、公営企業において大幅な収入減が発生していることから、その資金繰りを円滑にするために講じられた資金手当措置であります。令和3年度の総務省告示の地方債同意等基準においても、資金不足が発生または拡大する公営企業は特別減収対策企業債を発行できるとされており、令和2年度と同様の取扱いとなっております。今後の活用については、現時点では想定しておりませんが、新型コロナウイルス感染症の影響が、さらに拡大し、資金不足が発生する場合など状況に応じて適宜判断してまいります。
次に、資金不足比率についてでありますが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく資金不足比率は、公営企業の資金不足を、収入規模と比較して指標化し、経営状態の悪化の度合いを示すものであります。国が示す算定方法により計算した結果、令和2年度の資金不足比率はなしとなったものでありますが、特別減収対策企業債を活用しないと仮定して計算した場合は7.5%となることを本議会初日や所管委員会において、御報告申し上げたところであります。市立病院の経営状況を市民の皆様に理解していただくことは重要なことと考えておりますことから、資金状況を示す指標等につきましても、制度上の取扱いも含め、どのような形で分かりやすく市民の皆様にお知らせできるか、検討してまいりたいと考えております。
次に、資金不足比率を踏まえた収支状況に対する見解についてですが、令和元年度は、仮に一般会計から長期借入金を借り入れしなかった場合の資金不足比率は27.5%と非常に厳しい財政状況でありました。令和2年度は、経験したことのないコロナ禍の影響を受けながらの病院経営となりましたが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を踏まえて策定した市立病院の経営再建に向けたロードマップに基づき、抜本的な経営改善策に着手し、収益向上と費用削減を図ることで、徐々に効果が表れ始めたものと考えており、新たに創設された国の特別減収対策企業債を活用することで、一般会計からの長期借入れを行うことなく単年度の資金不足を解消する結果となったところであります。新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、厳しい財政状況ではありますが、回復基調にあるこの流れをさらに推し進めるよう引き続き職員一丸となって収支改善を図り、経営再建を果たせるよう努力してまいります。
次に、特別減収対策企業債等の償還計画についてでありますが、特別減収対策企業債については令和6年度から令和17年度まで年間約5,000万円を、一般会計からの長期借入金については令和5年度から令和9年度までは年間約1億2,000万円を、令和10年度から令和14年度までは年間平均で約3億2,000万円を、償還する計画となっております。この償還計画は、令和10年度に病院改築時の起債償還額が大幅に減少し、令和11年度には終了することを考慮し、後年次の財源負担の平準化を図ったものであり、江別市立病院経営再建計画に基づく収支均衡の結果、見込まれる内部留保資金により償還が可能になるものと考えております。いずれに致しましても、市立病院と致しましては、本年3月に江別市立病院経営再建計画を策定し、令和5年度の収支均衡に向けて取り組んでいるところであり、これまで以上に職員一丸となって経営再建に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
私から、アイヌ施策推進地域計画の策定について御答弁申し上げます。
まず、検討状況及び策定の見通しについてでありますが、平成31年4月19日に成立しましたアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律いわゆるアイヌ新法に基づき、北海道では令和元年10月29日に北海道におけるアイヌ施策を推進するための方針を定めたところであります。この方針の中では、アイヌ施策の推進に当たり、アイヌの人たちの課題やニーズなど、実態の把握に努め、アイヌの人たちの意見を十分踏まえるように定められておりますことから、市では、これまで4回にわたり、地元の江別アイヌ協会と計画の事業内容に関する協議を行っております。しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、会員同士で集まって意見交換することができず、協会として、市への提案内容をまとめ切れていないと伺っております。また、江別に縁のある樺太アイヌ協会とは、これまでに1回の協議の場を持つことができ、樺太から対雁への強制移住の苦難の歴史などを会長からお聞きをし、対雁の市営墓地やすらぎ苑にある慰霊碑周辺の整備について市へお願いしたいとのことであります。このほか、市における計画策定に向けて、昨年9月に当市から国のアイヌ政策推進交付金の決定を受けた北海道内24自治体に対して、計画の策定手法等に関するアンケート調査を実施したところ、多くの自治体からアイヌの方々の御意見を真摯に受け止めることが、計画の策定において大変重要であるとの回答を頂いております。これらを踏まえ、市におけるアイヌ施策推進地域計画の策定見通しにつきましては、各協会からの御意見を引き続き丁寧に伺いながら、できるだけ早く計画の策定を目指したいと考えております。
次に、アイヌ協会及び樺太アイヌ協会との協議・検討内容についてでありますが、江別アイヌ協会に対しては、アイヌ施策推進地域計画の中にどのような事業を盛り込みたいかを協会内で集約していただくようお願いしているところであります。当協会の中では御意見が現在まとまっておりませんが、これまで協議した中では、小・中学生に対するアイヌ文化についての正しい知識の啓発やアイヌの歴史を知ってもらうための情報発信の拠点設置について、お話があったところであります。また、樺太アイヌ協会との協議では、対雁の市営墓地やすらぎ苑にある慰霊碑周辺を整備し、樺太移住殉難者墓前祭の際に、儀式を行える場所を設けていただきたいと聞いております。なお、慰霊碑周辺の整備に当たっては、樺太から対雁へ強制移住させられた苦難の歴史を風化させないように、その場を訪れた方が史実を学べるような表示板の設置をお願いしたいとのことであります。いずれに致しましても、計画の策定に当たりましては、内閣府や財務省から詳細な事業説明が求められておりますことから、江別アイヌ協会及び樺太アイヌ協会と事業内容の詳細について、引き続き協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、強制移住による苦難の歴史を共有することについてでありますが、樺太アイヌの方々が、国策とはいえ、樺太から対雁への移住を強いられて、見知らぬ土地での生活を余儀なくされ、伝染病の猛威の中で多くの尊い命が奪われたことは痛恨の極みでございます。例年、市に対して御案内のある対雁の市営墓地やすらぎ苑で行われる樺太移住殉難者墓前祭では、市長名で追悼の辞を謹んでささげ、御冥福をお祈りしているところでございます。市と致しましては、このような苦難の歴史を時代の流れとともに風化させてはならないものと受け止めており、アイヌ施策推進地域計画の策定に当たりましては、市民をはじめとして多くの方々に歴史的事実を共有していただけるよう、後世に伝えていくための情報発信の在り方について検討してまいりたいと考えております。今後におきましては、早期の計画策定を目指し、江別アイヌ協会及び樺太アイヌ協会からの事業内容等の御提案を取りまとめ、計画の中においてアイヌの方々の苦難の歴史に関する記載をした上で、市民の皆様とともに追悼の意を表したいと考えております。
以上であります。
鈴木 誠君
それでは、順次再質問と要望をさせていただきたいと思います。
まず、1点目の市民説明会におきまして、江別市立病院経営評価委員会委員長の委員長自らが座長を担いたいとの申出があった、そしてまた、開催の趣旨と異なる方向で議論が進んだため、経営再建の方向性を十分に議論できなかったとの答弁でありました。何ゆえに江別市立病院経営評価委員会委員長が座長となったか理解できないところであります。江別市立病院経営再建計画に関する市民説明会であり、市立病院の経営責任者たる市長が市民に計画内容を詳細に説明し、江別市立病院経営評価委員会委員長が委員会での議論経過を説明することになるのが当然でありまして、市長の姿が見えない市民説明会となったのでないかと感じております。開催の趣旨と異なる方向で議論が進んだためとのことですが、どこを指しているのか再答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
市民説明会に対します再質問にお答え申し上げます。
市民説明会の開催の趣旨と異なる方向で論議が進んだことについてでございますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、今回の市民説明会は未来に向かって経営再建の方向性を共有するという趣旨で開催をされたものでございます。
しかしながら、参加者の皆様に、あらかじめ開催の意義や目的を十分にお伝えすることができなかったため、質疑が幅広い内容にわたりまして、市立病院の累積欠損金の増加や江別市の財政調整基金等の残高の減少といった過去の経営危機に関連する意見が多く出されるなど、開催の趣旨とは異なる方向で、論議が進んだものと考えております。
また、座長を務められていた江別市立病院経営評価委員会の委員長からは、今回の市民説明会では、参加していただいた市民の皆様と、経営再建の方向性を十分に論議することができず、江別市立病院経営評価委員会としての考え方をしっかりとお伝えすることができなかったということでございまして、改めて市立病院の経営再建に向けて、市民の皆様と方向性を共有できるよう取り組んでいきたいとの思いを持たれた旨、伺っているところでございます。
以上でございます。
鈴木 誠君
この点については、要望だけしておきますが、行政の思いだけを市民の皆さん方に伝えるというよりは、市民の皆さん方から市立病院の現状をもっと知りたいという希望を市民の方は持っております。それがこの間の市民説明会の中で出た、いろいろな発言だったと思うわけでありますので、そういう意味でもっと聞く耳を持っていく、市民の立場に立って市民説明会の運営を引き続きやっていただきたいと要望したいと思います。
次に、2点目の課題についてですが、未来に向かって経営再建の方向性を共有するという市民説明会の本来の趣旨であったとの答弁でした。参加者の市民の皆さんが果たそうとしていた認識だったのか疑問に思います。非常に厳しい経営状況についてこの間、何回市民説明会を行ったのでしょうか。私も参加しておりましたが、市民の皆さんはここまでに至った病院経営責任者である市長に求める声が大きかったかと思うところですが、市長としては、どのような考え方をお持ちでしょうか。
市長(三好 昇君)
市民説明会の開催状況ということでございますけれども、市では平成31年1月に江別市立病院シンポジウムを開催しております。その際に当時、危機的な経営状況にありました市立病院への厳しい御意見を多くの市民の皆様から頂いたところでございます。
そのほかにも、市立病院では市としてもということですが、令和元年8月に設置を致しました江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申内容や、その答申を踏まえた市立病院の経営再建に向けたロードマップに基づく経営再建の取組状況などにつきまして随時、広報誌やホームページなどを通じまして、市民の皆様に幅広くお知らせしてまいりました。
これらの説明の際には、市民の皆様に御不安と御迷惑をおかけしたことを申し上げたところでございます。また、市民の皆様から頂いたパブリックコメントを基に、本年3月に策定しました江別市立病院経営再建計画につきましては、その内容を議会に御報告申し上げ、御理解を頂く中で経営再建の取組を進めているところでございます。
いずれに致しましても、市立病院の経営が危機的な状況に陥っていることにつきまして、市民の皆様に御心配をおかけしたことにつきましては、大変重く受け止めているところでございます。
市と致しましては、新型コロナウイルス感染症への対応など、江別市の地域医療におきまして、市立病院が果たすべき役割は重要と考えておりますことから、地域にとって必要な医療を確保すべく、市立病院の経営再建を着実に進めていくことで、責任を果たしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
鈴木 誠君
3点目の市民説明会の今後の展開について、再質問させていただきます。
市民説明会に参加した皆さん方は、意見交換が足りなかったこと、病院経営責任者としての市長の発言が不足していたことなど再度、市民説明会を開催すべきと質問しておりました。そういう意味で私は質問したところですが、答弁では直接市民との説明会ではなく、新たな形での意見交換の手法を検討したいとのことでありました。市長の考える市立病院の経営再建と市民の思いは必ずしも同一、一致しているとは思えず、いろいろな意見や考え方をお持ちだと思うところです。市民目線に立った意見交換となるよう市民説明会を再度開催されるよう、再答弁を求めたいと思います。
市長(三好 昇君)
市民説明会の開催ということでの再度の御質問でございますが、市内におきましては、現在、緊急事態宣言が出されるなど、新型コロナウイルス感染症が蔓延する状況が続いておりますことから、当面は対面型での市民説明会の開催は難しいものと考えております。なお、市民説明会の開催に当たりましては、多くの市民の皆様に参加していただけますよう、あらかじめ開催の意義や目的を十分にお伝えする手法、開催時期、説明会の在り方などにつきまして、江別市立病院経営評価委員会や市立病院とも十分に相談しながら、対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
鈴木 誠君
引き続き市立病院と市長で協議をしてしっかりとした市民に対する説明、そして意見を聞いていく場を作っていただきたいということで要望させていただきます。
続きまして、新型コロナウイルス感染症に関する医業収益の質問の第1点目の再質問をしたいと思います。制度の仕組みとしては、理解いたしました。この補助金、交付金により収入不足の補塡がされたことに実質なると思いますが、これについてどのように考えられているのか、再度質問いたします。
病院事務長(白石陽一郎君)
鈴木議員の再質問に御答弁申し上げます。
新型コロナウイルス感染症関係に係る補助金は、収入不足の補塡ではないかという再質問についてでありますが、新型コロナウイルス感染症関係の補助制度は、先ほども御答弁申し上げました感染拡大防止のための設備改修や医療機器、材料の購入のほか、陽性患者の受入れに備えて、人員の配置や専用の病棟を準備しておくなど、国の基準に基づき体制を整備した医療機関への支援を行う目的の制度であります。
これは、国が陽性患者等の受入れ態勢を整備するため、医療機関に陽性患者専用病床への転換を促し、患者がいない場合であっても、空床確保料を補助することを目的としており、収入不足を補塡する制度とはなっておりません。
御質問の新型コロナウイルス感染症の影響による収入不足に対する対応と致しましては、全国の医療機関が感染症の影響に苦慮する中、国が新たに創設した特別減収対策企業債を活用し、減収分に充てたところであります。
以上であります。
鈴木 誠君
私は市立病院が今回の補助金、交付金によって市立病院の新型コロナウイルス感染症対策の整備を図っていくことを否定するものではありませんし、それをしっかりやっていただきたいと思います。例えば、収入不足の補塡ではないということは、制度上そのとおりだと思います。ただ、PCR検査機器や感染防止対策に係る経費は支出行為ではっきりと出てきて、使用しているわけであります。ただし、国や北海道からは、医療機関に対して陽性患者の専用病床への転換をしてほしい、また患者がいない場合であっても、空床確保をしていく、そのための空床確保料を補助されているわけであります。実質的に空床確保料というのは、その他の収入となっているのでないかと私は思っていたのですが、間違いでしょうか。再度、お聞きしたいと思います。
病院事務長(白石陽一郎君)
再質問に御答弁申し上げます。
空床確保料を補助されることにより、収入となっているのでないかという再質問についてでありますが、陽性患者等の受入れ態勢を整備するための空床確保料は、病床が空いていても常時患者を受入れできる態勢を整えておく必要から、陽性患者の受入れのために配置する医師や看護師の人件費のほか、感染症対策のための委託料を対象経費とするものであり、空床確保に係る補助金については、これらの経費に充当されたものであります。したがいまして、空床確保料につきましても、ほかの新型コロナウイルス感染症の補助制度と同様に、収入不足を補塡するものではないと考えております。
以上であります。
鈴木 誠君
分かりづらい議論になりますので、また改めて、どこかの場面で細かく質疑をさせていただきたいと思います。
次に、質問の2点目についてですが、要望とさせていただきたいと思います。令和3年度の新型コロナウイルス感染症に係る補助金、交付金が10億円程度になるとのことで簡単に言うと市立病院の全体の収益が50億円程度ですから、その5分の1を占める高額な補助金、交付金になります。これについては、理解を致します。これらの制度をどのように活用して市立病院として感染症対策をやっていくのかがこれから問われると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
続きまして、第3点目の収支不足が生じた場合の特別減収対策企業債の問題でありますが、要望とさせていただきます。特別減収対策企業債が令和3年度も制度として継続されるということです。特別減収対策企業債はあくまでも新たな借金ですから、使用しないで収支均衡を図ることが本当にできるかどうか、令和3年度の経営状況をしっかりこれからも見ていきたいと思いますので、引き続き経営努力をお願いしたいと思っております。
次に、項目3の資金不足比率の部分についてでございます。まず1点目として、令和2年度の資金不足比率については本会議及び委員会で報告されました。その実態について、さらに詳細に説明が必要であり一般会計の長期貸付金、また特別減収対策企業債により、見かけの資金不足比率が小さく表示されていること、一般会計の長期貸付金、特別減収対策企業債は将来の償還が必要なものとなってくるわけであります。財政の硬直化を招くこととなるのでないかということで質問しているところであります。具体的な数字は言いませんけれども、この3年間を見ても令和2年度の資金不足率はなしとなっています。過去2年間では平成30年度では10.0%、令和元年度では0.6%ということで、改善しているのかと見えるのですけれども、現実的には一般会計からの借入金、そして特別減収対策企業債があって、この数字となっています。結果的にはこれらの借入金なり、特別減収対策企業債を借りることにより、新たな借金をつくっていくことになりますので、将来の償還額の大きさを考えると非常に不安定な要素となるのではないかということから、もっと市民に分かりやすく、制度について説明することが必要と思いますが、その考え方について答弁を求めたいと思います。
市長(三好 昇君)
資金不足比率の実態をもっと分かりやすく説明すべきとの再質問についてでございますが、市立病院の決算を含む財政状況につきましては、市の広報誌や市立病院の広報誌、市立病院のホームページなどにおきまして、収益費用や不良債務残高の数値など、概要をお示しすることにより周知してきたところでございます。その中で、資金不足比率については、計算過程におきまして非常に複雑な計算がございます。また、このことをどのように分かりやすく市民に説明できるかという難しさもございまして、これまでは掲載してこなかったところでございます。
しかしながら、先ほど病院事務長からも御答弁申し上げましたけれども、市立病院の経営状況を市民の皆様に理解していただくことは重要なことと考えておりますことから、御指摘の企業債等の償還の見通しや資金の状況を含めた財政状況につきまして、どのような形で分かりやすく市民説明ができるのか、市民の皆様にお知らせできるのか、その手法や内容について検討してまいりたいと考えております。
鈴木 誠君
この部分について、資金不足比率を分かりやすく説明することは、非常に技術的に難しいと理解いたします。ただし、この実態を市民の皆さん方が分かって、本当に市立病院を将来どうするのかという議論をしていかないと、その部分が表面から隠れてしまっては、全く意味がないと思いますので、その辺りをより分かりやすく説明されるよう、御検討いただきたいと思います。
次に、質問の2点目ですが再質問とさせていただきます。
特別減収対策企業債を活用することで、一般会計からの長期貸付けを行うことなく単年度資金不足を解消することができましたとの答弁がありました。私は特別減収対策企業債も借入金と同様であり、単年度資金不足を解消できましたとの評価は、いかがなものかと考えます。再度、答弁をお願いしたいと思います。
市長(三好 昇君)
特別減収対策企業債を借り入れた結果によります資金不足の状況の認識についてでございますが、令和2年度においても職員一丸となりまして、市立病院の経営再建に向けたロードマップに基づく経営再建に取り組み、収支改善を図ることで、新型コロナウイルス感染症の経営への影響を可能な限り抑えるために取り組んでおりましたが、その影響による減収分は、国の特別減収対策企業債を活用することにより、補塡をしたところでございます。特別減収対策企業債は、通常の病院経営により発生する赤字を補塡するものではなく、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた全国の公営企業が、その影響に伴う減収のために生じた資金繰りへの対応を目的としまして、令和2年度に創設された制度でございます。
市立病院では、特別減収対策企業債の活用に当たりまして、償還計画を作成し国の承認を得た上で借り入れたものでございまして、これにより令和2年度の資金不足を解消する結果となったところでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響分を後年次にわたり返済していくこととなったため、厳しい財政状況が続くものと認識しているところでございます。
鈴木 誠君
なかなか、非常に分かりづらい部分だと思うのですが、私が思うのは新型コロナウイルス感染症による影響を受けた減収分を試算できるでしょうか。外来患者の減や入院患者の減イコール新型コロナウイルス感染症の影響とはならないだろうと思っています。通常の赤字と新型コロナウイルス感染症の影響をどのように区分整理されているのか教えていただきたいと思います。
市長(三好 昇君)
新型コロナウイルス感染症の影響による減収分の区分整理の仕方ということでございますが、令和2年度につきましては、市立病院の経営再建に向けたロードマップに基づく経営再建の取組を開始する矢先に、新型コロナウイルス感染症という未曽有の事態に見舞われたところでございまして、通常の年と全く異なる経営状況となったところでございます。御質問の新型コロナウイルス感染症の影響による減収分につきましては、これを明確に区分し整理することは難しいものと考えておりますが、仮に減収分を試算するとすれば、令和2年度は実現可能な目標設定のもとに当初予算を策定しておりますことから、当初予算で見込んだ診療収益と決算における診療収益との差が相当するものではないかと考えております。
以上でございます。
鈴木 誠君
今の市長の答弁では、当初計画を下回った部分は全部、新型コロナウイルス感染症の影響であるということで、特別減収対策企業債を使ったというという理解でよろしいでしょうか。
市長(三好 昇君)
先ほど来、特別減収対策企業債の目的の答弁を申し上げておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響が出て、その影響分を補塡するための企業債でございますので、そのような考え方に立つものと思っております。
鈴木 誠君
本会議の一般質問の場でこれ以上細かくは聞きません。これについては予算決算常任委員会の中で、しっかりと継続してお話をさせていただきたいと思います。
次に、質問の3点目の部分で特別減収対策企業債の6億750万円の考え方ですが、年次別の償還計画を先ほど御説明いただきました。令和2年度病院事業会計決算審査において資料を求めていますので、そちらで詳しくは行いたいと思います。残りの時間も少ないので、この場では省略させていただきたいと思っております。
続きまして、アイヌ政策についてお伺いいたします。まず、1点目ですが江別アイヌ協会及び樺太アイヌ協会との協議経緯については了解いたしました。アイヌ施策推進地域計画をできるだけ早く策定を目指すとの答弁であり、アイヌ施策推進地域計画を策定する方針であることを再度確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
再質問に御答弁申し上げます。
検討状況及び策定の見通しについてでありますが、市町村がアイヌ施策推進地域計画を策定する前提として、北海道の方針を踏まえアイヌの人々の要望等を反映するよう努めることとされておりますことから、当市におきましても、アイヌ施策推進地域計画を策定することを前提として、令和元年度から江別アイヌ協会とは4回、また樺太アイヌ協会とは1回の事業内容の協議を行っております。
先ほども御答弁申し上げましたとおり、各協会からの御意見を引き続き丁寧に伺いながら、計画の早期策定を目指したいと考えております。
以上であります。
鈴木 誠君
この部分は、後は要望とさせていただきます。これまで2回の一般質問をさせて頂きました。今回はそういう面では、一歩踏み出た答弁として理解いたしましたので、引き続きアイヌ協会・樺太アイヌ協会との協議を早期に詰めていただきまして、江別市アイヌ施策推進地域計画を策定されるよう強く要望いたします。
続いて2点目でございます。これは、要望とさせていただきたいと思います。現在、副読本や奨学金制度だけとなっております。ぜひとも当事者であるアイヌ協会の御意向をしっかりと受け止めていただいて新たな施策を策定されるよう要望いたします。また、樺太アイヌ協会との協議では、対雁墓苑内の慰霊碑周辺の整備についてであります。強制移住させられた苦難の歴史をしっかりと次の世代に継承していくための周辺整備は大事なことであります。早期に当事者団体との協議を進めてもらいたいことを要望したいと思います。
次に3点目についてでございますが、強制移住の苦難の歴史を共有するという部分について、再質問をさせていただきます。強制移住させられた苦難の歴史を共有し、情報発信の在り方について検討してまいりたいとの答弁でございました。この部分については理解いたします。私の質問は、市長自らが樺太移住殉難者墓前祭に出席いただき、追悼の言葉を述べることについて、市長の思いをお答えいただきたいと質問しております。ぜひともこの部分については、市長からの答弁をお願いしたいと思います。
市長(三好 昇君)
強制移住によります苦難の歴史を共有することについて、私の考えということでございますが、先ほど健康福祉部長からも答弁申し上げましたとおり例年、市に対して御案内を頂いております対雁の市営墓地やすらぎ苑で行われる樺太移住殉難者墓前祭では、不幸にして見知らぬ土地での生活を余儀なくされ、多くの尊い命が奪われた過去の辛い歴史を思いながら、市長名で追悼の辞を謹んでささげ、御冥福をお祈り申し上げているところでございます。
これまでは、公務などの都合によりまして樺太移住殉難者墓前祭への出席がかなっておりませんが、今後におきましては、アイヌ施策推進地域計画の策定を機に、その計画に基づきまして樺太移住殉難者墓前祭において市民の皆様とともに追悼の意を表してまいりたいと、そのような形になることを願っているところでございます。
以上でございます。
鈴木 誠君
基本は今の市長の発言の中にありましたとおり、アイヌ施策推進地域計画の策定をしていかなければ、前に進んでいかないという課題もあると思いますので、樺太アイヌの強制移住による苦難の歴史を市民の皆さんと共有するという、アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律の制定もあり、極めて重要な課題であると私は認識しております。引き続き、江別市アイヌ施策推進地域計画策定に向けて最大限の尽力されるようお願い申し上げまして、一般質問を終わりたいと思います。
副議長(島田泰美君)
以上をもって、鈴木議員の一般質問を終結いたします。
◎ 散会宣告
副議長(島田泰美君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時58分 散会