令和2年第3回江別市議会定例会会議録(第5号)令和2年9月25日
1 出席議員
25名
議長 | 角田 一 君 | 副議長 | 相馬 芳佳 君 |
議員 | 高橋 典子 君 | 議員 | 佐藤 美佐子 君 |
議員 | 吉本 和子 君 | 議員 | 島田 泰美 君 |
議員 | 芳賀 理己 君 | 議員 | 石田 武史 君 |
議員 | 本間 憲一 君 | 議員 | 鈴木 誠 君 |
議員 | 猪股 美香 君 | 議員 | 岡 英彦 君 |
議員 | 三角 芳明 君 | 議員 | 宮本 忠明 君 |
議員 | 高間 専逸 君 | 議員 | 清水 直幸 君 |
議員 | 佐々木 聖子 君 | 議員 | 稲守 耕司 君 |
議員 | 内山 祥弘 君 | 議員 | 諏訪部 容子 君 |
議員 | 干場 芳子 君 | 議員 | 齊藤 佐知子 君 |
議員 | 奥野 妙子 君 | 議員 | 徳田 哲 君 |
議員 | 裏 君子 君 |
2 欠席議員
0名
3 説明のため出席した者の職氏名
市長 | 三好 昇 君 | 副市長 | 佐々木 雄二 君 |
水道事業管理者 | 佐藤 哲司 君 | 総務部長 | 後藤 好人 君 |
総務部調整監 | 高橋 孝也 君 | 企画政策部長 | 川上 誠一 君 |
生活環境部長 | 三上 真一郎 君 | 経済部長兼 総合特区推進監 |
福島 和幸 君 |
健康福祉部長 | 佐藤 貴史 君 | 建設部長 | 佐藤 民雄 君 |
病院長 | 富山 光広 君 | 病院事務長 | 白石 陽一郎 君 |
病院経営推進監 | 渡部 丈司 君 | 消防長 | 内山 洋 君 |
水道部長 | 菊谷 英俊 君 | 会計管理者 | 多田 清人 君 |
総務部次長 | 白崎 敬浩 君 | 財務室長 | 野口 貴行 君 |
教育委員会教育長 | 黒川 淳司 君 | 教育部長 | 萬 直樹 君 |
監査委員 | 中村 秀春 君 | 監査委員事務局長 | 湯藤 維之 君 |
農業委員会会長 | 佐藤 和人 君 | 農業委員会事務局長 | 斉藤 幸治 君 |
選挙管理委員会 委員長 |
中井 悦子 君 | 選挙管理委員会 事務局長 |
金内 隆浩 君 |
4 事務に従事した事務局員
事務局長 | 土屋 健 君 | 次長 | 宮沼 直之 君 |
庶務係長 | 土谷 晶子 君 | 議事係長 | 水口 武 君 |
主査 | 坪松 隆 君 | 主任 | 岡村 英治 君 |
主任 | 川上 静 君 | 書記 | 渡辺 輝 君 |
事務補助員 | 猪部 みゆき 君 |
5 議事日程
日程第 1 | 会議録署名議員の指名 |
日程第 2 | 諸般の報告 |
日程第 3 | 認定第4号 令和元年度江別市一般会計歳入歳出決算を認定に付することについて |
日程第 4 | 認定第5号 令和元年度江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて |
日程第 5 | 認定第6号 令和元年度江別市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて |
日程第 6 | 認定第7号 令和元年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて |
日程第 7 | 認定第8号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて |
日程第 8 | 議案第97号 江別市手数料条例の一部を改正する条例の制定について |
日程第 9 | 認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて |
日程第10 | 認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて |
日程第11 | 認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて |
日程第12 | 請願第1号 骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種費用を助成する制度創設を求めることについて |
日程第13 | 陳情第3号 新型コロナウイルス感染拡大における市民の健康を守るための対策を求めることについて |
日程第14 | 議案第100号 損害賠償の額の決定について |
日程第15 | 議案第101号 令和2年度江別市水道事業会計補正予算(第3号) |
日程第16 | 意見書案第5号 防災・減災、国土強靭化に向けた社会資本の整備等を求める意見書 |
日程第17 | 意見書案第6号 ドクターヘリの安定・持続的運用に対する支援の強化を求める意見書 |
日程第18 | 意見書案第7号 新型コロナウイルス感染症対策における保健所の体制整備等を求める意見書 |
日程第19 | 意見書案第8号 新型コロナウイルス感染症対策の強化を求める意見書 |
日程第20 | 報告第26号 令和元年度江別市一般会計の継続費精算報告について |
日程第21 | 報告第27号 健全化判断比率の報告について |
日程第22 | 各委員会所管事務調査について |
6 議事次第
◎ 開議宣告
議長(角田 一君)
これより令和2年第3回江別市議会定例会第25日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。
◎ 議事日程
議長(角田 一君)
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
◎ 会議録署名議員の指名
議長(角田 一君)
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
石田 議員
奥野 議員
を指名いたします。
◎ 諸般の報告
議長(角田 一君)
日程第2 諸般の報告を事務局長に報告させます。
事務局長(土屋 健君)
御報告申し上げます。
本日までに市長提出案件9件、議会提出案件4件をそれぞれ受理いたしております。
以上でございます。
◎ 認定第4号ないし認定第8号
議長(角田 一君)
日程第3ないし第7 認定第4号 令和元年度江別市一般会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第5号 令和元年度江別市国民健康保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第6号 令和元年度江別市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、認定第7号 令和元年度江別市介護保険特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて及び認定第8号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計歳入歳出決算を認定に付することについて、以上5件を一括議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
副市長(佐々木雄二君)
ただいま上程になりました令和元年度江別市一般会計歳入歳出決算ほか、4特別会計決算を認定に付するに当たりまして、各会計決算説明書に従い一括して御説明申し上げます。
決算説明書の2ページをお開きいただきたいと存じます。
予算執行結果の概要でありますが、令和元年度は市長改選期を控えた、いわゆる骨格予算での編成となり、6月には政策予算の追加補正を行ったところであります。
また、第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョンの後期の初年度に当たり、引き続き、安心して暮らせるまち、活力のあるまち、子育て応援のまち、環境にやさしいまちの四つの基本理念と、協働のまちづくりの考え方に沿って、健康づくり、子育て支援、教育の充実、市内経済の活性化、市街地整備などの各種施策に取り組んでまいりました。
あわせて、当市の持つ特性や優位性を生かして、まちの魅力を高めていくえべつ未来戦略の見直しを行い、にぎわいと活力を創出するまちづくり、安心して子供を産み育てることができるまちづくり、子供から大人まで生き生きと健康に暮らせるまちづくりの三つを新たな戦略の柱に位置づけ、江別版地方創生総合戦略と一体的に、重点的・集中的に推進してまいりました。
このような方針を基本に運営してまいりました各会計の予算執行状況について順次御説明申し上げます。
まず、一般会計でありますが、予算総額490億4,893万2,000円に対します決算額は、歳入が465億7,853万1,000円、歳出が460億5,714万7,000円となったものであります。その結果、歳入歳出差し引きの形式収支では5億2,138万4,000円の黒字となり、翌年度に繰り越すべき財源2,893万4,000円を差し引いた実質収支は4億9,245万円の黒字となったものであります。
続きまして、歳入歳出決算の主な内容につきまして、以下、前年度との比較で、その概要を御説明申し上げます。
初めに、歳入の状況でありますが、歳入の根幹をなす市税は126億5,860万6,000円で、1.4%の増加となり、もう一方の柱である地方交付税は100億7,774万3,000円で、2.3%の増加となったものであります。
市債は、都市計画事業債や臨時財政対策債の減などにより、29億8,015万7,000円で、13.9%の減少となったものであります。また、繰入金は19億1,834万7,000円で、病院事業会計への長期貸し付けの実施などにより、14.8%の増加となったものであります。
次に、財源を自主及び依存の別で見てまいりますと、財政の安定性・健全性の保持に不可欠な自主財源は190億1,769万2,000円で、7.0%の増加となったものであります。歳入全体に占める割合は40.8%であり、引き続き、自主財源の充実・確保に努めてまいります。
次に、歳出の状況でありますが、性質別に見てまいりますと、人件費、扶助費及び公債費から成る義務的経費は226億6,325万6,000円で、3.7%の増加となり、投資的経費は38億7,957万4,000円で、12.8%の減少となったものであります。
なお、投資的経費の主な事業といたしましては、新栄団地建替事業、江別の顔づくり事業、民間社会福祉施設整備費補助事業のほか、道路橋梁の整備など、計画的な社会資本の整備に努めてまいりました。
次に、地方債の状況でありますが、令和元年度末における地方債現在高は380億7,323万円で、1.2%の減少となったものであります。
今後におきましても、市債の活用につきましては、後年次の償還額の推移を見きわめる中で、慎重かつ計画的な発行及び利子負担の抑制を基本として、引き続き、安定的な財政運営に努めてまいります。
以上が一般会計決算の概要であります。
続きまして、国民健康保険特別会計でありますが、決算説明書の12ページをお開きいただきたいと存じます。
本会計の予算総額125億6,176万円に対します決算額は、歳入が125億9,634万5,000円、歳出が124億2,961万1,000円となり、その結果、収支は1億6,673万4,000円の黒字となったものであります。
次に、歳入歳出決算の主な内容でありますが、まず、歳入の状況につきましては、保険税は20億4,906万4,000円で、2.5%の減少、国庫支出金は343万7,000円で、オンライン資格確認等のシステム整備に係る補助金の交付により、1,106.0%の増加、道支出金は91億3,953万2,000円で、2.2%の増加となったものであります。繰入金は、一般会計から10億2,957万円、基金から1億1,789万5,000円で、合計11億4,746万5,000円を繰り入れたものであります。
次に、歳出の状況でありますが、保険給付費は89億3,762万3,000円で、1.7%の増加、国民健康保険事業費納付金は30億9,750万1,000円で、3.1%の増加、保健事業費は1億1,841万2,000円で、5.3%の減少、諸支出金は634万1,000円で、国庫支出金過年度返還金の減により、95.7%の減少となったものであります。
以上が国民健康保険特別会計決算の概要でありますが、引き続き、特定健診の受診率向上や特定保健指導の強化に取り組むとともに、国保税の収納確保を図ることで、国保運営の健全性の確保に努めてまいります。
続きまして、後期高齢者医療特別会計でありますが、決算説明書の15ページをお開きいただきたいと存じます。
本会計の予算総額17億1,300万円に対します決算額は、歳入が17億807万6,000円、歳出が17億181万9,000円となり、その結果、収支は625万7,000円の黒字となったものであります。
次に、歳入歳出決算の主な内容でありますが、まず、歳入の状況につきましては、後期高齢者医療保険料は13億1,235万8,000円で、5.0%の増加となったものであります。繰入金は3億8,857万4,000円を一般会計から繰り入れたものであります。
次に、歳出の状況でありますが、後期高齢者広域連合納付金は16億9,078万5,000円で、内訳は、保険料の納付金13億1,278万1,000円のほか、後期高齢者医療広域連合に対する市町村負担金などであります。総務費は、事務の執行に要する一般管理経費として1,057万円を支出したものであります。
以上が後期高齢者医療特別会計決算の概要でありますが、今後とも、制度の動向を注視しながら、関係機関と十分に連携を図る中で、適正に業務を遂行してまいります。
続きまして、介護保険特別会計でありますが、決算説明書の17ページをお開きいただきたいと存じます。
本会計の予算総額103億2,382万4,000円に対します決算額は、歳入が102億4,800万7,000円、歳出が99億6,633万6,000円となり、その結果、収支は2億8,167万1,000円の黒字となったものであります。
次に、歳入歳出決算の主な内容でありますが、まず、歳入の状況につきましては、介護保険料は22億9,718万9,000円で、0.1%の減少、国庫支出金は22億8,150万5,000円で、1.8%の増加、道支出金は13億9,773万7,000円で、5.6%の増加、支払基金交付金は25億1,333万4,000円で、7.3%の増加となったものであります。繰入金は一般会計から13億5,904万9,000円、基金から28万8,000円で、合計13億5,933万7,000円を繰り入れたものであります。
次に、歳出の状況でありますが、保険給付費は87億9,488万3,000円で、4.9%の増加、地域支援事業費は5億3,348万円で、2.2%の増加となったものであります。また、基金積立金は、安定的な財政運営を図るため、介護保険給付費準備基金に3億9,173万1,000円を積み立てたものであります。
以上が介護保険特別会計決算の概要でありますが、介護保険事業計画に基づく健全な運営に努めるとともに、社会保険としての理念・目的に沿って被保険者の信頼を高めるよう努力を重ねてまいります。
続きまして、基本財産基金運用特別会計でありますが、決算説明書の20ページをお開きいただきたいと存じます。
本会計の予算総額6億7,300万円に対します決算額は、歳入が6億7,279万2,000円、歳出が6億7,170万1,000円となり、その結果、収支は109万1,000円の黒字となったものであります。
歳入の主なものは、財産収入と一般会計及び基金からの繰入金で、歳出の主なものは、一般会計からの償還金等の基本財産基金への繰出金のほか、病院事業会計への貸付金などに伴う一般会計繰出金であります。
以上、令和元年度の各会計決算の概要について御説明申し上げましたが、いずれの会計も、予算計上事業につきましてはほぼ執行し、それぞれ所期の目的を達成できたものと考えております。
最後に、今後の地方財政の見通しでありますが、国においては、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、実質的に前年度と同水準を確保するという方針を維持する一方、新型コロナウイルス感染症の影響から景気の先行き等が見通しがたい厳しい状況に置かれております。
こうした状況の中で、当市においては、人口減少下における持続可能なまちづくりを柱に、事業の優先度や緊急度などを勘案して各種施策を進めるとともに、引き続き、市民と行政の協働を基本とした自主・自立のまちづくりを進めるため、計画的な基金の活用や公債費の抑制、大規模事業の平準化等に留意しながら、このコロナ禍にあっても安定的で持続可能な財政運営の推進に努めていかなければならないものと考えております。
なお、決算の詳細につきましては、それぞれの決算のほか、歳入歳出決算事項別明細書等の関係書類及び決算審査意見書を添付しておりますので、これらを御参照いただき、よろしく御審議の上、御認定賜りますようお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより認定第4号ないし認定第8号に対する一括質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
上程中の認定第4号外4件は、予算決算常任委員会に付託いたします。
なお、閉会中継続審査といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
◎ 議案第97号、認定第1号ないし認定第3号
議長(角田 一君)
日程第8ないし第11 議案第97号 江別市手数料条例の一部を改正する条例の制定について、認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて、認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて及び認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、以上4件を一括議題といたします。
予算決算常任委員長の報告を求めます。
予算決算常任委員長(三角芳明君)
ただいま上程されました議案1件及び認定3件につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
初めに、議案第97号 江別市手数料条例の一部を改正する条例の制定について申し上げます。
改正の主な内容は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正により、マイナンバー通知カードによる通知が廃止されたことを受けて、総務省令で定める新規発行や記載事項変更に関する手続が廃止されたことから、マイナンバー通知カードの再交付手数料の規定を削ろうとするものであります。
主な質疑の状況について申し上げますと、マイナンバー通知カードの新規発行が廃止されたことに伴う市の対応についての質疑に対し、広報えべつや市のフェイスブックなどで制度変更について広くお知らせしており、マイナンバー通知カードの新規発行が廃止された後に生まれた方には、個人番号通知書を送付している。この通知書は再発行ができないほか、マイナンバーの証明書や身分証明書としての利用もできないことなどについてお知らせしているが、これまでに問い合わせなどはないことから、適切に運用されているものと認識していると答弁されております。
以上の質疑を経て結審いたしましたところ、討論はなく、議案第97号については、全員一致をもって、原案のとおり可決すべきものと決しております。
次に、認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて、認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて及び認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて申し上げます。
初めに、審査結果を申し上げますと、認定第1号、認定第2号及び認定第3号は、いずれも賛成多数で認定すべきものと決しております。
次に、各会計の決算概要を申し上げますと、水道事業会計は、平成30年度に策定した江別市上下水道ビジョンなどに基づき、基幹管路の耐震化や老朽化した配水施設と浄水施設の更新などを行ったほか、非常時に配水区域相互間で水道水の融通が可能となる連絡管の整備や上江別地区に災害時給水栓を新設し、応急給水施設の面的な整備を図るなど、引き続き災害に強い水道事業の構築を進めております。
経営面においては、大規模な宅地開発に伴う給水人口の増加などにより、給水収益が予算額を上回り、各種経費の節減にも努めた結果、純利益は約2億5,242万円となったものであります。
また、下水道事業会計では、江別市上下水道ビジョンの初年度として、安全で快適な生活環境づくりを推進するため、管路整備や老朽施設の更新を実施しております。
経営面では、下水道事業収益が予算額を下回りましたが、支出において経費の節減に取り組んだ結果、約1億4,162万円の純利益を計上いたしました。
次に、病院事業会計では、令和元年5月に市内産婦人科医院において、分娩の受け入れが休止されたことを受けて、市立病院が市内で唯一の分娩受け入れが可能な施設となりました。その結果、分娩件数が増加したことに伴い、外来や病棟の受け入れ態勢を強化し、9月には助産師外来を開設しました。また、10月に認知症看護相談外来を開設したほか、12月には脳神経外科専門外来を開設して脳ドックを開始するなど、新たな取り組みによる収益確保を図りました。
そうした中、医師の退職などにより、内科系診療科における入院体制の安定には至らず、こうした状況に対応するため、令和元年8月に江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置して、地域医療において市立病院が担う役割や経営安定化について検討いただき、本年2月に経営再建策に関する答申書が提出されました。この答申の内容を踏まえ、3月には、令和2年度から令和4年度までの集中改革期間において取り組む主要な項目についてまとめた市立病院の経営再建に向けたロードマップを作成し、令和5年度までに収支均衡を目指すべく、地域包括ケア病棟の有効活用などの取り組みを開始しました。そのほか、医師の招聘に向けた取り組みを継続したほか、民間病院との医療連携による地域包括ケア病棟の利用促進や材料費等のさらなる縮減を推進することで、収益の確保と経営資源の最適化による収支改善を図りましたが、内科系医師の招聘が思うように進まずに、患者数、診療収益ともに計画を大きく下回り、経費削減の効果は減収分を補うことができず、一般会計からの営業運転資金として13億円を借り入れることで、一時借入金の返済の一部に充てました。
収益面では、入院・外来ともに患者数が前年度を下回ったことなどにより、病院事業収益全体では、前年度に比べて6.1%減の約54億4,058万円となりました。
また、費用面では、医師を初めとする職員数が減ったことにより、給与費が減少したほか、継続して後発医薬品への切りかえを進めたことや、診療材料の価格交渉などを行ったことにより、材料費を大幅に節減できたことなどから、病院事業費用全体では、前年度に比べて6%減の約65億2,178万円となったものであります。
この結果、約10億8,120万円の純損失を計上することとなり、前年度繰越欠損金を合わせた令和元年度の未処理欠損金は、前年度よりも増加し、約111億9,144万円となっております。
当委員会では、決算の概要や提出資料の説明を受けて、慎重に審査を進めてまいりました。主な質疑の状況について順次申し上げます。
まず、水道事業会計についてでありますが、水道料金の滞納件数が増加した要因についての質疑があり、答弁では、水道料金の滞納件数は、年度ごとに件数が増減しており、前年度である平成30年度よりも増加しているが、ここ10年間の推移を見ると減少傾向にある。しかしながら、本年3月には、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方からの相談がふえたため、水道料金の支払いを猶予した件数が一時的に増加したと述べられております。そのほか、基幹管路の耐震化、漏水の発生件数などについて質疑が交わされております。
次に、下水道事業会計についてでありますが、当市の下水道使用料が近隣市と比べて高い要因についての質疑に対し、人口密度が高い自治体では汚水管に接続する世帯数が多いことにより、汚水処理にかかる費用を抑えることができるほか、施設や工場などで下水道を利用している事業者が多い自治体では下水道使用料を安くすることができる状況にある。当市の下水道使用料を維持するためには、経費節減などの経営努力を継続しながら、現在使用している施設や設備を可能な限り維持する必要があると答弁されております。そのほか、大雨に備えた取り組みなどについて質疑が交わされております。
次に、病院事業会計についてでありますが、担当部局に対して委託料の見直しのほか、内科系医師の採用と退職の状況や救急受け入れ患者数などについての質疑を行った後、理事者に対して医師招聘における市長の考え方について質疑を行っておりますので、その概要を申し上げます。
初めに、医師招聘の方針についての質疑があり、答弁では、将来的に増加が見込まれる高齢者医療に対応する総合内科医と消化器内科や循環器内科などの専門内科医との連携が大きな課題であると認識しており、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申を踏まえて、専門内科医の確保に向けた取り組みを精力的に行いながら、引き続き、総合内科医を確保する方針のもと医師招聘に向けた活動を行っていくと述べられております。
次に、市長の医師招聘活動についての質疑に対し、病院長とともに大学医局を訪問して医師の派遣要請を行うほか、協議が円滑に進むように、かかわりのある大学医局や医療機関などに対して、あらかじめ市立病院が置かれている現状や市の考え方を説明するなどして、協議の土台づくりを行っている。さらに、医療関係者が集まる協議会などのさまざまな場を活用して、機会があるごとに医師招聘に向けた活動を行っており、一日も早く医師の派遣を実現させるための努力を重ねていると答弁されております。
また、医師招聘の実情についての質疑があり、答弁では、大学医局が医師を派遣する体制を整えるまでには3年程度の期間を要すると言われている中で、現在の市立病院は、早く実績を上げなければならないことから短期間で結果を求めなければならないが、一度協議の相手方との関係が途切れてしまうと、再構築は非常に困難であるため、状況を見ながら一定の期間を見据えて活動することも必要であると考えることから、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申で上げられている対応策を踏まえた、粘り強い取り組みを行っていきたいと述べられております。
次に、討論の状況を要約して、御報告いたします。
認定第1号及び認定第2号の上・下水道事業会計決算について、不認定とすべきとの立場の委員からは、水道料金などの滞納を理由に、行政がライフラインを断ち切る給水停止措置が続いているが、滞納の背景には、令和元年10月に消費税率が10%に引き上げられたことに伴う経済困窮があると考えられることから、滞納を理由とする給水停止措置は中止すべきである。また、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためには、手洗いが重要であり、公衆衛生の観点から給水停止を行うべきではないと考えることから、不認定とすると述べられております。
一方、認定すべきとの立場の委員からは、水道事業、下水道事業ともに、平成30年度に策定した江別市上下水道ビジョンに基づき、基幹管路の耐震化や老朽化した施設の更新を計画的に実施したほか、経営面では、収益的収支で予定を上回る利益を上げるなど健全な経営に努めていることを評価する。水道は、市民生活にとって重要なインフラの一つであることから、今後も安全で低廉な水道水を災害時も含めて安定的に供給していただくことを期待し、認定すると述べられております。
次に、認定第3号の病院事業会計決算について、不認定とすべきとの立場の委員からは、平成30年度当初から多額の運転資金の不足が見込まれていたにもかかわらず、実効性のある対策を講じなかったことに経営能力の欠如を指摘せざるを得ず、また、14億円を超える一般会計繰入金が、救急医療などの不採算医療を守る役割を果たせていないことに市民も疑問を抱いている。さらには、年度末に運転資金の不足分となる13億円を一般会計から借り入れ、見かけ上の資金不足比率を引き下げることで、地方公共団体の財政の健全化に関する法律における経営健全化団体入りを回避しており、今後この判断は間違いであったことが明らかになると考えることから、不認定とすると述べられております。
一方、認定すべきとの立場の委員からは、病床利用率が増加傾向にある地域包括ケア病棟は、さまざまな疾病を抱える幅広い年代の患者に対応しなければならないことから医師の負担を考慮するとともに、現場の状況に鑑みた看護体制の構築をしながら柔軟なケアを行っていく必要があると考える。理事者からは、医師招聘を粘り強く続けていくことが重要である旨の説明とともに、職員一丸となって経営再建に努める旨の方針が改めて示されており、市民の命と健康を守る地域になくてはならない市立病院を江別市民の立場からも守っていく必要があると考えることから、認定すると述べられております。
同じく認定すべきとの立場の別の委員からは、市立病院は年度末に一般会計からの13億円の借り入れがなければ資金不足比率が経営健全化基準である20%を超えており、引き続き危機的な状況にあることから、医師招聘を初めとした取り組みをさらに進めて、市立病院の経営再建に向けたロードマップの目標を達成しなければならないと考える。新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的な受診抑制が広がる中、経営再建の道のりは険しいものと考えるが、不採算医療と言われる救急医療のほか産婦人科や小児医療、精神科などを初めとして市民の安心・安全な生活を守る地域医療を担う市立病院を再建するためにも、病院職員のみならず市職員全員が共通の認識を持って難局に立ち向かうことを期待し、認定すると述べられております。
また、認定すべきとの立場の別の委員からは、市立病院の最重要課題である医師の確保に向けた取り組みが、結果に結びついていないことに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、病院経営はさらに厳しく先の見えない状況にある。しかしながら、理事者からは医師招聘の実情と課題の解決に向けた取り組み方針が示されており、いかなる状況であっても地域に密着した医療を提供して、地域の発展に貢献する医療機関として、あり続けなければならないと考えることから、今後も不退転の決意で経営再建を成し遂げていただくことを期待し、認定すると述べられております。
当委員会に付託されました議案第97号及び認定第1号ないし認定第3号の審査の経過と結果については、以上のとおりであります。
よろしく御決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより予算決算常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、予算決算常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第97号 江別市手数料条例の一部を改正する条例の制定についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第97号を採決いたします。
議案第97号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
次に、認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて及び認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて、以上2件に対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。
高橋典子君
認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて及び認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて、いずれも不認定の立場から討論いたします。
令和元年度の水道事業では、計画的な基幹管路の耐震化や老朽化した配水施設及び浄水施設の更新、また、上江別地区に災害時給水栓を新設するなどの災害に備えた事業が行われています。また、下水道事業においても、計画的に管路整備や老朽施設の更新が行われており、一定の評価をするものです。
かねてから、人口減少や使用水量の減少傾向について危惧されてきています。令和元年度の決算においては、水道事業では給水人口の増加等により、給水収益が予定額を上回り、各種経費の節減等もあり、収益的収支で予定を上回る利益を計上。下水道事業では、事業収益は予算額を下回ったものの、管理運営費の節減により収益的収支で当初予定を上回る利益を計上したと説明されており、いずれの会計においてもそれぞれ純利益を計上しています。
なお、資本的収支に関しては、下水道事業会計の運転資金の確保策として、下水道事業会計から水道事業会計への出資を取りやめるという措置がなされ、経営の安定化のための対策がとられたところでもあります。
このような状況のもとで上下水道事業の運営がなされましたが、これまでも指摘してきたように、令和元年度においても水道料金の滞納者に対する給水停止が行われています。過去10年間を通して見ると減少傾向にあるとはいえ、令和元年度では給水停止件数は89件と前年度と比較し14件の増加、実世帯数では83世帯で前年度と比較し同様に14世帯の増加となっています。3月31日現在での滞納件数は、前年度やさらにその前の年度と比較しても増加しており、昨年10月の消費税増税の影響があるのではないか、市民の生活状況が心配されるところです。
料金収納業務において、相談の中で生活困窮が判明した場合は、くらしサポートセンターえべつを紹介するなどといった対応がなされている点は評価しますが、連絡がとれない場合の手段として水道というライフラインを一時的であっても停止することは、公営企業として行うべきではありません。
地方公営企業法には経営の基本原則として、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとされており、また、水道法では、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とすると書かれております。このたびの新型コロナウイルスの感染予防対策として、石けんと流水による手洗いが奨励され、改めて水道事業の重要性を認識するとともに、このことは通常時でも同様に考えられるべきものと指摘させていただきます。
以上のことを述べ、認定第1号及び認定第2号について、不認定の立場からの討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
鈴木 誠君
認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて及び認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて、賛成の立場で討論します。
令和元年度の水道事業は、1人当たりの使用水量が年々減少傾向にある中、また、消費税の増税による水道使用量の落ち込みが懸念される中、大規模な宅地開発に伴う給水人口の増加等により、給水収益が予定額を上回ったこと、経費の節減に努めた結果、収益的収支で予定を上回る利益が計上できた点については評価するところです。
また、令和元年度は基幹管路の耐震化や排水施設及び浄水施設の更新を計画的に実施し、上江別地区に災害時給水栓を新設し、市内8カ所の面的な整備が完了するなど、今後も市民生活にとって最も重要な生活インフラである安全な水道水を災害時も含めて安定的に供給していただくことを期待しております。
しかしながら、資金残高は年々減少していく見込みであることから、収益増加策や経費節減など、水道料金を今後も維持していただくためにも、これまで以上の努力を求めたいと思うところです。
次に、令和元年度の下水道事業については、江別市上下水道ビジョンの初年度として、安全で快適な生活環境を確保するために、計画に沿って管路整備や老朽施設の更新を実施しております。
下水道事業は、上水道と同じく人口減少等の要因から将来的には収益的収支が赤字に転じる見込みですが、下水道事業会計の運転資金確保のために上水道への出資を取りやめるなどの要因から、資金残高は増加していく見込みであります。
以上のことから、認定第1号 令和元年度江別市水道事業会計決算を認定に付することについて及び認定第2号 令和元年度江別市下水道事業会計決算を認定に付することについて、認定すべき立場での討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第1号及び認定第2号を起立により一括採決いたします。
認定第1号及び認定第2号は、委員長報告のとおり、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。
次に、認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
鈴木 誠君
認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、不認定の立場で討論いたします。
令和元年度の病院事業会計の決算は、純損失約10億8,120万8,000円、累積欠損金約111億9,144万9,000円、債務超過額約11億1,448万7,000円、年度末には運転資金の不足分13億円を一般会計から長期に借り入れるなど、平成30年度と同様に公営企業として末期的な状況と指摘せざるを得ません。
平成30年度当初から、現状のままでは収益的収支差し引きで赤字額が年間10億円を超え、年度末に運転資金が不足する事態となることは予測できていましたが、2年間にわたり実効性のある対策を打てなかったことは経営能力の欠如を指摘せざるを得ません。
また、一般会計からの繰入金14億円には、不採算医療を守るための経費が含まれていますが、守らなければならない救急医療の役割を十分に果たせていない状況が続いており、一般会計が巨額の負担をすることに市民が疑問を抱く結果となっております。
加えて、年度末に運転資金の不足分13億円を一般会計から長期に借り入れたことにより、見かけの上の資金不足比率を引き下げ、地方公共団体の財政の健全化に関する法律における経営健全化団体入りを回避することとなりましたが、令和2年度からの市立病院の経営再建に向けたロードマップの進捗は予断を許さない状況であり、経営健全化団体入りを回避する判断が間違いであったことが今後明らかになると考えられます。
今回の一連の決算審査で明らかになりました、過去からの診療収益や医師数などの推移を真摯に検証すれば、仮に医師を予定どおりに招聘できたとしても、市立病院の経営再建に向けたロードマップの示している収支均衡は非常に難しいことが示唆されていると言うことができます。
現時点では必ず達成しなければいけない目標と確認いただいている令和2年度の予算達成に向けて御努力いただいていることは理解しているところですが、今後の早い時期に、より抜本的な対策が必要となってくることを関係者全員が理解しなければならないと考えております。
現在、医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症への対応を行っていただいております、市立病院の医療従事者の皆さんに改めて感謝の意を申し上げます。
病院事業に対しては現下の経営状況を考慮すると、市民生活全体を守る観点から厳しい指摘をせざるを得ない点については御理解願いたいと考えます。
以上、認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算への不認定の討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
佐々木聖子君
認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、認定の立場で討論いたします。
令和元年度の病院事業収益は、54億5,500万円余りである一方、病院事業費用は65億3,400万円余りで、収益的収支差し引きで10億7,900万円余りの収支不足となり、また、年度内の一時借入金を返済するために、一般会計より13億円の運転資金を借り入れたものの、10億8,120万円余りの純損失を計上するなど厳しい経営状況が続いています。
5月に市内産婦人科医院が分娩受け入れを休止したことにより、市内唯一の分娩受け入れが可能な施設となったため、年間300件前後であった分娩件数は、診療体制が同等のまま500件を超えました。また、9月に開設した助産師外来では、妊娠中の悩みや不安を相談できると好評であったこと、10月から認知症看護師相談外来、12月には民間医療機関の協力により脳ドックを開始するなど、明るい兆しも見られました。
しかしながら、5月に消化器内科医1名、10月に総合内科医1名を採用したものの、12月に総合内科医が3名退職され、内科系医師の合計が10名となるなど内科系の診療体制を充実させることができませんでした。結果として、内科系医師が16名だった平成29年度には1,136名だった内科系の救急患者の受け入れ数は、420名とほぼ3分の1となり、また、平成28年に開設した地域包括ケア病棟も同様に、平成29年度には384名だった内科系の入院患者の受け入れ数が、151名とほぼ4割となるなど、収益改善の道のりは依然と険しいものです。
また、一般会計繰入金内訳の負担金6億6,000万円のうち救急医療、小児医療、精神病院運営経費など不採算部門への支出が約8割を占めること、消費税の負担額が1億8,000万円余りと、自助努力では削減が難しい経費が多いことも収支改善の足かせとなっていると言えます。
理事者質疑では、長年の課題である医師招聘の状況について質疑されましたが、臨床研修医制度により医師の派遣元である各医育大学の医局が、医師派遣の体制を整えることが難しく、短期間での結果を期待できなかったこと、機会を捉えてアプローチは続けたものの、医師を確保することがかなわなかったとのことです。
令和元年8月には、市立病院に求められる役割や診療体制、さらに、求められる医療を継続的に提供するための経営改善について、有識者、市民等を委員とする江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置し、本年2月に答申を受けました。令和2年度から令和4年度までを集中改革期間とし、数値目標の目安として行動プラン、市立病院の経営再建に向けたロードマップを3月に作成し取り組まれ、令和5年度での収支均衡を目指すとのことです。その進捗状況については適宜報告されることを求めます。
いずれにしましても、令和元年度の病院事業会計決算は、一般会計からの13億円の借り入れがなければ、資金不足比率が経営健全化基準の20%を超える大変危機的な経営状況となっており、今後、医師招聘を初めとした、収益改善に向けた、市立病院の経営再建に向けたロードマップの取り組みが達成されなければならないものと考えます。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で一般患者の受診抑制が全国的に広まる中、江別市立病院の再建への道のりは険しいものがあります。不採算医療と言われる救急医療、産婦人科、小児医療、精神科などを初めとして、市民の安心・安全な生活を守る地域医療を担う江別市立病院を再建するためにも、病院職員のみならず、全職員が共通の認識を持って、この難局に立ち向かうこと、また、市民に対しては、これまで以上にしっかりと情報を発信し、必要に応じて直接市民に説明する機会をつくることなどを求め、認定の討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
高橋典子君
認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、認定の立場から討論を行います。
令和元年度における市立病院の経営状況は、入院・外来ともに患者数の減少から、病院事業収益全体では前年度比6.1%減で3億5,275万4,280円の減となり、一方、病院事業費用全体では医師等職員数の減少による給与費の減、医薬品や診療材料の価格交渉等による削減、委託費の見直し等、前年度比6.0%減で4億1,288万5,060円の減と、担当課の御努力が伝わる内容ではありますが、10億8,120万8,342円の純損失を計上しています。
重要課題である内科系診療体制については、消化器内科医と総合内科医の計2名の医師の就任があったものの、12月に総合内科医が3名退職され、内科系診療科の入院や救急応需への対応が従前のようにはできない状態が続き、安定的な体制を構築することが急がれます。
医師の招聘に関して理事者質疑が行われ、内科系診療体制については従来どおり、総合内科と消化器、循環器等の専門内科の連携で進めることは変わらないこと、ただし、総合内科医の新専門医制度の導入で大学等では養成研修プログラムを変更するなどの現状から、総合内科医の確保が難しいため、まずは専門医の招聘を優先していきたいと説明されています。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申にも触れ、医師招聘は粘り強く続けていくことが重要との認識が示されており、理解するものです。
産婦人科に関しては、5月に市内の産婦人科医院の分娩受け入れが休止となったことから、当市立病院が唯一の分娩受け入れ施設となり、病床数をふやしたり助産師外来を開設したりするなど体制を強化し、懸命な努力をされてきたところです。産婦人科は不採算部門ではありますが、若い世代が転入してきている当市において、公立病院としての重要な役割を担っていると言えます。
地域包括ケア病棟の病床利用率等の推移に関しては、病院内での転棟だけでなく、民間医療機関との医療連携として積極的に受け入れていきたいと説明されています。病床利用率は令和元年度の年間平均では57.3%のところ、12月から3月は74.3%へとふえており、令和2年度での現状は63.5%と、増加傾向にあります。ただし、入院患者の約半数が内科系とのことで、内科医師の負担が危惧されること、さらには内科から外科、整形外科、精神科までさまざまな疾病、病態を持ち、しかも10歳代から90歳代以上と幅広い年齢層の方々へのケアが求められ、対応する看護体制については現場の状況を確認し、十分な配慮が必要です。
救急受け入れ患者数の推移では、医師の体制を反映してこの3年間で徐々に減少してきています。これまで後期研修医の方々の奮闘に支えられてきましたが、退職によって、平成30年度から外科系救急体制と同様になり、救急患者数の大幅な減少につながったとのこと。江別市の救急医療体制を守るために、改めて地域全体・市民全体で考えることと、具体的な検討が求められます。
また、精神科の救急受け入れはこの3年間で2倍以上にふえ、令和元年度では受診者22名のうち7名が入院となっています。道央圏の精神科救急医療体制の中で、当市立病院は後方病院、遠隔地域支援病院、合併症受け入れ協力病院にも指定されており、その重要性があらわれていると言えます。精神科救急の整備については、市立病院の役割も含め、病床数、看護体制などの検討が必要と考えます。
いずれにしても、令和元年度の経営状況は厳しく、年度末には一般会計から13億円の借り入れをしています。その結果、単年度資金収支は黒字となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、厳しい経営状況がさらに続いています。13億円の借り入れについては、補正予算の審査において、経営健全化団体となると国の指導を受けてその管理下で再建を目指すこととなり、必要とされる医療の提供に制限を受けるほか、起債の制限により市全体の事業の執行にも影響を及ぼすおそれがあると説明されており、議会において可決の判断をしたものです。過去に、地方財政再建促進特別措置法のもとでの準用再建を経験した当時のことを踏まえれば、経営健全化団体となることを避け、外部委員会による評価や進捗管理などのチェック体制を構築した上で、今後も地域に必要な医療を提供しながら自主再建を進めようとする取り組みは、市民の医療を守る立場から理解できるものです。
病院の経営においては、診療報酬の改定により、収入が左右されること、消費税の増税による控除対象外消費税によって医療機関の負担がさらに増すなど、国の政策の影響を大きく受けます。病院団体や医師会等は診療報酬にゼロ税率を導入し、医療機関の負担をなくすよう国に求めていますが、引き続き訴えていく必要があります。
特に新型コロナウイルス感染症の拡大のもとで、公立病院の果たす役割は大きいものがあります。経営的にはさらに厳しい状況でありますが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申で、江別市はもとより近隣市町村を含む診療圏域の医療提供において、重要な役割を担っていると評価される市立病院は、市民と周辺地域も含めた住民の医療を確保するため、全力で守らなければならないことを申し上げ、認定第3号について、認定すべき立場からの討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
裏 君子君
認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、認定すべき立場から討論いたします。
令和元年度は、5月に市内産婦人科医院の分娩受け入れが休止となり、市立病院が市内で唯一分娩受け入れ可能な施設となったため、外来や病棟の受け入れ態勢の強化を図りました。9月からは助産師外来を開設し、妊娠中の悩みや不安のケアを行うなど、市内で安心して出産できる環境の整備を積極的に行ってきました。さらに10月からは認知症看護相談外来、12月からは脳ドックを開始するなど、市民に寄り添い、地域に必要な医療の提供に努力し、収益確保に向けた新たな取り組みがなされました。
加えて材料費や委託料などの経費削減にも努力し、病院事業費用全体で約65億2,178万円、前年度と比較して6.0%、4億円余の減少となりました。しかしながら、最重要課題である医師確保による内科系診療体制の整備については、5月に消化器内科医1名を、10月に総合内科医1名を採用することができたものの、12月に総合内科医3名が退職するなど、当年度においても十分な体制整備を進めることができませんでした。結果、患者数・診療収益ともに計画を大きく下回り、病院事業収益全体では前年度に比べて6.1%、約3億5,275万円減少し、一般会計から運転資金として13億円の借り入れを行い、最終的には10億円余の純損失を計上するなど大変厳しい経営状況となりました。
こうした中、8月には江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会が設置され、市立病院が担うべき役割や経営改善について、さまざまな角度からの検討が行われました。本年2月には経営再建策に関する答申書が提出され、令和5年度での収支均衡を目指して市立病院の経営再建に向けたロードマップを作成し、実質的な経営再建がスタートしております。
この答申からも明らかなとおり、市立病院が担うべき医療の重点化を進めるとともに、安定した経営を実現していくためには、構築すべき診療体制を明確にした上で、これに合わせた医療従事者の確保、なかんずく内科系医師の招聘が、足元の最重要課題であります。これまでも医師確保については市長、病院長、病院事務局がさまざまな形で取り組みを進めてきたところですが、残念ながら、結果に結びついておりません。しかしながら、現在は、顧問職や専任部門の設置などの体制強化が図られており、具体的な動きができつつあるとのことです。また、理事者質疑において大学医局との継続的な関係構築がなかなかできてこなかったことを課題として挙げ、その克服に向けて現在の体制を最大限に生かした取り組みを進めていくとの答弁もございました。病院長、市長を中心として持てる力を総結集し、実効性のある医師招聘の取り組みがなされることを期待いたします。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、病院経営は非常に厳しく、なおかつ先が見えない混沌とした状況ですが、地域に密着した医療を提供し、地域の発展に貢献する市立病院として、断固として経営再建をなし遂げていただくことを要望し、認定第3号 令和元年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについて、認定すべき立場からの討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより認定第3号を起立により採決いたします。
認定第3号は、委員長報告のとおり、認定することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、認定することに決しました。
◎ 請願第1号及び陳情第3号
議長(角田 一君)
日程第12及び第13 請願第1号 骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種費用を助成する制度創設を求めることについて及び陳情第3号 新型コロナウイルス感染拡大における市民の健康を守るための対策を求めることについて、以上2件を一括議題といたします。
生活福祉常任委員長の報告を求めます。
生活福祉常任委員長(諏訪部容子君)
ただいま上程されました請願1件及び陳情1件につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
初めに、請願第1号 骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種費用を助成する制度創設を求めることについて申し上げます。
委員会では、請願者からの意見陳述の後、関係部局に対し、近隣市の実施状況のほか、助成制度に対する国の考え方及び動向や定期予防接種の種類と自費負担で再接種する場合の費用について、資料の提出を求め審査を進めてまいりました。
主な質疑の状況について申し上げますと、助成制度を設けている他市の対応状況についての質疑に対し、通常の定期接種においても、各自治体でワクチン接種後の副反応について事前説明を行っているが、再接種に対する独自の助成制度を設けている自治体では、過去にワクチンを接種したことがわかる母子手帳や医師の意見書の提出を求めて事前説明を行うなど、再接種の可否や副反応について理解していただいた上で、ワクチンの再接種に対して助成を行っていると認識していると答弁されております。
次に、討論の状況について申し上げますと、採択すべきとの立場の委員からは、ワクチンを再接種した場合の助成制度については、全国市長会や北海道市長会から国や北海道に対して要望されているほか、国の厚生科学審議会などで議論が交わされているが、検討には引き続き時間を要すると考える。
ワクチンの再接種に係る費用が自費負担となる現状では、再接種を必要とする患者やその家族の精神的、経済的負担は大きいと想像され、患者やその家族が安心して普通の生活を送るためにも、江別市においてワクチンの再接種に係る費用の助成制度を創設するべきであると考えることから、採択すべきと述べられております。
以上の討論の後、採決を行いました結果、請願第1号については、全員一致により、採択すべきものと決しております。
次に、陳情第3号 新型コロナウイルス感染拡大における市民の健康を守るための対策を求めることについて申し上げます。
委員会では、陳情者からの意見陳述の後、関係部局及び議会事務局に対し、市内医療機関における発熱外来の設置状況のほか、江別PCR検査センターの運営状況や国内における感染者差別禁止に関する条例の制定状況について、資料の提出を求め審査を進めてまいりました。
主な質疑の状況について申し上げますと、市から民間医療機関に対して発熱外来を設置するように働きかけることについての質疑があり、答弁では、市内において発熱外来を設置している民間医療機関はないものと認識しており、そのような状況の中で発熱外来を設置した場合にはその設置に伴う風評被害など、経営に与える影響が大きいことから、現状において民間医療機関に発熱外来の設置を促す働きかけを行うことは難しいものと考えると述べられております。
次に、討論の状況について申し上げますと、趣旨採択とすべき立場の委員からは、本陳情の三つの願意のうち、市内医療機関に発熱外来の設置を働きかけることについては、新型コロナウイルス感染症が拡大する可能性があることや、多大な経費が必要になることを考慮すると、直ちに発熱外来を設置することは困難であると考える。また、PCR検査センターの体制拡充については、市の取り組みにより、今後、陳情者の願意がかなえられると判断できるほか、感染者差別偏見防止条例の制定については、他の自治体において既に制定されている類似の条例が、いずれも罰則規定のない理念型の条例であることから、条例制定以外の手段も考慮して、差別と偏見のない社会の実現を目指していく必要があると考える。
陳情者の願意は十分理解できるが、さまざまな視点からの判断や対策が必要であると考えることから、趣旨採択とすべきと述べられております。
以上の討論の後、採決を行いました結果、陳情第3号については、全員一致により、趣旨採択とすべきものと決しております。
当委員会に付託されました請願第1号及び陳情第3号の審査の経過と結果については、以上のとおりであります。
よろしく御決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより生活福祉常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、生活福祉常任委員長報告を終結いたします。
これより請願第1号 骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種費用を助成する制度創設を求めることについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
岡 英彦君
請願第1号 骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種費用を助成する制度創設を求めることについて、採択すべき立場で討論します。
近年、医療関係者の努力や医療技術の向上により、小児白血病における骨髄移植等の治療が効果を上げてきています。骨髄移植等を受けた場合、それまでに獲得していた感染症などに対する抗体が失われるため、ワクチンを接種し直すことが不可欠ですが、国の予防接種法には何ら規定がない状態です。
請願者は、一度失った抗体を再接種するには全て自費診療となる現状において、江別市民として医師の診断のもと経済的負担を考慮することなく接種できることを強く望んでおり、市によるワクチン再接種費用の助成制度創設を求めております。
国の厚生科学審議会における議論では、再接種の考え方については多くの見解があり、国の予防接種の基本方針に再接種が含まれるか否かについては引き続き時間を要するものとなっています。
一方、多くの自治体が独自の助成制度を設けており、近隣市の実施状況としては札幌市、北広島市、岩見沢市で助成制度を設けていること、令和元年度実績で1市当たり年間1人から3人、助成額は7,500円から1万8,000円程度であることが明らかとなりました。
国の議論を待つ現状のままでは、江別市内の患者と、患者を抱える家族の精神的・経済的負担は大変大きいものであると想像します。江別市において、患者と患者を抱える家族の皆様が安心して普通の生活を送るためにも、江別市が再接種に係る費用負担を軽減するよう努めるべきであると考えます。
以上のことから、請願第1号 骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種費用を助成する制度創設を求めることについて、採択すべきとの討論といたします。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、請願第1号を採決いたします。
請願第1号は、委員長報告のとおり、採択することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、採択することに決しました。
次に、陳情第3号 新型コロナウイルス感染拡大における市民の健康を守るための対策を求めることについてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
清水直幸君
陳情第3号 新型コロナウイルス感染拡大における市民の健康を守るための対策を求めることについて、委員長報告のとおり趣旨採択の立場で討論いたします。
本陳情では、三つの視点についての要望がありました。
1点目は、市内医療機関に発熱専門外来を設置することであります。現在このような診療科をうたっている医療機関は江別市内にはありませんが、今回の新型コロナウイルス感染症対策に至る前から、医療機関に来院された方に何らかの感染症の疑いがある場合、隔離できる場所で待機するなど、他の患者との接触を最小限にする対策は、従前よりとられているものと思われます。改めてこのような診療科を設置することで、逆に新型コロナウイルスの感染者ではない発熱者に、感染が拡大してしまうのではないかという懸念があります。また、一般社団法人江別医師会では、一つ目に、すぐ病院やクリニックを受診するのではなく、まず受診予定の医療機関へ電話で相談してください。二つ目に、発熱が続いている場合は市の広報やニュースでも伝えられているように、先に北海道江別保健所に電話をし、症状、経過を確認してください、とアナウンスされております。やはり、むやみに医療機関へ行くことでのクラスター等の危険は否めなくなり、ひいては医療機関の崩壊を招きかねません。さらに、発熱外来を新設するためには、施設の改築、設備投資、人件費等多大な経費が必要になりますので、直ちに設置することは困難であると推測するものであります。
2点目は、江別PCR検査センターの検査実施日時を増加し、設置期間を令和3年3月末まで延長することとあります。今後の運営予定として、設置期間を令和3年3月31日まで、クラスター等の発生時は、日数と検体数をふやす予定との説明がありましたので、現状の取り組みで陳情者の願意はほぼかなえられていると思われます。よって、議会としてはこの体制の充実をしっかりと見守ることが責務であると考えます。
3点目は、感染者差別偏見防止条例を制定することとあります。陳情者は、条例制定を行い、何らかの罰則を与えることが必要であると主張されておりました。しかし、他の自治体の類似条例を見ると、差別や偏見に限ったものではなく、新型コロナウイルス感染症対策全般の条例となっていますし、罰則の規定はないということであります。また、その条例を新型コロナウイルス感染症だけに限ったものにしてよいのか、人権問題として広く差別や偏見を防いでいくような手だてが必要なのではないかと考えるものであります。今回のような場合、新型コロナウイルス感染症に対する恐怖や不安から、気づかないうちに人を傷つけたり、SNSなどの情報から人づてに表沙汰にされたり、事実と異なる情報が蔓延するなどといった特徴があります。
そのため、これらの不安が解消されることや、ウイルスに対する正しい知識を持つことが先決であると考えられます。条例制定だけではなく、お互いの人権が尊重され、差別と偏見のない社会実現を目指すことが責務であると考えるものであります。
これら3点の見解から、陳情者の要望・願意については十分理解できますが、つけ加えてさまざまな視点からの判断や対策の必要性が挙げられるため、陳情第3号 新型コロナウイルス感染拡大における市民の健康を守るための対策を求めることについて、趣旨採択の立場からの討論とさせていただきます。
議長(角田 一君)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、陳情第3号を採決いたします。
陳情第3号は、委員長報告のとおり、趣旨採択とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、趣旨採択とすることに決しました。
◎ 議案第100号
議長(角田 一君)
日程第14 議案第100号 損害賠償の額の決定についてを議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
水道部長(菊谷英俊君)
ただいま上程になりました議案第100号 損害賠償の額の決定について、提案理由を御説明申し上げます。
本件は、適切な内部加工が施されていない配水管内部のさびに起因する物的損害に係る損害賠償でありまして、令和2年8月26日付で、相手方と仮示談を締結いたしましたので、江別市水道事業及び公共下水道事業の設置等に関する条例第11条第2号の規定により、議会の議決を求めようとするものであります。
初めに、賠償金の額は164万6,105円であります。また、賠償の相手方は議案に記載のとおりであります。
次に、本件事故の経過概要を申し上げますと、平成29年6月7日に、相手方から浴槽に粒子状の黒い異物が流入する旨の連絡が入ったことを受け、水道部において水質検査等の調査を実施しましたが、原因の特定には至りませんでした。
その後も異物の流入が断続的に継続したことから、配水管の洗管作業などを行うと同時に原因の究明に向けた調査を継続してまいりました。
本年7月2日、相手方宅に近接する場所の配水管布設がえ工事の際、一部にさびの発生を防止する内部加工が施されていない規格外の管が使用されていたことが判明し、当該箇所からさびの発生が確認され、本件事故の原因の特定に至ったところであります。
この間、相手方において浴槽の汚損による取りかえ工事の実施や銭湯の利用などの不測の損害が発生したものであります。
このことを受けまして、損害賠償について、当市の顧問弁護士と協議の上、双方合意のもと、相手方と仮示談締結の運びとなったものであります。
水道部では安全で良質な水道水の安定的な供給に努めてまいりましたが、このような結果となりましたことを深くおわび申し上げます。
今後、このような事故が再び起こることのないよう、工事の検査を今まで以上に徹底するとともに、職員一丸となって全力で信頼回復に努めてまいる所存であります。
以上、提案理由を御説明申し上げましたので、よろしく御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより議案第100号 損害賠償の額の決定についてに対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第100号を採決いたします。
議案第100号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
◎ 議案第101号
議長(角田 一君)
議案第101号 令和2年度江別市水道事業会計補正予算(第3号)を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
水道部長(菊谷英俊君)
ただいま上程になりました議案第101号 令和2年度江別市水道事業会計補正予算(第3号)につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
今次補正は、先ほど議決をいただきました議案第100号 損害賠償の額の決定についてに関するもので、所要の増額措置を行うものであります。
予算書の7ページをお開き願います。
まず、収益的収入の1款水道事業収益でありますが、3項1目のその他特別利益は、損害賠償金に係る保険金収入159万6,000円を増額するものであります。
次に、収益的支出の1款水道事業費用でありますが、3項2目その他特別損失は、損害賠償金164万7,000円を増額するものであります。
この結果、1ページにお戻りいただきまして、第2条収益的収入及び支出の水道事業収益は159万6,000円を増額し、総額を26億4,782万4,000円に、水道事業費用は164万7,000円を増額し、総額を22億8,341万9,000円に改めるものであります。
以上、提案理由を御説明申し上げましたので、よろしく御審議の上、御決定賜りますようお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより議案第101号 令和2年度江別市水道事業会計補正予算(第3号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第101号を採決いたします。
議案第101号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
◎ 意見書案第5号ないし意見書案第8号
議長(角田 一君)
日程第16ないし第19 意見書案第5号 防災・減災、国土強靭化に向けた社会資本の整備等を求める意見書、意見書案第6号ドクターヘリの安定・持続的運用に対する支援の強化を求める意見書、意見書案第7号 新型コロナウイルス感染症対策における保健所の体制整備等を求める意見書及び意見書案第8号 新型コロナウイルス感染症対策の強化を求める意見書、以上4件を一括議題といたします。
提出者は、諏訪部議員、裏議員、鈴木議員、高橋議員、本間議員、宮本議員であります。
お諮りいたします。
上程中の意見書案第5号ないし意見書案第8号については、あらかじめ議会運営委員会と諮り、提案理由説明、質疑、委員会付託、討論を省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
引き続き、意見書案第5号ないし意見書案第8号を一括採決いたします。
意見書案第5号ないし意見書案第8号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
◎ 報告第26号
議長(角田 一君)
日程第20 報告第26号 令和元年度江別市一般会計の継続費精算報告についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。
総務部長(後藤好人君)
ただいま上程になりました報告第26号 令和元年度江別市一般会計の継続費精算報告について御報告申し上げます。
本件は、新栄団地建替事業につきまして、継続費設定事業の完了に伴い、地方自治法施行令第145条第2項の規定に基づき、御報告申し上げるものであります。
本事業は、平成30年度当初予算におきまして、令和元年度までの2カ年継続事業として御承認をいただき、平成31年第1回定例会で総額及び年割額の補正を行った新栄団地建てかえに伴うD棟建設に関するものであります。
事業内容といたしましては、建築工事を初め、電気設備、暖房排水衛生設備及び給水設備の各工事を2カ年かけて実施したものであります。
また、主要財源といたしましては、国庫支出金が4億8,233万6,000円、地方債が5億8,330万円、一般財源が9万3,960円となっており、合計では10億6,572万9,960円の実績となったものであります。
以上、御報告申し上げましたので、よろしくお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって、報告第26号を終結いたします。
◎ 報告第27号
議長(角田 一君)
日程第21 報告第27号 健全化判断比率の報告についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。
総務部長(後藤好人君)
ただいま上程になりました報告第27号 健全化判断比率の報告について御報告申し上げます。
本件は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、監査委員の審査に付し、御報告申し上げるものであります。
健全化判断比率は、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の四つの指標から成り、そのうち一つでも基準以上になりますと、早期健全化団体となるものであり、財政の健全化に向けて早期に是正を図ることで、地方財政の破綻を未然に防ぐことを目的としております。
令和元年度決算に基づく江別市の数値でありますが、実質赤字比率及び連結実質赤字比率は、前年度に引き続き、ともに黒字決算となりましたことから、比率としては、なしとなるものであります。
次に、実質公債費比率は7.1%となり、前年度に比べて1.0ポイント数値が改善いたしましたが、これは、公債費の元利償還金の減少などが、主な要因であります。
次に、将来負担比率は27.1%となり、前年度に比べて2.3ポイント数値が改善いたしましたが、これは、一般会計の起債残高や企業債残高の減少などが、主な要因であります。
いずれの指標も資料括弧書きの早期健全化基準を下回っているものであります。
以上、御報告申し上げましたので、よろしくお願い申し上げます。
議長(角田 一君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって、報告第27号を終結いたします。
◎ 各委員会所管事務調査について
議長(角田 一君)
日程第22 各委員会所管事務調査についてを議題といたします。
お諮りいたします。
閉会中における各委員会の所管事務調査について、議会運営委員長より次期議会の会期等運営についてを、総務文教常任委員長より総務・企画行政について、教育行政について、以上2件を、生活福祉常任委員長より生活環境行政について、保健・福祉行政について、消防行政について、病院事業について、以上4件を、経済建設常任委員長より農業行政について、商工観光行政について、建設行政について、上・下水道事業について、以上4件を、予算決算常任委員長より財政運営についてを、それぞれ閉会中調査したいので承認されたい旨の申し出がありました。これを承認することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
◎ 閉会宣告
議長(角田 一君)
今期定例会に付議されました事件は全て議了いたしました。
令和2年第3回江別市議会定例会はこれをもって閉会いたします。
午後 3時13分 閉会